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FLAME LAYOUT

 

CHAPTER 3 冬はまだか?

AUTUMN,1999

 


右側の太い薪が今回のクヌギ

9月2日 玉切は続く。先日買ったクヌギの丸太1.44トンはこの2日間で2/3ほど玉切りできた。でもさすがに電動チェーンソーでの玉切りは疲れるのだ。疲れた時は積み上げた薪の前でビールでも飲みながら成果を確かめて自己満足するに限る(笑)幅9m高さ2.2mの薪の壁は圧倒的な存在感で僕の疲れを癒してくれるのだ。今日はログハウスのガレージに屋根を取り付ける作業も始まったので、この薪がログハウスの周囲をぐるりと取り囲む日も近い。(これでもNさんに2ヶ月分ぐらいかな?なんて言われてガックリ...涙)

 


 

9月4日 最高の割り心地(笑) チップ工場で手に入れた薪は結局玉切りに3日間かかってしまった。ま、仕事終わっての1時間だから仕方ないんだけどね。今日は早速それをお待ちかねの薪割り。さて、いよいよ一本目...バコーン!いつもより何となく湿った感じの音が響いて40cm級の薪は見事にまっ二つ。いやぁ、割りやすい!伐採から2ヶ月程度のほとんど生木の状態だからか次々に割れて行く。横で見ていたMaakunも持ち上げるのが精一杯のマジックアックスは無理にしても、軽い斧でやってみると...素直で細いものながらしっかり半分に!「うわぁ割れちゃったよ。」嬉しそうなMaakun。「PAPAってさあ、まえに薪割りができるようになったら一人前だっていってたよねぇ。」「う、うん...」小一時間で約500kg(買った薪の1/3)の薪割り完了。伐採から時間を置かずに薪割りすることの大切さを痛感したのだった。


Photo by Maakun

 


 

9月6日 薪割り完了 玉切りしたまま放っておいた分を全て割って積み上げた。これまでの分に加えてまた新たな薪の壁が...。幅5m高さ2m。それにしてもチップ工場で手に入れた薪は素直で効率良く割れるのにびっくりなのだ。電動チェーンソーの切れ味が落ちてきたので目立てにチャレンジ。これまでは何となく恐くて(素人が下手に手を出すと、余計に切れ味が鈍る!なんて脅かされてた...笑)近所の目立て屋さんに出してたのだけれど...。チェーンソーのバーを特製の台に固定してヤスリを指定の角度通り一方通行で擦ってゆく...な〜んだ簡単じゃないの!ホームセンターに行くと各種目立てツール(電動のものまで!)が並んでて、それがまた複雑な構造なので、それを見ただけで「目立てって難しいんだ!」などと勝手に思ってたけれどやってみると意外と簡単。


第3の薪の壁(1.44t)

ただ、僕は普段からナイフや鎌、包丁などを暇さえあれば研いでるので「研ぐ」ことに慣れてたからかもしれないけどね。でも、実際に切れ味を試すまでは何となく不安なのは事実。恐る恐るスイッチを入れて丸太にバーを当ててみると...「うわっはっはっは!食い込みバツグン!」などとひとりで叫んでしまう程の効果が!これまで右手を支点にして左手に力を込めないと歯が入らなかったのに、目立て後はひとりでに食い込んで行くんだもんね。嬉しくなって会社の倉庫の隅で眠ってた旧型電気チェ−ンソ−も徹底的にメンテ&目立てしてみたら、見事復活。これでチェーンソー3台所有となってジェイソンaki状態...笑(映画「13日の金曜日」のね...)

 


 

 

9月19日 薪置き場を増設 ガレージのトユがついて完成したのを機にガレージに薪置き場を増設することにした。現在3ケ所の薪置き場を確保しているけれど、もうすでにどこも一杯!新しい置き場が必要なのだ。柱の間隔は2.7mなので、それに合わせてログハウスの余剰材の2×4SPF材を使って幅2.7m高さ1.2mの棚を3つ作った(合計幅8.1m)。難しかったのはガレージの地面が奥から手前に向かってかなり傾斜してるので、水平を出さなければならなかった点。ちょっと大袈裟だけど、PENTAXの全自動水準器で一応測量してレベルを確認後組み立てを行なった。ガレージの屋根の下なのでめったに雨が当たることはないのだけれど、横なぐりの雨に備えて簡易の屋根も取りつけ、一応プラスティック製のトユも買ってきてとりつけたので雨対策は完全なのだ。


