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7月18日 またまた海山で水遊び(三重県紀北町)

 
子鬼の居ぬ間に...#14

魚飛渓 テナガエビ漁 


一枚岩(千畳敷)が水没する水量!(魚飛渓)

子供たちは三者面談が始まって一限目だけで帰ってくる日なので、厳密には“居ぬ間に...”ではないんだけど、一応14回目の『子鬼の居ぬ間に...』野遊び。いつもなら悔しがる子供たちも、週末の休みを全て返上して忙しく動き回ってる両親のことを少しは気遣ってくれているみたいで『しょうがないなぁ、行ってきなよ!』と僕らを送り出してくれた...そんなわけで、今日も紀州シュノーケリング旅なのである。
今日は9:30と少し遅めの出発でまずは電装屋さんに預けてあるダッちゃんに載せっ放しの装備(防水のシートカバーなど)を引き取って、R42を南下し、途中のコンビニで食料を調達して紀北町海山へ入る。今日の干潮は14:00頃なので、まずは魚飛渓で川遊びである。


今日も最小限の装備で川へ

一枚岩でウォータースライダーを楽しめる

10:50魚飛に到着。クルマを降りて川を見ると、先日来の台風〜長雨のせいで川は増水し、いつもの一枚岩は完全に水没している状態!『こんなに増水してたら危ないし、今日は川はキャンセルにしようか?』ガードレール越しに川を眺めながら、こう言って振り返ると...『何してるのぉ〜?早く着替えなさいよ〜!』ともちゃんはクルマの中でスッポンポンお着替え中(笑)

何だかよく分らないままに着替えを済ませ川へと下りる。実際に川に入ると道路から見ていた以上に流れのパワーが強く、膝上ぐらいまで入ると転倒しそうな勢い。


下流から見た一枚岩

増水してもこの透明度が嬉しい

もちろん一旦浮かんでしまうと僕の泳力では川の中で一ケ所に留まることが出来なくて、本流に泳ぎ出すと、あっという間に下流にもっていかれるほどだ。一応は泳げる僕でさえこんな状態なので、カナヅチともちゃんは漁は困難をきわめるはずだけど、エビたもを手にすると急に泳げるようになる彼女(笑)は、そんなことお構いなしで川を泳ぎ渡っていく。ともちゃんにとってエビたもは仮面ライダーの変身ベルト、いや、ウルトラマンのベータカプセルなのかもな...その変身ぶりには苦笑するしかない僕である。


早速、テナガエビ漁を開始するともちゃん(泳げてます...笑)


熱心に岩陰をガサガサ

手掴かみでズガニの中学生をゲット!
CLICK

今日の増水で泳ぎづらいのは水中の生き物、特に小さいエビやカニも同じようで側流の岩陰に潜んでて、あまりウロウロしていない。パレードが見られた前回に比べて数はイマイチ少ないんだけど、そのぶんデカい個体は堂々と川底を闊歩していて...『ンガッ、ビヅゲダァ〜!』(あっ、見つけた!)水中に響くともちゃんの叫び声で振り返ると、彼女がなんと手掴かみ(!)で中学生サイズのズガニをゲット!(笑)


ほっぺがキュートなカエル(体長20cm)

休みなくエビを探す

続いて水深2mほどの川底で“友達の輪!”のポーズをとる大物テナガエビを発見し、ロックオン!これだけ身体が大きいと身を隠せる場所も限られるわけで、僕が潜水して彼のポートレイトを撮ったりしながら徐々に浅い場所に誘導し、身を隠す岩がない場所に追い込んで『ヒェ〜、コレ以上バックできないよぉ〜!』状態にして...ともちゃんのエビたもが目にも止まらぬ速さで大物テナガエビをゲット!
『ゲガッガゲボゴバギガガガギバギョ!』(狙った獲物は逃さないわよ!)
大学の体育の時間に教授が行った反射速度テストで堂々●●大学一位となった反射神経はダテではないのだ(これと自分の詩がYAMAHAポプコンで入選したのが彼女の密かな自慢...笑)


水深2mの川底で“友達の輪!”ポーズを決める

潜ってみると“だっちゅ〜の!”ポーズ
CLICK


ともちゃんの手を鋏んで抵抗するテナガエビ

『ああっ、オレを喰うのか?油でカラッと素揚げにするのか?』捕獲された後ともちゃんの手をはさんで必死で抵抗するエビちゃんを写真に収め、『もう捕まるんじゃないわよっ!』とか何とか意味不明なことをつぶやいてリリース。ま、増水した川でテナガエビを見つめて語りかけるオバちゃんってのも滑稽だけど、どうやら彼女はエビと話せるようだ(笑)


