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9月30日 常滑やきもの散歩道ウォーク(愛知県・知多半島)

 


土管坂

蔵のまちをゆく(半田市)

9月最後の日曜日の今日、今年最後のシュノーケリングを楽しむために通い慣れた和具ノ浜&魚飛渓を目指す。涼しくなったとはいえ、まだまだ東紀州の水温は高くてムラサキクチビルになることもなく存分に泳ぎを楽しむことが出来る...はずだったんだけど、想像以上に秋の訪れが早まって予想最高気温が20℃を下回る雨の予報ってことで早々にシュノーケリングをキャンセルし、Shibukoz家をお誘いしてともちゃん孝行を兼ねて彼女が以前から行きたがってた知多半島・常滑への旅である。

8:30に我が家を出発し、名阪〜湾岸〜知多半島道路と伊勢湾を半周して、ミツカン酢で有名な半田へ。高速道路ではずっとかなりの雨で散策はちょっと辛そうなので、まずは半田運河沿いにある「國盛・酒の文化館」へ。


黒壁の御屋敷通りを歩く

國盛酒の文化館前にて

オネーサンの説明に聞き入る

運河沿いをお散歩

ここは200年前からつい最近まで使われていた酒蔵を博物館に改造した建物で、予約をすればオネーサンの解説付きで伝統的な酒作りを勉強することが出来る施設だ。しかも酒蔵ツアーの最後には、國盛が醸造するお酒の試飲会もあって日本酒好きにはたまらない!

酒の文化館ツアーの後は黒壁の蔵が建ち並ぶ半田運河沿いを散策。こういう趣のある場所を歩くにはしとしとと降る雨もイイものだ。散策の後は目ざといAzuが見つけた「まるはつ製菓」でぶどう大福を買い込み、赤レンガのビール工場跡などの半田の古い町並みを眺めながら『ごんぎつね』の作者である新見南吉記念館へ。


Azuが見つけたぶどう大福!

赤レンガのビール工場跡

 


矢勝川堤・彼岸花の散歩道

僕らの目的は記念館ではなく、そのそばを流れる矢勝川沿いに咲く百万本の彼岸花。正直なところ彼岸花ってわざわざ見に行く対象だと思ったことはなかったけど、2kmにわたって堤防の土手を真っ赤に染めるように咲き誇る彼岸花は実に美しい!


百万本の彼岸花!

環境を守る会に寄付するとペットボトルの彼岸花

彼岸花ではなく曼珠沙華、あるいはLycoris radiata と呼びたい


陶芸の山里をゆく(常滑市)

彼岸花を楽しんだ僕らは知多半島を横断し常滑へと向かう。今日の目的は「常滑やきもの散歩道」の散策。陶磁器会館から少し下った場所にある駐車場にクルマを停め、そこから散歩道を歩き始めたんだけど、ほんの100mで「侘助」なるカフェにトラップされる女性陣。ここで美味しい昼食を食べて再び散歩道を歩き始めるけど、散歩道沿いに続く古い窯跡や工房、古民家を利用したギャラリー&カフェ&スーベニアショップにことごとく拿捕される。


店先で身を寄せあって眠るキジトラ猫
うりやちーちょに似てメチャ可愛い

上:侘助でランチ
下:やきもの散歩道に沿って素敵なお店が立ち並ぶ

趣のある狭くて坂道の多い路地は、地形がかつて主流であった登り窯を築くのに適していることに由来する。点在する登り窯の周りに作業場や住居が立ち並び、それらを結ぶ路地が発達して、現在の入り組んだ独特の町並みが形成されたというわけだ。


巨大な急須のオブジェで水を飲むともちゃん(ウソ)

本物の窯の内部がギャラリーになっている

すっぴん招き猫(未塗装のこと)¥300

町中に古い建物が並ぶ

黒壁の窯業工場跡

路地のみたらし屋でひと休み

ただ、時代とともに薪を使った登り窯からガス窯へと変わり、主な生産品が急須や茶器などから土管、タイル、便器に代表される陶製品などの大量生産の工業製品に移行するにしたがって、常滑焼の工場は丘陵地から材料や製品の搬入搬出が便利な平地へと移転してゆく。そして、そんな打ち捨てられた路地の窯跡に陶芸作家たちが居を移し始めたのは、まだ最近1970年代のことらしい。常滑やきもの散歩道が素晴らしいのは、そこに建つ建物が観光客向けに新たに建てられたものではなく歴史あるホンモノであること、そしてそこに住み創作活動に励む作家たちのダイナミックな息吹を直に感じられることなのではないかと思う。


