我が家からR169高見峠経由で180km、3時間。子鬼の居ぬ間に...でお出かけするのはちょっと無理がある場所ではあるんだけど、中間テストの前日というスッバラシイ状況下で子供達の理解を得て(笑)、行ってきました大台ケ原。
なぜ今回、大台ケ原にこだわったかというと、前回5年前に行った時に登山道で出会った人たちが異口同音でアドバイスしてくれた『ホンシャクナゲの花期に来なさい。とってもイイから...。』という言葉...そんなのを聞いちゃうとどうしても満開のホンシャクナゲを見たくて...ここ数年この時期になると大台ケ原行きを狙っていた僕なのだ。
そんな僕の希望に加えて昨日夜芝居がかった上目遣いと口ぶり、しかも冗談めかした敬語でのともちゃんがつぶやいたありがたいお言葉。
『ねぇ、明日なんですけど、やっぱりカヌーでしょうか?ワタシ、実は行きたいところがあるんですけど...え?良いの?言っても怒ったりしない?え〜と、ホンシャクナゲが見たいのですが、ダメでしょうか?』
夫婦で同じこと考えてるし(笑)。
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周遊路入口にて(クマの表情が笑える)
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独特の景観を見せる森
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そんなわけで...ドライバーの僕は昨夜早めにGo
to bed.
4時起きして子供達のお弁当を作ったともちゃんはOUTBACKでZZZZ...
こんな風に夫婦で協力して体力を温存し、6:00過ぎの出発にもかかわらず、ちょこっと飛ばして9:00には大台ケ原駐車場に到着(*ランチのお買い物込み...笑)する。5年前は紅葉シーズン真っ盛りの日曜ってこともあって7時過ぎの到着にもかかわらず駐車場はほぼ満車だったけど、今日は平日なので広い駐車場にクルマが十数台とちょっと拍子抜け。さっさとトレッキングシューズに履き替えて9:30スタート。
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ビジターセンターの手前のツキノワグマ生息地の看板のへたウマなクマのイラストに爆笑しつつ、すぐに現れる尾鷲辻へのショートカットルートとの分岐を左へと進む。しばらくは地面にヒメザサが生い茂るトウヒやツガなどの針葉樹の明るい森が続く。木々の間からは時折日出ヶ岳の山塊が覗くけれど、全く傾斜のない平坦で快適な散策路の雰囲気で、ともちゃんも饒舌になってゴキゲンである。
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三重県最高峰・日出ヶ岳へ
細い沢を3つばかり渡った辺りから散策路は右手に流れのほとんどない渓流に沿った階段道になる。非常に歩きやすいけれど雰囲気はイマイチなほぼ完全にコンクリートで固められている階段を登り切ると日出ヶ岳と正木嶺との鞍部。立派な展望台が設けられていて、春霞みの向こうに丸っこい稜線が特徴的な便石山、台地のような天狗倉山、そしてその向こうに尾鷲湾が一望出来る。
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山頂から望む大峰山脈CLICK
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あっけなく1696mに到着
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立ち枯れのトウヒ
の中を進む
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展望台から左へと進みトウヒの立ち枯れの中に設えられた急な木階段を登り切ると、そこが三重県最高峰の大台ヶ原山の主峰・日出ヶ岳(1695m)の山頂である。山頂には前回訪れた5年前にはなかった巨大な展望台が山頂のケルンを見下ろすように建っていて、三角点に立っても見下ろされるかたちになってちょっと興醒めだけど、一切遮るものがない山頂での雷の避難場所として建てられたとあっては、文句も言えないかも。
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目を覆いたくなるような惨状が大台ヶ原の新しい風景になりつつある
山頂を後にした僕らは先ほどの鞍部に戻り直進する。しばらく進んで上りに差し掛かった辺りからは、地面の保護のためにしっかりした木道が架けられている。登り切った場所がを正木嶺と呼ばれる小ピークでここから次の鞍部の正木ヶ原までは立ち枯れのトウヒとヒメザサの織り成す特別な風景が広がる。
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木道が続く周遊路をゆく(正木峯)
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大台ヶ原の代表的な風景としてしばしば写真などで取り上げられるこの風景だけど、実はほんの40年前は緑で覆われていたのだ。きっかけは何と伊勢湾台風!
