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7月27-28日 御嶽山登頂断念トレッキング&開田高原(長野県)

 

ここは午前0時少し前の霊峰・御嶽山登山口、田ノ原駐車場。

乗鞍、西穂、木曽駒など標高3000m近い山に登るたびに、酷い高山病に悩まされてきたMasa。彼の高山病が克服出来るものか否か?それを見極めるべくやってきた僕らだ。

これまでの山々に共通するのは“なんちゃって”ゆえにクルマorロープウェイで一気に標高を稼いで空気の薄い環境に慣れる間もなく歩き始めたこと。それならば、前日からそこそこの高度の場所に入って、一晩寝ることで高地順応を図れば大丈夫かも?そんなわけで、スキーだったら余裕で日帰り出来るたった250kmの御嶽山に前日から入って2180mの田ノ原でP泊することを決めたというわけだ。

Azuのクラブが終わるのを待ちシャワーだけは自宅で済ませてダッちゃんで出発。途中で夕食を食べ、東名阪〜中央道〜R41と冬には通いなれた道を通って御嶽山を目指す。Azuが連続ドラマ「女帝」(爆笑)を録画予約してくるのを忘れたので、今日は特別にダッちゃんシアターの使用を許す。地上波デジタルチューナーの配線をブラッシュアップしてもらったので、ダッちゃんのAQUOSはスタート直後から中津川近くまで鮮明に映像を映しだし、まるで家で寛いでいるような、いつもとは異質なキャラバンである。

 


田ノ原駐車場深夜0時、月光に浮かび上がる御嶽山
(Photo by RICOH GR-Digital F2.4 180s)

途中で明日の朝食や行動食を調達して0時前に田ノ原に到着。午前0時現在、外気温は12℃、実に涼しい...というより寒い夜。(一般的に気温は標高100mあたり0.6℃下がるので、平地が25℃なら0.6℃×21.8百m=13℃マイナスの12℃...計算ぴったり!)晴天の夜空には月が煌々と輝き、ほとんど明かりのない駐車場から御嶽山がまるで昼間のようにクッキリと見えている。

ただ、霊峰の名とは裏腹に、田ノ原駐車場はご来光目当てなのか大勢の白装束の御嶽信仰の人々や登山客でザワついた雰囲気で、午前0時にもかかわらず鳥居前で『御嶽山に登りたいかぁ〜?』『うぉ〜!』『最後まで頑張り抜くことを誓うかぁ〜?』『うぉ〜!』なんて雄叫びを上げるグループまで...トホホ。
そんなわけで、僕の御嶽山の印象は地に落ちてしまいました。

『こんなので驚いてたら、きっと富士山には行けないよ。』by Masa
なんだか気分悪くなってきた...

但し、星空をバックにそびえる御嶽山の雄大な姿は素晴らしい!RICOH GR-Dで駐車場のダッちゃんの窓から望む御嶽山を長時間露光で撮影してみました。かなり肉眼で見た明るさに近い写りです。町では気付かないけれど、月光ってホントに明るいよなぁ。


 

 


標高2180m、田ノ原で迎えるご来光

シュラフのジッパーを完全に閉めないと寒い朝。でも僕らを目覚めさせたのはそんな冷気ではなく、外のざわめき。朝の4時からダッちゃんのすぐそばをうるさいガキ...いや、元気なお子様がギャ〜ギャ〜絶叫しながら走り回って寝てられないのだ。
駐車場から感動的なご来光を眺め、予定より30分早く起きて準備を完了し寒いのでダッちゃんの車内でパンをかじって朝食を済ませた僕らは、色違いお揃いのSierraDisgnのマウンテンパーカを羽織って5:00に御嶽山登山スタート。


5:00御嶽山登山のスタート

広々とした砂利道は登山道というより参道

朝食のパンを食べた途端に吐き気を訴え始めたMasaのことが少し気になるけど、そのうち良くなるだろうと緩やかな砂利道の登山道をゆく。正面にはどっしりとした御嶽山の雄大な山容がくっきりと見えている。
スタートの鳥居から1km、高木に囲まれた大江大権現を過ぎた頃、Masaが突然『オ・オレ・もう・アカン!』としゃがみ込む...えっ?ウソだろ?

