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FLAME LAYOUT

 

CHAPTER 4 冬はまだなんだけど...

WINTER,1999

 

10月18日 ついに火が入る!! 先週前半までの暑さがウソのように週末から気温が下がり始めた。週末は野宴会のオフで河原でキャンプだったので、当然焚き火を楽しんで帰って来た。その雰囲気をそのままに何となく薪ストーブに火を入れようってことに。(外気温はまだ10〜15℃程度あるんだけど)
何しろ初めての火入れということでまずはマニュアルで復習。付属の日本語マニュアル(8ページしかない!)はごく簡単な内容であまり役に立ちそうもないので、分厚い英語マニュアルを読む。フムフムなるほど...。薪ストーブの先輩から「薪ストーブを上手く使いこなすコツは、『空気の流れを読むこと』だ。」とさんざん聞かされていたので、一応分解して構造を確かめてみることに。


日溜まり&薪ストーブの前は我が家の特等席

僕にとってテレビやパソコンは完全な「ブラックボックス」だけど、薪ストーブは実際に分解したら一目瞭然、部品ひとつひとつがその働きを象徴したようなカタチで非常に解りやすい作りだ。「つまり、空気取り入れ口(プライマリ・エア・コントロール)と煙突への出口(バイパス・ダンパー)に弁がついてて基本的にはこれを開閉して空気の流入・排出を調整すればいいわけだな。」分かったような分かってないような(笑)

ま、とりあえずやってみるか!ということで着火!う〜ん、良い感じだぁ。煙突の吸い込みもすごくて、あっと言う間にメラメラと燃え上がる。簡単簡単!これを失敗する人なんているの?って感じ。当然大げさな着火剤なんて必要なくてティッシュ1枚でいいんだもん。有難いことに薪の燃やし方や火の育て方(?)は、まるで焚き火と同じ。永年のキャンプ生活で身についている僕にとっては意識せずに感覚で操作できるのだ。ただ焚き火と大きく違うのは焚き火独特の良い臭いが全くしないこと。そしてドアを閉めると全くの無音というのも物足りない気がする。(ただ、今回は慣らし運転ということで燃やし過ぎに注意が必要だった。)

ただ問題はMama。一番の早起きはMamaなので彼女が薪ストーブに火を入れる機会が最も多いが、ふだんのキャンプでは焚き火を扱った経験に乏しいのでちゃんと扱えるかどうか...ところが、次の朝目覚めてびっくり。寝室までほんわりとあったかいのだ。まさか、と思いながら薪ストーブを見ると...ちゃ〜んと火が入ってるじゃないか!「何よ、もう。分解までして何だかややこしいことばかり言ってるから、もっと難しいのかと思ったわ。説明書どおりにやれば簡単じゃない!」と胸を張るMama。どうやらマニュアルに書いてある通りの薪を用意して、タイマーで時間まで計って着火したらしい(笑)
この後、Mamaはエアコントロールを絞って外出したり、Maakunに炎を見せて欲しいとせがまれて燃焼を強くしたり、と一日でほぼ薪ストーブの取り扱いをマスターしたようだ。「どうせ、これからは私の仕事なんだからちゃんと覚えないとね。」頼もしい限り。

 


 

10月19日 メンテナンス ストーブに火を入れるとこれまで興味のなかったメンテナンスも現実問題となってくる。今日は仕事のついでに薪ストーブ屋さん(ファイアーサイド)に立ち寄ってメンテナンス用品を物色した。まずは煙突に溜まったタールを乾燥させて燃焼室に自然に落下させるという添加材、¥4000。(タールをそのままにしておくとある日突然爆発的に燃え上がり火災をひき起こすという「煙道火災」を防ぐグッズだ。)そしてタールの多い針葉樹の薪や我が家のように乾燥が十分でない薪を燃やしたりするとすぐに煤で曇ってしまう前面ガラスを磨くクリーナーは驚きの¥2000。どうしてこんなに高いんだろって不満だけれど「薪ストーブ専用」って言葉に弱い初心者の悲しい性(笑)ホントは室内用の薪置きも購入するはずだったけど、所持金が不足で買えなかった。(悲しい...)

