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 3月27-29日 早春の信州キャラバン(長野県)

 


戸隠山をバックに雪玉で的当てを楽しむ

 

3/27 自宅から長野へ

午後7時に家を出て馴染みの中華屋さんで夕食を済ませ、8時スタートで中央道を北へ!ついつい飛ばし過ぎてしまうOUTBACKとは違い制限速度でのんびり5時間掛けて久々の道の駅・信濃町に到着する。今回は、今シーズン最後の雪遊び・スノーシュートレッキングを楽しむため早春の戸隠にやってきた僕らなのである。
信濃町の気温は氷点下。当然ながらFFヒーターを使わないと寒いので、カーゴルームに積んだ明日のランチの具材をジェットバッグに移そうかな...と深夜1時にノビテック(ラダー)を取り出して、思わずその場に座り込んだ。『じぇ、ジェットバッグのキー忘れたぁ!』
ジェットバッグの中にはスノーシューはもちろん、トレッキングシューズ、ザック、スノーショベル...要するに明日のスノーシューの装備が一つ残らず入れてあるのだ。冬はスキーのためにジェットバッグをOUTBACKにルーフトップしてることが多く、OUTBACKのキーチェーンにぶら下げて、そんでもってそのキーチェーンを自宅に置いてきちゃったのだ(涙)。
取りに帰るにはあまりにも遠すぎる400kmの距離。一応マイナスドライバーを使って15分ほどカチャカチャやってみたけど、僕に金庫破りの才能はないようで....今回のスノーシューは何日も前からメチャ楽しみにしてただけにさすがに今夜は眠れないなぁ...って思ってたけど5分で爆睡(笑)
ま、明日は明日の風が吹く...でもホンマどうする???


3/28 戸隠スノーシュートレッキング

ぐっすり眠れたけど、やっぱり一度目が覚めると何とかしなくちゃって気になって、ジェットバッグの開けゴマ!作戦開始。iBookで検索したら長野市にシリンダーから合鍵を製作してくれるプロショップを探し出したんだけど、営業時間は8:00から。営業開始を待って電話連絡をして製作可能かどうかを問い合わせてから長野に向かったのでは時間のロスが避けられないので、取りあえず長野に向かい、ショップを8:00になるのと同時に訪れるということで長野に向かう...前に近隣の確かなショップを紹介してもらおうと#8139...つまりJAFに電話してみる。故障でもないし、自走できないわけじゃない、単なるジェットバッグのキー忘れをJAFにお願いするのは無理だろうと遠慮してたんだけど、JAF北関東のオペレーターの男性が一言。
『お客さまがお困りなのは事実ですから、ルーフボックスの鍵開けでも構いませんよ。』


ジェットバッグのキー忘れでJAFさんのお世話に

約40分後、道の駅・信濃町に現れたJAFレスキューカー。
降り始めた雨。ジェットバッグが開いてもスノーシューが出来るかどうか微妙な空模様に複雑なオトコゴコロの中、JAFのUさんがプロの技でジェットバッグを5分ほどで開けてくれたのだった。
『よくあるんですよ、ジェットバッグのトラブル。僕の友達なんて右側にキーを挿したまま忘れてて、スキー場でキーを忘れたと勘違いして...左側のシリンダーを壊して開けたんですよ。で、右側を見てね...笑』
冗談を交えながら、プロの仕事をこなし、ホントに爽やかに去って行ったUさんなのだった。

ジェットバッグの中身を何とかカーゴルームに移しかえた僕らは道の駅を出て、朝食のクロワッサンをかじりながら戸隠へと向かう。

黒姫高原のワインディングに入るまで、道路脇には驚くほど雪がない。ホンマ大丈夫か?降りしきる雨とまるで5月のような風景に不安を感じながら進むと、戸隠牧場の少し手前から道路脇に少しづつ雪の壁が見え始め、戸隠神社奥社鳥居前までやって来ると、去年の4月よりは少ないものの、スノーシュートレッキングが出来そうな積雪に安堵を覚える。但し、空は鉛色の雲に覆われ、大粒の雨が落ちている。ここから見えるはずの戸隠山も雲の中だ。

『どうする?』僕が家族に尋ねる。スノーシューを準備するか否か?ピーカンの森もいいけど、霧に包まれる静かな森もまた格別。僕ひとりなら雨が降ってても迷いなく森に入って、その天候なりの愉しみを見つけるけど、家族同伴の場合は天候=女性陣のご機嫌だし...でも昨夜からの一件で、もう戸隠に来ることが出来ただけで幸せな僕らはどっちだって良い気分(笑)
『着替えてから考えましょ。』ともちゃんは短く呟いてダッちゃんのシェードを全て下ろして着替えを始める。10分後、着替えを終えシェードを上げた僕らが見たものは...青空!流れる白い雲!

