4月29日 GW第一弾ダウンリバー(宮川・中川大橋〜宮リバーパーク)
昨夜はS家にお邪魔して、お料理が上手なかよちゃんの美味しいビーフシチューをご馳走になった。で、今日はそのお返しというわけではないけど、S家を誘ってカヌーなのだ。以前からS家との会話の中で僕らのカヌーライフが何度も話題になってたこともあったんだけど、カヌーの素晴らしさってものを言葉で表現するのはなかなか難しい。そこで百聞は一“乗”に如かず...S家にカヌーに実際に乗ってもらおうという次第なのだ。 折りしも最低推水位でこれ以上安全な日はないほどにチョロチョロ流れの宮川。わが家の3艇を使って大人4人、中学生2人、小学生2人ならダウンリバーだって可能じゃん!ってことで、取りあえずダウンリバーするかカヌーピクニックで川遊びをするか決めないままで朝を迎える。川や海でシュノーケリングを楽しんでるS家はウェットスーツもP.F.Dもフェルトソールのシューズも何もかも全部持ってるので我が家が提供するのはパドルとカヌーのみなので、準備はいつもどおり。8:30に我が家でS家と合流し、久々に3艇積みのダッちゃんとS家のOutbackを連ねて宮川・中川大橋に向かう。
途中のコンビニで食料を調達し、中川大橋に到着したのは9時過ぎ。相変わらずの低水位の宮川だけど、前回の“子鬼の居ぬ間に...”の時よりは若干水量も豊かだし、雲ひとつない晴天&見事に無風っってことで、ダウンリバーすることに決定、出艇準備を進める。Masaと手分けして3艇のカヌーを下ろし、ともちゃんが偉そうにS家の皆様にパドリングを指南。『引くんじゃないわよ、グリップを押すの!そう、嫌いな相手のお腹にパンチするみたいにねぇ〜。』何て教え方なんだろ?(笑) そうこうしているうちに、中川大橋のスロープを下ってくる2台のクルマ...銀銀グラマンと赤いOldTownカートップしたNISSAN CARAVAN登場。マジコさんちだ!続いてTAKEさん、アキヒロさんも登場!特に待ち合わせたわけでもないのに、中川大橋下の河原に並ぶ8艇のカナディアンカヌーと1艇のカヤック...みんな同じこと考えてるのね(笑)。 子供たちが幼稚園や小学校に通っている頃は、実際問題子供独自の予定なんてものはなく、両親が思い立ったら即、川に出ることが出来たので、今回のメンバーが勢揃いするのも容易だった。ところが子供たちが中学生になってクラブ活動を始めると、練習や試合で家族4人ですら予定を合わせることが難しくなってきたわけで、まして川の状態が良い時に複数の家族が揃うなんてことはまず不可能なのである。そんな中、偶然にも5家族が揃った宮川(しかもスタートポイントや時間がバッチリ合うなんて奇跡的)。
一番驚いたのは久々に会うカヌーな皆様の子供たちが、みんなすっかり大人に変身していること!中3になったハルちゃん(マジコ家)はもちろん数年前からすっかり大人だけど、中1のカレンちゃん、Moeちゃん(アキヒロ家)がチビッ子じゃなくなったのには驚いた。もう一人の中1であるAzuも家で見るよりずっと大人っぽく見えるし。そして中3のシュン君(TAKE家)などは、もう少年というよりも青年の風格があって、青年期特有のシャイな雰囲気も漂わせてるし、川では会えなかったけど、夕食のBBQで現れたKou君(アキヒロ家)も、少し前まではとにかく可愛くて無邪気な存在だったのに、何となく良い意味での男くささっていうか強さっていうか、そんな味が醸し出されてるのだ。