「クレジットカードでガラスクリーナーを買うなんてやっぱり変だわね。」Mamaのこの一言に思わず頷く僕。別荘でたまに使うんじゃなくて、我が家では毎日使うものだけにもう少しお安くならないものでしょうかねえ...。

 


 

 

 

10月20日 薪は増えつづける やっとストーブに火を入れたのだけれど、やっぱり薪の量が不安。でも、さんざん色々な場所で薪ストーブの話をしたおかげで週に一回は「雑木伐採したぞ!」コールが入るという嬉しい悲鳴だ。好調なペースで薪は増え続け約5コード(=code。薪の量の単位。1code=約3.6立米)概算で10t程度の薪が集まった。こうして幅12m、高さ2.2mの薪の壁の前に立つと「よくぞここまで!」と自分を褒めてあげたい気持ちになる。(それにしても何回あのクソ重いマジックアックスを振り上げたことだろう...)今になって何処かの本で読んだ(H・D・ソローの「森の生活」だったかな?)「人は誰もが一種の愛着をもって自らの薪山を見つめる。私はそれを窓辺に置くことを愛した。」という言葉に心から同感する僕であった。


別棟ガレージ西側(D12m×H2.2m)

ログハウスガレージ(D16m×H1.2m)

別棟ガレージ東側(D6m×H2.2m)

 


 

 

10月24日 重大な欠陥見つかる さほど寒くもないのに毎日ついつい薪ストーブに火を入れてしまう(笑)それでも秋が深まるとともに日に日に気温が下がってきている。昨夜の外気温は11℃とこの秋最高の冷え込みということで夕方から夜中までずっと焚きつづけたのだが...何気なく側面側の炉台に触ってビックリ!異常なほど過熱してるじゃないか!(触れない程熱い)熱伝導率0.5kcal/m.h.degとかなり低いレンガといえどもこの熱はログにも届いてるんだろうなぁ、なんて思うと居ても立ってもいられない程不安。(ちなみに銅は332、鉄は62.5、空気は0.022kcal/m.h.deg)

カヌー仲間でサンルームの建築をお手伝い頂いてる、そして薪ストーブ仲間でもあるTさんが初めて我が家に来てもらった際の最初の一言は「おいおい、この炉台ヤバくないか?」だったのだ。具体的に言うと可燃性の壁(我が家はログなので)と不燃材料の炉台は間に25mm程度の隙間をあけて空気層を設けるのが常識。(さきほど述べたように空気は熱伝導率が低いから)なのに我が家の炉台はその空気層がない(つまりレンガとログが密着している)。やっかいなことに木材というのは80℃程度であっても熱し続けると分子が緩やかな化学変化を起こして次第に炭化していく性質がある。

これを「低温炭化」と呼ぶんだけれど、炭化で済まずある日突然燃え上がったりしたら...薪ストーブによる火災は煙道火災に次いでこの低温炭化によるものが多いらしいのだ。うちのFA225スモールコンベクションヒーターは対流式なので背面はシールドが備わっているのだが、側面はシールドもなくかなり高温を発している。これはマジでヤバい!!そんなわけで、今日は炉台の改造に取りかかる。今日は建材屋が休みなので、近所のホームセンターで「焼きすぎレンガ」(55円也)を50丁購入し、既存のレンガ壁と25mmの距離を取りながらセメントで積み上げていく。本来なら横の方が安定して積み易いんだけれどスペースや見栄えの問題(横だとゴツイ感じ)で縦積みすることにする。

一応この手の仕事はプロなのでお手のもの(笑)だけど既に薪ストーブを設置してあるので、手が届かずかなり苦労した。約1時間でバッチリ完成!出来上がると次にどうしようか?なんて欲が出て来た僕は既存の壁と今回立ち上げた壁のてっぺんに30cm四方のテラコッタタイルの天板を載せて飾り棚を作ることに決めた。(勿論空気の抜けを良くするために空気穴を開けるつもり)新築の際ににしび〜に頂いた5インチダッチオーヴンを始め、友人Uからの南部鉄瓶や火鉢のなかで祖父が愛用していた鉄瓶などを並べて楽しむためだ。今日はとりあえずレンガを天板に見立てて鉄鍋、鉄瓶を並べてみる。う〜む、良い感じ!

 


 

10月26日 相変わらず薪作りは続く 昨日はまたまた薪の受け取り。いつもは丸太のまま自宅に降ろすのだけれど、住宅地なのでエンジンチェーンソー(以下CS)は使えない(騒音のため)ということで電気CSで玉切りすることになる。しかし一度エンジンCSの威力を知ってしまうと電気式のパワーの無さはまどろっこしくて我慢できないものだ。そこで掟破りの作戦に出た。
その作戦とは、近所の河原の片隅に丸太を降ろし、そこでエンジンCSを思う存分使おうという、題して「国有地有効利用大作戦」(笑)トラックに載せた1.58t(遠回りして重量計に載ったのでかなり正確)をガラガラと河原に降ろし、仕事が終わってからの約1時間(日暮れ後はトラックのヘッドライトでの作業)を2日間で全てを玉切りし終わった。エンジンCSはやっぱりすごい!


