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FLAME LAYOUT

 

 

 

 

[8/15-16山五十川玉杉・羽黒山][8/17月山・湯殿山][8/18男鹿水族館・白神山地十二湖]
[8/19岩木山・白神山地暗門ノ滝][8/20八幡平・小岩井農場][8/21中尊寺・日光〜8/22辰野枝垂れ栗]

 

 

 

 August.2006 part.3

 

 

 

8月15-22日 東北グランドキャラバン mission.3


白神山地・十二湖

8/18 男鹿半島周遊&白神山地・十二湖

 

秋田県男鹿半島の付け根、道の駅・てんのうで目覚めると、外は豪雨。ダッちゃんから外に出られないほどの大雨...というか、“尾鷲降り”と呼ばれる世界一の多雨地域・紀伊半島からやってきた僕らもこれまでに経験したことのないような雨(*のちに判明した事実によれば、この時の雨は観測史上最高の雨量で、北東北各地で床上浸水を含む甚大な被害が出たそうだ。)なので、しょうがなく車内で朝食。FRP製で比較的ラフな造りだったカシータはこれだけ降ると少し心配だったけど、アイアンルーフ...鉄の屋根を持ち、何と言っても現代のクルマであるダッちゃんは実に安心感がある。
ところが!しばらくすると...ん?雨漏り?そう雨漏り!なんとルーフベントから雨漏りでみるみるうちに天井の内張の雨染みが広がってゆく。外に出て状態を確認することは不可能なので、慌てて室内側部品を分解してタオルを天井に詰め込むしか方法がない。それまでの♪雨、雨、降れ降れも〜っと降れぇ〜♪な余裕は吹っ飛んで、僕らは実に心細い時間を過ごすことを余儀なくされる。初日の道の駅・信濃町の夜はいきなりDVDプレイヤーが故障して楽しみにしていた“ダッちゃんシアター”が中止。2日目は月山山頂でAzuのトレッキングシューズのソールが両足揃って剥がれるアクシデント、そして3日目はダッちゃんの雨漏り...と、それにしても今回の旅はアクシデント続きなのだ。ただ幸運にも、一連のアクシデントにもかかわらず、計画が何ひとつキャンセルになることなく、メッチャ楽しめているのが不思議だ。


潮瀬崎でゴジラ岩だけ見るつもりが...

魅力的な磯にハマってしまう僕ら(笑)

そんなわけで、今日は神社や山ばかりでそろそろ飽きてきてるであろうAzuのための一日。評判の良い水族館である秋田県立男鹿水族館GAOへと向かう。水族館ならば雨が降ってもノープロブレムだし、Azuも喜ぶに違いない...長期に及ぶキャラバンの場合、いわば“休養日”を適宜入れるのも楽しく過ごす秘訣なのである。

ダッちゃんの雨漏りを気にしつつ男鹿半島の素晴らしい景色を楽しみながらGAOに向かう。男鹿半島の南側を海沿いに西進すると潮瀬崎という岬の道路際に「ゴジラ岩」という看板が目に入る。ゴジラ岩...たぶんゴジラのカタチをした岩なんだろうけど、道路からそれらしい岩は見えないし...好奇心旺盛な我が家は海辺にダッちゃんを停めて、ちょうど潮が引いた磯に下りてゴジラ岩を探し始める。


まんま、ゴジラ岩

岩を乗り越え、タイドプールを飛び越えて岬の先端近くまで進んだとき、ゴジラ岩は僕らの目の前にその姿を現す。おおっ!ゴジラだぁ、間違いなく!これまでに数多くのこうした名前の付いた岩を見てきたけど、そのほとんどが「そう言われれば見えなくもないなぁ」レベルのもの。そんな中、熊野の獅子岩、隠岐のトカゲ岩に勝るとも劣らぬ“まんま”なカタチ(笑)。道路からではゴジラに見えないってところが何だか得した気分で、思わず記念写真を撮ってしまう僕らである。


男鹿半島には随所になまはげ像が

県立男鹿水族館「GAO」

ゴジラ岩の後、さらに男鹿半島を西へ。途中、ご当地モノである“なまはげ”の巨大な立像があるたびにクルマを停めていたので、GAOに着いたのは開館時刻を30分も過ぎた9:30。
決して規模が大きいわけではないけど、男鹿半島先端の素晴らしいロケーションに位置するとてもデザイン性に優れた施設と工夫された展示に感動。中でも子供たちにウケが良かったのは、水族館前の海中を再現した男鹿の海という大水槽と、やんちゃ盛りのシロクマくん。雨にもかかわらず実に楽しい時間を過ごすことが出来た。


デザインされた施設とセンスの良い展示スタイルが◎

何と言ってもこのロケーション!!


