FLAME LAYOUT

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

3月26-27日 妙義戸隠グランドキャラバン(妙義山、戸隠山)

 


戸隠神社奥社にて

 

戸隠スノーシュー

 

 

窓を覆う断熱シールドの隙間から射す眩しい光で目を覚ます。午前6時、8時間たっぷり眠った後のお目覚めは爽やか。外気温計は-2.2℃...この時期の戸隠としては暖かい朝だ。

60/40パーカを羽織って外に出る。外は一面の雪景色で、野鳥のさえずりもなく、ただダッちゃんからFFヒーターの「キィーン!」という高周波なタービン音がかすかに響くのみである。


雪の壁を背にポツンと佇むダッちゃん

空は青空、戸隠神社の木立の向こうに鋸の歯のような戸隠山の険しい稜線がくっきりと見えている。踏みしめるとキュッキュ!と鳴るパウダースノー...『何だか、私たちのために神様が降らせてくれたみたいな雪よねぇ〜。』いつの間にか起きてきたともちゃんが、嬉しそうに新雪でステップを踏んでいる(笑)。


外気温計は-2.2℃

まだ雪の壁がこんなにも!

ダッちゃんの車内で手早く朝食と着替えを済ませ、ザックに道具を詰め込んでスノーシュートレッキングのスタートだ。スノーシューを手に持ち、駐車場から奥社参道入口まで歩いて、鳥居でスノーシューを装着。戸隠山に向かって一直線に延びる参道は、まだ誰の足跡もないバージンスノー!僕らが一番乗りのようだ。

昨日一日降り続いた雨のせいで、昨日の午後は雪のコンディションは最悪だったらしいけど、昨晩新たに降り積もった10cmほどの新雪がそんなベチャ雪を覆い隠し、まるで1月の無垢な雰囲気の雪。素晴らしい触感のモフモフの雪を踏みしめながら、僕らは参道を歩く。


一面の銀世界

鳥居前でスノーシューを装着


“スノーラビット”Masa

朝一番はパーフェクトな静寂に包まれていた森も、この時間ともなると其処彼処から野鳥のさえずりが聞こえてくる。最近バードウォッチングにハマッて日本野鳥の会にも入会しちゃった我が家(笑)、鳥の声がするたびに立ち止まって耳を澄ます。Azuは首から提げたビノキュラーを覗いて『うぁ〜いるいる!』とヒソヒソ声で大騒ぎ(?)。トゥルルル...間近でキツツキのタップ音。10倍レンズでは全身が入りきらないような至近距離でアカゲラが木の幹を突いているのが見え、僕らは大興奮(但し、声を出さずにゼスチャーで...笑)。


気持ちの良い雪原散歩

野鳥観察を楽しむ母と息子

 


隋神門に到着

 

スゴイスゴイ!アカゲラが飛び去った後、女性陣は木をつつくアカゲラのマネをしたり手足をバタバタさせて大はしゃぎである。美しい森、美しい花、尊敬に値する古木、気高い岩稜、凛とした空気、蕎麦(笑)...戸隠には言葉で表現しきれないほど多くの魅力があるけど、初めて訪れた2005年夏、一番感動したのは野鳥の多さだった。無数の野鳥のさえずりが重なって、ゴーッ!と地鳴りのような音が響き渡る森を歩いた時、僕らはその圧倒的な迫力にただひたすら呆然と立ち尽くすしかなかったのである。

ともちゃんが神妙な顔で呟く。

『神様、神様、お天気にしてくれてありがとう。新雪を降らせてくれてありがとう。アカゲラ見せてくれてありがとう。あとはフクロウ見せて!お願いねっ♪』

ヲイヲイ(笑)


立派な杉の巨木が続く

隋神門をくぐると...

しばらくすると随神門が見えてくる。前回は修理工事中だった隋神門も無事完成し、濃い目の朱色が美しい。ここからは参道を外れて森の中を進む。hatakichiさんによれば今年も熊の目撃情報が多いらしいので、ここからは長野県森林組合公認の熊鈴をザックに取り付け、僕はザックからマスタードスプレーを取り出してホルスターにセット。そして一番効果的な熊避け方法...10km先まで届く(?)我が家の女性陣のソプラノの歌声が森に響く。

『ある〜日、森のっなっか、クマさ〜んに、出会ぁった♪』
お〜い、君たちぃ〜、その歌はヤメテ(涙)。バスのMasaとテノールの僕も輪唱に加わる。
『ある〜日、森のっなっか、クマさ〜んに、出遭ぁった♪』
ちょっとだけ字が違うのがミソ(爆笑)

 


:青空と戸隠山をバックに雪に埋もれた奥社

森の中を流れる川にだけ注意しながら平坦な森を1kmほど進むと、突如雪原が急傾斜に変わる。いよいよ戸隠山の麓である。ここから雪が深くなり渓流に危険なスノーブリッジや雪庇が現れはじめるので安全のために参道に戻り、急傾斜の参道をひたすら登る。息が切れ始めたところで正面に青空と真っ白な戸隠山をバックに奥社の社殿...の雪に埋もれた屋根だけが姿を現す。戸隠神社奥社到着である。


奥社にお礼詣り

社殿前で休憩

積雪で高さが1/3ぐらいになった鳥居の前でスノーシューを外し、ザックを下ろして雪壁を下って奥社に参拝。手を合わせMasaの合格を報告する。もちろん隣の九頭竜神社にもお参りし、青空に映える戸隠山を見上げながら社殿前で初めての休憩を取る。

『来れたねぇ〜。』『うん、またここに戻って来ることが出来たね!』

一昨日の“隕石”、昨朝の大雨、夕方の雪...全ての負の出来事が、今日この青空の戸隠山を見られるようお膳立てされたような気分がするのが不思議だ。


鳥居がこんな高さに!

