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小尻返しから飛石を望む

12月3日 伊勢山上行場巡りトレッキング(三重県松阪市)

今日一日だけとはいえ3週間ぶりに週末に休みがとれたので、今日は家族でのんびりと過ごすことにする。全員揃って遊ぶのは実に1ヶ月ぶりのことである。サラリーマンの頃は完全週休2日だったので毎週のように夫婦であちこちに出かけていてさほど有り難みを感じなかったけど、こうして休日が少なくなって月イチしか家族揃って遊べなくなると逆にたった一日の休日がいかに大切なのかを思い知ることが出来てヨカッタのかもしれないな、と思わなくもない。
そんなわけで、今日は夏休みの終わりに大峯山上ヶ岳に登って以来、Masaがずっと行きたいと言ってた伊勢山上へ。前回は2001年5月だから5年半ぶりの訪問となる。伊勢山上は“伊勢の山上ヶ岳”の意味で、役行者が開いたとされている行場(正式には飯福田寺)のひとつである。詳細は2001年5月のカヌー日記を読んでいただくとして、Masaのプッシュも強かったし、この5年間...特に“行場巡りの一年”だった今年の最後に僕ら家族の岩場踏破力がどれだけアップしたかも興味深かったので、昼前に家を出て松阪市宇気郷の飯福田寺に向かう。


山門では仁王様が迎えてくれる

薬師堂で行の安全を祈る

山門前にOUTBACKを停め、一応登山のスタイルに身を包み、渓流沿いを飯福田寺ヘと進み、入山料¥100を払った後は苔むした石段を上がって薬師堂へ。山行の無事と家族の健康をお願いして表行場へと入る。
木の根が這う参道をしばらく進むと、最初の岩場である「油こぼし」の麓に到着。初めて来た5年前は“行場ヴァ−ジン”だったこともあって、いきなりの鎖場に面喰らったけど、それなりに経験を積んだ今はさほどでもない斜度と落ちても死なない高低差を目にして恐怖感はほとんどない。


Masaが直登ルートをゆく
(僕はトラバースルートから撮影中)

上:油こぼしの麓に到着
下:鎖を使って登攀するMama

岩の表面を撫でてμと鎖の強度を確認するMasa。一連の行場体験を通して怖いのは高さでも傾斜角でもないことを自然と学んだようだ。まずはMasaが先頭で鎖を使ってぐんぐんと高度を上げる。中間点で振り返り、MamaとAzuに向かって叫ぶ『トラバースルートは上の方がヤバいし、直登ルートの方が安全そうだよぉ〜!』ヨロシイ!ツアーリーダーはその気遣いが大切だ。
Masaのアドバイスに従ってMamaとAzuは直登ルートへ。僕は彼らを撮影するために左手にあるトラバースルートの鎖に取り付き、撮影しながらちょっと急いで先回り。
油こぼしのてっぺんから岩屋本堂に続く尾根を慎重に上がり、高さが膝までしかなくて意味ないじゃ〜ん!な手摺に沿って岩屋本堂へ。


油こぼしの鎖場から岩屋本堂へと向かう

巨大な丸い岩がAppleマークのようにえぐられている

伊勢山上の象徴とも言える岩屋本堂は巨大な丸い岩がまるでAppleComputerのマークのようにかじられ、そこに役行者が前鬼&後鬼を従えて祀られている祠が建っている。山麓から見上げるとその姿は熊野七里御浜の獅子岩そっくりの姿...要するに獅子のノドチンコに祠があるって感じだ。既に10/16に閉山式を終えて扉がしまっているけれど、一応手を合わせてお詣りを済ませる。さていよいよ今日のメインイベントである御笠岩のクライミングの始まりである。
最初から登る気がないMamaはともかく、残りの3人はやる気満々。まずはMasaが祠の右横の岩壁「鐘掛」ヘと進む。続いてAzu。「鐘掛」の先の踊り場でその先のルートを見た瞬間にやる気を失ったAzuが再び本堂に戻ったので、彼女たちを迂回ルートへと案内した後、最後に僕が挑戦。祠の縁台からトラバース気味に渡るだけなんだけど、人工クライミングウォールのホールドそっくりの岩の凸凹があって比較的容易かと思ってたら、あくまでも自然の造形であって人が登りやすいように位置決めしてあるわけではないので結構の難易度。加えて人工のものなら全体重をかけても安心だけど、ここのはただの脆い砂岩だけにひとつひとつ強度を確認して進む必要が...これが何よりも怖い!!