そんなわけで、ダッちゃんを宮リバーパークに回送し終えた僕らは、一刻も早くカヌーに乗りたい!でもちょっと不安!なS家と3艇のカヌーに分乗して宮川へと漕ぎ出す。 カヌーってのは自分で操らないと楽しくない!が信条の僕は、当初PATHFINDERを1艇まるごとS家に使ってもらおうと考えてたんだけど、初めてのカヌーに対する不安感と大勢の船団に迷惑が掛かるんじゃ?というS家の気遣いもあって、いちばん小さなHUNTERにともちゃんとS家かよちゃんの奥様コンビ、PATHにMasaとShibukozさんと次男坊のKodai君、CAMPERに僕とAzuとS家長男のkyohei君という布陣。僕らの出艇と同時に他のカヌーもスタートして、S家と我が家の“カヌー体験DR”は一気に9艇18人の大船団での賑やかなDRとなる。
カヌーが岸辺を離れてすぐ、ともちゃんのバウに座ったかよちゃんがしみじみと呟く。
『楽しいわぁ〜!カヌーに乗るってこんな気持ちなのねぇ。』 『○○家っていつもこんな楽しいことしてたのねぇ〜!』 『見える景色が全然違うわぁ!』
いつもはそんなにお喋りじゃないかよちゃんが止まらない止まらない...で、そんな言葉を聞いて僕らもすごく嬉しい嬉しい(笑)。楽しい時に楽しいと言える(逆に楽しくない時は楽しくないとも言える)ことって実は大人になると少なくなってしまって、それがストレスの原因になったりするんだろうけど、こうして言葉にして言えるかよちゃんは、うちのともちゃんと同じ種類の人なんだなぁ...妙に納得してしまう僕なのである。
中川大橋を出て間もなく、鰻の「膳」の前でいきなりの浅瀬に行く手を遮られる。普段なら面倒なライニングダウンだけど、S家にとってはこれすら初めての経験なわけで、目を輝かせながらこれすら楽しそう。そんな姿を眺めていると、僕らが十数年前のカヌーを始めた頃の驚きや新鮮な気持ちを取り戻すことが出来て、僕らまでウキウキした気分になってとても良い感じだ。
ライニングダウンのドサクサに紛れて、僕の前に座ってたバウガール・Azuがアキヒロ家のExplorer14に乗り移って、Moeちゃん&かれんちゃんと“中1トリオ”なって漕ぎ始めたので、Kyoheiをバウに座らせて再スタート。上流から吹く追い風が川面に小さな波紋をたてる中、僕らは快調に宮川を下る。
少しカヌーに慣れたところでかつてのMasaと同じようにKyoheiにパドリングを少しづつレクチャーしてみる。時々振り返っては僕の話を真剣に聴くKyohei。ほんの数十分前に初めてカヌーに乗った彼に最初からアレコレ口出しするのもどうかなぁって思ったけど、僕の話をちゃんと聞いてその通りにパドルを動かせるのに驚く。彼は小学校5年生...うちの子供達と比べるから子供っぽく思えるけれど、Masaは11歳の時にソロで大井川を下ってたわけで、身体が大きくて運動神経が良いkyoheiが漕げるのは当然といえば当然なのだ。
幾度となく浅瀬をライニングダウンして鮠川大橋をくぐった大船団は、ほどなくちーちょの河原に到着。そろそろお昼どきってことで、ここでカヌーを岸に着けてランチタイムとする。それにしても岸辺に一列に並んだ8艇のカナディアンカヌーってのは壮観!のんびりとカヌーを楽しみたいし、自分達はともかくグループ外から見た大グループってのは騒がしくて厚顔で迷惑になることが多いし、瀬で大船団ゆえに自由なコース取りが出来ず沈の憂き目に遭う場合があることに気付いて以来、ここ最近はこうした大勢でのダウンリバーは出来るだけ避けていることもあって、久々に見る光景である。でも今日の宮川ならそんな心配も無用!GWのカヌー日和だというのに、川面に僕ら以外のカヌーイスト&カヤッカーの姿はないのだ!
