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6月18日 K-Light 進水式(三重県・宮川)

   


ただ瀞場を漕いでるだけなのに「旅」の雰囲気が漂うのは何故だろう?

 
フーフで野遊び...#10

6/14のLOGBOOKに載せたKahuna Expedition & Sabani sail。その手前にさりげな〜く置かれた赤いK-Light...これは未来のともちゃん艇?なんて書いたんだけど、その未来の方が先に現実になってしまいました(笑)。
あの写真を載せてすぐ、ひだださんから悪魔のようなメール。

『こんにちは、オークションにFeathercraftのK-Lightが出てますね〜。でもアキさんはオレンジカフナで決定ですよね〜。』

悪魔!

僕がKahunaを発注した途端に毎日の言動がトゲトゲしいともちゃんに、いつかは君のフネも買ってあげるからねぇ〜♪なんて言って宥めたものの、実際は一番安いので39万円なんてシロモノをそう簡単に買えるはずもなく...僕の“またいつか”=実現不可能な夢という極めて日本的なニュアンスだったのである。(その気がある時はすぐに行動開始するタイプなので...笑)
ところが、このひだださんの悪魔の言葉はが僕をその気にさせてしまった!(涙)
あのひとはぁ〜 あ〜くまっあぁ♪ワタシっをぉ〜 と〜りこにするっうぅ♪やさしいぃ〜あくっまぁ♪

最初はただ見ているだけのつもりだったオークションだけど、質問してみたら出品者の方からお人柄がしのばれるようなとても丁寧な返答を頂いたので、もう取引の相手に不安はない。しかも入札が一件入ると何だか妙に現実的な気分になって、つられるように僕も入札。そこへCさんからメールが入る。

『今日僕ひとりで日本海へ。やっぱりソロは寂しいです。ともちゃんのK-Lightは必須ですよ。』

う〜ん、ふたりの妻帯Feathercraftオーナーの言葉は重い。
よ〜し、ホンキで落札を目指してみるか!...ってことで一昨日深夜、デッドヒートの末、予算を2万円オーバーで何と落札してしまった!(生まれて初めてオークションで熱くなり、当初の予定金額をオーバーした。バカって呼んで下さい)
オークションで落札したらASAP早く入金することを心掛けているので、昨日の朝イチで銀行の開店を待って送金したら...何と、今日の昼過ぎに届いてしまった!


夕食の準備中のオーナー様を
お呼びして乗っていただく

上:ガレージで組立開始
下:僕らのちんぼうし(笑)

すぐにひだださんに『届きました!』と連絡(笑)。仕事を終え、ガレージに置かれたFeathercraftのバッグを開けて部品を並べていると、シーソックとスケッグ持参でひだださん登場(笑)。早速ふたりで、あ〜でもないこ〜でもないと組立ててみる。僕にとって初めてのFeathercraft...というかフォールディングカヤック自体も初めてなので、程度が良いのか悪いのかすら判断が付かないだけに、ひだださんの見る目と言葉が頼りなんだけど、『全然キレイっすよ〜!』とひだださん。

確かに6年以上前のフネなのでそれなりに汚れや傷はあるものの、致命的な欠陥は全く見当たらず、逆に新品にはない歴史の凄み(貫禄?)みたいなものも感じられる。

ひだださんのFRTとはまるっきり違う構造なので、急遽Feathercraft本社のウェブサイトから組立説明書をダウンロードして、順番に組立てに取り組むこと1時間25分(汗)で、完成!想像通り結構大変...でも一度組立てたら手順はもうすっかり頭に入る程度の手順だし、途中で取説をダウンロードしたり印刷したりの時間も込みなので、次回は1時間、そのまた次は40分...たぶん慣れれば30分ほどで組立て可能なんじゃないか?そんな感じである。そして、何より一度組立てただけで、デザイナーのダグラス・シンプソンさんの設計の意図が感じられる場面もしばしばあり、実に楽しい作業である。もちろん、炎天下の海辺や暗闇での組立ては相当体力を消耗しそうなので、出来れば遠慮したいけどね(笑)

そんなわけで、完成したところで、この艇の新しいオーナー様を呼びに行って、シートに座っていただく(笑)
『へぇ、なかなか座り心地いいのね。』
そう言えば、この人Feathercraftのシートに座るの初めてだったっけ(笑)

オーナー様が夕食の準備に戻られてからは、ひだださんとK-Lightを眺めながらFeathercraft談義に花が咲く。こんな風にフネのことだけで1時間以上も話せるカヤックって他にはないかもなぁ...。