2時間の漁で落武者のように引き揚げる

場所を少しづつ下流に移しながらテナガエビ漁を続けること2時間( ...というか、ゴーッ!ブババババ〜!ってな轟音を発てて流れる豊富な水量と低水温の中での川遊びは2時間が限度だ)。超大物を2尾と小物を数尾捕まえたところで夫婦揃ってムラサキクチビルになったので、川から上がることにする。雨の降りしきる魚飛渓の林道に停めたOUTBACKに戻り、雨除け代わりにテールゲートを上げ、リアバンパーに腰掛けて、サークルK特製“あと塩仕立て”のおにぎりを頬張りながら、僕らは互いの顔を見てご飯粒を飛ばしながら大笑い。
『ウハハハハ...なんちゅう顔しとんねん!』
隣に並んで座る相棒の唇は見事なムラサキ色。そんでもってオデコにはシュノーケリングマスクの痕がクッキリと残り、クシャクシャボサボサの髪はずぶ濡れで水滴がポタポタと落ち...実際に会った経験はないけれど、“落武者”ってのはこんな姿をしていたに違いない。

『ナニ言ってるの!アンタも相当ヒドイ姿よ。髪が濡れていつもよりハゲっぽいし、ヒゲの水滴がまさに変質者っちゃね。』
うるさい!ハゲは余分じゃ!でも、ふたりでこんな風にお互いの憎まれ口を叩きつつワハハハと笑って過ごす時間が、本当に愉快だ。

今では下品でオバちゃん根性丸出しの“勇敢マダム”だけれど、僕が彼女と出会った時、彼女は半月前まで女子高生で、3ヵ月前までは詩を愛する花のセブンティーン!のイタイケな文学少女だった。決して美人じゃないけど肌はあくまでも白く、シワひとつない柔らかくしなやかなbaby skin...で、オマケに超ボイン(死語?)。これはオレが守ってやらなければ!今から考えれば大いなる勘違いだったし、彼女は彼女で髪がフサフサの●●先輩がまさかこんなオタクでエロ親父だなんて想像すらしなかっただろうけど、とにかく僕にとって彼女は守るべき存在で、僕は彼女にとって頼りがいのある彼だったのは確かだ。
『自分がこんなババァになるって想像してた?』
『全然。まさか、こんなに落ちぶれちゃうなんて。“三重県、恐るべし”よね。』

『ホントだよなぁ。都会に暮らしてたら、こんな雨の日は上品な着こなしでカフェでお茶してただろうね。オマエは美白でもっとスマートで...オレだってもっとオシャレでカッコいい“チョイワル”ジジィになってたかも。』
『クルマに腰掛けておにぎりってことはなかったでしょうねぇ。』
『黒装束にムラサキクチビルもないだろうな。』
『三重県、恐るべし!』
『でも、三重県はスバラシイ!』
かつての溌剌とした姿は見る影もなく“萎”んでしまい、中学生の子供がいる四捨五入するとふたりとも40歳の中年夫婦になった今、こうしてふたりで大雨の中、増水した川に入り、爛々と目を輝かせてエビ捕りをしている姿を20数年前は全く想像することが出来なかった。


OUTBACKで休憩&ランチをする落武者

そのギャップが妙に可笑しくて、僕らはククククって思い出し笑いが止まらないのだ。
『アホやよね。』
『アハハハ...ホントにアホ夫婦。』


だから、アナタは泳いでるっちゅ〜の!

川と相棒の落武者姿を眺めながらランチを食べ終えた僕らは、OUTBACKのシートに防水シートカバーを敷いてずぶ濡れの黒装束のまま和具ノ浜へ移動する。まるで忍法「水蜘蛛」が失敗に終わった初心者の忍者のようないでたち(笑)
『ああああ〜あ、ウオトビィ〜わぁ〜今日も〜雨ぇだぁったぁ〜ワワワワァ。』長崎やっちゅう〜の(笑)

 


 
和具ノ浜シュノーケリング


『こんにちわ!久しぶりねぇ〜!』『おっヤバイッ!あの漁師オバサンのお出ましや!』

雨上がりの和具ノ浜。駐車場にはVITZ一台。ただ開店休業で人影のなかった前回とは違って、バースハウス(管理棟)もカキ氷のお店も開いてる。
管理人のオバちゃんに駐車料金500円を払いビーチに入ると今日も僕ら夫婦と若い20代前半っぽいカップルのふた組...そして白鳥くんがっ!
僕の視線は海ではなく、ついついその若いカノジョの胸元に向いてしまうのだけど、ともちゃんに引きずられるように白鳥くんの元へ。


オ、オレを捕まえるんか?

とにかく逃げねば!