全てクヌギ 1.58t

 


 

10月31日 温度計に戸惑う ストーブを使い始めて10日。いまだに分からないのが温度管理だ。マニュアルには点火時の温度管理については書いてあるのだけれど、運転中は何度ぐらいで維持したら良いか書いてない!薪ストーブ屋さんで訊ねると「そうだなあ、250℃以下にしないとクラックが入ったりするよ。」などと恐ろしい答え。確かにマグネットで後付けのストーブトップの温度計の「Best Operation」は110℃〜250℃だけど内蔵の二次燃焼室温度計の「Normal Range」は250℃〜800℃だし...

でも細い薪1本を目一杯空気を絞っても、すぐに内蔵温度計は250℃を超えてしまうし...。右の写真でも分かるように左は110℃、右は200℃と2つの温度計は全く違う値を示してて困ってしまうのです。(中程度の薪を1本燃やして1時間。オキ火になってそろそろもう一本薪を足さなきゃって状態)たぶん、薪ストーブ屋さんの言ってる数値は左のストーブトップの温度のことなんだろうなあ...と理解しつつもかなり不安。

ストーブトップに後付けした温度計110℃
内蔵の二次燃焼室温度計200℃

 


 

11月1日 ダッチウエストジャパンは親切なのだ。 温度管理が良くわからない僕。でもただ戸惑ってるばかりじゃ解決しないってことで帯広のダッチウエストジャパンにメールで問い合わせ。すると即日電話で回答が。
「後付けの温度計がグリドルの表面温度を表示するのに対して、基本的にプローブ温度計は二次燃焼室内の温度を表示しますのでその両者に差異が生じるのは当たり前なのです。ダンパーを閉じる温度、つまり232℃というのはキャタリティックコンバスタ−が機能し始める温度ですので、通常はプローブ温度計で400℃〜600℃で運転いただければ最も効率が良いはずです。」う〜ん、なんとも分かり易くて的確なお答え!恐れ入りました。これから安心して燃やせるぞ!!

 


 

11月3日 故郷で薪をゲット! 今日は久々に故郷での仕事。今日はニジマス釣り解禁ということで地元総出の大釣り大会の様相(笑)「なんやぁ、あきちゃん、仕事かあ?あんたも権利あるんやで釣りしたらええのに!」と町会議員さん。朝から81匹釣り上げた人もいるぐらいでみんなニコニコ。仕事が終わって何気なく山の斜面を見上げると新しい道路の工事中。「あれ?何か出来るの?」「新しい公民館がな...。」「あの山って雑木林やよなあ。」「そやけど、なんで?」「いや、実は...」
事情を話すと自治会長さんは二つ返事で薪を採集にOKの返事。ほとんどが椎の木だけど直径5〜60cmクラスが多分数十本はある。「処分に困っとったさかい、ありがたいわ。」仕事帰りということで15分程度しか時間がなかったけど2tトラックに半分ぐらいの薪をゲット。今度の休日には本格的に取りにいかなくっちゃ。故郷は何かと有難い...。


 

11月5日 名刺を作る クルマを運転してるとはよく見かける工事現場。特に山間部では雑木林を切り開いて道路を通したり、拡張工事をしたりという場面を良く見かける。たまたま休憩中だったり現場監督さんらしき人がいたりする時は、なるべく声をかけるようにしてるんだけど、ユンボが動いて作業員さんたちが忙しそうに働いてる最中に「実は薪ストーブの燃料を探してまして...。」なんてなかなか切り出せないものだ。それに伐採済みの広葉樹が広場に積み上げてあってその横で焼却処分してるような場面では誰もいなかったりするわけで声をかけようがない...。そんな時のために今回作ったのが右の名刺。最寄りの作業員さんに監督に渡してもらうように頼んだり、無人の現場では重機のドアにはさんだりして、薪集めをしてる旨を伝えることが出来るスグレモノ(自画自賛)実際複数の建設会社から電話がかかってきたし(残念ながら時間がなくて取りには行けなかったけど)なかには「今後、伐採したらうちの資材置場に積んどくから好きな時にとりにおいで。」なんて親切な会社もあったりして効果絶大なのだ。


 

11月7日 故郷で薪をゲット!その2 今日は午前中は仕事。昼食を済ませてから2tダンプに乗り換えて故郷の公民館建設現場へ。もちろん、薪をゲットするためだ。急な斜面に7月に伐採したまま放置されてる椎の木を自分が落下しないよう注意しながら新しい道路へ滑り落とす。しかし斜度30°以上の急斜面でのチェーンソーワークの上に散らかりっぱなしの枝に足を取られ、なかなか大変な作業。しかも椎の木はほとんどが直径50cm超で長さは10m以上とヘビ−級。危ないなあ、なんて思ってたら案の上事故発生!!