左が薪置き場、中央には薪が散らばっている

屋根部分

本体が完成した後は、生木を置くという木製品にとっては最悪の条件のため塗装を念入りに。木の部分はいつものようにガードラック白木色を二度塗りして仕上げた。完成してみるとガレージがシステマティックな感じになって、しかも隣家の味気ないコンクリートのよう壁が隠れて良い感じ。
薪置き場が出来上がったところで、ログハウスの余剰材のなかで変色したりキズがついたりしたものを焚き付け用の薪にすべく薪割り。(コンクリートの床に桁を置いて、その上紫外線防止のシートをかけて保管しているとはいえ、すでにかなりの材木が変色したりカビが生えたりして建築には使用不可となってきている。)パインやスプルースは低温で燃やしたり不完全燃焼させるとタールが出やすいので無塗装で薬品を含んでなさそうなものを選んで鉈で直径3cm以下に細かく割った。普段割ってる広葉樹とは違って、まるで力の必要ない薪割りはなんだか拍子抜け(...だけど楽しい)。ついつい夢中になって7時間以上も連続してやってしまい、家族のヒンシュクを買ってしまった(笑)

 


 

9月20日 新薪置き場に薪を搬入 置き場を造ると中身を入れたくなるのが人情。とりあえず雨の当たる場所に置かれた薪を一輪車を使って運び込む。しかしログハウスに隣接した場所ともなれば、ついつい「選りすぐり」の形の良い薪を並べてしまうのだった(笑)。別棟の薪置き場は高さ制限がないので2.5mもの高さまで積み上げられているけど、この新しい置き場は隣家への遠慮もあって1.2mどまり。見る間に一杯になってしまい、かなりがっかりである。
今日は行きつけのホームセンターでSaw Buddyなる商品を発見。簡単にいうとチェーンソーで丸太を玉切りする際の台なのだ。こんなもん、自分で作ればいいさ!なんて思ってたけど、説明書を見ていっぺんに気に入った。

こいつの優れたところは、×状の脚の耐荷重800lbs!しかも丸太を載せる部分には滑止めの溝が掘込まれていて、万一チェーンソーのバーが触れてもチップを傷めない材質らしい。また、クロスバーが2×4材なので好みの長さに自作できるのだ。つまり長い丸太の時はクロスバーを長く、薪の長さに切る時は短くすることができるし、スクリューを緩めれてクロスバーを外せば簡単に分解して折畳める!しかもチェーンソーでクロスバーを痛めてしまったら即、交換すればいいし...。アメリカ・DURA-BULL社製¥3500

 


 

9月26日 夕方の薪拾い 今日はMaakunの運動会。台風一過、久々の晴天だけど当然カヌーにも行けないし薪拾いも出来ない。空気も多少ひんやりして薪拾いやカヌーに絶好の日和なんだけどなあ...。
ところが運動会が終わったら我慢できない(笑)午後4時、「ちょっと山へ行って来る...」日暮れまでのほんの1時間が勿体無く感じる重度の「薪依存症」なのだ。早速作業着に着替え、チェーンソーの簡単なメンテを行なった後、2tダンプで山へ...。

5時前に山に着くと前より丸太の本数が増えてる!ふと見るとNさんが農作業中だ。「また雑木を運んどいたからね。頑張って薪割りするように!」Nさんに励まされチェーンソーに火を入れると、ただひたすらに丸太を玉切り。約30分で玉切りを終えてダンプに積込み、午後6時帰宅。とんでもなく慌ただしいのだけれど、それでも↑これだけ玉切りすることができた。これで2〜3日は薪割りが楽しめそう。
一方焚き付け用の建築材の薪はみるみる増えて置き場に困る状態。細かく割ったので持ち運びが不便!ということで縄で縛って小分けした。それでもまだまだ扱いづらいので薪運搬用の一輪車を購入。農業資材のスーパーで¥4980で買った、ただの一輪車だけれど、オレンジ色のホイールを白に塗ったらなんとなくガーデニングショップなんかで売ってる1万円以上するモノみたいな雰囲気...しないか?(笑)

 


 

9月29日 またまた薪割り 今日は日曜に玉切りした丸太を薪割り。乾燥を早めるためいつもより細く割る必要があるのだが、さすがに生木に近いので割るのは簡単。小一時間で全て割り終えた。それにしても薪割りをしてると通行人に声をかけられることが多い。

「何してるの?」って興味津々の人や「いまさら不便な薪なんぞ燃やして...ご苦労なこった」という感じの否定的な人。中でも多いのが「薪割り?懐かしいわあ!」という懐古派(笑)「そうやって薪割りしてるとなんだか幼虫が出て来て。それを焼いて食べると美味しいわよぉ。甘くて香ばしくて...まるでピーナッツバターみたいな味...」そんな話をしてたら長さ10cmほどの白いミシュランのビバンダムみたいな姿の幼虫が出て来た!ひえ〜っ!Maakun曰く、「あっ、それってクワガタの幼虫だぁ!」「食ってみるか?」「うん!」うん、って言われても困るんだけどオーストラリアでアリ塚のアリを食べまくった「アリの敵@Maakun」はホントに食べそうな雰囲気。「早く焼いてよ!」おいおい。


ガレージの薪

玉切した薪を割ると...

