FLAME LAYOUT

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

10月13-14日 熊野古道コンサート&トレッキング(伊勢路・中辺路)

 


ライトアップされた県立熊野古道センター

 

今日は仕事を少し早めに片付けて、久々にダッちゃんでお出かけ。今日の行き先は紀州だけど野遊びじゃなくて、尾鷲市の熊野古道センターで行われるコンサートが目的だ。『楽天世界遺産劇場』と題されたこのコンサート、今回「紀伊山地の霊場と参詣道」で開催され、熊野本宮大社・大斎原で林英哲、吉野・金峯山寺蔵王堂で押尾コータロー、そして熊野古道馬越峠の麓・三重県立熊野古道センターで村治佳織のライブが行われることになっている。

今回僕らが家族でチケットをリザーブしたのは、最近クラシックギターに興味津々のMasaがイチオシの村治佳織で、18:00開演に合わせて家を出て一時間半ほどで古道センターに到着する。


夕暮れの熊野古道センターに到着

コンサート会場へ急ぐ

尾鷲ヒノキで建てられた古道センターのホールに300席ほどを設けた特設会場でのライブは当然ながらアンプラグド。早めの予約のおかげで4列目真正面という至近距離で、村治さんの素晴らしいギターを目一杯堪能することが出来た。(僕らは聴いてたけど、例によってMasaは指使いを見てた...笑)

しかも、今回後半は「暁の鐘」「ラ・マンチャの歌」「アルハンブラの思い出」「ヘネラリーフェのほとり」「粉屋の踊り」と続くスペインの曲シリーズ!なかでも、ともちゃんがスペイン語を学ぶきっかけになった「アルハンブラの思い出」には夫婦揃ってウルウルきてしまったし、Masaはクラシックギター、そしてフラメンコギターをやりたいっ!って気持ちが沸々とわいてきたようで、何よりも意味深いコンサートになった。

2曲のアンコールでコンサート終了後は演奏者と観客が同じフロアでとても近いこともあって、気軽にCDジャケットへのサインに応じていただき(いつもはクールなMasaが顔を真っ赤にしながらサインを貰いに走ったのには笑ってしまったけど...笑)、『アルハンブラ、良かったです!』『ご家族でお越し下さったんですね(ニッコリ)』なんて会話もあったりして、村治さんをとても身近に感じることが出来た。


世界遺産劇場・村治佳織コンサート

美しい建物と天狗倉山

そんなわけで、熊野古道センターを後にした僕らは、そのままR42を南下。国道を外れて新鹿温泉に立ち寄って、さっぱり!(他に客が居なかったので、宿のご主人のご好意で女湯を僕ら専用で家族風呂として使わせてもらった。とても広い湯船と露天を4人で独占するのは気持ちいい!)

そして熊野のmosでお喋りしながら夜食を楽しんで、現在は某道の駅でP泊中。雨がパラついてきたけど波の音だけが響く静かでいい夜です。

 


昨夜は熊野古道センターで村治佳織さんの素晴らしい演奏を楽しんだわけなんだけど、その村治さんも演奏前に熊野古道・馬越峠を歩いたのだとか...我が家も今日は熊野古道を歩く予定である。

条件が良ければ古の熊野詣ルートを辿る、那智大社から本宮大社への巡礼道である“大雲取越え”を歩こうって決めてたんだけども、残念ながら今朝目を覚ますと、窓の外は雨。雨でスケートリンク状態になった苔むした石畳の山道を怖々15km歩くのは結構な苦行で危険ですらある(しかも標高差約800mで那智から小口まで人家は一切ない)。そこで潔く大雲取越え完全踏破を諦め、小口から円座石(わろうざいし)までの往復プチ巡礼に計画変更ってことで、新宮でお気に入りの「おむすび一郎」で“バクダンおにぎり”や“めはり寿司”を大量に買い込んで、熊野川沿いに小口・自然の家キャンプ場を目指す。


小口自然の家をスタート

大雲取越マップでコースを確認

この雨の中を好き好んで...物好き家族です(笑)

雨に光る美しいシダ

小口に到着しても相変わらず降り止まない雨...僕らが熊野古道を歩く時、伊勢路は晴れなのに中辺路はいつも雨なのである。レインウェアを着込んで“カッパ(合羽&河童)の熊野詣”姿で小口を出発。ただ、負け惜しみじゃなく、マジで熊野古道はやはり雨が似合う!霧が立ちこめるなか、雨を得て色鮮やかな苔と石畳、そして森が同化して素晴らしい雰囲気を醸し出しているのだ。