でもそんな青空の戸隠山を眺めることが出来たのもほんの10分ほど。まるで早回しのフィルムでも見ているような驚くほどのスピードで雲が湧き上がり、戸隠山は山頂の稜線から白い雲に覆われ、雪崩のように雲が流れ下ってくる。間もなく降り出す雪...見る見るうちに雪面に置いたザックに雪が積もり始め、地面と同化していく。

『さぁ、戸隠の神様がそろそろ帰れって言ってるよ。行こうか!』


ケツスキーを楽しむMasa

雪が降り始める

僕らは慌ててザックの雪を払い背中に担いで山を下りる。登りはMSRのクランポンがしっかりと雪を捉えて全く滑ることはないけれど、下りは楽しいぐらいに滑る。中途半端に転倒すると怪我をしかねないので、家族みんなでスノーシューを高く掲げて“ケツ・スキー”で斜面を滑り下る。

『ヒャッホー!』これが実に楽しい!


バージンスノーの雪原を走り回る


平原に戻った僕らは、またまた参道を外れ、森の中を進む。まずはGPSにマーキングした圧倒的な存在感のミズナラの古木「ミズナラ大王」やMasaが●玉を痛打した倒木のブリッジなど、冬しか見ることが出来ないお馴染みの見どころを巡りながらフカフカスノーの森歩きを楽しむ幸福感...スノーシューの愉しみここに極まれり!である。

木の精になるAzu
:

 


随神門で“雪”宿り

 

ザックにセットしたスノーシャベル、極寒仕様のMSRストーブ、そしてチゲ鍋の材料(笑)...雪洞を掘って入口から覗く戸隠山を見上げながらの“雪原レストラン”開店の準備は万端だったけれど、降り止まぬ冷たい雪と雲に覆われて全く見えなくなった戸隠山、そしてAzuの『お蕎麦が食べたい!』のひと言で(笑)、あっさり“雪原レストラン”を止めにして、参道入口に戻る。


かなりの降雪に“雪原レストラン”キャンセル

●玉を痛打した倒木のブリッジ


毎年会いに来る「ミズナラ大王」

戸隠には蕎麦の名店が多いけれど、とにかくすぐに食べたかった僕らは鳥居前の「なお助」さんに入って鴨汁蕎麦を注文。“うどん文化圏”の僕らには蕎麦の味は解らないけれど、とにかくこってりした鴨汁とあっさりした蕎麦の相性が最高で、雪で冷え切った僕らには最高のご馳走だ。

門前蕎麦屋を出ると、お天気が回復している。もういっぺん森に入って雪遊びしようか?なんて冗談を言うと、すでに観光モードの女性陣は完全無視(笑)。ダッちゃんで着替えを済ませ、まずは中社にお参りし、我が家が一番当たると信じている戸隠神社のお御籤を引く。ともちゃんの病気以前はお御籤なんて当たるわけない!って思ってたけど、彼女が入院して生死の瀬戸際だった年、4回連続で凶が出たという恐怖の体験からちょっと緊張したけど、みんな吉と小吉(ホッ!)例によって僕のは“面白可笑しく月日を送るべし”と書いてあって爆笑(笑)。


鴨汁蕎麦

戸隠神社中社

ともちゃんの長年の夢だった中社門前町にあるカフェ「ランプ」で美味しいケーキセットをいただき、戸隠を後にする。Masaのご希望で信濃町の農具鍛冶の作品を見学(*高校に合格しなかったらここか尾鷲わっぱの師匠に弟子入りしたいと希望していた)し、上信越道を更埴へ。


カフェ「ランプ」

“ほんものの温泉”の文字が誇らしげ

今日の温泉は更埴ICから7kmほどの千曲川河畔・新戸倉温泉にある「国民温泉」。

加水なし浴槽、カラン、シャワー全て掛け流しの黄色っぽいお湯で女性陣のお肌がマシュマロのようにツルツルスベスベになったのには驚き!番台で一本¥100の八ヶ岳牛乳を一気に飲み干し、のんびりまったり過ごしてたら時計の針は17:00を回ってしまってる!こりゃイカン!早く帰らなきゃ!ってことで、更埴から駒ケ岳SAまでともちゃんが、駒ケ岳から自宅までを僕が運転し、360km先の自宅を目指す。

帰り道は隕石の激突もなく(笑)、途中で夕食を食べたりしながら無事20:30帰宅。二日間の走行距離は群馬まで行った割には少なめの725マイル(1160km)ってことで、さほどの疲れもなかったのは何よりである。明日はいよいよMasaのクライミングジム本格デビュー&フラメンコギターの初めてのレッスンだし...ね(笑)。


国民温泉前にて

 

 

 
妙義山石門巡り

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