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 3月14日 “洋上の黒真珠”ポタリング(愛知県・佐久島)

子鬼の居ぬ間に...#5
 


潮風を浴びて海岸通り(通称1号線)を走る

今日はお天気が良いので、島に渡ることにした。もちろん下調べはな〜んもないけど、神島に渡った朝の新聞に載っていた写真を見て一目惚れした島...“洋上の黒真珠”とも呼ばれる佐久島である。
もちろん僕らはDINKSではなくSITKS(Single Income Two Kids...笑)なので、子供たちを学校に送り出してからのスタート。彼らが準備をしている間にMacで検索して三河湾に面した一色町に船着場があることとその定期船のタイムテーブルをチェック。Masaの姿が公園の角に消えるのを確認して8:25出発である。


名古屋式「小倉トースト」モーニング¥350

我が家から一色町へは伊勢湾をほぼ一周。東名阪〜伊勢湾岸〜知多半島道路と乗り継いでOUTBACKを飛ばす。

8:25に家を出てさすがに9:30の便には乗れないだろうとは思ってたけど、案の定船着場に着いたのは9:40(残念!)。乗り場を確認した後は近くにある公民館の喫茶店で名古屋式の格安¥350モーニング(小倉トースト!)を食べながらのんびりと時間潰し。
松田聖子、ALFEE、杉山清隆...何故か80’sのJ-POPばかりが流れる店内は、まさに僕らの学生時代の雰囲気で、ワンレン&ボディコンではなく、ベージュの60/40パーカを着た20年後の女子大生(笑)と向かい合わせに座ってお喋りを楽しんでいると、学生時代にタイムトリップしたような気分を味わえていい感じなのだ。

そんな感じで時間潰しを“楽しんだ”僕らは船着場の堤防沿い(観光客がほとんど来ないために正式な駐車場はない!)にOUTBACKを停め、カーゴルームからザックと2台のPEUGEOT Pacificを下ろす。

今回は出発前にGoogleEarthで見た島の形がPEUGEOTのライオンマークにそっくりだってだけで自転車で走ることを思いた僕(笑)。自転車で走れる道があるのかどうかも判らない状態だったけど、ま、船着場で決めればいいじゃん!ってぐらいの気持ちでとりあえず2台をカーゴに積んで出発したのだ。ところが船着場に到着すると、まっすぐに歩けないほどの強風に自転車を残して行こうか?と正直なところちょっと迷う。ともちゃんは置いていくことを主張したけど、船着場にある島の地図によれば、島の主要道路が南東側...つまり今日の場合は風下側にあって強風を避けられそうだし、念のために船待ちをしてたおばあちゃんたちに訊ねたら、島は比較的平坦で島の周回路に段差はないこと、民宿で貸し自転車があるという情報を得ることが出来て、ともちゃんを説得して自転車を持ち込むことに決めた次第だ。


一色の船着き場から定期船に乗り込む

また、島の生活物資を運搬する役目も負う定期船には手荷物料金の設定はなく、僕らが船に乗り込んだ後、本土のスーパーで買出しを終えたおばちゃんが籠に荷物を満載した自転車のまま乗り込んで来たりした(操舵室の後方に自転車置き場あり)ので、混雑する時以外は自転車の積み込みは問題なさそうである。
11:30、僕らを乗せた「第二さちしま」は一色大橋をくぐって一色悪水路(なんて名前だ!)から三河湾へと出航、一路佐久島西港へと向かう。


野菜、醤油、一輪車に囲まれたPEUGEOT

操舵室の窓から見えてきた「洋上の黒真珠」

かなりの確率でスナメリが見られるというこの航路だけど、神島に引き続いて今回も波兎がピョンピョン!現れる強い季節風で荒れた海(涙)。2階席にもかかわらず時折、海水が窓を洗うほどで、スナメリを観察することは出来なかった。
大揺れの約20分の航海の後、佐久島西港に入港。それぞれの自転車を肩に掛け、僕らは佐久島に足を踏み入れる。

僕らが上陸した西港は佐久島西地区の玄関口で、まずは船着場で島の情報探し。いくつかあるパンフレットの中で僕らが注目したのは、“佐久島アートピクニック2006”というスタンプラリーの台紙。最盛期は1,600人もの人口があった佐久島も他の離島同様に過疎化が進み、今では300人余ほど。このままでは廃村の危機だってことで、島おこしの一環として島を挙げてアートで取り組んでいるとのことだ(一色の船着場のパンフで知った...涙)。島内には過去のアートプロジェクトに出品された作品11点が常設展示されていて、スタンプラリーの地図を片手に作品を巡りながら同時に島内の見どころを廻ることが出来るのだという(*但し、スタンプを集めても特に記念品はなし...笑)。


西港でPEUGEOTを組立てて黒壁の村へ!