顔を覗き込むと、もうすでに真っ青。症状を尋ねると...吐き気、頭痛、胸の苦しさを訴えて...何と、森林限界を前に高山病を発症(!)彼の目の前を2〜3歳の子供がスニーカーで駆け上がっていく。何たる皮肉!


次第に高木に視界を奪われ...

Masaの高山病発症で、あえなく下山

『オレ・やっぱ・アカン・みたい。オレ・の・名前・さぁ・木の・生えてない・場所は・アカンって・意味・あるやん。』吐き気を堪えながら、つまらないギャグをかますMasa。オマエ、その言い訳、高山病になる前から考えてただろう?(笑)(我が家の名字を知らない方には意味が解らないギャグでごめんなさい)
山頂までもう少しってことなら酸素ボンベや薬なども持参してたのでMasaも耐えられるかもしれないけど、まだ距離で2/3、時間で3/4を残したポイントでの高山病に、ピークハントは限りなく困難と判断した僕は、すぐに下山を決意する。何といっても僕自身が高山病の経験がない(ちなみに船酔いも車酔いも自分に酔う経験も生まれて一度もない。酒酔いはしょっちゅうあるけど...笑)ので、どれほど辛いかを分かってやれないことが、僕を余計に慎重にさせてしまうのだ。


遥拝所まで下ると高山病が完治!でホッと一息

道端にダッちゃんを停めてお花畑散策

先に進んだともちゃんが戻ってくるのを待つ間に、Masaの症状はさらに悪化し、目がぶっ飛んで今にも泡でも吹きそうな雰囲気になってきたのには少し焦ったけれど、とにかく下りようってことで、御嶽山遥拝所まで下山すると...
『あ〜ヤバかった!死ぬかと思った。』
一気にMasaが復活(笑)。知らない人が見たらまるでウソみたいに極端な高山病に、笑っちゃうやら、怖いやら...思春期には高山病が顕著に現れるという資料もあるので、青年になるまで森林限界以上の登山はお預け。僕を担いで登れるぐらいの一人前の男になったらまた挑戦してみようって感じた僕だった。


Masaの思春期が終わるまで、しばらくは3000級はお預けだな...

 

『スゴイわねぇ、もう登頂してきたの?』というおばちゃんたちの問いかけに目を伏せながら(笑)駐車場に戻った僕らは、ちょっとだけがっかり、でもこればかりは仕方がないよなぁってすでに納得しながらザックをカーゴルームに積み込み、ダッちゃんのエンジンに火を入れてワインディングロードをおんたけスキー場まで下り、道路脇にダッちゃんを停めてゲレンデに咲く可憐な花々を楽しむ。冬は色とりどりのスキーウェアの花が咲くゲレンデも、下草が短く刈られた夏はスキーヤーに代わって高山植物たちが咲き誇っている。その花々を目当てに集まる多種多様なチョウは人間に遭うことが少ないのか僕らに全く警戒心を抱いていないかのように僕の指先に留まって羽根を休めたりする。これってもしかしたら極楽浄土にきわめて近い光景なのかもしれないなぁ...そんなことを考えながら暫し涼やかなお花畑の時間を楽しむ僕らなのだった。

御嶽山で見かけた花や昆虫たち  CLICK

Photo by aki with RICOH GR-DIGITAL



見上げると美しい緑のモザイク
 

『オレさぁ、滝巡りと御嶽神社の里宮に行きたいんだけど...。』
すっかり元気を取り戻したMasaの提案で御嶽登山道を歩いて新滝と清滝を巡るプチトレッキングへ。道路脇の駐車スペースにダッちゃんを停め、看板に従って4合目辺りで御嶽山登山道に合流する。


代わりに滝巡りトレッキング

御嶽登山道を登る

さきほどまでの高山病で萎れた姿が全く信じられないように飛び跳ねるように歩くMasaに先導され、良く整備された山道を美しい緑のモザイクを見上げながら進む。

立派な木の橋を渡ると間もなく正面に豊かな緑の中に迸るように落ちる真っ白な滝が見えてくる。清滝である。


滝口に朝日が昇り、滝壷から響く呪文と
相まって幻想的な雰囲気に包まれる

上:立派な橋を渡ると
下:おおっ!新滝だぁ〜!