これだけの量になる

 


 

10月3日 今日も薪拾い 今日は娘のAzuの運動会。幼稚園は午前中で終わるので、再び山へ。昨日チェーンソーのエアクリーナーの掃除&目立て、そしてプラグを磨いたので自慢の愛機はすこぶるご機嫌なのだ。直径70cmの樫も見る間に玉切り出来ていく。ほんの2時間程度の作業で2tダンプの荷台はほぼ一杯。家に戻ってからはチェーンソーをマジックアックスに持ち替えて薪割りだ。だんだん慣れてきたからか、この一連の作業で出来る薪の量が以前の倍近くになってきた。(あんなに重く感じたマジックアックスが軽く感じるもんね。)最近腕時計のベルトを以前より2段階緩めないとキツくなってきてて、もしや?と思いながらも試しに計ってみたら、ここ十数年変化が無かった胸囲が5cmも大きくなってる!めざせ100cm!(うそみたい)「ブルーワーカーより薪割り」これホント。(笑)

今日の成果は目分量で約1t。これで全部で約5tの薪が集まったことになるのだが...Yさんによると3ヶ月分(涙)


クルマを入れても邪魔にならない薪置き場

 


 

10月10日 立ち木を切り倒す! いつもの友人Uからメール。「立ち枯れのクヌギがあるけど、切り倒してみない?」「ぜひぜひ!」...というわけで今日は朝から木こりなのだ。朝9時に待ち合わせて現地到着。広々とした野原に立つ一本のクヌギ。周りに他の木がないからか枝ぶりが見事だ。ここは野原に見えて実は埋め立て地。本来の根元から2mもの置土をしたために木が水分を汲み上げる機能に支障をきたして枯れてしまったようだ。このまま放置して万一写真左側の牛舎に被害を与えてはいけないということで伐採することになったわけだ。
伐採に取りかかる前にトラックとクヌギをロープで繋ぐ(牛舎方向に誤って倒れないように)。そして伐採のセオリーに従って根元にチェーンソーを入れる。おっと、記念に切り倒す作業をデジカメで撮っておこうかな、などとファインダーを覗くと...「うわっ、危ないっ!!!」「え?」なんだか分からないままとりあえず全速力で走る。メリッ、バッサーンッ!...いきなり倒れてしまった。生木ならチェーンソーで切り残した部分に弾力性(...というか粘り)があって倒れないのに多少乾燥が進んでるこの木はいきなり弾けるように折れてしまったのだ!「ふうっ、命拾いだ!」


枝ぶりが見事だけど葉っぱが全然ないクヌギ

MaakunとAzuも家族の一員だからね

クヌギを倒したところで最大の危険は過ぎたので、Mamaと子供達を携帯電話で呼び寄せる。「チェーンソーエリア」では僕とUが2台のSTIHLを使ってひたすら玉切り。そして少し離れた「ノコギリエリア」ではMamaと子供達が細い枝を切り揃えてゆく(作業はあんまり進まないけど、「参加することに意義がある」からね...笑)昼食をとるのも忘れて玉切りに励んで、13:00まで完了。
午後からはトラックに積込んだのだが、なんと2tダンプの荷台に山盛り!一本のクヌギがこんなにもたくさんの薪になるなんて正直驚きだった。薪を自宅へ運んだあとは薪割りが必要な太いものとそのまま乾燥させる細いものに分別して積み上げる。これがなかなか大変な作業なのだが、Uの協力のおかげで夕方までに終了し今日の作業は終了した。


2tダンプ満載の薪(推定2t)。今回は焚き
付け用の細い枝もほとんど全て持ち帰った。

薪の山とカントリーライフにも抜群の実力を持つ心
優しき大男、友人U(織田裕二似)。33才恋人募集中!!

それにしても今日はUに感謝!の一日。Uの情報のおかげでこんな素敵な上質のクヌギが手に入ったわけだし、またPapaひとりでは絶対にさばききれない分量だったわけだから。薪集めのスタートには遅れたけれど、こうしてみんなの善意や協力によって着々と薪が集まりつつある。薪ストーブにはまだ火を入れてないけれど、ストーブを手に入れて一番暖まったのは僕の心なのかも知れないな(なんちゃって)。

 


 

10月11日 昨日の薪を割る 夕方から昨日GETした薪を割った。実は昨日の作業中、不自然な体勢で丸太を持ち上げた時に脇腹に違和感を感じていたのだが、今日になって痛みをともなってきた。「やばい!」でも丸太たちが「早く割って立派な薪にしてよ!」と言ってるような気がして(もう精神的に異常だな...笑)マジックアックスを手にガレージの薪割り場へ。半生の乾き具合が絶妙の丸太たちは「パァァ〜ン!」という快音を残して気持ち良く割れる。なんて楽しい時間なんだろ!、などとニコニコしながら(完全に異常だ!)割ってたら、ほんの2時間で昨日のクヌギを全て割ってしまった。


細い枝はそのまま乾かす

太い根元はイスにぴったり

割ったのはこれだけ

 

 
   
 
ストーブに火が入った!

 


 

 

 

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