佐久島は周囲11kmと先月訪れた神島の4kmと比べるとかなり大きな島なので、徒歩で全てを廻ることは少し難しい感じ...そこで、やはり自転車を使うことにしてちび輪行バッグから取り出した2台のPEUGEOTを組み立る。突風で10kgちょいしかない車体が吹っ飛び、自転車を持ち込んだことを少々後悔したりもしたけど(笑)気を取り直して西港をスタートに島巡りポタリングの始まりはじまりぃ〜!

走り出してすぐ、西港の隣にある漁港を取り囲むように並ぶ家々が目に飛び込んでくる。カラフルだった神島の家並みとは違って、ほとんどの家の外壁は黒。何故この島が“洋上の黒真珠”と呼ばれるのかが一目瞭然...素晴らしくシックな町並みである。


ここの黒はただの黒ではない。太陽を浴びて虹色に輝くまさに黒真珠の黒なのである。

ガイドマップによれば、かつて漁船の船底の防腐防水剤として塗られていたコールタールを家の板壁に塗ったのが始まりで、いつしか潮風から建物を守るために島のほとんどの建物がコールタールで黒く塗られ、“エーゲ海に浮かぶ白い宝石”として有名なギリシャ・ミコノス島を意識して名付けられた“三河湾の黒真珠”というネーミングになったのだそうである。


黒い町並みに椿の赤がひときわ映える
黒ってのは何と清く潔い色なんだろう

上:展示作品「ガリバーの目」
下:黄色い壁の雑貨屋さん

コールタールはただの黒いペンキとは違って、ギラギラと光るのが特徴で、春の陽光を浴びて黒々と、そして一部塗りたての壁が虹色に輝く様はまさに黒真珠!謂い得て妙なのである。
さてスタンプラリーだけど、西港で1つ目のスタンプを捺して漁港に建つビジターセンター的存在の弁天サロンで2つ目、次に海や西地区一帯を一望する小高い丘の上に建つ崇運寺に設置された「ガリバーの目」という作品を鑑賞して3つ目...と次々と制覇していく。


ミコノス島の黒猫。佐久島の白いPEUGEOT。

 

ただ、そういうコレクション的なヨロコビも楽しくていいけど、スタンプやアート作品よりも魅力的なのはやはり、“黒真珠”が立ち並ぶ路地。
『ねぇ、ここってサイコ〜ねぇ!自転車持って来てくれてアリガト〜!』
2m足らずしか幅がない路地にはハンドルバーが短い小径タイヤのPacificがぴったりで、平日ということもあってか僕らの他に観光客の姿も全くなくスイスイ走りぬけることが出来て、ともちゃんも終始笑顔なのだ。


路地で迷う。迷うって何て楽しいことなんだろう!

それなりに高低差があるのに、見事に階段がない路地

黒塗りの板壁が複雑に入り組んだ狭い路地をBlack&WhiteのPEUGEOT Pacificでのんびり走ると、散歩してるおばあちゃんと気軽に挨拶を交わしたり、日だまりで大あくびをする猫に出くわしたり...日本の原風景そのものを満喫する僕らだ。

路地を適当に(ホンマにテキトーに)走っているうちに大和屋観音のショウウィンドウ(観音さんは岡崎の展覧会に出席のため不在)を経て大葉邸に到着。この地方独特の門構えから中庭に入ると、まるでアンダルシアのパティオにも似た空間が現れ、その美しさに息を飲む。この島に来るまでは、あのミコノス島に対抗するネーミングなんて畏れ多いぜ!なんて思ってたけど、いえいえこれがなかなか大したモノです。恐れ入りましたって感じだ。


大葉邸の庭で佇む

 