まるで別の場所に瞬間移動したかのようなダイナミックな“早変わり”にダッちゃんの外に飛び出して家族4人でバンザイ三唱(笑)。しかも見る見るうちに山を覆っていた雲の間から戸隠山が姿を現す。その瞬間、今日は戸隠に“呼ばれた”な、と実感するのだ。


リアウィンドウに映る戸隠連峰

戸隠神社奥社の参道をスタート

嬉々として準備を済ませ、最後に熊避けのマスタードスプレーや鉈をザックのポケットに差し込んだ僕らは、奥社の鳥居をくぐった場所でスノーシューを履いて1.5km一直線に延びる参道に沿ってスノーシュートレッキングのスタート。春の陽光を浴びて眩しく輝く雪面に木立の影が長く延び、参道の葉の落ちた木々の向こうには青い空を背景にゴツゴツとした戸隠山の鋸の歯のような稜線が透けて見える。
こんな雪景色だというのに、森には恐ろしいほどの密度で小鳥たちがいて、そのさえずりが圧倒的に広がりのある音場で僕らを包んでいる。ともちゃんとAzuは口笛で鳥の鳴き声を真似て、小鳥たちが反応してくれるのを楽しそうにくり返す。

鳥のさえずり、女性たちの口笛、熊避け鈴の音...それらをソプラノだとすると、トゥルルルルル...森のそこかしこから響くキツツキのタップ音はテノール。

風に揺れる木々のざわめきはさしずめベースといったところだろうか?どんなヒーリングミュージックやリラクゼーションCDにも真似の出来ない本物の癒しの音なのである。


抜けるような青空に伸びる巨木

Azuは早くも“フォレストコーミング”開始

女性陣はザックからコンビニ袋を取り出して、雪面に落ちた木の実や葉っぱなど様々な“森の贈り物”を拾うことに夢中なので、スノーシューの歩き心地なんて全然気にしないけれど、僕とMasaはスノーシューの浮遊感がとても好き。


参道を外れてフカフカの雪を楽しむMasa

それなりに固く締まっている参道の雪面は正直スノーシューを必要としないし、またそんな場所を歩いていても何の発見もないので、僕とMasaは参道脇の水路を飛び越えて森の中へと進む。
森に入ると雪面は参道では想像出来なかったほど柔らかく、一歩一歩歩みを進めるたび、モフモフと新雪のような音が鳴って、スノーシューであっても膝下までが埋まるような場所もある。ツボ足では進むことはおろか立っていることすら困難なほど柔らかいの森の中ではザックと合わせてMasaよりも20kg近く重い僕は少し浮力が足りないほどで、スノーシューに4インチのエクステンションテールを取り付けて進む。
『いや〜、この時期に4インチテールを使うことになるなんてマイッタなぁ。』
口ではそんなことを言いつつ、実は愉快でたまらない僕である(笑)。


自然の芸術「タバコを吸うパパ」

ブナのシルエットが美しい

もしかしてミノムシ?

参道入口から1.5km、所詮動物は植物に勝てないなって思わされるほどに威厳に満ちた木々に感嘆の声を上げつつ森を進むと、前方に随神門が見えて来る。前回はここで左に進んで鏡池へと向かったけど、Masaの情報によれば、ここから2kmほどある戸隠牧場への“ささやきの小径”から見上げる戸隠山が素晴しいのだという。
そこで今日は(も)特にルートを決めているわけではないので、「クマ出没注意」の看板から擬木の橋を渡って戸隠牧場方面へと進む。


「戸隠古道」の道標に映る狛犬
(随神門前にて)

上:異形の古木とMasa
下:ささやきの小径へ。やっぱり出るのね(涙)

小川の向こう側に渡ると、木々の密度が少し疎らになって枝の間から、戸隠山がその雄大な姿を現す。修験道に強く惹かれているMasaは思わず立ち止まって、その独特のスカイラインを感慨深げに眺めるのだ。フラットな雪原をしばらく進むと木立のない広場のような場所に出る。戸隠山の眺めが素晴らしいだけでなく、そこだけが何となく暖かい空気が集まっているような場所...まるで僕らのために用意されたかのように感じるのだ。『ちょっと早いけどここでランチにしない?』万年ハングリーガールなAzuの提案に誰も異論はなく、雪原の一番眺めが良い場所を選んでザックを下ろし、スノーショベルでオープンダイニングの準備を開始する。