スキーのジャンプじゃないっての(怖ぁ〜)

さあ、薪割りの始まりだ!

枝を切り落としたら丸太が急に滑り出して、おおっって驚いてたら丸太の先にももう一本太い枝が!いきなり背後から足に枝のラリアート(笑)丸太と一緒にチェーンソー抱えたまま20mの滑落!その上ブロックでバウンドして道路まで落下(!)ほんの十秒程度の出来事なのに何分にも感じるイヤ〜な時間。足は丸太に挟まってるし、ヘルメットの後頭部がガンガン岩にぶつかって鈍い音が響いてるし...。とっさのことながらチェーンソーの緊急ブレーキが効いて顔をえぐられることはなかったけど...。結果論だけど長袖、長ズボン、ケブラ−&皮手袋、ハイカット安全靴、ポリカのゴーグル、そしてヘルメット...フル装備だったのと着地点に葉っぱのついたままの枝が山積みだったのが幸いして怪我ひとつなし。(野宴会印のヘルメットはクラックが入って傷だらけになったけど)それにしても怖かったぁ。(写真で見ると無傷が奇跡的だなあ。左下に写ってるパワーショベルと比べるとスゴイ高さだ!)
最近はチェーンソーにも慣れ、どうしても油断しがちだっただけに今回の一件はとても良い教訓になった。もし万一怪我でもしてたらだれもいない山の中で(勿論携帯電話は全く使えない)救助されるのをひたすら待つだけという非常にヤバい状況になっていたかもしれないもんね。


これだけの量だと休憩しないと辛い

新しい薪山(D5m×H1.8m)

これからも森林組合のみんなに「大げさな装備やなあ。」などと揶揄されても絶対にフル装備で作業に当たろうと決意を新たにした僕であった。何しろ僕は素人木こりなわけで、プロの人たちのように技術があるわけでも経験があるわけでもないんだから...。
2時間ほどでダンプ満載の玉切された薪が集まったので、自宅へ戻ることにする。自宅ガレージにダンプでガラガラっと降ろして、薪割り開始。ディレクターズチェアを出して休み休みに割ったけど、約1時間半で全てを割り終えた。全てを積み上げると思いの他たっぷりの量。(3.6m2=1code)いつものように今日の仕事の成果を眺めながら缶ビールのプルトップを起こす。う〜ん極楽極楽(笑)


 

11月8日 薪ストーブな日々 ここのところ毎日ストーブに火を入れてるおかげで、使い方はもちろん薪の量についてもなんとなく見通しがつくようになって来た。通常、火を入れるのは夕方の5時から。手順は次の通り。(かなり自己流なのでベテランの方には笑われるかも...笑)

  • 夕方5時、太い薪を2本平行に並べ、その間に着火用の新聞紙半ページを丸めたもの、そして太い薪の上に細い焚き付けを4〜5本並べ、そのまた上に太い薪を1本載せる。
  • ダンパーと灰受けドアを開放して着火。すぐにサイドローディングドアを閉める。ドアを閉めるとすぐに煙突の激しい吸い込みで下の写真のように激しく燃え上がる。5分ぐらいで灰受けドアを閉じてプライマリ・エア・コントロール(一時空気取入れ口)を全開にする。

着火直後

着火5分後(灰受けドア&ダンパーOPEN)
  • 10分ぐらいでプローブ温度計が動き始める。焚き付けが完全に熾き火になったのを確認してダンパーを閉じ、セカンダリ・エア・コントロ−ル(二次空気取入れ口)を開ける。30分ぐらいで200℃を超えるのでプライマリ・エア・コントロールを少し絞る。
  • 後はプローブ温度計に注意しながら400℃〜600℃の範囲で燃やし続ける。暑いな、と思ったらプライマリ・エア・コントロールを閉じ、寒いな、と思ったら開ける。(天板の温度計読みで150℃〜250℃を維持すればちょうどいい感じ)
  • 現在の気温の場合、始めの3本の薪で深夜0時まで燃え続けるので、寝る前にもう一本追加してエアコントロールを全てギリギリまで絞っておく。
  • 夜中にほとんど燃え尽きているのだけれど、朝6時でもまだ熾き火が少し残っていてストーブは熱い。まだまだ外気温が10℃程度なのだけど、朝6時の室温は20℃を超えている。ここで太い薪を2本加え、プライマリ・エア・コントロールを全開にして再び温度を上げる。まだ余熱が残っているので15分程度で温度計は200℃を超える。
  • 8時ごろまで400℃程度で燃やし、あとは外出前にエア・コントロールを完全に閉じて1日の燃焼が終了。夕方灰受け皿を掃除するのを忘れずに!

