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 5月26-27日 大井川ダウンリバー(静岡県川根町・鵜山七曲り)

  


暴れるカヌーをブレーキングさせるともちゃん

 

『akiさんちはいつもギュッと凝縮して遊んでいらっしゃるから。』
カヌー仲間からこんな風に言われることが多い。

何故だか理由は分らないけれど、僕の知りうる限り、カヌーを趣味としている人は自由業だったり公務員だったり学校の先生だったりと、暦通りに休めて夏休みもたっぷり!という時間に余裕のある職業の人が多いだけに、我が家の忙しいカヌーライフは彼らの目には奇異で滑稽に映っているに違いないと思う。
仕事が順調な時は当然自由な時間が減るわけで、収入が多めの時なんかはそのお金で時間を買ってもいい!とすら感じるほどいつも欠乏感を感じている僕。でも僕だって本当はのんびりと楽しみたい!...けれど、とにかく我が家は時間貧乏なわけで、限られた時間の中でやりたいことは目白押しという状況は(今のところ僕の代役が存在しない以上)仕事を引退でもしない限り僕にそんな余裕ある日々は訪れないんじゃないかと半ば諦めの気持ち、そしてそんな自分の置かれた状況下で満足できるカヌーライフを送りたい、いや送ってみせる!という気概が僕の野遊びの原動力の一部になっているのも、また事実だ。
でもカヌーに乗ってる間は時間を忘れたいという、せめてもの贅沢を味わいたいがために、お出かけの準備はいつも時間との闘いになってしまう。


土曜日は準備万端でMasaの帰りを待つ

ところがやはり真っ暗闇の深夜や昼休みの限られた10分とかにカヌーを積み込むのはとても大変。暗かったり時間に制約があったりすると作業も捗らないし、時にはミスや怪我も起きる。

今回の週末、当初は今夜家を出て2泊2日の大井川カヌーキャラバンに出る予定になっていたんだけど、どうも天候が思わしくないので、土曜は雨でも楽しめる吉野での寺社巡りを楽しんで、大井川は土曜の夜から月曜の朝までの2泊1日に予定変更。ところが昨夜になってから急にMasaが土曜日にクラブの練習が入り、さらに練習の後で友達と遊ぶ約束があったことを思い出したこともあってさらに遊べる時間が短くなってしまい1泊1日の強行軍である。でもMasaの都合で出発が一日遅れたことが結果的に幸いして、朝ゆっくりと起きて爽やかな風に吹かれながらのんびりとカヌーの積み込みを行うことが出来た。

楽しいダウンリバーを想像しながら、ダッちゃんのルーフに上がってキャリアのパッドの修理とかTバーに油を注してスムーズに動くようにしたり...カヌーの積み込み自体を楽しむ。みんなこんな風に準備の段階から楽しんでいるのかぁ...また少し羨ましい気持ちになったりもしたけど。

そんなわけで午後5時にMasaが帰宅。準備万端なのでシャワーを浴びてまだ湯気が立ってるようなMasaを積み込んで5:30出発。
いつも暗闇の中の運転だけど、今日はまだ陽も高く高速道路から景色を眺めながら走れるのが嬉しい。午前中にレンタルしてきた新曲もたっぷり入ってるiPodで音楽を楽しみながら東名阪から伊勢湾岸道を経て東名へ。
『カヌーや登山も楽しいけど、こうして“走るリビング”に家族揃って乗って色々なことを話しながらドライブするのが一番の幸せだよねぇ〜!』
Masaの言葉にみんなで大きく頷く。今日は我が家からたった3時間、200km足らずの大井川ってことで、ともちゃんと運転を交代しなくても大丈夫。でも久々の家族でのお出かけに、浜名湖でのんびりと夕食を楽しんでたせいで大井川の道の駅・川根温泉に到着したのは午後8時40分。