アンダルシアのパティオの雰囲気がある

西集落をたっぷり走り回った後、僕らは石垣海岸(しかけかんがん)へと向かう。集落を抜け、人と自転車だけのために舗装された小径を進むと元々は畑だったのだろうか?草原のような景色が広がる。小径の両脇には少し潮の匂いを含んだ春風に揺れる満開のハマダイコンの花。思わず口笛を吹きながら走ってしまう僕、そして『何て気持ちのイイ道なの!』ともちゃんも超ゴキゲンなのだ。


集落を一歩出るとこうした春の花々が
咲き誇る草原のような景色が広がる

上:何て気持ちのいい道なのっ!
下:道路脇に咲き誇るのはハマダイコン
CLICK

数分で一面のハマダイコンが咲き誇る草原に到着。そしてその先に青い海!僕らは自転車を引いて浜辺に建つ黒い箱へと近づく。
「おひるねハウス」と名付けられたこの箱も一連のアートプロジェクトの作品のひとつ。静かな浜辺にコロンと置かれたキューブはジャングルジムのようでもあり、蜂の巣のようであり、オープンでありクローズドでもあり、自然から浮いてるようですごく馴染んでいるよな不思議な存在感。


石垣海岸(しかけかいがん)の「おひるねハウス」


静かでポカポカと暖かく、ここで
このまま猫になりたい気分

上:「おひるねハウス」に上る
下:透明な空気、透明な海に思わず深呼吸

普段の僕ならこの作品のどこに芸術性を見出して良いのか?非常に悩むところだけど、この場所、この空気の中でアッケラカンとしたその姿は紛れもなくアートだなって思えるものである。
『キャ〜!』じゃなく『ウギャ〜!』ってな絶叫を残し、ともちゃんが波打ち際へと駆けていく。『キレイよ〜!スッゴクきれい!』
どこまでが水でどこからが浜なのか区別がつかないほどに透明な水と戯れた後、僕らは「おひるねハウス」に登って遊ぶ。離島に渡るってだけで充分に非日常なんだけど、誰もいないウソみたいに静かな浜辺で、不思議アートに触れる時間ってのは非日常の極致!
なんだか蚕の繭にでもなった気分で水平線を飽くことなく眺めていると、心の底からリラックスしている自分に気づいて嬉しくなるのだ。


ハマダイコンロードを走っていると...

ヤギの「ビリー」発見!

町並み、アートとくれば、次は自然だろ!ってことで、西集落をぐるぐる廻り「おひるねハウス」でのんびり過ごした後は、島北部の愛媛県から香川県にかけての部分(形が四国に似てるので...笑)に広がる里山へと進むことにする。たまたま草原で発見したヤギ(この立派な角があるヤギは♂で「ビリー」。以前は島にはもう一頭♀のヤギがいて、その名も「ノン」。夫婦合わせて“ノンビリ〜”なんだそうで...笑)と戯れた後、けもの道のようなシングルトラックをいい加減に進む。


「はじめまして!」「メェェ〜!」


森のシングルトラックを進むと白山社が現れる

白山社からはハイキングロードを進む

魅力的な常緑照葉樹主体の雑木林を延びるシングルトラックを10分ほど自転車を引いて歩くと、現れた鳥居が白山社。佐久島は非常に信心深い島で、人口が300人余りで東京ディズニーランドの3倍程度の広さの島の中にこの白山神社をはじめ、秋葉神社、浅間神社、八剣神社、そして県社、恵比寿社、弁財天、寺が3寺に八十八カ所の弘法巡りなどなどがある信仰の島でもある。


椿ロードはヤブツバキ2000本のトンネル


ここは別名「椿ロード」CLICK

潔さでは椿に負けないワタシ

白山社に参詣を済ませた後、ともちゃんが偵察に出かけたら道が続いてることが判ったので、神社裏手の里山である大山〜遠田山の向こう側に伸びる未舗装のハイキングロードへと進む。
ビリーの草原から白山神社まではPacificの小径“普通タイヤ”ではちょっとキツい路面だけど、ハイキングロードは未舗装のジープロードながら軽トラが走れる程度に幅があり、ちゃんと整備されてることもあって快適なサイクリングを楽しめる。
折しも3月は椿の季節で、このハイキングロードは別名“椿ロード”というだけあって、 2000本のヤブツバキが自生しまるで椿のトンネルのよう!