土管と瓶による幾何学模様が何とも不思議な土管坂

やきもの散歩道の細い路地を歩いていると、小さな看板が架かっている古びた民家を目にすることになる。これらは全て陶芸家の作業所やギャラリーで、建てつけの悪いガラス戸をガラガラと開けて「こんにちは〜!」と声をかけると奥から「は〜い、どうぞ〜!」と答えが返ってくる。この声の主こそ、工房の主である陶芸家ご本人...ここを訪れる人は、陶芸作品に興味がある人もない人も直接陶芸家本人と会って話を聞くことができるのである。


茶房たんぽぽ前にて

リチャード&ミエコポタリー

陶芸の道具に混じって“愛妻号35kg”なんて書かれた洗濯機なんかが並ぶ生活感あふれた薄暗い土間を抜けて奥の座敷に向かうと、立派なショーケースなんてなくて、お座敷の座卓の上に作品が並べられている。そこで作家ご本人の説明を受けながら作品を手にすることが出来る...これって本当に贅沢なこと。


Masaがぐい呑みを購入した「とこなべ」
赤い外壁が何ともイイ感じ

上:工房館にある窯。自由に入ることが出来る
下:路地はネコだらけ!

そんな中で今回僕が一番気に入ったのは「リチャード&ミエコポタリー」。英国人のご主人リチャードさんと日本人の奥様ミエコさんが主宰されている工房で、奥座敷のギャラリースペースは作品の素晴らしさもさることながら、とにかくディスプレイがとてもセンスが良くて、「和であって洋、洋であって実は和」ってな感じの心地よいスペース。


ヨーロッパの陶器事情やハリーポッターの“ポッター”ってのは陶芸家の意味だってこと、そしてフランスでも焼締めのことを“yakishime”と呼ぶことなど、英国でポタリー(陶芸)の先生だったリチャードさんが熱心に陶芸の魅力を語ってる姿を柔らかな笑顔を浮かべて見守るミエコさん...そんなご夫婦の雰囲気そのままのシンプルだけどモダンで柔らかな土の雰囲気を生かした作品はどれも素晴らしく、ミルクティ色のマグカップを手にして離さないAzu(笑)の熱意に負けて、ひとつだけ分けていただいたという次第だ。


そこかしこそびえるレンガ造りの煙突が
かつての繁栄を静かに語っている

上:まさに看板猫。看板になり切って微動だにしない
下:ユーモラスな表情の植木鉢

もちろん陶芸作家の作品だけに、まとめ買いできるようなお値段ではないけれど、また今度もここを訪れてひとつづつ買い増したいなぁと感じた僕らだ。

ホントは淡いグリーンのカップ&ソーサー...欲しかったんだけどなぁ。中学の修学旅行で萩焼と備前焼を買ってご満悦だった僕。陶芸の知識は全くないけれど、本当はすっごく好きなんです。そんでもってMasaもAzuもどうやら陶芸作品を見るセンスがあるようで、Azuは前述のマグ、Masaは自分用のぐい呑み(ヲイヲイ!)を購入しておりました。


幅6mの巨大な招き猫の頭像と常滑新市街の夕景

“やきもの散歩道Aコース(コースタイム60分)”のはずが、何と12:45スタート〜18:45ゴールという6時間コースに(苦笑)。ただ、まぁそれだけ見どころが多くて楽しかった証拠だとは思うけど...。

そんなわけで、ともちゃんの嗅覚だけを頼りに入ったとんかつ「弥栄」でご主人と楽しいお喋りを楽しみつつ、とても美味しい食事をいただき、再び伊勢湾をぐるりと回って21:00に無事帰宅した。


すっかり暗くなってしまった

巨大招き猫前にて記念写真

とこなめ招き猫通りで一番のお気に入りと

今回のお買い物

 

とこなめ招き猫通りCLICK

Photo by aki with RICOH Caplio 500G wide

 

 

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