久倶都比売橋をくぐると、途端に風向きが正反対になり、強い風が容赦なく僕らの顔を叩く。どうやら低気圧が少し早めに接近しているようだ。たぶん風速は10m/hを超え、波立つ川面から水飛沫がガンネルを越えてカヌーの中に入ってくる。
『ねぇ、今日は★●≦∴▼□″¥$▲ねぇ〜!』
向い風でバウのともちゃんの声も聞こえないほどだ。
『なにっ?』
『今日は タンデムに して よかったわ ねぇぇぇ〜!』
ともちゃんの言う通り、パドリングジャケットがバタバタと風に鳴るこの風だとソロはちょっとキツい感じ。でもタンデムなら全然平気!ともちゃんは姿勢を低くしてるけど、カヌーは針路を乱されることなく正面の内城田大橋に向けて一直線に進むのだ。
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