Casitaを4年間使ってみて、我が家のP泊クルマに求めるものがかなり明快に分った。Casitaの至れり尽くせりの装備の中で使用頻度の高いものだけをセレクトすれば、もっとコンパクトで機動性の高いクルマでいいんじゃないか?それがこのダッちゃん改造の基本の“き”なのだ。全てが揃ったCasitaだけど、僕らがお出掛けする目的はCasitaを使うことではなくて、カヌーだったり登山だったり観光だったり。キャンプそのものを楽しむのではなく、あくまでキャンプは手段なわけで、お出掛けすれば必ず温泉に立ち寄るし、トイレや水場のない場所で泊まることなんて絶対ないわけだ。そうなるとCasitaの装備は“贅肉”となる場合が多い。また便利な装備の中にも使用するために大変な労力を要するもの、労力のわりに性能が低いものもあって、結果的に使わなくなったものも少なくなかった。そこで、ダッちゃんを改造するにあたり、必要なモノ&そうでないモノを選択することから始めたのだ。
必ず使ったもの...ベッド、室内灯、収納
時々使ったもの...FFヒーター、AC100V電源コンセント
ほとんど使わなかったもの...シャワー、コンロ、ボイラー
あまり使わなかったもの...サンルーフ、ダイネット
使ったけどなくても代用できるもの...シンク、トイレ、冷蔵庫
これらを省略しどうしても欲しいものを取り付けること。この選択が果たして正しかったのか?検証したいと思う。
●室内空間
フロントシートとセカンドシートの位置は全く動かさずに2段ベッドを展開した状態になるため、ミニマムながらパパの夜更かしスペースも確保出来る。つまり緊急時には(安全上は誉められたことではないけれど)ベッドで3人が寝てる状態のままでクルマの移動が可能というわけだ。クルマを停めてすぐに就寝、目覚めたらすぐに行動開始が出来る機動性が嬉しい。
●ベッド
セカンド&サードシートをフルフラットにした下段ダブルベッドはW1500mm×L2100mmとQueenサイズ相当なので広々。シートとしての出来はまずまずだけど、ベッドとしての使用をかなり考慮しているのか凸凹も少なくフルフラットになるし、硬過ぎず柔らか過ぎずで寝心地は抜群だ。オグショー製ワンオフの上段ベッドはW1300mm×L1820mmと子供や女性がふたり寝るには充分なサイズ。マットはTherm-a-rest2インチを基準に選択した硬さなので、マミーシュラフとの相性は抜群。我が家の子供たちには家の2段ベッドよりも寝心地が良いと評判。ベッドの組立は車外に出ることなく、ほんの30秒ほどで完了する単純な作業で、実に使いやすい。
●FFヒーター
超・寒がりの我が家にとってクルマで眠る最大の目的は暖かいこと。ダッちゃんのガソリンタンクから燃料を供給して燃焼するFFヒーターは欠かせない装備だ。どこにあるのか判らないほど小さなボディなのに、暖房能力は圧倒的とも言えるほどで、ものの10分で室温を10℃以上アップさせてくれるスグレモノだ。初動性能が高いので、先週、実際に寒冷地テストを行った結果で言えば、クルマのエンジンを止めてすぐにFFヒーターをONにすれば(もちろん車内設置なので走行中の使用も問題ない)、外気温が氷点下でも車内温度が20℃を下回ることはないし、外気温−8.2℃の状態でもミニマム運転で充分。当然ながらサーモスタット付きなので温度調整も容易。エンジン用と同じタンクから燃料を供給するのでヒーター単体の燃料消費率は不明だけども、一晩中付けっ放しにしてたのに今回のキャラバン全体の燃費は6.7km/Lとかなり良い結果になったので、カタログスペックの0.16-0.27L/h...つまり一晩で1〜2Lって数字はかなり正確なようだ。仮に燃料満タンで焚き続けると500〜850時間、つまり20〜35日間。8時間運転なら3ヶ月も持つ計算になる驚異の低燃費!欠点は...ちょっと高価なところかな?(笑)
●電源システム
ダッちゃんの電源システムは3系統。AC100Vにコンセントで繋ぐ外部電源、ソーラーパネルで発電する太陽光発電、そしてメインバッテリーの余剰電力を引く走行充電である。出来れば外部電源を使用しない、いわば電気の“自給自足”を目指したいところだけど、80Wのパネル一枚では、それは無理。将来的にもう一枚増やそうって思ってたところ...テストの結果、すでに自給自足できてることが判明。そう、走行充電を忘れてたのだ!一晩中FFヒーターを焚いて、室内灯を煌々と使って減った電気も、富士吉田から東名に乗る頃にはソーラーと走行充電で満充電完了し、AVモニターに表示される入力値は00.0Aに。一ヶ所に留まるキャンプなんてしない我が家、走ればノープロブレム。ガソリンさえ補給すれば永遠に電気が使えるシステムは本当に心強いのだ。...というわけで、ただ今狙ってるのは、12Vの湯沸かしポットとENGELの冷蔵庫(笑)。
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