水族館前の海を再現した巨大水槽。美味しそうな魚が多い。


 


この外観を見たら入らずにはいられないでしょ?

GAOでのんびり過ごしているうちに昼前になってしまったので、昼食を食べようってことになった時、家族みんなが異口同音に叫んだのは『さっきのピンクのお店!』(笑)
GAOに来る途中にあったドライブイン風の謎の食堂である。前を通っただけで立ち寄るしかないだろっ!(笑)ってな強烈な外観。味がどうとか値段がどうとかこの際関係なし!面白がりの僕らの琴線ジャカジャカ触れまくりのお店の中身を絶対にこの目で確かめてみたい!そんなお店である。


良い意味でも悪い意味でもオーナーの個性炸裂!

イクラひと瓶入りのイクラ丼

ホントはなまはげラインを通って帰るはずだったのにあえて元来た道を折り返し、その海鮮料理のお店へ入る。ところが席についてみると予想外に高価...ちょっと後悔しなくもないけど、あのスッバラしいエクステリアの鑑賞代も含んでると思えば安いものかなってことで、女性陣はイクラひと瓶まるごと入ってるような強烈な海鮮丼(多すぎて気分悪くなるほど)、僕とMasaは鯛が一尾まるごとで具が丼からはみ出してる海鮮ラーメンを食べ胸焼けしながらお店をあとにする。


 


嵐のせいで誰も居ない十二湖のパーキング

白神の森へ

GAOを出てからずっと雨が止んでいたので、途中、ホームセンターの駐車場でダッちゃんの屋根に上ってルーフファンを分解して全てコーキングして修理完了。ところが、その直後に朝よりもさらにスゴイ雨に見舞われ、八郎潟沿いの道路は数十cm冠水。車高の低い乗用車が立ち往生している中を縫うように、地上最低高350mm(!)のダッちゃんはさらに北を目指す。

青森に入っても強い雨は止まず、午後の予定はキャンセルかなぁという諦めの気持ちで白神山地・十二湖へ。
ところが、現地に着いたら相変わらず風速20mを越える暴風は止まないものの雨は奇跡的に上がり、ほとんど人影のない十二湖の一番奥に位置する青池へ。


神秘的な色の青池

駐車場までは僕でも吹き飛ばされそうになるほどの風だけど、ブナの森に入るとほとんど風を感じることはなく、ブナの森の優しさを実感しながらほんの少しだけどトレッキングを楽しむ。駐車場から青池までは500mほどの道のり。


Masaが初めて「ここで泳ぐの怖い!」と言った(笑)

風で飛んで来た花をキャッチ!

熊野灘の海の色“Kumano's Blue”でも九龍島の“Kuroshiman Blue”でもない、初めて見る神秘的な青...曇り空とブナの緑に囲まれているのに、そこに存在するのが不自然な不思議な青に魅了された後、周辺の森に抱かれるような気持ちで散策を楽しむことができた。世界遺産のエリアは山深く、今日の天候と僕らの実力を考えると今日核心部分に近づくのは到底無理だけど、ほんの “さわり”とはいえ白神山地らしいブナの森をのんびり散策できて良かった良かった!