10分遅れで川根温泉CLOSEDで足湯を楽しむ

10分だけ温泉の営業時間を過ぎてしまい、川根温泉に入ることは出来ず(涙)
ま、家を出る時にシャワーを浴びてきたからいいんだけど、ちょっと残念なので道の駅併設の足湯に入ってのんびり...TVも映らないしDVDも積んで来なかったし、しょうがないのでダッちゃんの車内でギターを弾いたり寝転がったりと思い思いに過ごしつつ、大井川の夜は更けていくのだった。



名前とは裏腹にとても上品な花


くのわきでコンタクトレンズを入れるMasa

河原はムシトリナデシコが満開

計画では2泊2日かけて楽しむ計画の大井川遠征...それを24時間で楽しもうってんだから、当然ながら早起きが基本だ。7時起床で川根温泉近くのコンビニで食料を買い込んでスタート地点の塩郷・くのわき(久野脇)キャンプ場へと向かう。川根から左岸を走り塩郷ダムを渡るルートが一般的だけど、ダムは幅員が狭く2mを超えるダッちゃんの通行は難しいので地な(じな)から昭和大橋を渡り右岸沿いを久野脇へと進む。途中アキヒロ夫妻から電話が入り、“子鬼の居ぬ間に...”で大井川DRにドタ参加することになったとのこと。我が家以上にフットワークの軽いアキヒロ夫妻はスバラシイ!


Masaがカヌーを運ぶのは定番となった

Masaとアキヒロさん

ダッちゃんのMagic-o-carrier

8:30ダウンリバーの準備完了!

くのわき親水公園キャンプ場のゲートをくぐりキャンプ場の川側に続く未舗装路を通って広大な河原へ。河原にはしっかりと踏み固められた道があって四駆じゃないダッちゃんでも問題なく水辺に辿り着ける。大事を取って水辺の手前30mほどにダッちゃんを停め、Masaとふたりで3艇のカヌーを下ろす。河原は一面に薄紫の花が咲き誇っている。ムシトリナデシコの大群生である。間もなくアキヒロ夫妻も到着し、スタート準備も整って8:40にダウンリバースタート。


ダムの放水で笹濁りでブルーグレーの川面に漕ぎ出す

去秋は澄み切っていた大井川も今日はダム放水中のために笹濁りのブルーグレー...でも流域住民と知事さんの「大井川水返せ運動」が実って1989年に毎秒5tの放水が実現するまでは放水ゼロで完全に干上がった“大井川砂漠”だったことを考えると文句は言えないし、濁っているとはいっても汚い感じは全くなくて結構清冽な感じが嬉しい。


終始先頭をゆく今日のリーダーMasa

川面の青と白のグラデーションが何とも美しい

スタートしてしばらくはMasaが先頭を行く。大河・大井川のイメージとは大きくかけ離れた20mほどの川幅はスタート直後のストレートな早瀬を過ぎると大きなRを描いて左に巻いて流れる。アウトコースには多くの隠れ岩の頭が笹濁りの水面にぼんやりと覗いているけれど、流れが穏やかでカーブも緩やかなのでカヌーをヒットさせる心配はまずない。


痛快な瀬が連続する

僕らの視界から人工物が消えて、右岸沿いに走るガードレールだけになった辺りで初めて注意を要する瀬が現れる。水深がなく波高は2〜30cmだけど気田川オーラス手前にあるピンボールの瀬(パチンコの瀬)にも似た岩だらけのテクニカルな瀬である。まずはMasaが突入。僕の見る限りルートは一本、しかも幅はほぼカヌーの幅しかなく岩と岩の間隔は数mとまさにスラローム。でもMasaはベントシャフトパドルを器用に操って小回りの利くHUNTERを豪快に振り回し、水面スレスレまでリーンさせるカヤックのような動きで一度も岩にヒットさせることなく完漕!いやはやスバラシイ!で、次に僕だけど...ドガッ!ボフッ!いきなりボトムをヒット(涙)。CAMPERは長いからしょうがないんだよなぁと独り言。ここは沈もあるかなぁとカヌーをエディに入れてレスキューロープ...ではなくカメラを手にAzu&ともちゃんを待ち構えたけれど、なんとふたりも一度もヒットさせずに見事にクリア...ぶつけたのオレだけやん(涙)