ピカピカ輝く照葉樹の森をゆく

木漏れ日がキラキラ光る1kmほど続くハイキングロードの里山を楽しんだ後、再びコンクリートで舗装された遊歩道に入る。風を切って坂道を下っていくと、正面に青い海が現れる。よく似た雰囲気の里山は我が家の近所にもたくさんあるけど、里山を抜けると海だった!というダイナミックな風景の変化は離島ならでは。緑から青への色彩の変化は感動的ですらある。


里山を抜けると青い海!

島を東西に貫く佐久島のメインストリート・通称“一号線”を渡ると、そこは天神の浜(てんじのはま)。天神の浜にはちょっと佐久島のイメージとは違う真新しいボードウォークが海へと続いている。
歩いている人は誰もいないし、自動車用の車止めはあるけど自転車は大丈夫そうなので、ボードウォークを走る。カタカタカタ...リズミカルに音を立てる床板が気持ち良い。クランク状になった4連橋のボードウォークが終わると、そこは佐久島随一のビーチである大浦海水浴場。
天神の浜と大浦ビーチを隔てる突堤にはアート作品「かもめの駐車場」がある。


天神(てんじ)浜のボードウォークを走る

展示作品「かもめの駐車場」全て風見カモメなのだ

ワハハハ...コレがアート?あ、いや、僕が思わずニッコリしちゃうんだからこれもアートだな(笑)。要するにカモメの絵が描かれた立て札が数十本立ってるだけなんだけど、風見鶏...いや、風見鴎(かもめ)になってるので風向きに合わせて全員揃って“回れ、右っ!”しちゃう姿がバカバカしくてユーモラス。
ビーチは何となくHawaiiのワイキキを思わせる洒落た雰囲気で、PEUGEOTに乗った中年夫婦なんかよりもパツキンでボンキュボン!なオネエチャンがローラースケートで走り抜ける方が似合いそう(笑)...とにかく何度も言うけど佐久島の雰囲気には馴染まない気がするなぁ...。

町並み、アート、自然...で、最後はグルメ(苦笑)。今日は10時過ぎに名古屋式モーニングを食べたので、これまであまり空腹を感じなかったけれど、さすがに午後2時近くまで自転車で走り回って美しい景色を眺め続けているとお腹が空いてくるものだ。『腹減ったねぇ。』って呟いた瞬間、目の前に現れた「ゆきや」の店先に自転車を停めて店内へ。


「ゆきや」で大アサリ丼¥680をいただく

左が大アサリで、ザルの中が普通のアサリ

伊勢湾〜三河湾の離島のお約束は海の幸なわけでどんな魚も旨い土地なんだけど、やはりここ佐久島一番の名物は大アサリ。当然ながら僕らは揃って『大アサリ丼下さいっ!』(笑)
大アサリ丼は注文した時点ではお店の前の生簀でビロ〜ンって寛いでる大アサリをその場でフライにして丼に載せてくれるこの島の名物B級グルメ(カツ丼のカツが大アサリに替わるイメージ?)。はっきり言って大アサリと卵のコラボレーション、コレがもう最高!牡蠣フライなんかよりもクセがなく、潮の香りたっぷりで相当ウマイです。


「佐久島の庭」は公園全体が展示作品。太陽を
浴びてキラキラ輝くお皿のモザイクで出来た小径

上:どこまでも延びる橋を渡って大島へ
下:展示作品「海神さま」

「ゆきや」で寛いだ後は店先から真直ぐ海へと伸びている防波堤を渡って大島へ。佐久島の周辺にはこの大島や筒島などの特徴のある小さな島が点在し、しかもそれらが橋で結ばれていることもあって自転車で気軽に渡ることができる。大島に上陸すると、すぐ左手が「鯨切の浜」。その名の通りかつて捕獲したクジラを解体した場所である。洒落たトイレの向こう正面にアート作品「佐久島のお庭」と称する公園が広がる。


こんなのが海を見つめて立っている

正念寺の縁にも海神さまがちょこん

公園内には様々なお皿を材料にしたモザイクの小径がクネクネと延び、まるで地面から生えてるような「海神さま」の頭像やのブロンズ製の変な鳥があって、アートというよりも日常に潜む非日常ってな宮崎駿ワールドの雰囲気。海に立つ「女子岩」(めんぞいわ)の奇妙な姿などとともに、島に降り注ぐ眩しいほどの春の陽光がその不思議さをさらに高めている感じだ。
大島での不思議体験の次は再び本島に戻って東地区の路地裏へ。とても古いお寺・正念寺の縁にちょこんと座ってる「海神さま」の全身像と記念撮影をして、路地のどこをどう走ったのか分らないうちに、また里山の中に迷い込み、さざなみという名の真新しい民宿の前を通って筒島へ。