落ち葉で遊ぶAzu

暴風でも森の中は静かそのもの


悪天候が幸いして静かなブナの森を楽しめた

白神山地十二湖ハイキング 2.15km  所要時間00:43


 

青森西海岸は夕陽の名所。沖に見える雲塊は北海道

 


ふかせイカ焼き村で休憩

イカマニアのMasaもナットク!の柔らかさ

白神山地で本格的にトレッキングするチャンスはまだ明日にもあるしねってことで自分たちを納得させながら十二湖を後にした僕らは、日本海沿いに青森の西海岸を快適ドライブ。

ダッちゃんの左側の窓一面は海。雲間から射す西に傾いた太陽の一筋の光が海の一部を照らし、波に反射してまるでそこだけが金箔を貼ったように黄金色に輝いている。そしてその向こうには何故か恐怖感を感じるほどに発達した雲塊が山脈のようにそびえ、雲の麓には青く見える陸地...北海道だろうか?あまりにも壮大な光景に言葉を失う僕らだ。


金箔のように輝く海をバックに...イカ焼きを喰う

A.C.792年の地震で隆起して出来た千畳敷

静かに夕陽を眺める僕ら

...ではない。おいおい危ないって!

夕陽の名所である深浦海岸にあるイカ焼き村に立ち寄って、この世のものとは思えない柔らかさのイカ焼きを食べたり(三重県一のイカマニアなMasaはマジで感動の涙!)ナクヨウグイス...平安京遷都の2年前、西暦792年という地学的にはごく最近の地殻変動で突如海が2mも隆起して出来たという千畳敷という奇岩の名所でロッククライミングごっこや磯遊びをしたり夕陽を眺めたりしてたせいで、時計の針はもう18:00。


深浦海岸に沈む夕陽。ウミネコのシルエットが美しい

温泉マニアなMasa(色々な方面でマニアです...笑)が東北キャラバンで一番楽しみにしていた岩木山山麓の嶽(ダケ)温泉の日帰り入浴の最終19:00に間に合いそうもない(遊びすぎ...涙)。
どうしても嶽温泉に入浴したいMasa...どうする?

『じゃ、今夜は道の駅でのP泊を止めて嶽温泉のお宿で泊まりましょうよ。それなら温泉入り放題でしょ?』

おおっ、グッドアイデア!早速岩木山に向けて走る車内から携帯で嶽温泉一の老舗旅館「山楽」に空室の問い合わせ。人気の宿ながら平日ってこともあって幸運にも空部屋があることが判明し、即座に予約(...半時間前に予約と言えないよなぁ?)して一路、嶽温泉へ。


こんな風に“予約のない旅”は、逆にいえば“いつでも予約出来る旅”でもあるわけで...何もP泊やキャンプにこだわらずに予算とタイミングに合わせて、有名旅館であれ、行列の出来るお店であれ、携帯電話とカーナビさえあれば何でもOK!なのが行き当たりばっ旅の真骨頂だとも言えるし、僕が若い頃にハマったバックパッキングと共通する“自由さ”でもあると思う。

予約が取れたらラッキー!取れなかったら次の一手を考えればいいじゃん!小型テントをダッちゃんに代えて、僕らはいつでもどこでも眠れるバックパッカーなのだ。


嶽温泉「山楽」に飛び込み宿泊

何だか座敷が嬉しいっ!

岩木山への山道をクネクネと上ること弘前から一時間。湯治場の雰囲気が漂う鄙びた街道沿いに建つ、抜群の和風旅館「山楽」にチェックインした僕らは、古びてはいるけどとても掃除の行き届いた和室に通されてホッと一息。
久々に生ビールで乾杯した後、山菜や岩魚など岩木山ならではの質素だけど贅沢な夕食をいただき、念願だった嶽温泉の乳白色の素晴らしいお湯につかって旅の疲れを癒した。


野天風呂。深夜に家族揃って混浴(これはMasa)

雰囲気もお湯も最高!

深夜、Masaの偵察で誰もいないのを確認して家族で混浴露天風呂も楽しめたし、実に素敵な夜を過ごした僕らなのだった。
う〜ん、コンパクトなダッちゃんのベッドも隠れ家っぽくて嫌いじゃないけど、やっぱり糊の効いたシーツがキモチイイィィ〜!
歴史ある温泉街一の老舗旅館に泊って、エビスを2杯飲んで、スローな全部手作りの田舎料理を腹一杯食べて、野趣溢れる露天風呂につかり、窓からそよそよと入る涼風を感じながらぐっすり眠って、おひとり様¥7500(税込み&Azuはお刺身がないだけで子ども料金で半額)...東北はホントにいいトコである。

 

           

ダッちゃんとハヤブサ(たぶん)

 

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