9月17日 夫婦で楽しむ秋ランチ(奈良県・曽爾高原)
フーフで野遊び...#18
いつの間にやら9月も半ばを過ぎ、吹き抜ける風も涼やかで、朝の着替えの時にも長袖に目が行く今日この頃。この時期になると思い出すのは2年前の奈良・天川みたらい渓谷のトレッキングで食べた松茸弁当なのである。 そんなわけで、今日は2年ぶりの“極上ランチ”計画。...といっても松茸弁当を気持ちいい場所で食べるってだけのことなんだけど(笑)。
まずは松茸弁当を求めてR165を西へ。三重・奈良県境にあるその名も「県境茶屋」へとOUTBACKを走らせる。弁当を2個注文すると、見覚えのあるおっちゃんが炊き立ての松茸飯をパックに盛りつけてくれる...¥800也。 さて、お弁当が手に入ったし、どこへ行く?
「県境茶屋」近隣のいくつかの候補の中からともちゃんが選んだのは、曽爾高原。
曽爾高原の秋といえば夕焼けで黄金に輝くススキが有名だけど、さすがにまだその時期には早いんじゃ...。 『いいの、いいの。騙されたと思って...行きましょ。』いたずらっぽく笑うともちゃんの言葉に従うことにして曽爾へと向かう。
県境から曽爾高原へは四十八滝でへこきまんじゅうが買える赤目ルート、ぶどう狩りが楽しめる青蓮寺湖ルートなど魅力的な幾つかのルートがあるけど、今日は室生寺ルートをチョイス。いつも行きたいと思いつつタイムアップで行けずにいた龍穴神社の奥社にあたる龍穴(遥拝所)に立ち寄りたいと思ったからだ。
まずは室生寺の少し上流にある龍穴神社に参拝。社務所で浄衣(略小忌衣)を着用の上、神域に入るのが作法なんだけど、今日は社務所がclosedなので、仕方なく参拝して神様に許可を願い出てそのまま遥拝所へと向かう。 遥拝所の正面に龍穴(別名・吉祥洞窟)右手に招雨滝が静かに落ちるのを望む遥拝所は厳かな雰囲気が漂う特別な場所という感じがした。
室生から細く曲がりくねった山坂道を経て、曽爾高原へ。
いつもの高原駐車場にクルマを停め、KEENとMerrellの“なんちゃって”トレッキングシューズに履き替えデイパックを背負った僕らは、お亀池へと進む。
『おおっ!コレだったのか!』
ともちゃんが季節外れの曽爾高原を目指した理由...その答えが今、僕らの目の前に広がっている。 褐色の草原!穂を出したばかりのススキが草原をほんのりと赤く染めているのだ!
『ね、綺麗でしょ?銀色や黄金色もステキだけど、ほんのりピンクもいいかなぁって...。』
雨で中秋の名月が見られなかったこともあるし、せめてススキでも...ってことで、僕らは秋風にススキの穂が揺れる曽爾高原の散策を楽しむ。
ピンク色のススキもいいけど、お亀池を一周する遊歩道は秋の花が満開。僕らは可憐な野花を写真におさめながら遊歩道を進み、亀山峠方面へと足を伸ばす。
亀山峠から二本ボソを経て倶留尊山(1038m)に登るか、それとも亀山(849m)にしておくか少し迷ったけど、松茸弁当が早く食べたいので亀山へ(笑)。
峠から一旦鞍部に下りて再び登り返して亀山山頂に着いた僕らは,登山道の脇に腰掛けて,ザックから取り出した松茸弁当を開く。
眼前に広がる鎧岳〜兜岳〜屏風岩と続く稜線と眼下の赤いススキの草原を眺めつつ戴く松茸弁当。松茸ご飯とお新香だけのシンプルなお弁当だけど、まだほんのりと温かくてとても美味しい。
『贅沢だよねぇ。ヒジョーにシンプルなゼイタク。』 『何だかワケもなく幸せな気持ちに満たされるわぁ〜♪』
¥800の松茸弁当+¥100の“お〜い、お茶”のシンプルでチープなランチ。
でも、こうして少し身体を動かしてロケーションを変えてみるだけで、高価で高級なレストランの贅沢ディナーよりも大きな感動を得られるんだよなぁ...そんな当たり前のことは解っているつもりだけど、お箸で口に運ぶひとくちひとくちが愛おしい食事ってなかなか味わうことができない体験だ。
美味しいランチと素晴らしい景色を堪能した僕らは、飛び交うトンボと遊んだ後、稜線をお亀池へと下る。ザックにはレギュラーコーヒー“野点”セットが入ってるけど、ちょうどお亀茶屋が営業中だったので、オープンデッキのカフェテリアスタイル(笑)の店内に入って、コーヒーとおしるこを注文。お店の女性に曽爾高原のことを色々と教えていただきながら楽しい時間を過ごすことが出来た。
OUTBACKのエンジンに火を入れ、大洞山を左手に見ながら山を下る。
家に戻ったのは15:40。ここのところ、中途半端に子育て卒業したせいであまり遠くへ行けなくなっちゃった僕ら。もう日帰り新潟(笑)とかを決行する体力も無くなってきたし...でも隣町にこんなにも素晴らしいランチポイントがある幸せ...今度は夕焼けで黄金色に輝く曽爾高原を観に行きたいね!そんなことを話しながら子供たちが帰宅するまでの数時間のお昼寝を楽しんだ僕らだった(ジジイ&ババアみたいだな)。
曽爾高原に咲く野花ときのこCLICK
Photo by aki with RICOH GR DIGITAL
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