美しく気高い戸隠山に見とれる

今年は暖冬で積雪が少なく、またスノーシュートレッキングはいつも無風晴天に恵まれているので雪洞掘りや風よけの雪壁を築くことはないけど、テーブル&ベンチ作りは3回目。もう手馴れたものでともちゃん&子供たちが無邪気に雪遊びしてる間に5分ほどで小判型のダイニングテーブルが完成。
アルミテーブルに充分にポンピングしたMSRを置き、大鍋を架けて具沢山の寄せ鍋の調理を始める。


今日もメニューは具だくさんのお鍋。
MSRに架けるだけでカンタン美味しい!

上:オープンダイニングを掘るPapa
下:ランチタイム開始!

ほどなく寄せ鍋がグツグツと白い湯気を上げて煮上がり、辺りに美味しそうな匂いが漂うのを合図に“家族対抗鍋合戦”のスタート。『あっ、おまえカマボコ3つ目ちゃうのん!』『パパこそ白菜の間にお肉挟んでズルい!』あまり他人さまには聞かれたくない低次元の闘いを繰り返しながら、鍋合戦は一気にヒートアップ!具材が少なくなったところでうどん玉を放り込んで、二回戦“うどん大戦争”勃発(笑)。Azuがお箸で摘んだうどんをMasaが途中でカットして自分のシェラカップに落とす空中戦まで飛び出して、静かな森の騒がしいランチが続く。


戸隠山を見渡せる絶好のロケーション。しかも貸切り!

お鍋の汁の最後の一滴まで飲み尽くした後、MSRに雪を詰めたケトルを架け、コーヒーを煎れる。ケーキは志賀高原帰りのS家からいただいたお土産のシフォンケーキだ。絶景の中で味わう絶品のケーキ&コーヒーのティタイム...至福の時とはまさにこのことだ。


ズルズルズル...

ティータイムへとなだれ込む

コーヒーのお代わりをもう一杯飲んで豊かな気持ちに包まれた僕は、雪面にゴロリと横になってお昼寝タイム。ザックを枕に目を閉じてしばらくすると、ドガッ!いきなり顔に雪玉が命中する。
『ワハハハ、ゴメンゴメン!』遠くでMasaの声が響き、起き上がって見ると、すぐそばでともちゃんがMasaとAzuと雪合戦で交戦中。その流れ玉が僕に命中したというわけだ。


S家からいただいたシフォンケーキ&コーヒー

食事の後は恒例の雪合戦(Azuをイジメる母)

『コラッ!』僕もすぐに雪玉を作ってMasaに投げ返す。するとそれまで敵同士だった3人が結託して僕を集中砲火...愉快な家族で雪合戦は延々と続くのだった。

1時間近く続いた雪合戦で汗だくになった僕らは、ランチ&ティタイムの後片付けを済ませて、スノーシュートレッキング午後の部スタート。「ささやきの小径」をしばらく散策した後、再び随神門に戻り、参道を奥社へと進む。


随神門に戻って午後の部スタート

門をくぐって杉並木へ


素晴しい杉並木をゆく

何度見ても素晴らしい杉並木。どんなに偉そうにしてても人間なんてちっぽけな存在だなぁって実感できる圧倒的な大きさの巨木の間をしばらく進むと、左手にトイレが見えてくる。一直線でなだらかだった参道も、ここからは急に傾斜を増し道幅も狭くなって少し息が上がる。それにつれて参道を覆う雪も格段に深く柔らかくなり、クランポンをしっかり雪面に食い込ませて一歩一歩確実に進むことが必要だ。


奥社近くの雪は相当深く柔らかい

急斜面を直登...MSRの得意とする状況

間もなく奥社のお社が視界に入ってくる。1/3ほどが雪に埋もれた社殿、葉が落ちてぐっと明るくなった森...去秋の雪のない奥社との風景の違いに驚く。
冬期はご神体は中社に移されていて、実際のところここ奥社は藻抜けの空なんだけど、神社ってものは元来神様が常駐されているものではなく、“神様のお宿”的な存在なわけで、扉が固く閉じられた奥社の前で古式に則ってニ礼二拍手一礼の拝礼を済ませた僕らは、社殿の前の雪原でひと休み。天水鉢の巨大なコンタクトレンズみたいな氷で遊んだり、社殿の前からくっきりと見える飯綱山の景色を眺めたりして過ごす。


