How to canoe for beginners Vol.3
Chapter 3 道具選びあれこれ
Paddle パドル
僕はあんまりこだわらないけど、ほんとは一番こだわりたい道具のひとつです。ただビギナーの場合、選び方さえ分らないと思うので、ショップの人の勧めるモノを買いましょう。でも、あえていうならシャフトの長さと太さに気をつけましょう。イラストのように膝立ちしてシャフトとブレ−ド(水かきの部分)の境目が肩と同じ高さになるぐらいが標準。もちろん漕ぐ姿勢や好みで多少は変わるけどね。それとブレ−ドの形はとりあえずスクエア型(イラスト左)がいいでしょうね。オールラウンドな使い方ができるから。のんびり派はイラスト右のビーバーテール型もおすすめだけど、いろんなストローク(=漕ぎ方)覚えて、自分の好みが分ってからでも遅くないと思う。素材はウッドが一般的。ブレ−ドの先が補強してあるものなら、かなりの強度があるし、カヌーの雰囲気にも合うし、FRPやアルミより手に優しい感じがする。でもパドルって消耗品だから、いろいろ試して自分に合ったモノを探せばいいんじゃないですか。僕の使ってるパドルは下のボタンをCLICKして見て下さい。言っときますけど、僕はパドルにあんまりこだわってませんので、あんまり参考にならないかもね。
僕の愛用のパドルについて
My Favorite Equipments #1 P.F.D≠Life Jacket ライフジャケット
P.F.D(Personal Floating Device)=一般にライフジャケットって呼ばれてるヤツです。正しくはカヌーで使うのはあくまで「補助」具なのであってライフジャケットと呼んじゃいけないのですよ。ま、どうでもいいことだけど。
僕らが使ってるP.F.Dってのは、落水時に気を失うとうつ伏せになってしまうかもしれないけど、パドリングの動きやレスキュー作業を妨げないように作られてる。ライフジャケットは強制的に仰向けに浮かぶようになってるけど、身動き出来ない。そういう違いかな、簡単に言うと。「俺は泳ぎが得意だから、そんなモノいらないや!」って人も多いと思うけど、僕は絶対必要な装備だと思います。僕は中学生の時、海で島から島へ8km泳いで渡ったこともあるし(もちろん漁船のサポート付きだけど。)結構泳ぎは得意な方だとは思うけど、一度ホワイトウォーターで沈したらそんな泳力なんて全然関係ないんですよ!浮力8kg(っていえば、頭をポッカリと水面に浮かべるだけの浮力です。)のP.F.D着てたのに目までしか水面に出ないんです。カヌーするのに泳ぎが達者かカナヅチかなんて関係ないって思いました、あの時。あれれって戸惑ってるうちに腰から岩にゴツン!後から考えたら、水の比重が1.0の時8kgの浮力があっても、ホワイトウォーターなんかの空気を含んだ水って0.5とか0.6とかなんですよね。浮かばないはずだ!P.F.D着てたから助かったけど、着てなかったらもっと浮力がないわけで、流れで川底に引きずりこまれてアウトでしたね、きっと。あの程度の瀬でさえあんなに危ないんだからって、あれ以来必ず着用しています。「野田知佑さんは着てない時もあるじゃないの!」おっしゃる通り。でもあの人の実力はスゴイってことを忘れちゃイケマセン。僕も詳しくは知らないけど、あの長くてボリュームのあるフェザークラフトのタンデム艇を振り回す(それも川で!)だけの腕力ってふつうじゃないです。ウチのオフクロと同い年なのに。
ただ例えば水温が高くて流れもなくて、足が届くぐらいの深さで、その上仲間がいて・・・なんて時に着る必要があるかどうかは、自分の判断ですよね。僕はそんな条件でも子供連れの時は着ますけどね。夏でもP.F.Dとウエットスーツ着ることが多いです。「水の上では人間の力なんて、たかが知れてる。」そう思っていますから。例えば、普通の人の力を1とすると、溺れるひとは0.8とか0.9なんですよね。あとすこし足りない。そして実力のある人はっていうと1.2とか1.5なんです。自分プラスあとひとりを助ける2.0なんて実力を持った人は多分いないでしょうね。この世には。
(僕のP.F.Dはごく普通のツーリングモデル(Mad Riverのポケット付)にナイフとホイッスル付けただけのものを使用しています。これは単に色が趣味だったという理由で他意はありません。でもこれまで使ってたNIMBUSのやGRABNERのより「スポーツ」っぽくないデザインだし、背中を押し上げるような浮かび方(?)が気に入っています。)
Rescue Equipmentsレスキュ−用品
僕のカヌーは全てエアバッグ(=浮力体)とスローロープ(=救助用投てきロープ)を装着しています。エアバッグはCascade Outfittersで$27程度のタンデム用エンドバッグを2個です。エアバッグがあると水の進入を多少防ぐことができ、沈してもカヌーを起こすだけでほとんど排水されます。またソロの時の再乗艇が容易に行なえるばかりか(乗込む瞬間、エビ反りになって背中が痛いけど)、エアバッグ装着艇はクロスレスキュー(=沈したカヌーをもう一艇のカヌーで助ける方法のひとつ)するのが楽々なので自分がレスキューされることも考えて湖はもちろん、どんなに易しい流れでも取り付けるようにしています。先に述べたP.F.Dと同じく、本来浮力のあるはずのロイヤレックス製のカヌーも瀬の空気を含んだ比重の小さい水のなかでは沈んでしまいます。ビギナーに限らず、これは必要です。(通常、ロイヤレックスのカヌーは裏返しにすると、底が水面すれすれに浮かびます。浮力体を付けると下の写真のように大きく浮かぶようになるんです。)
僕の最初に買ったエアバッグが紫外線のせいなのか、それとも面白がって沈しすぎたからか1年で破れてしまったので、去年から妻お手製のエアバッグのバッグでカバーしています。紫外線防止の黒い生地を用意して、カヌーから型紙をとって、立体裁断して、ジッパーとタイダウン用のDリングを取り付けて、水抜き穴をつけて、名前を刺繍して・・・と裁縫の苦手な妻もかなり苦労したようですが、「ブラザー全自動高級ミシン」を買ってもらえるとあって彼女もハッスル!いいのが出来上がりました。スローロープもCascade Outfittersのもので$33程度。25mをバウ(=カヌーの先端)とスターン(=カヌーの後端)にそれぞれひとつずつ用意しています。(沈してカヌーから放り出された時、ロープのある方へ泳ぎながらまわるのが面倒なので両方です。)これは本来の投げる目的とは違い、沈してから、岸辺までこのロープを持って泳ぎ、足場を確保した後カヌーをたぐり寄せるという目的に使うことが多いです。でも一応投げる練習もやりました。6年目の今年はかなり「点」を狙えるようになりました。(ゴルファーみたい!)
とにかくこれらレスキュー用品はいざという時に本当に役にたつ大切な装備です。モノにもよりますが¥10000程度で全部揃うので、カヌーと一緒に買っておかれることをお勧めします。もちろん買うだけじゃなくて、練習も忘れずに!
Chapter 4 簡単テクニック「まっすぐ進む」 さあ、これで漕ぎ出す準備はできました。次の章では漕ぎ方について説明します。とにかく真直ぐに進むこと、曲がること、止まること、そしてフネを真横に動かすこと、これだけ出来ればあなたはもう初級者の仲間入りです!
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