本流を果敢に攻めるPATHFINDER

この瀬の後は広々とした河原を大きく蛇行しながら滔々と流れる大井川。
川面は南アルプスを源流に持つ川独特のブルー(...水中の白いシルトがプリズムの働きをして青色だけを反射することが原因のようだ)、浅瀬は川床が透けてグレー、そして岸辺の影が映る部分は濃いブルーグリーンと3色が美しいグラデーションを見せてくれる。時速4〜5kmで流れる穏やかな淵、そして漕ぎ疲れた頃に絶妙のタイミングで現れる痛快な早瀬...大井川の美しさと楽しさを存分に味わいながら僕らはダウンリバーを続ける。


浅瀬、深み、影が川面にトリコロールを生み出す

4km地点の美しい河原で最初の休憩

カーブを伴った瀬では大事をとって必ず早めにインコースに入るAzu&ともちゃんも、美しいダウンストリームVを描くストレートな瀬では三角波を狙うように本流一直線!波間から突き出たカヌー前半分で波頭を潰すように進む様はなかなか豪快である。

漕ぎ出して30分ほどで右岸でスタート準備をしているカヤッカーのカップルと挨拶を交わす。間もなく左岸に美しい河原が現れたのでフネを岸に寄せて初めての休憩を取る。
アキヒロさん夫妻と改めましてお久しぶりです(笑)。我が家の子供たちより一足早く“親離れ”を果たしたアキヒロ家の子供たち。逆に両親の方が戸惑ってたみたいだけど、ようやく夫婦で過ごす時間にも慣れることが出来たようで、こうしてまたご一緒出来るのは嬉しい限りだ。


珍しい父と息子のツーショット

10分ほど陸に上がって談笑した後、僕らは再び川上の人となる。少しづつ透明度が回復してるように感じられる大井川だけど、時折直前になって現れる水面スレスレの隠れ岩に肝を冷やす。カヌーに限らずフネというものは流れより早い、あるいは遅い...つまり速度差がある時だけ舵が効く乗り物なわけで、今日のようにある程度の流れがあり、その流れに乗って流木のように流れている時はドロー(遠くの水面をパドルで手繰り寄せる動き)やスカーリング(8の字)だけしか隠れ岩を避ける手段がない。そこで岩だらけの早瀬の中だけはカヤックのようにちょっと頑張って漕ぐか、あるいはBill Mason師のようにブレーキングしてラダーを効かせる必要がある。


濁りと言う言葉で表現するには惜しい美しさ

一列になって早瀬を下る

 


紀伊半島とは全く違う南アルプス系の青いシルトがこの発色をもたらす

早瀬と淵を交互にやり過ごし、僕らは昭和橋を通過。橋のすぐ下流にあまり隠れ岩がなく水深のある瀬が現れる。美しいDSV(ダウンストリームV)のセンターに立つ三角波の波高は最も高いところでカヌーのバウと同じぐらいだから50〜60cm...0.5級にも満たない瀬だけど、距離が長くストレートでメチャ痛快!そのど真ん中をMasaのHUNTERがゆく。今日の4艇で一番バウ高が低く瀬で水をもらいやすいHUNTERなので、Masaは波頭を越える度に上体を後ろに反らして体重をスターン寄りに掛けてバウを浮かせ、ボトムで波を潰すような感じで瀬を通過する。浸水を防ぐ彼なりの工夫のようだ。


重心を後ろにバウを浮かせ波を潰して進むMasa。ガンネル高の低いHUNTERが水をもらわない工夫だ。

右岸の真新しい橋が見えなくなるのを最後に大井川は人工物が全く目に入らない太古の自然のままの区間へと入る。鵜山七曲りである。
七曲りはその名の通り、典型的な穿入蛇行*1 によって形作られた川相である。
南アルプスを源流に持つ大河・大井川。その流程の中で、鵜山七曲りの区間は限りなく下流に近い中流域に位置するんだけど、何と自然が濃いことか!このように素晴らしい自然を中流域に持つ川は他に例がないんじゃないか?視界いっぱいに広がる素晴らしい風景を楽しみながら、僕らはダウンリバーの醍醐味を充分に味わうのだった。