森にとって“想定外”の暴風で木々が倒れ日光が地面に届くようになったことで乾燥化が一気に進み、苔が笹に変わった。ニホンオオカミなど天敵の絶滅によるシカが爆発的な増加していたところへ追い討ちをかけるように周辺の山々の植林が進んで餌が減ったシカがこの付近に集中し木の皮を剥いでしまう。
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今日のコースは
ほとんどアップダウン
がなく歩きやすい山上平原
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上:緩やかなカーブを描いて延びる木道
下:正木ヶ原へと進む
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加えてドライブウェイの整備で入山者が増え地面を踏み荒らし...元々トウヒの自生する南限ってことで彼らトウヒにとっては厳しい気候であるこの森に数々の悪条件が重なり、近年では酸性雨が降り注ぐ...そんな近年の環境破壊の結果として今の姿になっただけに、確かにある種の美しさがあることは認めるけれど、何となく退廃的な雰囲気が漂って僕はあまり好きではない。
少し複雑な気持ちでトウヒの立ち枯れの中を下り、明るい森を進むと尾鷲辻の休憩小屋に至る。右手からはビジターセンターからのショートカットの道が合流し、明瞭ではないものの左手に獣道のような尾鷲道が延びる(紀北町海山区へと至る尾鷲道は廃道で通れない)。小屋を過ぎると美しい草原が続き、間もなく右側に神武天皇像が現れる。春の陽光が眩しい牛石ヶ原に出る。
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神武天皇銅像前にて
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この鳥が一番大きな声でさえずっていた
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神武天皇が魔物を封じ込めたという伝説の牛石と水たまりのような御手洗池の間に一直線に延びるヤケに美しい歩道は、ここが1600mを超える“紀伊半島の屋根”であることを忘れさせる公園のような雰囲気。途中、シカに食べられてここのササの背丈がどんどん低くなっているという看板があり、ここでもまた複雑な気分にさせられる。
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イトザサのじゅうたんが広がる牛石ヶ原
牛石ヶ原を抜けると道は落葉広葉樹の森へと入る。しばらく進むと道がY字に分岐し、僕らは当然ながら左の大蛇ぐら方面へ。(*大蛇ぐらの“ぐら”は山の下に品という字で「神の宿る岩」の意味。ただ、この字はMacでもPCでも正しく表示されないので平仮名表記にします)
大蛇ぐらへの分岐からは道の両側の植生が劇的に変化しシャクナゲの薄桃色の花が目立ち始めるけど、岩場歩きになるので花に見とれていると少々危険だ。岩壁をすり抜け、馬の背のように痩せた尾根を抜けて落差800mと言われる大蛇ぐらの絶壁に立つ。
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大蛇くらへの険しい道
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ホンシャクナゲの花が目につき始めるCLICK
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前回は身体がフワリと浮き上がりそうなほどの強風で先端まで進むことを断念したけど、今日は風もない麗らかな春の日ということでさほど恐怖感を感じることなく軽やかな足取りで最先端へ。不動返しの岩峰を直下に見ながら、春霞の向こうに遠く大峰の山並みを眺めることが出来る。(高所恐怖症の僕にとって悪夢のような場所だった大蛇ぐらだけど、何故か今日は全然恐くない。他の登山客が足が竦んでいる中、カモシカのようにピョンピョン飛び跳ねて歩けるのだ。もしかして、ここ数年の岩場歩きで高所恐怖症を克服できたかも!?)
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今回のコース随一の景観を誇る大蛇くら
胸にツアーのバッジをつけた団体のオバちゃんたち(...といっても、ともちゃんと10歳も違わないかも?)に『若い人は恐いもの知らずねぇ〜!』などと呆れられながら鎖の向こうに身を乗り出して熊野川の源流東ノ川と小さく見える坂本ダムを確かめた後、三脚を肩から下げたオジサンに夫婦並んで写真を撮ってもらった僕らは大蛇ぐらを後にする。馬の背を過ぎた辺りで左手に、日本の滝百選「中の滝」が遠望出来る。目測で2kmほどの距離があるだろうか?それなのに滝は白い龍のように長々と見える。それもそのはず、後で調べたら落差はなんと250m...那智滝の約2倍なのだ!