鐘掛をトラバースする兄と妹

Azuはその先を知って慌てて戻る

ザイル持参のパーティのオバちゃんのひとりがその先に進むのを躊躇してたのでホールドに掴まったまま少し待って、何とか狭い踊り場に辿り着いたMasaと僕。ホッとしたのもつかの間、そこで目にした光景に愕然とする。な、なんじゃこりゃぁ〜!
垂直...というか一部オーバーハング、ホンマに林檎の表面みたくツルリとした表面に鎖が垂れ下がっているだけ。さっきのオバちゃんが足が竦むのも当然なのである。
ちょっとだけ後悔していると、すでに迂回路を通っててっぺんに到着してるのか、姿が見えないものの空からMama&Azuが先行のパーティと談笑してる声がする。『ご主人と息子さんってフリークライマーなの?すごく身が軽いわねぇ。』『アハハハ...いえいえ全然。ふたりとも高所恐怖症なんですよ。普段は梯子の2段目で足が震えてます。』ヲイヲイ、2段目じゃ足は震えないよ!3段目は震える時もあるけど(涙)


鐘掛の踊り場から岩屋本堂

岩屋本堂〜鐘掛〜御笠岩の俯瞰写真(僕も一緒に挑戦したので写真は合成です!)

Masaがそんな僕を見てニヤリと笑って『じゃ、先に行くよ!』と鎖に取り付きスルスルとスムーズに登って行く。Masaはいつでも鎖に掴まれるよう鎖のルートに沿ってはいるものの、あまり鎖が信用できないのか、なるべく鎖に頼らず3点確保で自分の手足に体重を載せている。『お〜い、ここ鎖使わない方が安全だよ〜!』こらっ!そういう怖いアドバイスはしないように!
続いて僕も努めて冷静にクライミングをスタートする。
実際に岩に取り付いてみると大峯・山上ヶ岳の裏行場よりも難易度が数段低く、良く見ると岩の表面には先達が鎖なしで登ったであろう幾つかのホールドらしき凹みがあるし、命が掛かってたら仮に鎖が切れてても何とかなるかも?って感じ。ただMasaのようにお喋りしながら全く鎖を使わずに登ることは不可能で、ただひたすら集中して登るしかない僕である。
案ずるより生むが易し...鎖を使えばほんの数分で登頂成功!平らな場所に立って青い顔をして大きくため息を吐いているとMamaが冷やかす。
『可笑しかったぁ〜!Masaは笑顔でサラっと登ったのにPapaはすっごく真剣な顔で慎重なんだもん。ホントは怖かったんでしょ?』
ホントも何も文句なしに怖かったですぅ。後で反対側から見たらさらにゾッとしましたです、はい。ま、山上ケ岳の裏行場よりはちょっとだけマシだったけど、出来ればあの時の顔はヨメさんには見られたくなかったなぁ。修験道の山が女人禁制なのはもしかしてこの辺に理由があるのかもなぁ...


最大の難関を制覇し、御笠岩の頂点でホッと一息の笑顔

「御笠岩」で記念写真を撮った後、高さ3mほどの「抱付岩」をまさに抱きついて登り、そこからちょっとした岩のトラバースの後、一気に登り尾根道へ。ここからの尾根道は鬱蒼と繁る広葉樹の森で、小さなアップダウンはあるもののほぼ平坦な散歩道となる。
間もなく「小天井」という看板の建つ小ピーク、そこから5分ほどで「大天井」つまりこの行場の最高点(標高380m)に到達する。但しここからは見通しはほとんど効かないので看板がなければそこがピークとは気付かない場所だ。


30cm近く積もったフカフカの落ち葉を
蹴って秋の森の感触を楽しむAzu

上:落ち葉のブラウンが道案内をしてくれてる
下:唐突にヤセ尾根に出て眺望が良くなる(亀岩)