河原に上がって積荷を解いたメンバーはそれぞれの家族単位でランチの準備。カヌーでのランチはキャンプというよりも登山に近いいわゆる“行動食”で手早く簡素なものが主流なので、すぐにランチを終えた大人たちは誰からともなく車座になってお喋りに花が咲く。
偶然だけどShibkoz家以外の4家族の子供たちは全員が中学3年生と1年生で、今年は受験生と新入生を抱える家族なので、当然ながら話題の中心は子供達の学校生活について。子供が成長していく中での喜びと不安や悩みをこうして忌憚なく話せるのは、それぞれの住む場所が違って親としての利害も何もない趣味の繋がりだからこそなんだけど、もしかしたらここ宮川の広い空とか、まったりした空気とかが僕らをオープンな気持ちにさせてくれるのかもしれないなぁって思ったりもする。
大人たちが話している間、当然ながら子供達は“放し飼い”(笑)。今年初めて川にやってきたMasaはいきなり川に飛び込んで満面の笑みを浮かべて泳ぎ回ってるし、Shibkoz家の兄弟は流木で何やら遊んでるし、中1トリオは上流の岩場で漁に夢中。大人のハルちゃんとシュン君は大人に混じってトーキング...それぞれがそれぞれの楽しみ方で自由に過ごせるところが河原の醍醐味なのかなぁと思う。両親と一緒に休日を過ごしていることが不自然な感じすらあるほどに大人っぽくなった子供たち...果たして以前のように川遊びを楽しめるのか?ちょっと不安なままにダウンリバーをスタートしたわけなんだけど、そんな僕の不安は中川大橋を離れた瞬間に杞憂に終わる。やっぱり赤ん坊の頃から川で遊んでる“カヌーな”お宅の子供たちは大きくなっても川に戻れば“川ガキ”に戻るのだ!
中でもハジケてたのはアキヒロ家のMad Riverに3人で乗ったカレン&Moe&Azuの中1トリオ。バウとスターンを何度も交代しながらワー!キャー!大騒ぎ。淵でワー!早瀬でキャー!ライニングダウンの浅瀬でウキャキャキャ!...カヌーの舳先から落水して泳いだり、ワザと沈してみたりと、とにかくカヌーを心から楽しんでいる様子。もちろん3人娘それぞれがソロでカヌーを扱える技術もあり、また平気で川を泳ぎ渡るだけの泳力があるからこそこんな風に楽しめるんだろうけどそれはそれはもう楽しそうで、ランチタイムに河原に上陸した時にTAKEさんが『カナディアンカヌーでここまで楽しげに遊べる中1女子は日本全国探してもそうはいないでしょうねぇ』なんて半ば呆れ顔で呟いてたけど、僕も同感だ。
そんな中1トリオとは違う意味で楽しんでたのがシュン君とMasa。黙々とカヤックを進めるシュン君、Shibukozさん親子を乗せたPATHをシレッと当たり前のように操船するMasaともに、全て自分で川を読んで判断を下す実力を備えた雰囲気が漂う。その後姿はもう完全に大人のカヤッカー&カヌーイストで、僕ら父親が手出し口出しをする余地は全くないと感じるほどだ。
変わりゆく部分と変わらない部分...よく考えてみると社会ではちゃんとした大人のふりをしてる40代のお父さんたちも、カヌーに乗ってキャーキャー無邪気にやってるわけで、中学生になったからって全てが変わってしまうなんてことはないのかも知れないな...そんな当たり前のことに気付かされたランチタイムの子供たちの姿なのだった。
それにしても、今日は今年一番の暖かさだけに、ウエットスーツを着たままで河原に座って語り合っていると、とにかく暑い!時々話の輪を外れ、川に飛び込んでクールダウンしないとお尻が痒くなってくるほどで、“海女”ならぬ“川女(かま)”のいずみちゃん&ともちゃんは何度も川に入ってピース!でも、清流でしか泳がない彼女たちは今日の宮川では泳ごうとしない。『こんな川で泳いだら自慢の皿が汚れる!』といずみちゃん...やっぱり彼女たちも何年経っても河童だったのね(笑)
なんと2時間もちーちょの河原で過ごした僕らは13:30午後の部スタート。右手に田間の美しい河原が見えてくると普段の水量ならば若干流れが速くなるここからが、このコースのハイライトなんだけど、何しろ水がないのでコース取りが非常にシビア。もちろんコースを見誤っても危険って意味じゃなく、単に座礁しちゃうってことなんだけども、実は水量が多くテクニカルな川に行く前にこうした浅い川でコース取りを練習するのが一番だと思う。
田間の扇状に広がる河原を過ぎると、正面に久倶都比売橋が姿を現す。田間から久倶都比売橋の区間は川底が白っぽい細かな玉砂利に覆われることもあって、宮川中流域で最も透明度が上がるように思える部分で、僕らのカヌーが差し掛かると期待通り川底にカヌーの影がくっきりと投影される。僕らが良く言う“空飛ぶカヌー”!ここのところこの“空飛ぶカヌー”が体験できない川には行ってないよなぁって、つくづく自分たちの幸せなカヌー生活を感じるのだ。
『あっ、カワセミ!』ともちゃんの叫びに、みんなの視線が右岸に注がれる。我が家で唯一眼が良いともちゃん。僕はコンタクトレンズで2.0見えるけど自然の中で動物や鳥を発見するのが苦手だし、子供たちは僕に似て目が悪いので、これまでカワセミはともちゃんにしか見えなくて、いつもそのことで喧嘩になることが多かった(ともちゃんは自分が見えているものはみんな見えていると思い込んで、「あっカワセミ!」と指差すけど、子供たちは『どうせ見えないもん!』ってスネてた...笑)んだけど、今回はAzuがコンタクトにして初めての川下りってことで、美しい川べりの景色やカワセミのコバルトブルーとオレンジをはっきりクッキリ見ることが出来てゴキゲンな子供たちである。(みんなが一緒にカワセミを見れる幸せをくれたコンタクトレンズに感謝!)