かなり遠くまで風に乗って漂ってくるミストのような水飛沫を浴びながらの山歩きは最高!ただ、清滝には滝に打たれて修行する褌一丁のおじさんがいたり、御嶽神社里宮の石段をひとつひとつ上がって辿り着いた里宮本殿を埋め尽くして呪文を唱える白装束の人たちなど、全ての場所に御嶽教の信者たちが熱心に祈りを捧げる中、カメラ片手に呑気に歩く僕らはかなり浮いた存在。僕らのように“遊び”感覚で訪れる場所ではないのかもなぁと感じた。


新滝の裏側に入ってオーロラのように
揺らぎながら落ちる水飛沫を眺める

上:岩を覆うまるで花びらのような苔
下:清滝にも足を延ばす


今、まさに新緑が真っ盛りの森を駆け足でゆくMasa(高山病はどうした!?)

 

御嶽山を後にした僕らが次に向かったのは、すっかり我が家のフェバレットな場所になった開田高原。まっ先に開田高原アイスクリーム工房でブルーベリーヨーグルトパフェを食べてフハァ〜!
パフェだけでは満足せず、大瓶入りのヨーグルトを買ってみんなでつついてフハァ〜!


御嶽神社里宮

開田高原アイスクリーム工房でパフェ&ヨーグルト


ナデナデ...『フンガァ〜キモチイイ〜!』木曽馬牧場で“うり号”と戯れる

御嶽山登山が僕、滝巡り&神社巡りがMasaの希望ならば、ともちゃんの希望は木曽馬牧場で“プシュ〜号”(*前回訪れた時に鼻水を吹き掛けられたともちゃんが勝手に名付けた)に会うこと。でも、たくさんいる木曽馬の中でどの子なのかを見分けられるはずもなく(笑)、一番小さくて一番人懐っこい女の子を“うり号”と命名して可愛がることに。何故かMasaにメチャ懐いてた彼女...『オレ、馬にモテてどないすんねん。』


木曽馬大好きな我が家の笑顔

ま、まさか、“horse”じゃないよね...

木曽馬と遊んだ後、最後にAzuのご希望でブルーベリー狩りへ。無制限一本勝負...要するに時間制限なしの食べ放題(持ち帰りは量に応じて有料)なので、もう夢中で食べ続け、結局1時間以上でキロ単位は食べさせていただきました。
『これを昼飯にしような...ゲップ!』


ブルーベリー狩りもやってみる

うんめぇ〜!

ともちゃんとAzuがバケツに収穫したぶんは、ばあちゃんへのお土産とジャムの材料に。
(お土産は熟したものを。で、ジャム用は3割ほど未熟なものを混ぜるのが美味しく作る秘けつってことで...さてジャム用はっどっちだ?)


さてどっちが生食用でどっちがジャム用でしょう??

開田そばを食べて眠くなった僕らは、木曽馬牧場の木陰でお昼寝タイム。今回の旅で一番良かった場所はココ(笑)。涼やかな高原の風に吹かれてゴロンと横になると、すぐに眠気に襲われてZZZZZ...開田高原郷土館で木曽馬最後の純血種とも言われる「第三春山号」のはく製に会って木曽馬についてさらに深くお勉強。高校に入ったら温泉研究会・略して“温研”を創部するのだと張り切っているMasaが選んだ天神温泉「清雲荘」で、濃くていかにも効きそうなお湯と、ついに最後まで笑いが止まらなかったお風呂のふたのギミックを堪能する。


芝生の木陰で1時間ほどお昼寝

郷土館で木曽馬最後の純血種「第三春山号」と

天神温泉「清雲荘」

ふたのギミックで笑いが止まらない
QuickTime

お風呂を出た後、Masaはこのまま権兵衛トンネルを通って伊那谷へ抜けて中央道で戸隠入りして、明日は戸隠山に登るのだ!と息巻いていて、それもいいかな?なんて思いつつ天気予報を確認したら、残念ながら長野県北部の明日は雨(涙)。戸隠は中越沖地震で相当揺れたみたいだし、緩んだ岩&滑りやすい雨だと、あのナイフエッジはヤバいだろうってことで、急きょ晴れの天気予報が出ている三重県に帰ることに決定!
明るいうちに自宅に戻ることが出来た。

 

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