昨日までの旅がまるで夢でもみていたかのように普通の日々が始まった。
以前から旅の計画を立てるのは僕ではなく、ともちゃんと子供たちが全ての行き先を決め、ルートを確認し、旅先の情報を集めるのが我が家のスタイル。去年からは僕は自分の希望をいくつか挙げるだけで、旅の全てはMasaが予め調べてくれている。今年はさらに進化して、計画は一切なし。クルマを走らせながらナビシートのMasaの提案を家族みんなで話し合って次へ進む感じだった。
だから今年は5日間を通じて全くケンカがなく、ずっと和やかな雰囲気で過ごすことが出来た。笑い声が絶えないグランドキャラバン...これからもし子供たちが僕ら夫婦と過ごすことがイヤにならないとしたら、子供たちが大人になるにつれて、今後の旅はますます楽しくなっていくのではないか?そんな風に思えてならないのである。
さて、今回の旅の最大の功労者はMasa。ドライバーが僕の時もともちゃんの時も一度も居眠りすることなくずっとナビを続け、車窓から見える山や川の名前を解説しながら雰囲気に合わせて音楽を選んでくれたし、名所旧跡の古い言い伝えや歴史背景、分かりやすい言葉で語ってくれた。そして何といっても素晴らしい温泉の数々をチョイスしてくれたのも全て彼なのである。
また、ダッちゃん車内の雰囲気をいつも和やかにしてくれた影の功労者はともちゃんだ。道に迷ったり、時間をロスしたりして一瞬重い空気が車内に満ちた時、彼女の天然ボケがそんな雰囲気を一気に吹き飛ばしてくれた。
『ほら、温泉に着いたわよ。カラダを拭く“バスマット”忘れちゃだめよ!』
『渋滞してるわねぇ。あの工場は“参勤交代制”なのね、きっと。』
『ほら、注意して!後ろに“覆面タクシー”がいるわ!』
そして、面白そうな看板や表示を見つけるのに長けているのはAzu。車窓から僕らが見落としがちな地方色豊かな面白い看板を読み上げては、僕らを爆笑の渦に巻き込んでくれた。また彼女は美味しそうな食べ物に抜群の勘を発揮。彼女の直感に従って食べたものは絶対に間違いがなかった。
ここ数年、我が家の夏の恒例行事になったグランドキャラバン。思い返してみると始まりはDiscovery+Casitaで平湯野営場をベースに過ごした、万水川・乗鞍岳・上高地(2003)だったように思う。あれから4年が経ち、今年の東北キャラバンで4年目を迎えるわけなんだけど、昨日東北道を南下しながらナビシートのMasaと4年後はどうなってるんだろう?ってな話をした。
4年後。生きているかも判らない未来...もしも運良く今と同様の暮らしをしていたら、僕は45歳でともちゃんもメデタク40代(笑)。ま、あんまり劇的な変化はないだろう。でも、Masaは19歳の大学1年生。Azuは17歳で高校2年生...『オレも運転出来るようになってるから、アキヒコさんはもっと楽が出来るね。6年後はドライバーが4人になるんだぜ!』とMasaは言うけど、果たして家族4人で旅が出来るだろうか?(笑)僕の知人たちによれば、中学生になった息子や娘と一緒に旅を楽しんでることすら異常な世界なんだそうだけど(笑)。
早かれ遅かれ、我が家も子供たちが僕らの元を去って行く日が来るのかもしれない。でも、もし叶うならば、僕は年に一度の夏のグランドキャラバンだけは、これまで通り家族4人で過ごしたいと思う。たった数日間だけでも24時間半径3m以内で過ごし、いっぱい話していっぱい笑うシアワセを味わいたいものだ。
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