そんな美しい川を満喫しながら久倶都比売橋をくぐったところで、マジコさんの銀銀グラマンのバウに乗ったカヌー犬・まるがクゥ〜ン!クゥ〜ン!と寂しげな声で鳴き始める。どうやらママやおねえちゃんと別のカヌーに乗っているのが寂しいみたいだ。そこでまるはnokoさんのカヌーに乗り移る。するとまたクゥ〜ン!クゥ〜ン!今度はnokoさんの操船がイマイチ不安に思ったみたいで、再びマジコさんのカヌーに戻る...うちのAzuと一緒じゃん!(笑)
そんな可愛いまるの姿を笑っているうちに正面に内城田大橋のオレンジ色の橋梁が見えてくる。普段なら水面下で僕らをトラップしようと(笑)待ち構えている隠れ岩たちも、水位の低い今日はすっかり水面にその姿を現していて、『あ、みつかっちゃった!デヘヘ...』ってな感じ(岩は喋らないけど...笑)で安全に通過。内城田大橋をくぐって一之瀬川の合流点を過ぎると、いよいよゴールの宮リバーパークに到着である。
初めてのカヌー&大人数であることもあって、ちょっとそこらで “お花摘み”に抵抗を感じるだろうかよちゃんのことを考えて宮リバーパーク中央のトイレのある駐車場にダッちゃんをデポしてあるので、我が家とS家は最下流の第4駐車場まで下る皆様より少し早めにゴール。本当ならばここの瀞場でS家にカヌーレッスンの場を設けるはずだったんだけど、ランチタイムが少し長めだったこともあって、次なる予定...アスピア玉城での玉城豚BBQの席がなくなるといけなかったので、手早く後片付けをして3艇のカヌーをダッちゃんに積み込み(ここでもMasaが2艇を運んでくれた。サンキュー>Masa)、全員でスタート地点のS家のOutbackをピックアップして、急いでアスピア玉城を目指す。
鯉のぼりがたなびく芝生広場に面したBBQプレースで美味しい玉城豚を味わいながらビールでカンパ〜イ!...ただし女性陣のみで、僕ら運転手さんはお冷やで寂し気に小さくカンパイ(涙)。ランチタイムに引き続いて、子育てのことやカヌーのことを語り合ってる大人たちを横目に子供たちはまるで小学生のように芝生広場を駆け回って無邪気に遊んでいる。
すっかり大人な中3の“青年”たちのはずのMasaとKouさえも(シュン君は宮川で別れたので判らなかった)、Shibukoz家の小学生兄弟と鬼ごっこや肝試しで遊んでる姿は、すっかり小学生。Shibukozさんは『お兄ちゃんたち、ちゃんと小学生に合わせて遊んでくれてますねぇ。』なんて感心してくれてたけど、Kou君とMasaの姿を見てると、どうやら“体操のお兄さん”的に子供と遊んで“あげてる”のではなく、どう見ても対等に楽しく遊んで“もらってる”感じ。 中学生が小学生に、そして大人も子供に戻ることができるカヌー遊び...やっぱりいつまで経っても止められそうにありませんです。ね、Shibukozさん!(笑)
アンケートにお答えください!