*1 穿入蛇行=生育蛇行。かつて平野上を自由蛇行していた河川が浸食基準面の低下によって下刻するようになったため生じる蛇行。四万十川や大井川の中流などのような山地や丘陵地などに発達する。


鏡のような美しく穏やかな淵

立ち上がってMasaのルートを説明するAzu

さきほどのストレートな瀬とは違って、この区間に入ると瀬の終わりに大きなカーブを伴う若干テクニカルな瀬が続くようになる。ともちゃん&AzuのPATHも波間に見え隠れするMasaのHUNTERを追ってそんなカーブへと進入する。川底に大き目の岩が点在しているためにUSV(アップストリームV)があちこちに現れ、大きく白い波頭が何か白兎が川を渡っているかのようだ。


波に隠れるMasaのHUNTERを追うともちゃん&Azu

軽く短く、そしてOld Townフラットボトム4兄弟の中では一番ボトムのロッカーがきついHUNTERは比較的回頭性に優れているので、Masaはカヤックのように細かなターンを繰り返しながら下っていく。それはまるでスキーのコブ斜面を滑るかように波から波へと谷間を縫う感じ。波の頂点から斜面をズズズとスライドする(例えるならFR車でドリフトしているのに近いかな?)感覚は、フラットボトムならではのヨロコビで、モダンスタイルのフネにはない美点でもある。


ヒャッホー!こんな痛快な0.5級の瀬が随所に!

対してともちゃん&Azu艇は重く長いのでMasaはよりも若干左岸寄り、バリバリの本流を狙い澄まして、高い波を押しつぶすようなルートをゆく。ここは時折Masa艇が波間に見えなくなるほどだから、さきほどよりも若干波が大きい(それでも波高は1m未満だけど)のでバウのAzuは顔に水しぶきをモロに浴びてキャーキャー(笑)。僕のCAMPERもバウを越えて水が浸入しボトムに10cm程度の水溜りが出来た。瀬のエンドは流れが一直線に岩壁にぶつかっているので早めにインへと逃げる...そんな感じで瀬を楽しみながら、予定していたランチポイントに予定よりも20分ほど早く到着である。


岩に向かう流れから出ようと母と娘は強引に右サイドをドロー


ランチポイントで早くも川に入るAzu

あったか〜い!ここはお茶とみかんの国

河原にフネを引き上げ、フロストバッグを河原に下ろしてランチタイム。Azuはカヌーを降りるなり川に入ってウエットスーツで蒸れた身体をクールダウン。中学生になってもその河童ぶりは変わらないみたいだ。僕ら大人たちは河原に座ってランチのおにぎりを頬張りながらその時を待つ。


ここでランチしながらSLに会うために漕ぐスピードを調整したのです(笑)

待つことしばし。下流の方から“あの音”が微かに聞こえ始めると、河原の中ほどまで駆けていくMasa。
『この辺がベストポジションなんだよな!』大きな石ころに座って“その時”を待つ。
一瞬の静寂...そしてその直後、ボーッ!シュシュシュシュ...突然耳をつんざくような汽笛と真っ白な煙とともに、何両ものレトロな客車を牽いた大井川鐵道の蒸気機関車が突然僕らの目の前に現れる。
ここは鵜山七曲り、駅で言えば笹間渡(ささまど)〜地名(じな)間で唯一大井川鐵道が川沿いを走るたった200mほどの区間なのである。ここをランチポイントにしたのも、予定時刻に到着するように調整して漕いだのも、全てはこの場所で一瞬SLに会うためなのだ。


七曲りの区間は全く人工物のない素晴しい自然

SLを見て子供みたいに大はしゃぎした僕らは、積荷をまとめて再び川へ。川の流れは僕らをますます濃い自然の中へと誘(いざな)う。急傾斜の両岸の緑は目にも鮮やかで、カーブを伴う早瀬をいくつもクリアしながらゴールを目指す。そんな時、岩絡みの瀬でMasaにアクシデント。