本当に信じられない思いなんだけど、あれよあれよと言う間にFeathercraft K-Lightが届いたので、今日の休日はいきなり進水式なのだ(笑)。
本当は進水式の前に、ボトムのガムテープを剥がしたり、バウとスターンの生地のほつれを直したりして美しい姿にrebornさせてやりたかったんだけど、当然ながらそんな時間はなく、届いたそのまんまでOUTBACKに積み込む。これまで数限りなく様々なカヌー&カヤックをルーフトップしてきたけど、フォールディングカヤックを積むのは初体験。どこまでテンションを掛けて良いのやら戸惑いつつ、とりあえずコーミングの前後の比較的強度のある部分にベルトを掛けてやんわりとタイダウン。もちろんバウ&スターンにも細引きを繋ぎ、万全を期すことも忘れずに。

僕らが進水式の場として選んだのは、マイホームリバー・宮川。我が家のフネはみんな宮川から...これがルール(笑)


K-Light&OUTBACK&宮川

河原に咲くムシトリナデシコとOUTBACK

10:00に家を出て、高速に乗る。恐る恐るスピードを上げてみる。う〜ん、全然平気じゃん!ビームが64cmしかないK-Light(...ってことはダッちゃんだと3艇並べて積めるってこと?...笑)はほとんど風の影響を受けることなく、また予想していた細かな振動もなく制限速度+α+α(笑)でもノープロブレム。

10:30、比較的流れのない静水を楽しめるちーちょの河原に到着。いつもダウンリバーのランチポイントである上流側にOUTBACKを入れる。ちょうど川漁師のご夫婦が舟を出すところだったので、今年の鮎について暫し立ち話をして、漁の邪魔にならないよう河原の下流側に戻ってK-Lightを下ろす。

 

まずは記念写真(さりげなく“おソロ”のちんぼうし...笑)

水辺にK-Lightを浮かべ、ふたりで眺めながらこの新しい(中古だけど...笑)フネの名前を考える。

『ねぇ、このフェザーは名前何て言うの?』
『ん?あ、これはK-Light。』
『ワタシたちの新しいライフスタイルの始まりってことで、正式な名前はRunningmoon2にしましょう。20年前のHUNTERの名前と同じ。でも、普段の呼び名は...そうねぇ...ケイコちゃんにしましょう。』
『な、なんだって!』
『ケイコちゃんよ。』

ちなみにケイコちゃんは、ともちゃんのお母さん=九州ばあちゃんの名前。すこしくたびれた中古カヤックに自分の母親の名前を付けるとは...なんて娘なんだろ(涙)って思ったら“ケイコちゃん”じゃなく“K子”ちゃんらしい(ホッ!)ま、命名権はオーナー様にあるわけで、“骨皮筋子(ホネカワスジコ)”とかじゃなくてヨカッタとは思うけど...


日本酒で進水式

グビッ、グビッ、プハァ〜♪

命名が終わったところで、まずは進水式。
ともちゃんがクーラーバッグから出した冷酒の栓を抜き、K子ちゃんのバウ(前の舳先)にナミナミと振りかける。僕らは仏教徒だけど、ここは伊勢神宮の禊の川・宮川なので神式でこのフネの安全を祈る。黙祷し、眼を開けると...グビッ!グビッ!プハァ〜ウマイ!ともちゃん日本酒ラッパ飲み(涙)


初めてのフォールディングカヤックを操るオーナー様

静かな河原で過ごすだけでも充分気持ちいい

一番乗りはこのフネのオーナー様であるともちゃん。カヤック経験はほとんどないものの、16年前にカナディアンのスクールでカヤックに乗った時、インストラクターさんに『旦那さんより筋が良いですねぇ。』と褒められてちょっと自信がある彼女。慎重に乗り込んでフットブレイスを調整し、颯爽と川面へ漕ぎ出して行く。

確かに初めてにしては上手。パワフルに漕いでみたり、時折ラダーを入れて急旋回したりしながら初めてのフォールディングカヤックを楽しんでいる。彼女のイメージするカヤックは、彼女が初めてにして唯一乗ったことがある(*Malibu Twoは除く)ダンサー・プロライン(爆笑)なわけで、きっと印象が悪いはずはないとは思うんだけど...


満面の笑み

待つこと15分。待ちくたびれた頃に上流から漕ぎ下って来る彼女の顔は...満面の笑み(笑)

『コレ、最高ねぇ〜!ホント最高!軽いし、楽だし、どんなに傾けても沈しないの!何と言っても最高なのは座り心地よねぇ〜!ムフフフ...最高!』

あ、あなたさっきから“最高”何回言った?ってほど超ゴキゲンのともちゃん。

『アリガトウね!ホント、いいわぁ、コレ。』そう言っていただけると執事のワタクシめも喜びに堪えませんです、はい(笑)。


美しい航跡を残して進むK-Light

もう充分に漕いだので、そろそろ代わってくれるのかと思いきや、僕の目の前でハイテレマークターン(昔風に言うと)で急旋回し、また沖に向かう彼女。

『じゃ、ワタシ、沈してくる。』
へっ?
『ち〜ん、し〜て〜く〜る〜!』

ワハハハ...カナヅチのくせにさすがは“勇敢”マダム!(笑)カヌー&カヤックを楽しむ条件は「泳げるか泳げないか」ではなく「親水性があるかないか」なんだなぁって彼女を見ているとつくづく感じるのだ。


カヤックから見た河原

ここまでやっても沈しない

パワフルなフォワードストロークで充分にスピードを出して、パドルを深く突き刺して、大きくリーン(傾ける)。ん?沈しないの?