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馬の背から望む中ノ滝が美しい
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ホンシャクナゲの上品で華麗な花
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先ほどの分岐に戻った僕らはブナの根っこにザックを下ろしてランチタイム。今回は木道以外の登山道の両脇にはずっと前回訪れた時にはなかった杭とロープが張られている。もちろんこの森の植生を守るために有効な手立てであるのは確かだけれど、ランチポイントに事欠くような状態。オバちゃんグループは平気でロープを越えて森の中でお弁当を広げているけど、さすがに僕らはまだそこまでの厚かましさがないので、道の中央のブナの根っこでこっそりと、というわけだ。
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大蛇くら分岐へと戻ってランチ
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ランチポイントに現れた野生の鹿
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頭数管理のためだろうか?首にタグがある
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シャクナゲ坂へと差し掛かる
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『あっ、シカシカシカ!』ともちゃんおにぎりをくわえたまま絶叫!意味ワカランがな(笑)。
見れば僕らのすぐそばを野生のシカがピョンピョン軽やかに飛び跳ねている。ここ大台ケ原はシカなんて珍しくも何ともないんだけど、前回は遥か彼方に1頭見かけただけだったので、今回のように至近距離で2頭見ることが出来たのはちょっと嬉しかった。
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シャクナゲ坂はその名の通り、咲き誇るホンシャクナゲがトンネルを形作る
大蛇ぐらの分岐でランチを済ませた後、少し登ってブナやヒメシャラの森に包まれた小ピークを越し、そこからは今回の山歩きの目的地であるシャクナゲ坂にさしかかる。小ピークからシオカラ谷へは標高差約180mの下りで、その坂の両側のシャクナゲが群生し、あたかも花の回廊となって美しい風景を見せてくれるのだ。ツツジ科の中でも一番豪華というか華麗な花だけに、満開の花を付けた枝はまるで重々しい感じすらある。『これほどすごいって思わなかったわぁ!』どこまでも続くシャクナゲにともちゃんもゴキゲンだ。(しかも下りだし...笑)
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急傾斜のシャクナゲ坂を下りる
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素晴しい森
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シャクナゲを楽しみながら坂を下り続けると、しばらくして前方に沢の音が聞こえてくる。シオカラ谷が近いようだ。せせらぎに誘われて坂を下り切るとシオカラ谷に到着する。吊り橋が架けられて沢に入ることなく渡ることが出来るけれど、久々の涼やかな沢ってことで、思わず道を外れ一旦沢に下りて沢の石に腰掛けて休憩する。
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シオカラ谷に到着しひと休み
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渓流の中を覗いてみる
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ついいつものクセで水中を覗いてみると見事に澄んだ水!水面下から見上げる水面には春の陽光を浴びて輝く周囲の木々が美しく映り込んで、実に素晴しい色合いを見せている。ここはこのコース唯一の水場だけど、大台ヶ原駐車場の真下だし、相当数のシカが生息している森の水を集めた沢ってことで残念ながら飲用には向かないけれど、火照った身体を冷ます程度なら全く問題なさそうだ。
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シオカラ谷からゴールの駐車場までは
1kmで140mを稼ぐそこそこの上り坂
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上:吊り橋を渡ると後はひたすら登り
下:大台ヶ原らしい風景
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たっぷり休憩した僕らは吊り橋を渡って対岸へ。吊り橋を渡り切るとそこから急な階段を登って雑木林へと入る。急傾斜の階段は間もなく終わり、道は一旦平らになる。ここからは大台の自然を満喫できる原生林で、空気までもがほんのりグリーン系のベージュに染まっているような気持ちの良い散策を楽しめる。
間もなく正面に何となく古寺の参道を思わせるような石段が現れ、ともちゃんは露骨にイヤな顔(笑)。でも両側の針葉樹の巨木が立ち並ぶ明るい森は素晴しい!ヒメザサの絨毯の中「大台山の家」を右手に見ながら、山の家からの道と合流し姿の良いウラジロモミの下を通過。OUTBACKの待つゴール・大台ヶ原駐車場へと戻った。
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大台山の家からの道と合流するとゴールはもう間もなく
駐車場に戻ってザックをOUTBACKに積んで、トレッキングシューズをジャングルモックに履き替えた僕らは、言葉を交わすこともなくアイコンタクトで頷き合って、ビジターセンター隣の上北山村営・大台ヶ原物産店へ。喫茶コーナーに直行し、券売機にコインを入れるのももどかしくのボタンをポチッ!