Masa落水!すぐに再乗艇したけど後ろ向き(笑)

緩やかなカーブを描くダウンストリームVCLICK

気持ち良〜く大きくリーン(傾け)させてカーブを曲がってる真っ最中にイン側の隠れ岩にボトムをヒットさせたMasaが瀬の真ん中で落水!なのだ(笑)...でもカヌーは沈せず、僕がカメラを向けたら照れ笑いしながら岩岩の瀬の途中で何ごともなかったかのように再乗艇して後ろ向きのまま瀬を下ってくる。それほどまでに泳いでるブザマな姿を写真に撮られたくなかったのね(笑)と瞬時の再乗艇に感心するやら呆れるやら。


ソロはもちろんタンデムでもライニングダウンはなし

そんなMasaの落水を目の当たりにした女性陣は迷わずエスケープルートへ。去年の秋にMasaとふたりで下った時に比べると、少しだけ瀬にパワーがあったので女性陣はちょっと目がマジだ。
『ワタシ、こういういつもパドルを動かしてないといけないような落ち着かない川はキラ〜イ!まるで長良川みたいに隠れ岩ばかりで気田川みたいにカーブばかりじゃないの!』...だそうだけど、アナタたちの希望を聞いて100%沈しない川選びをしてたら宮川と仁淀川しか行けなくなります(笑)


このカーブを曲がるとゴールの笹間渡鉄橋が見えてくる

 


カヌーに乗ったまま妹に引かせるリーダーさま

よいしょ!強風の中2艇目のカヌーを担ぐMasa

そんな調子で、塩郷から笹間渡まで鵜山七曲りの区間11kmをSLの通過時刻に合わせたりしながらのんびりと漕いで3時間ちょうどでゴール。ゴールの笹間渡の鉄橋のたもとにカヌーを着ける。
時計の見ると11:30。笹間渡川根温泉駅発12:10に間に合いそうなので、少し慌ててすぐにカヌーと積荷を駐車場のそばへと運ぶことにする。例によってMasaがHUNTER&PATHの2艇を僕がCAMPERを担当するんだけど、今回は川を吹きぬける風が思いの他強く、Masaはかなり辛そうだった。その間に女性陣だけは着替えを済ませ、僕らは揃って駅へと急ぐ。


遠く険しい道のりにMasaは不満タラタラ...

笹間渡川根温泉駅から大井川鉄道に乗って

12:10、ホームに入ってきたのは懐かしい近鉄特急の古い車両。列車に乗り込んで、車窓からの眺めを楽しんだり、地名駅の日本一短いトンネルを写真に撮ったりしているうちにほんの11分でスタート地点最寄りの塩郷駅に到着である。


トンネルの暗闇から明るく
眩しい新緑へと線路は延びる

上:近鉄の古いビスタカー車内にて
下:塩郷駅に降り立つ

塩郷駅から対岸のスタートポイントくのわきキャンプ場へは長さ220.4m、高さ10.4m、大井川に架かる一番長い吊り橋である塩郷吊り橋(別名・恋金吊り橋)を渡る。大きな吊り橋なのでワイヤーも太くかなりしっかりした造りなんだけど、何故か踏面は30cm幅の薄い木の板が2枚並べてあるだけ。両側の手すりも頼りない感じのロープだし風通しの良いことこの上ない。僕とMasaは高所恐怖症ながらもう二度目になるのでさほど恐怖を感じることはないけれど、強風&Masaがわざと揺らしたせいでAzuは船酔いならぬ吊り橋酔い。ま、瀬を怖がるし高い所が苦手になったし、Azuも女子中学生らしくなってきたのかな?(笑)


恋金吊り橋は長さ220.4m、高さ10.4mで大井川に架かる一番長い吊り橋


素晴しい高度感(笑)

ランカスター&ダッちゃん

何とか大井川を渡って辿り着いたスタート地点の久野脇の河原は一面の花畑...ムシトリナデシコが朝よりも色鮮やかに咲き乱れる広い河原をダッちゃん&ランカスターへと歩き、それぞれのクルマに乗ってゴールの川根温泉の駐車場へと向かう。