『ねぇ、このフネ、沈しないんだけど。』

いや、そんなはずはあるまい。ともちゃん、2度目の沈チャレンジ。
思いっきり体重を預けてリーンを掛けると、スローモーションで満面の笑みを浮かべた彼女の顔が水中へ。おおっ!沈成功!


沈の瞬間

沈脱し投げ上げる

パドルをデッキに挿して

スターンに回ってよじ登る

デッキに跨がる

痛いのぉ〜♪

コーミングからお尻を入れて

ビルジポンプで水抜き

すぐに水面から顔を出し、逆さまになったフネを投げ飛ばすように起こす(カナディアンカヌーの癖だな...笑)。このフネはシーソックがなく前後の小さなエアバッグのみの仕様だけど、起こすだけでほとんどの水が排出されるようだ。バウのコードにパドルを挿み、スターン(後の舳先)に回り、バタ足でデッキに滑り上がる。デッキに跨がり少しづつ前へ身体をズラす彼女。
『痛〜い!何これ、●●●●が痛いのぉ〜!』どうも女性の場合、デッキのフレームがデリケートな部分にピッタリフィットのようで...女性はサイドからのリエントリー(再乗艇)をおススメします(爆笑)


何よ、このポンプ!動きが渋いから新しいの買いなさい!
は〜い、Feather純正ポンプお買い上げぇ〜♪

でも、沈からほんの1分でコックピットに収まってビルジポンプで水抜きを始めた彼女。派手に水を飛ばしながら僕のそばに戻ってきて、いかにこのフネが簡単にリエントリーできるか...水を完全に抜かないと水上で不安定なカナディアンとは違い、漕ぎは重いけど全然安定してることや、ガンネルがないぶん乗り込みがラクなことなどを感動気味に話す。

『じゃ、代わってよ!』
『あ、そうね。でももう一回、もう一回だけ沈して来るね。』
『...』


泳ぎまくる、カナヅチともちゃん

ともちゃんの沈&リエントリーの練習をもう一度眺めた後、僕も試してみたけど(痛いのイヤなのでサイドから)Feathercraftはフラットウォーターならメチャメチャ簡単に再乗艇が出来るフネであることを痛感した。

ふたりで交代しながらK子ちゃんを漕ぎまくり、泳ぎまくりで少し身体が冷えたので、河原で即席豚汁を作って身体を温め、再び乗って...何度も使うフレーズだけど、今日の進水式は、“浸水式”で“潜水式”に様変わりしたのだった。
『あ、それと“沈水式”もね!』(爆笑)
なんで進水式で夫婦揃って落武者でムラサキクチビルにならんとイカンねん!


僕も試してみた

Kahunaに似た乗り心地

14:00過ぎまでK子ちゃんで楽しんだ僕らは、河原でスッポンポン着替えを済ませ(平日の宮川ならでは!)、14:30に帰宅する。

最後に帰りのクルマの中でのともちゃんの不吉な発言。

『ねぇ、絶対にAzuをFeatherに乗せちゃいけないわよ。』
『ど、どうして?』
『ワタシ、見えるの。あの子、ワタシと似てるでしょ?だから、きっととんでもないことに...』
『どういう意味?』
『あ〜恐ろしい...怖すぎて話したくないわ。』
『な、なんだよ、言えよ!』
『あの子がね、一度でもFeatherに乗ったらね...“キモチいいぃ〜♪ワタシも欲しいぃ〜♪”って言い出すわよ。母親だから分かるの。』
『うっ、、、Feather3艇だなんて...それはあまりに恐ろし過ぎるっ!でも、中古を買って“ともこちゃん”って名付けようか?(爆笑)』

ともちゃんがウェットを洗って干している間、僕はK子ちゃんをガレージのカヌー台に乗せ、汚らしいガムテープを剥がし、下地を傷めないというシール剥がし剤でへばりついた糊を落とす。でもたぶん7年ずっと剥がしたことがないガムテープは完全には落ちないので、ほどほどで諦めて、新しいダクトテープを貼り直す。前オーナーが何度もぶつけたのだろうか、少し船体布がほつれたバウ&スターンを良く乾かして、靴底のゴムを修理するゴムパテ(黒)を塗って乾燥させ、半乾きになるのを待ち、指で整形...ついでにコーミングやボトムの傷にもこのゴムパテを塗り...おおっ、見違えるように美しくなった!!

明日はデッキのコーデュラ生地をPUNTO Cabrioのソフトトップをクリーニングするために買ったBMW純正ソフトトップクリーナーでクリーニングするつもりである。

ま、こんな感じで進水式な一日は終わった。

 

 

June.2008 MENU

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