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11月14日 富士でマツタケ狩り?登山(滋賀県・三上山432m)

 


少しだけ色付いた森をゆく

子鬼の居ぬ間に...#21

今日の僕らの行き先は20年以上前から見慣れた、でも一度も登ったことがなかった三上山(みかみやま)だ。(御上山、御神山、御影山とも呼ばれる。)三上山という正式名称、実は僕もつい最近まで知らなくて、月山を調べるために山屋さんの雑誌『岳人』のバックナンバーで、たまたま連載中の立松和平さんの「百霊峰巡礼」を読んで知ったのだ。
ちなみに三上山の別名は“近江富士”...これならたぶん多くの人がご存知だろうと思うけど、名神や新幹線が滋賀県に入ってすぐに見える特徴的な円錐形の山のことである。標高はたったの432m、西麓に建つ御上神社の御神体で、信仰の山の例に漏れず、ここも山頂に奥宮がある。先日の伊賀富士・尼ヶ岳に続いて、今回は近江富士...図らずも“ご当地”富士登山第二弾というわけだ。


我が家から1時間で目指す“富士山”が見えてくる

イノシシ避けの柵を越えてスタート

妙見堂跡

登山道脇で見つけたキノコ

いつものように子供達を送り出した後、洗濯を済ませて10:00に家を出発し、R1で鈴鹿峠を越えて近江の国へ。野洲川が見えた辺りでR1から外れ御上神社から細い道に入って、天保養民碑の建つ標高50mほどにある登山口に到着。手早く準備を済ませて.11:00登山口をスタート。イノシシ避け柵の扉から山へと進む。

すぐに表登山道と裏登山道の分岐。僕らは楽チン裏登山道ではなく、奇岩巨岩が点在し、比較的眺望の良いとされる表登山道を選択。すぐに石灯籠と基礎石がススキに埋もれる荒れ果てた妙見堂跡を通過。ここからが本格的な登山道となる。しばらくはヒノキに松が混じる針葉樹林で、途中「二越」という名の岩場に立ち寄って眺望を楽しんだ後、再び登山道に戻り美しい木の根道を急登する。


木漏れ日が美しい登山道

ともちゃんは松の木があるたび、拾った枝で根元の落ち葉を探る...実はこの三上山は松茸山で9月23日〜11月3日まで入山料¥500也が必要。ま、¥500というお値段から考えると、松茸がたくさん採れるってことはなさそうで、あくまで夢を買う宝くじみたいなものだろうと思う。
ただ、“トレジャーハンター”ともちゃんは結構ホンキ(笑)で...

『ビギナーズラックという言葉があるでしょ?ワタシみたいなシロウトはプロが目を付けないポイントを探したりするから意外に見つけたりするのよ。』

う○こ座りで枝で落ち葉をチョイチョイする彼女の目は、まるでアワビを探す時のゴーグルの中の目と一緒!(笑)


雰囲気の良い木の根道をのんびりと進む。
柔らかな曲線がとても落ち着く森なのだ

上:見事な松の間から二越の展望を楽しむ
下:アカマツの根元でマツタケを探す狩猟採取系奥様

 


コゲラ発見!

もちろん、地元のおじいちゃんが「10年で2本“も”見つけられた」松茸山で松茸を発見出来るわけはなく(笑)、僕らは岩だらけに変わる登山道を慎重に登る。と、その時、至近距離で“トトトト...”という音が響く。あっ、キツツキだ!

残念ながら松茸は発見出来なかったけれど、やはり野生の目を持つともちゃんが、すぐにキツツキ(コゲラ)の居場所を特定し、風下から抜き足差し足で近づく。僕らに気付いていないのか?それとも僕らを安全だと判断したのか?キツツキは時折、僕らの方を振り返りながらも尖ったクチバシで幹を突つき続ける。“トトトトト...”“タタタタタ...”


横向きにならないと通り抜けられない
「割石」でふざけるともちゃん

上:割石の上に登ってご満悦の僕
下:ひっそりと咲く美しいツツジ

いつまで見てても飽きないけれど、先があるので再び登山道に戻り、壁のように急峻な道を両手両足を駆使して進む。間もなく僕らの上に2つに割れてそびえる大きな岩塊が姿を現す...割岩である。ふもとから割れ目に向かって延びている鎖を辿り、幅30cmほどの割れ目に入る。もちろんザックを下ろして横向きにならないと通れない10mほどの回廊。少し太ったとはいえまだまだスマートな僕ら(笑)は何とか通過できたけど、時には途中で詰まって出られなくなる人もいるんだろうな(笑)。
割岩の出口の脇に岩の上へ続く踏み跡があったので、岩に登ってみる。『アナタの短い脚でも余裕で跨げるんだから、この割れ目って本当に狭いのね。』ほっとけ!