駐車場でカヌー&装備を積み込み着替えを済ませた僕らは、温泉で汗を流してから子供たちの待つ自宅へと戻るアキヒロ家と別れ、Azuサービスな場所へと向かう。Azuサービスな場所ってのは大井川からほど近い掛川市にある「掛川花鳥園」である(爆笑)。


ムシトリナデシコの咲き乱れる広い河原をダッちゃん&ランカスターへと歩く



鷹匠ギャリーさん&ハヤブサと一緒に

誰よりもフクロウと記念撮影したがったのは母

オニオオハシを手なづけたともちゃん

フラミンゴとフラメンコ

ここは一昨年行った富士国際花園の系列の施設で、その名の通り広い温室に珍しい蘭などの花が咲き乱れ、そこに放たれた色とりどりのオウムやインコと触れ合うことが出来る。なかでも彼女のお目当てはフクロウとTVの動物番組で紹介されたポストへ新聞や郵便物を取りに行くペンギン。
入場料を払って(今や大人4人です!)園内に入ると、多くの家族連れで賑わっている。ただし、そのほとんどがベビーカーを押してる若い家族連れで、中学生なんて皆無。こりゃMasaはつまんないだろうなぁって心配したけど、実は一番楽しんでたのはMasa。


野生の母に似て動物や鳥に好感を持たれやすいMasa

ボランティアで園児と遊び、毎日うりと遊んでるからだろうか?彼が呼ぶと鳥たちは全く警戒せずに彼の腕にピョン!エサもなしでペンギンを呼び寄せ指を噛ませて頭をペシペシ叩くちょっと乱暴な遊び方だけど、ペンギン大喜び(笑)
『オオハシく〜ん、こっちおいで!』
『おっ、兄ちゃんオモロい奴やん!正直モテモテやろ?』
『猫と鳥と園児にはな...ほっとけ!』

で、二番目に楽しんでたのはともちゃんで、“フクロウを肩に載せて写真を撮りましょう”コーナーにダッシュで並んでたし...(笑)


Azuは「動物奇想天外」で見た念願の
ペンギンちゃんと会えて大満足の様子

上:ペンギンにモテモテMasa
下:僕の一番のお気に入りはシギ

屋外で行われた英国人鷹匠ギャリーさんのジョークを交えたショウは見ごたえあるし、鳥たちと間近に触れ合えて楽しいし...Azuへのサービスでしょうがなく行ったにもかかわらず意外にも家族全員大満足な「掛川花鳥園」。Azu&Masaやともちゃんはもちろん、僕も実は大井川より楽しかったかも?な時間を過ごすことができたのだった。


「掛川花鳥園」を後にした僕らは掛川ICから東名高速へ。あとは夕食を食べて帰るだけだな、なんて話してたんだけど、ここでともちゃんが遠慮がちに呟く。『あのぉ〜、もし宜しければ浜松西ICで降りて夕食なんていかがでしょう?』ワハハハ、オレも同じこと考えてたよ!ってことで、最後は浜松で7年ぶりに「うなぎのなかや」を訪問。


浜松で高速を下りてお気に入りの鰻屋さん「なかや」へ

“苦い思い出”生胆にすごいリアクションのともちゃん


カウンターの中から大将に撮っていただきました(笑)

2001年にPUNTOを買いに浜松を訪れた時以来静岡に来る度にいつも寄りたいと思いつつ、なかなか立ち寄ることが出来なかったお店である。お客の顔を見てからお客の目の前で鰻を開いてくれる大将の手際の良さは相変わらず。“苦い思い出”に顔をしかめ、柔らか〜い鰻重に舌鼓を打ちながら大将と楽しむ会話...これも大井川DRよりも楽しい(笑)。

そんなわけで、美しい浜名湖の夕陽を眺めつつ、東名から伊勢湾岸、伊勢道と乗り継いでぴったり24時間で帰宅。一泊一日の大井川遠征はこうして終わりを告げたのだった。

 


浜名湖の夕日

 

 

May.2007 MENU

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