この前の鎌ガ岳以来、山歩きの後のアイスコーヒーの美味しさを知ってしまった僕らは、まるで薬物中毒患者のように指を震わせながらチューチューズルルッ!と一気にアイスコーヒーを飲み干し、フファ〜!と大きなため息を突き、顔を見合わせてムフフとスケベ笑いするのだった。
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美味しいアイスコーヒーで一息ついた僕らはOUTBACKに乗り込んで大台ヶ原を後にする。帰り道も三重県随一の快適痛快なドライビングロードR169高見峠経由。帰宅しなければならない時刻までまだ少し時間があったので、飯高・赤桶にある水屋神社に立ち寄ることにする。
R169を通るたび、そこだけ明らかに異質な森に興味深々だったけど、いつも遊び疲れた帰り道で立ち寄る気力がなかったんだけど、今回はお散歩の帰り道ってことで元気いっぱい(笑)。
クルマを停めて境内に入ると、ともちゃん『さむ、さむ、寒ぅ〜』と鳥肌チキンスキン状態。立ち並ぶ巨木と境内の空気は“何か”を感じさせてくれる。詳しくは水屋神社の公式サイトや宮司さんのブログで確認していただくとして、とにかく第一級の厳かな雰囲気に包まれる境内である。
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圧倒的な存在感に寒気を覚えた御神木の大楠
(樹高35m樹齢1000年)
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上:飯高・水屋神社に立ち寄る
下:さかさまってナニ?
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境内には樹齢千年、樹高35m、根回り29mという大楠(県天然記念物)をはじめ、何でここだけこんなにデカくなるのん!?って驚くサカキ(いまだかつてこんなに成長したサカキを見たことがない...たぶん日本一じゃないかな?)など様々な樹種(クス、スギ、ムク、カゴカキなど)の巨木が立ち並ぶ。特に印象深い大楠は遠望するとまるで両手を空に向かって広げている巨人さながらの樹形をしている。その樹高と根回りの数字からも判るように、根元が異常なほど発達していて、まるで大地の力を全て吸い上げているようなダイナミックな存在感に思わず古の人々が感じたのと同じ畏敬の念を感じずにはいられない。
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「さかさま」に向けて苔むした岩の道を進む
その他の木々にもペタペタ触れた僕らは「さかさま→70m先」という摩訶不思議な看板に誘われるように伝説の淵まで散策。ほの暗い鎮守の森を抜け禊場を左に進み、ユキノシタの可憐な花弁が川風に揺れる苔むした岩の道を100mほど進むと、櫛田川独特のゴツゴツした岩だらけの川べりに到着。
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ユキノシタCLICK
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対岸の平らな部分が旧和歌山街道の名残り
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あの〜、アナタ非常にアブナイ場所に
立ってて笑ってる場合じゃないようですが...
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成り立ちを想像してしまう奇岩の数々
CLICK
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ここが「さかさま」...意味は不明だけど、後で調べたら対岸の和歌山街道に吊橋があって、そこから見る淵に映った景色がさかさまに見えたから「さかさま」なのだとか。解ったような解らないような...とにかくこの淵の名前みたい(情報元:ひだださんの野遊び日記...笑)
淵は信じられないような大きさのウォーターポットホールが点在し、対岸にはお昼寝したら気持ち良さそうな真っ白な河原もあって素晴らしい場所。崖の縁に立って記念撮影を済ませた僕らは元来た道を辿って境内に戻り、水屋神社を後にしたのだった。
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アンケートにお答えください!
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