『なんだか“ひとつだたら”や“ダル”が本当に出てきそうな雰囲気ねぇ』

鬱蒼と茂る杉木立を縫うように延びる鎌倉時代の石畳を歩きながら、僕らはそんなことを語り合う。

ひとつだたら=大雲取越えに住む目が一つ、足も一本の妖怪で、主に路銀をかすめ取る、つまりスリ行為を働く。足払いが効果的
ダル=ファイターズの男前ピッチャーではなく、こちらも妖怪で旅人が取り憑かれると激しい飢餓感で歩けなくなり行き倒れる。南方熊楠も取り憑かれたらしい。何かを食べるのが効果的。


古(いにしえ)の人々と同じ道を辿ることで
得られる“何か”が間違いなくあるように思う。

上:しっとりした雰囲気の石畳をゆく
下:苔の緑が無彩色の檜の森に映える


スタートから1.2kmで円座石に到着


円座石に刻まれた梵字

円座石を覆う苔から頭を出したキノコ
CLICK

モスグリーンの中でオレンジは目立つ
CLICK

さぁ、帰ろう!

雨&苔&石畳はよく滑るので注意!

今度は黄色いキノコ
CLICK

これもキノコ??

イワタバコ


 

キャンプ場から円座石までの往復約2kmのお散歩を楽しんだ僕らは、偵察を兼ねて小雲取越えのスタート地点である小和瀬の渡し場跡に移動し、ここでランチを楽しむ。まだ昼前だし、何となく歩き足りないってことで、相談の結果、新宮で速玉大社と阿須賀神社に参拝し名物・鈴焼きを買った後、ともちゃんが以前から行きたかった伊勢路・観音道へ向かうことに。


小和瀬の渡し跡(小雲取越入口)でランチ

めはり寿司&ばくだんおにぎり

これぞ“めはり”の語源

新宮・阿須賀神社に参拝

速玉大社のシンボル・梛の古木(樹齢1000年)
この葉っぱは奥駈道の旅のお守りとされている

上:梛の木と速玉大社境内
下:熊野市街から新鹿・徐福上陸の地へ

まずは昨夜訪れた新鹿の里に近い波田須にある波田須石畳道を散策。すっかりメジャーになった馬越峠や大門坂では見られない苔むした鎌倉時代の石畳が健在で、とても素晴らしい雰囲気を堪能する。
その後、大吹峠を越えて、清滝の脇の大泊登り口から比音山清水寺(泊観音)の参詣道・観音道へ。こちらも鎌倉〜江戸時代に敷かれた美しい石畳が1.5kmもの間続き、路傍には33体の素朴で苔むした石仏が並んでいる。さすがに空が厚い雲に覆われた15:00過ぎのスタートだったこともあって杉木立はほとんど暗闇。


熊野古道で最も古い時代(鎌倉時代)に作られた
雰囲気のある石畳が続く波田須石畳道

上:熊野古道・波田須石畳道
下:道端に咲く美しい花
CLICK


鎌倉積の石段は豪放に見えて繊細な気遣いが感じられる


観音道の両脇に並ぶ33体の石仏に
手を合わせながら登って行く

上:多くの地蔵尊に見送られて観音道へと進む
下:整然と並べられた石畳は江戸時代のもの


原生林の名残りを残す熊野の素晴らしい森

何とか泊観音の参拝と観音道の踏破は果たしたものの、帰り道に静かな森の中、僕らの至近距離で正体不明の獣が枝を折りながら歩くピシッ!パシッ!という音とともに“グルルルル”ってなうなり声が何度も響き渡った瞬間はゾッとしたけど。(野犬か?それとも熊?も、もしかしてニホンオオカミ!?...まさか、ね。)


馬越峠よりも保存状態が良いのではないか?
しかも古道らしい苔むした石畳が良い感じ

上:一時間以上の登山の末に泊観音に到着
下:朽ち果てた本堂の裏手の巨石群。自然崇拝の場だ


路傍の石仏と苔むした石畳

そんなわけで、何とか無事にダッちゃんに戻った僕らは、お気に入りの小料理屋で地魚のお刺身盛り合わせ(Masa)や地魚海鮮丼(Azu)伊勢エビコロッケ定食(僕)アワビコロッケ定食(ともちゃん)というリーズナブルだけど豪華な夕食を楽しみ、阿曽温泉でフハァ〜!して20:00にうり&ちーちょが待つ我が家に帰宅することが出来た。


すっかり暗くなった針葉樹林を
延びる石畳を慎重に下って行く

上:R42沿いに停めたダッちゃんに無事帰還
下:阿曽温泉で一日の疲れを癒す

 

 

October.2007 MENU

アンケートにお答えください!

 

_  _  _