「大天井」を過ぎると、森の雰囲気が一気に明るくなり、信越トレイルや三峰山脈の尾根道にも似た雰囲気。優しい色合いの落ち葉がたっぷりと積もったフカフカした明るい森をしばらく進む。
「亀岩」を過ぎると、突然目の前の視界がパッと開けてフカフカの落ち葉のプロムナードが急峻な岩場に変わる。伊勢山上第ニのハイライト、「鞍掛岩」から「飛石」へと至る岩場の始まりである。この岩場が岩屋本堂に続いてあるのならばさほど高度感&恐怖感はないだろうけど、ホラー映画によくあるハッピーエンドで終わるのかと思わせた後に起きるドンデン返し(例えば『13日の金曜日』の静かな音楽が流れる平和な湖のシーンみたいなの...笑)とかメチャ辛いカレー食べてる途中に水を飲んだ後とかに似て、平和で優しい落ち葉道の直後だけに怖さ倍増...伊勢山上のコース設定の妙である(笑)。


紅葉と局ヶ岳がキレイだけど見てる余裕はないかな?

あれ?余裕でスタスタ歩いてるじゃん!?

岩場の始まりは「鞍掛岩」。右側も相当な高さだけど多少の角度があるので落下したら擬音は“ズルズル”って感じ。でも左側に落ちたら擬音じゃなく擬態で“ストン!”(笑)。ほぼ垂直に切り立った崖で、遥か下に巨木のてっぺんが見えているからたぶん50mはあろうかという高さ...その縁を歩くのである。でも先行する女性陣は急傾斜の部分こそ四つん這いだったけど、ピークに至ると余裕でスタスタと二足歩行。Masaに至っては頂点で軽快なステップを踏んで踊ってみせる余裕...いかん、完全に高度感覚が麻痺してる!(笑)


局ヶ岳をバックに。写真左手はほぼ垂直に
切り立ってるのにMasaは踊ってみせる

上:まずは鞍掛岩によじ登る
下:高度感がマヒしてるのか小走りで進むAzuとMama

「鞍掛岩」から尾根続きの「蟻の戸渡り」(ここで“色っぽい名前だこと!”とクスリと笑ったら開高健師の読者だろうな。“蟻の戸渡り”で検索するとすぐ答えが出ます...笑)へは足元の平らな部分が広がるぶん歩いてる間は恐怖感はほとんどないものの、先行して振り返ると、尾根を立ったまま降りるなんて信じられない!危険さに見える。(見てる方が怖い)そんな中でMasaがまたやってくれました!『疲れたし休もう!』などと突然その場に座って、岩の凹みに身体を預けて昼寝を始めてしまうではないか!ヲイヲイ寝返りを打つんじゃないぞ〜!(笑)

 


蟻の戸渡り。岩の凹みに身体を預けて昼寝するMasa。決して寝返りを打たないように!(笑)

ま、何とか寝返りを打つこともなく、全員が「蟻の戸渡り」を通過し、鞍部に到着。そこに建つ「不動棚廻り」の看板。前回は危険な岩場を無事通過した安堵感から見逃して通り過ぎてしまったけど、行場を全て体験すると決めた今日は、蟻の戸渡りの崖下にある不動棚へと進む。垂直に限りなく近い急な角度の岩をトラバースして30mほど進むと、白く輝くまさに“棚”のような場所に到着する。さきほどの岩屋本堂よりも規模は小さいものの同じような成り立ちと思われる岩屋で、人がひとり座れるほどの窪みがあって居心地が良さそう(笑)。


蟻の戸渡りの真下にある不動棚廻りへ。
岩屋本堂に似てるけどおひとり様用の広さ

上:ここに籠って座禅を組んだら良さげだよな
下:小尻返しは360°遮るものがなく眺望が抜群

不動棚廻りからルートに戻った僕らを待ち受けている次なる難関は「小尻返し」である。『小尻返しってことはAzuは戻らなくっちゃいけないってこと?あ、ともちゃん、君は大丈夫かな。』なんて冗談を言ってたけど、この場合の“小尻”とは“小さなお尻”という意味ではなく“鐺”(=コジリ。日本刀の鞘の先っぽの金具で小尻とも書く)のことで、たぶんこの岩を降りる際に腰に差した刀が引っ掛かって滑落するのを防ぐために持ち替えたことに由来するのではないか?(但し、大峯奥駈道の八経ケ岳の先にある「小尻返し」がオリジナル)


飛石のてっぺんに立つMasa。
“いつも股間に太陽を!”ちょっと光り過ぎ?