だいたいこんな感じなんだけど、現在の気温で1日の薪消費量は左上の写真程度。外気温が高いのでかなり空気を絞ってじわじわ焚いてるからか意外と少ない。でもたとえ真冬になっても、この地方は氷点下になる日が数日しかないので、この倍の20kgもあれば充分のような感じがする。それなら20kg×30日×5ヶ月=3t。たった3tしか必要じゃない!?3tだったら丸1日真剣に頑張れば集まる量なわけで、薪ストーブの燃料集めって言われてるほど大変なことじゃないなって肩すかしな感じだ。(それじゃこの半年で夢中になって集めた12tの薪は4年ぶんってことか?)


これが1日(8時間)の消費量

約10kg足らず

 


 

11月9日 嬉しい悲鳴 先日から配りまくってる「広葉樹引き取ります」の名刺は5日間で20枚!昨日あたりから携帯電話が鳴りっぱなしなのである。今日は午前に2回、午後3回(驚き!)「クヌギ10tダンプに1車あるんだけど...」と農業用ため池を工事中のとある建設会社から。「サクラの立ち枯れ30本どう?」と公園管理の下請け会社...。いくらなんでも仕事だけはしなくちゃなんないからすぐに取りに行くわけには...。夏なら日暮れが遅いので仕事終わってからでも充分な時間があるけど、この時期帰宅する頃にはもう真っ暗だしかなりのジレンマを感じる。しかし断わってばかりではもう二度と声をかけてもらえなくなるので「申し訳ないですけど今度の日曜までにはなんとか時間を作りますので...」と平身低頭謝るしかない。「ダメダメ、今すぐじゃないと産廃に持ち込むよ。埋め立てしないといけないんだから...。」なんて声を断腸の思いで聞くしかないのが辛いところ。
そんな中、朝一番に電話をかけてきてくれたA建設の現場監督さんはちょっと違った。「いやあ、今日中に引き取ってもらわないと困るんだよね。」「そこをなんとか...」「ダンプ通すから邪魔だしなあ。」「今度の日曜なら...。」「何センチに小切る(こぎる)の?」「え?」「だからストーブは何センチの薪が入るの?」「40cmぐらいなんですけど。」「じゃ、切っといてあげるよ。」「え?」「40cmに小切っといてあげるから、夕方取りにいらっしゃい。ユンボで積込んであげるから。」
ちょっと早めに仕事を切り上げて、T建設の現場でクヌギを1t程度玉切〜積込みを済ませた(ここは椎茸栽培農家と競合したため「早いもの勝ち」だったのだ)あと、暗闇の中A建設の現場に向かう。現場では監督さんと重機オペレータさんが待っていてくれて、ぴったり40cmに玉切された樫を手際良くトラックに積込んでくれたのだった。「最近野焼きするとすぐに通報されてエライことになるし、お金払って産廃に持ってくしかないから、正直言ってうちも助かるんだよね。ありがとうね。」あっけにとられる僕はそれでも途中のコンビニで買った熱い缶コーヒーと一升瓶の酒を手渡して丁寧にお礼を言って帰宅した。「いや、ゴミ引き取ってもらった上にこんなモノもらって悪いねえ(笑)」いやはや「薪割り人」の僕にとってすごく貴重な広葉樹の伐採済み丸太は一般には「ただのゴミ」だったってことだ。ちょっと複雑な気分...。

 


 

11月12日 くつろぎの時間 壮絶で忙しい薪集めとは違い、ストーブに火を入れると穏やかでゆったりとした時間が流れる。ストーブトップのグリドルはそれほどの火力はないもののパーコレイタでコーヒーを煎れるには最適。無音のストーブの上でポコポコと平和な音が響く。知人からもらったサツマイモをアルミホイルに包んで灰受けトレイに放り込めば、約20分で焼きイモの出来上がり。う〜ん、何もしたくなくなっちゃうなあ...ふと隣を見れば、猫のChichoも大胆な姿で安眠中(笑)

 

 

    

 


 

 

 

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