雪に覆われた戸隠神社奥社に到着


天水鉢に張った氷で遊ぶAzu

飯綱山をバックに

最後に記念撮影を済ませた僕らは、ソリの要領で斜面を滑り降り、参道に沿って帰途に付く。
随神門まで戻った後、そこから参道を外れ、自然園の森の中に入って美しい森でスノーシューの楽しさを堪能する。夏になると笹が背丈ほどまで生い茂って、まともに歩くことは不可能になってしまう森も、こうして雪に覆われているうちは自由自在に歩くことが出来るのが嬉しい。


ケツそりで一気に下るMasa

雪原の微妙な凹凸を読んで雪を踏み抜いて小川に落ちないよう注意しながら森をゆく。時折現れる神々しいばかりの巨木。野生動物の真新しい足跡が無数に残る雪原はただ歩いているだけで飽きることはない。
時には所々雪の下から微かに水音が響いてくることもあって、確実に春の息吹が感じられる...野生の生き物でもないのに何故か嬉しい。


帰りは参道を外れて美しい森を気ままに歩く。
明るくて魅力的な森

上:こちらは転倒して滑落するMama
下:並木の影がゼブラ模様のよう

Masaが倒木の丸木橋に挑戦。危ないから止めておけ!なんて言いつつニヤニヤしながらカメラを構えるイケナイ家族(笑)。僕らの期待に見事応えてMasaがキレイに落下。キ〜ン!股間を強打しつつもゲラゲラ大笑い。“箸が転げても可笑しい”のは若い娘さんだけど、スノーシューだと“橋から落ちても可笑しい”ようである(笑)。


バカ、やめろって!

ズルッ!

キ〜ン!ツブレタカモ


フカフカモフモフな雪は今年初めての快感!

モフモフフカフカの雪面を走り回って、ちょっと疲れた僕らは再び参道に戻って鳥居へと戻る。ランチタイムと雪合戦で時間を使いすぎたこともあって、今日歩いた距離は6.25kmとかなり少なめ。ただ我が家の場合、長距離を黙々と歩くより、今日みたいにのんびり楽しむ方が絶対に楽しいので、歩き足りない感じはなく、2006−2007スノーシューシーズンを遭難も怪我もなく大満足で無事終えることが出来た。


どこまでもまっすぐに延びる参道(どっちが母?)

スノーシューを外してダッちゃんに戻った後、小腹が空いたのでMasaおススメの蕎麦屋「極楽坊」へ。Masaによれば戸隠神社への参詣者が泊まる宿坊で振舞われた古来の戸隠そばの伝統を守るお店なのだそうで、暖簾をくぐると雰囲気の良い囲炉裏端のお座敷に通されていい感じ。子供たちは定番メニューの八割蕎麦を、僕ら大人は十割蕎麦を注文。囲炉裏端で出された蕎麦かりんとうと蕎麦茶を飲みながら歓談しながら待つこと暫し、蕎麦の味を語る資格がないうどん文化圏の僕らでさえ、十割蕎麦の野性味と強い個性には感動モノ!「戸隠や腹にしみ入る蕎麦の味」(オソマツ!)


極楽坊 冬期限定の十割そば。
Masaの八割に比べ野性味溢れるお味

上:女性陣が着替えてる間にMasaが後片付け
下:身体が大人になったらそばアレルギーが完治?

蕎麦の後はイソイソとイタリアンレストラン「小鳥の森」へ。ただ、すぐにでも夕食OK!なのはAzuだけなので、一応オーナーのHatakichiさんに挨拶をしてオーダーストップの時刻だけを訊ねて、まずは温泉で身体を暖めようということになる。

我が家の“温泉コーディネーター”Masaが選んだのは戸隠から約40km、長野市内の秘湯「加賀井温泉」。決して有名な温泉なんかではなく、湯治場としてまさに知る人ぞ知る温泉である。もちろんMasaがイチオシするだけに、掛け流し&加水加温なし&自噴でしかも褐色の湯(笑)。ま、そんな湯を“2年前から狙ってる”中学生も相当変だけど、そんな無名の湯治場へ1時間以上掛けて向かうことに異論の出ない家族もどうかしてるよなぁ(笑)。


加賀井温泉一陽館

ループラインから善光寺、長野市内を抜けて到着した加賀井温泉一陽館は、Masaの想像通りの鄙びた...というよりもボロい建物。ただ確かにボロいんだけど、夕暮れのありふれた田舎の風景の中にある一陽館は何とも言えない存在感があって、思わず『おおっ!』と声を上げてしまう雰囲気だ。入湯料¥300を払おうと受付を訪ねると、奥から出てきたご主人がいきなり『初めてですか?うちは湯治場なんで、石鹸やシャンプー出来ませんけど良いですか?』おっ!本格的やん!ってうひひ笑いの家族。『はいはい、もちろん大丈夫です。』即答にニッコリのご主人、僕らを連れて温泉の入り方、自噴の源泉、場所等を丁寧に説明してくれる。『ここの湯に混じっている成分は、だいたい普通の家庭の浴槽の湯に、入浴剤を82袋分溶かしたのと同じぐらいの濃さなんですよ』ほぉ〜!82袋っすか!想像つかないけど、とにかくすげぇ!