上:小尻返しを鎖を使わずに降下するMasaと僕の影
下:家族全員で飛石へ向かう

Masaとそんな話をしながら「小尻返し」の先端に進み、そこから伸びる鎖に沿って下降開始。ここも他の鎖場同様に鎖は近年取付けられたものなので、古の修験者と同じように岩にある凹みだけを使って降りることも可能で、Masaは鎖には目もくれずホールドだけを使って降りていく。僕は41年で生涯を終えたくはないのでしっかり鎖に頼ってなんとか地上に降りることが出来た。


飛石で影絵遊び。題して“千手観音”

真っ白なキノコに覆われた木々

「小尻返し」の降下で息が上がったまま、次なる岩場「飛石」へ。それまでの尖った岩に比べると裾野の広い安定した形の「飛石」。でもピークの岩はかなりの高度感で、しかも強風が吹き付けている状況でMasaが風に煽られて落下しそうになったほどだ。でも岩に伸びるMasaの影に自分の影を重ねて手を広げ『千手観音!』と影絵遊びを楽しむMama&Azu...バカです(笑)

「飛石」も鎖があるけど、ここは鎖を使う必要は全くなく安全に降下出来る。この岩をクリアするとついに伊勢山上の岩場はおしまい。ここからは再び落ち葉のラインに従って森の中を歩く散歩道となる。


落ち葉のベッドで昼寝するMasa。
最高の気分なのだそうだ。

上:天居ノ原でランチタイム
下:木漏れ日が暖かく感じる季節

間もなく「天居ノ原」と看板にある平坦な場所に到着。風上側の尾根が上手い具合に風を遮ってくれていて、木漏れ日がスポットライトのように輝くフカフカの“落ち葉じゅうたん”に誘われて、ザックを下ろしてランチタイムとする。カサカサと鳴る乾いた落ち葉の吹き溜まりでもあり、また行場内は「不浄な火」を使用することが厳禁されているので温かい食事を諦め、おにぎりと行動食のチョコクッキーだけのランチ。落ち葉にゴロンと横になると青い空をバックに揺れる梢から時折舞う落ち葉が万華鏡のように美しく、フワフワの寝心地と相まって心からリラックス出来る時間である。


木漏れ日に光る下向道の森はとても雰囲気が良い

実は一番危ない一直線150段の階段

天居ノ原でのんびりした僕らは下向道の素敵な森をしばらく歩くと表行場も残りわずか。踏面が妙に狭い一直線の階段(実はこの階段が一番危険だったりする...笑)を慎重に下って表行場巡りは終了である。
伊勢山上は馬蹄形の尾根を辿るようにルートが設定されているので、スタートの薬師堂とゴールの石段は目と鼻の先。地図を見ると特に不思議ではないけど、実際に歩いていると岩の登り降りで方向感覚が麻痺してしまうのか、遊園地のお化け屋敷の出口を出た瞬間と同じような“なんで、オレここにいるの?”的な小さな驚きを感じる。


前回はここまでで結構疲れてさらに歩こうなんて思わなかったけど、今日は全員がまだ余裕たっぷりなので、裏行場へと向かう。飯福田寺脇の渓流沿いに山門へと進み、山門の川下約200mの左手の民家の上に覆い被さるような達磨岩という名の岩を眺めながら橋を渡りすぐ右折、川に沿って行くと木製の鳥居が現れる。裏行場の入口である。裏行場も表と同じく「油こぼし」という平らな岩壁から始まるのだが、表行場のものよりも規模が小さく、傾斜も緩いので鎖はちょっと大げさかもしれない。(但し、鎖が途切れた地点から木の根の段差を越えるのが身体の小さい女性や子供には少し困難を伴う)