確かにマツタケが採れる感じの森だ

クネクネと伸びる根っこが芸術的?

ほぼ垂直の岩に張り付く

ほぼロッククライミング


パノラマ板のある展望台から鈴鹿や湖南アルプスを望める...はず

立派な鉄製の手すりや鎖に助けられつつ、ほんの少し行場のような岩登りを頑張ると、人の声が聞こえ始め、間もなく上に鳥居が見えて山頂広場に到着だ(11:50)。山頂には磐座(いわくら)と御上神社奥宮が鎮座していて、その直下には天然の展望台のような崖があり、設えられた同定板を参考にして鈴鹿山系から湖南アルプスの山々、そして比叡山までを一望できる。三上山は水田が広がるまっ平らな近江平野にぽつんとそびえる独立峰、しかも稜線が30度以上もある富士山型の山だけに眺望が抜群なのである。


ガスがかかってうっすらしか見えないけど琵琶湖はバッチリ

山頂直下で“山頂カフェ”開店

展望台からの眺め
CLICK

僕らは山頂の鳥居脇でザックを下ろし、座っておにぎりを取り出してランチタイム。山頂には近くの保育園ご一行様が遠足にやってきていて(*彼らは安全な裏登山道から登ってきた)、磐座の上から“ヤッホー!”を連呼。人懐っこい子は時々僕らの傍にやってきては、『あっ、ヤカンだ!』『おゆがわいてるよ!』『コーヒーのにおいだ!』『チョコだ!ひとつちょうだい!』などと保母さんに報告(笑)。
園児たちの言う通り、僕らはチョコをかじりながら香り高いコーヒーをドリップして、いつもの山頂カフェを楽しむのだ。


山頂広場にて

下山開始!


苔に覆われた裏登山道

1時間ほどのんびりした後、僕らは裏登山道を下山。先行する園児たちが楽しそうにはしゃぐので帰りは野鳥も動物も見ることができなかったけど、なんだかMasaやAzuが小さい頃の登山を思い出して懐かしく、保育園児と会話をしながらのこういう賑やかな登山道も楽しいなぁって感じた。


富士山にも似た円錐形の山だけに
岩場の険しさはなかなかのもの

上:ハイペースで下る
下;道端のキノコ

保育園児に追いついたあとはゆっくりと歩く

色付き始めた紅葉が美しい


落ち葉の柔らかな感触が気持ち良い


御神神社の屋根を葺く檜皮を取ったヒノキ
御神木とされ守られている

上:うっすらと苔に包まれたグリーンな森
下:青いサルノコシカケ系のキノコ

裏登山道でも松茸は見つからず、1時間ほどで登山口に帰還。まだ14:00すぎなので靴だけ履き替えて、ともちゃん御所望のスィーツを求めて近江八幡へと向かう。もちろん、菜の花の季節の「カヌーで水郷巡り」や「ミニベロで水郷ポタリング」の下見という意味合いもある(笑)


三上山全景


 


近江八幡の八幡掘をゆく水郷巡りの和船

近江八幡観光の中心・日牟禮八幡宮にOUTBACKを停め、まずは参道にあるCLUB HARIEのカフェでケーキセットを楽しむ。ここは近江の老舗和菓子屋たねやが運営する複合施設で、要するに伊勢神宮のおかげ横町みたいなもの。やはり赤福と同じ雰囲気があってとても凝った造りだけど、ケーキはやはり和菓子屋さんのケーキって感じで、少し待って焼き立てのバウムクーヘンを注文しればよかったかな?とちょっと後悔。

スィーツで血糖値を戻した僕らは洒落た洋館・白雲館で街歩きマップをゲットし、かつて荷舟の流通路として近江商人の繁栄を支えた八幡堀を散策する。堀端には白壁の土蔵が立ち並び、時折静かに掘を行き交う水郷巡りの舟がいい感じ。


CLUB HARIEでスイーツを楽しむ

八幡掘を散策

掘端の柳と紅葉

掘をバックにオッサンとオバハン

堀が屈曲する辺りからは江戸時代の商家が立ち並ぶ新町通りを散歩し、「七七八」で職場体験学習中の中学生から近江八幡名物の赤いこんにゃくをお土産に買ったりして日牟禮八幡宮のOUTBACKに戻る。見どころいっぱいの近江八幡...できればもっと過ごしたかったけど、子鬼の居ぬ間に..な僕らは16:30でタイムアップ。後ろ髪を引かれるように歴史ある水郷の街を後にする。

自宅までは1時間チョイなので、Azuがクラブから帰宅する17:30には何食わぬ顔で出迎えられるはずだったんだけど、名阪国道の工事の影響でR1も渋滞が延びたために少し時間が掛かってしまい、帰宅できたのは18:00を少し回っていた。


江戸時代の商家が立ち並ぶ新町通り

 

November.2007 MENU

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