スッポンポンの男性客がいる混浴露天風呂で『ほら見て御覧なさい。』って言われた瞬間はともちゃんとAzuは思いっきりひいてたけど、簡潔かつ懇切丁寧なご主人の説明はとても分かりやすく、入浴前にすっかり“加賀井温泉博士”になった僕らだった。

さて、まずは内湯へ。感想は・・・Masaとふたり笑うしかないって感じ。
『一番...だろ?』
『一番...だな。』
僕とMasaの会話はこれだけ。良いとか悪いとかじゃなく凄いの一言。他と比べるなんてナンセンスに思える圧倒的な濃さである。濃すぎて、人によっては入った瞬間に湯当たり...じゃなく中毒で倒れちゃうかも?ってな凄さ。
温泉マニアなMasaの顔はここに到着してからずっと情けない笑顔のまま固まってしまっていて、嬉しすぎて失神するんじゃないか?って心配なほどだ。お湯の色も凄いけど、湯舟と言わず壁と言わず屋根と言わず、床に無造作に置かれたケロリン風呂桶(但しすでに表面が石膏アート化しており詳細は不明)までもがお湯の湧出物に覆いつくされて、何かの無気味な彫刻みたいに原形を留めていない。


Masaご希望の加賀井温泉(長野市)へ。これは内湯

ただそんな“濃い”環境にも関わらず、驚くほど清潔感があって、いつまでもお湯に浸かってたいっ!って思わせるスバラシイ心地良さ...とにかく落着く空間なのである。
内湯を堪能した後は、そのままタオルを股間に当てて露天風呂へ移動。


掛け流し、加温加水なし、自噴でしかもこの濃さ!
Masaはこの混浴露天風呂で2時間を過ごした!

 

はっきり言って内湯から露天へは駐車場を素っ裸で50mほど歩く必要があり、これがもう決死の覚悟である。普段温泉ではタオルで○○を隠さない派の僕は、股間を隠して恥ずかしそうに内股で歩いてる姿を見られるより、堂々とスッポンポンを見られる方が格好悪くないことに気付いて、“曝して”堂々と歩く(あ、もちろん「ステキ!」なんて言われる自信はないけど...笑)。


この量がすごい!全部食べ切るMasaもすごい!

で、露天風呂はというと...いい。抜群にいい。
ふたつある露天の浴槽のうち、特に良いのが奥の浴槽の方で、濃い褐色(マンダリンオレンジ色?)の色もさることながら、触感が明らかにドロドロしてる。もはやこれは湯ではなく温泉成分の泥なのだ。
多量の涌出物が積もって完全に原型を失った湯船(↑の写真のMasaの後ろの湯口、数年前にはまっ平だったのがこんな風に盛り上がってしまったらしい!)に頭を預けて40℃を下回るぐらいのぬるいお湯に浸かっていると、人生、もう他に何も要らないや!ってな廃人状態になってしまう。それほどの魔力のあるお風呂なのである。
結局、僕が出た後、Masaがクルマに戻って来るまでに1時間20分(!)。たぶん彼は露天風呂で2時間は浸かってたんじゃないだろうか...恐るべし加賀井温泉・一陽館!
(*但し相当な温泉好きじゃないとココの温泉は気持ち良く入ることが出来ません。あしからず!)

そんなわけで、小鳥の森のオーダーストップの時刻を過ぎてしまい、戸隠に戻ることが出来なくなった僕らは、そのまま斑尾方面に向かって、偶然見つけた定食屋さんでボリューム満点&超リーズナブルな夕食を食べ、飯山市内の道の駅・花の駅「千曲川」を今夜の宿に決めて、P泊準備。
数本用意したDVDの中からAzuの希望で『ロボコン』(ロビンちゃんの出てくるやつじゃなくて、高専のロボットコンテストのお話)をダッちゃんシアターで楽しみ、いつものように少し早めに眠りについた。

  
小菅神社“登山”&ザゼンソウへ

March.2007 MENU

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