浅間神社の下のシングルトラックを進む

男子岩を眺めながら海の中道を通って筒島へ

浅間神社下のシングルトラックを進むと、突然道が途切れ、海が始まる。正面にモーゼの奇跡を思い起こさせる一直線に伸びた防波堤。そしてその先に目指す筒島が姿を現す。海辺へは段差の大きな階段が続くので、ここに自転車を停め、右から左へと強く吹き付ける風にバランスを崩しそうになりながら防波堤を進む。筒島の左側には神島の島影。伊良湖水道をゆったりとしたスピードで貨物船が通り過ぎるのが見える。ただそんな美しい景色に気を取られていると、時折大波が打ち寄せてシャワーのように飛び散った海水を浴びる羽目になる。


筒島から望む神島。左は伊良湖岬

何とか筒島に辿り着いた僕らは、佐久島本島とは明らかに植生が違う鎮守の棕櫚と竹の混合林に鎮座する弁財天にお詣り。森が風から僕らを守ってくれるので、ほとんど風を感じないけど、吹き抜ける風に揺れる竹が奏でる乾いた音とその合間に聞こえてくる波の音に風を感じながら、島を半周する遊歩道を散歩し、再び佐久島本島に戻る。灯籠が建つ防波堤の内側には小さなビーチがあり、ここは「貝殻の浜」の名の通り貝殻で埋め尽くされていて、順光で見るその前に広がる海は眩しいほどの青。その先にあるまるで潜水艦のような形の「男子岩」(おんぞいわ)の白さとの対比が沖縄を思い出させる鮮やかさである。


この島だけ植生が全く違うことに驚く

鎮守の森から垣間見える貝殻ノ浜


再び佐久島へと戻る。海の青さが眩しいほどだ。

僕らの自転車の真上には、大きなトビが数羽。小さな円を描きながら旋回をくり返し僕らを観察しているようだ。僕らが自転車に乗って走り始めると、そのうちの1羽が急降下し、ともちゃんの右上空を並んで飛ぶ。明らかにともちゃんのスピードに合わせて飛んでいるように見え、まるでランデブーなのだ。


Ying&Yang(陰陽)PEUGEOTとともちゃん

ともちゃんに寄り添うように滑空する巨大なトビ

筒島から太井ノ浦を一周し、東港の定期船船着場に戻ったところで今日のポタリングはタイムアップ。東地区をもう少し ポタポタとポタリングしたい気持ちもあったけど、出航まで10分ということでここで自転車を畳んで輪行バッグに詰め、桟橋に停泊中の第二さちかぜに乗り込む。今日もAzuのコンタクトレンズの練習に眼科に行かなくてはいけないので17:00までに帰宅する必要があるのだ。


肩から自転車を提げてさちかぜに乗船するともちゃん

「さちかぜ」船内でブログを更新するともちゃん

ま、そんなわけで、“子鬼の居ぬ間に...”の限られた時間の中だけど、自転車を持ち込んだおかげで余裕で島を一周して、つかの間とはいえ、のんびりとした非日常を満喫することが出来た。島は西端から東端まで約2.5kmで一日かけて歩くのにちょうど良い大きさではあるけど、GPSによれば、今日の移動距離は15kmと結果的に島に滞在してた数時間で歩いて回るのは不可能な距離(実際ガイドブックには歩いて回ると丸一日かかるって書いてあったし)だったわけで、島を満喫出来たのは自転車を持ち込んだからこそ。もちろん船への自転車持ち込みも島内を自転車で走り回るのも人の少ない平日限定がマナーなのは言うまでもないけど、平日ならではの本当に楽しい時間を過ごすことが出来たように思う。

東港を15:00きっかりに出航した定期船に乗って一色港へ戻った僕らは、一色名物・海老煎を大量に買い込んだ以外はどこにも立ち寄らず、家路を急いだ。


実に素晴らしい森でした

  

March.2007 MENU

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