『こんにちわ!久しぶりねぇ〜!』エビに引き続いて白鳥に話しかけるともちゃん。
『おっヤバイッ!あの漁師オバサンのお出ましや!』ビクッとする白鳥くん。
『 オ、オレを捕まえて喰うんか?とにかく逃げねば!』
ペッタンペッタンと可愛い音をたてて水辺へと逃げる白鳥、それを追うともちゃん。
『ヒェ〜 カナヅチが追い掛けてくるぅ〜!』コレコレ、泳いでまで追いかけるのはやめなさいって!(笑)


ヒェ〜 カナヅチが追い掛けてくるぅ〜!

凹んだともちゃんはひとりで貝拾い

『どうして逃げるのかしらネェ。』そりゃ、アンタが怖いからだろっ!って言葉を飲み込んでシュノーケリングマスクを着けて海へと泳ぎ出すと...ワハハハ、今日も竜宮城!こりゃ、ビキニだけど彼氏付の乙姫さまよりこっちの方が魅力的だわ!って思えるほど多くのカラフルな魚たちが群れ泳いでいる。


さて、いよいよシュノーケリング開始!いきなりこの光景!!

少し透明度が悪かった前回に比べ、台風一過から数日が経過した今日の和具はなかなかの透明度。潜堤を越えて少し波のある場所では前回には見られなかった黄色と黒の縞々系...オヤビッチャやカゴカキダイも多く見られて、海中はさらにカラフルな印象だ。


体長1cm以下のルリスズメダイの群れ

しかも海水浴客や銛を持った漁師(笑)がいないことを幸いに、巨大なボラが何十何百と群れて回遊したり、まるで“魚吹雪”じゃん!って感じるほどのコッパグレの群れ...遠くから見ると直径1mほどのボールにも見える...が猛然とこちらに向かってくるとある種の恐怖感を感じるほどだ。川よりはマシだけど、海にしては水温が低いのでずっと泳いでるのは辛く、30分ほど潜堤の向こう側で泳ぎまわった後は、足が届く潜堤上に戻る。


ニシキベラ&カゴカキダイCLICK

もはや名前を書ききれないほどの数!CLICK

魚の群れの中に飛び込んで泳ぐ。まるで“魚吹雪”

ところが潜堤に戻ってみると、自分の周りの魚がさっきよりも増えていることに気付く。あれ?変だな。
サザエ&アワビを探しに出ていたともちゃんが僕のそばにやってきたので訊ねてみると、『なんだかアナタの周りだけ魚影が濃いような...魚集まってるみたいよ。』僕の直感は当たり!どうやら、潜堤の向こうの深い場所にいた魚たちが僕を追ってきて僕の周りをグルグル回遊しているみたいなのだ。


狩猟本能を封印したともちゃんに集まる魚たち

その秘密は僕の履いているフェルトソールのウォーターシューズ。僕がバタ足をして泳ぐたびにソールに付着した細かなチリがまき散らされ、その中に含まれるプランクトンを目当てに魚たちが集まってきてしまったというわけなのだ。なんだよ、餌が目的かよ!ただ、それでもこれだけ多種多彩な魚たちが何十何百と集まってくると何だか人気者になったようでちょっと良い気分。


『今日は捕まえたりしないからね〜!』
魚に好かれてご満悦なともちゃん。

上:ソラスズメダイとニシキベラ
下:カゴカキダイと触れあって遊ぶ
CLICK

ただそれを水面のレベルから眺めているだけでは、魚たちと友達になれないので、胸一杯に空気を吸い込んで海底(ほんの1mほど)まで潜り、潜堤のU字の突起に掴まって身体を支え海底から見上げる形で魚たちを撮影することに。僕はさかなクンじゃないので詳しいことは判らないけれど、魚ってのは結構自分の上...つまり水面に注意を配っている感じがあって、自分より低い位置にある僕には無関心&無警戒でとてもリラックスした泳ぎで僕の真上を通過していく。


ともちゃんから見ると僕が魚の親分に見えるほど、集まってたらしい

前回はソラスズメダイが多かったけれど、今回はもっと青くもっと小さなルリスズメダイが多い。そんなチビが集まって浮かぶさまはまさに瑠璃色の宝石を散らしたようで実に美しい。カゴカキダイやオヤビッチャなどの黄色系が多いこともあって、前回よりもさらにカラフルなので思わず身体の冷えも忘れて泳ぎ&潜り続けてしまうけれど、さすがに3時間以上休まずに陽光の射さない海に入っていると徐々に体温が下がりはじめるのを自覚し、脂肪の重ね着の少ない僕がともちゃんよりも先に身体がガタガタと震え始めてギブアップ!
久しぶりに『カチカチカチ...ラ、ラーメンタベタイ』と歯を鳴らしながら海から上がった僕らだ。

そんなわけで、今日はバースハウスの温水シャワーを利用させていただき、和具ノ浜を後にした僕らは、榊原温泉に立ち寄ってのんびりと身体を暖めて帰宅した。

 和具ノ浜で見かけた魚たちCLICK

Photo by aki with RICOH Caplio 500G wide

 

July.2007 MENU

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