表行場を無事終えて裏行場へと進む

裏行場も油こぼしから始まる

MasaとMamaが協力してAzuを引き上げる

千手観音さんとAzu

「油こぼし」の後は全くもって平和な山歩きで、時折現れる千手観音さんなどの石像に手を合わせながら進むと、すぐに裏行場のハイライトであり唯一の岩場である「獅子ケ鼻」という大岩に到着する。ここからは正面に掘坂山、右手には表行場の馬蹄形の尾根が一望出来る絶景ポイントなんだけど、ここからのルートが極めて不明瞭なのでMamaとAzuを戻らせることにする。


裏行場唯一の岩場・獅子ケ鼻から掘坂山と表行場方面(右)を一望

Masaとふたりで人の通った痕跡を探して「獅子ケ鼻」の大岩に張り付いてルートを探し回るけど、一番奥からトラバース気味に降下する以外にルートらしきものはなさそうなのである。そのルートの下の森にも山へと伸びる踏み跡らしきものは発見出来ず、再び岩に登って元来た道を戻ることにする。ところが、そこへ岩屋本堂で出会ったザイル持参のパーティが到着。リーダーの男性に教えを請うと、やはりさっき降りてみたトラバースのルートが正しく、ここからは登るのではなく下りになるということ...『な〜るほど!下りなら道があったよね!』ってことで、再び岩を降りて「獅子ケ鼻」の真下に伸びる山道を下る。


獅子ケ鼻の一番奥からトラバース気味に降下する

鎖もなく、僅かなホールドだけが頼り

無事地上に降り立つ

ジャングルのような獣道をひたすら下る

間もなく右手の谷に砂防ダム。ここからは通る人が少ないのか(後日、裏行場について検索してみたら、このルートを発見出来ず、獅子ケ鼻をピストンした人がほとんどだった。)、道はジャングルのようになっていてちょっと不安になりつつGPSで方向を確認しながら進むと...あっけなくスタート地点よりも上流の民家の傍に出た!これで裏行場も踏破なのだ。
そこから鳥居前に戻って待ちわびていた女性陣と合流した僕らは、渓流に架かる丸木橋を渡って車道でOUTBACKの待つ山門へと戻る。


裏行場前のストリームを渡って裏行場を終了

真っ赤に塗られた農業小屋前にて

迂回ルートを使った前回とは違って、今回は迂回路なしの正真正銘のメインルートを踏破し誰ひとり滑落することもなく無事帰還することができたわけなんだけど、今回の行場巡りで痛切に感じたのはやはり『怖いもんは怖い!』ってこと(笑)。前回はMasaが8歳&Azuが6歳で実に危なっかしい感じだったけど、今回はAzuはともかく“行場マニア”なMasaの岩登り能力はもう完全に僕を超えてるはず。でも、やっぱり息子は息子、親は親なわけで足を滑らせはしないか?踏み外しはしないか?と自分のことなんてそっちのけで心配でしょうがないものなのである。自分だけならさほどでもないけど、やっぱり家族が一緒だと誰かが落っこちる姿を想像してしまって恐怖感倍増なのは幾つになっても変わらない...きっとそのうちこの“親心”が子供達の“自立心”と衝突することもあるだろうなぁ。亡き親父と喧嘩ばかりしていた日々を思い出し思わず苦笑する僕である。

いつの間にか西に傾いた太陽が前を歩くMamaとAzuを照らし、彼女たちの影が長く伸びている。気温が下がり、日が短くなって野遊びするにはちょっと辛い季節がやってきたので2006年グリーンシーズンの家族での野遊びを“ほぼ”終了。野遊びが終わったら気分はもう来年のスノーシーズンへ...ってなわけで、帰り道にアル●ンに寄って、Masaのカービングスキー&ブーツ、Azuのスキーボードなどなどを買い込み、先日生まれた友人U&ヨーコちゃんの赤ちゃんに会いに産婦人科に立ち寄って、昨日壊れたリビングのシーリングライトを買いに電器屋に行ってアレコレてんこ盛りの今日一日が終わったのだった。

 

 


さぁ、山門へ戻ろう!西日を受け、長い影が伸びる

 

 

 

 December.2006 MENU

 

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