5:30に起床して、相変わらず二輪車通行止め&40km/h規制の大鳴門橋を渡る。
カヌーを載せた4本のTHULE420キャリアがギリギリと変な音を立てる。たぶん本体がよじれてフットのボルトが擦れる音も響く。いつも通りカヌーは前後2本のキャリアバーにINNOのボート用ラチェットで固定するのはもちろん、センターヨークと内側の2本のバーを1艇づつノーマルのベルトで固定、しかもフロントをヶブラ−ロープで引っぱっているので、キャリアとカヌーの固定は完璧である。でも、ダッちゃんの雨樋とキャリアフットは8本の爪で固定されているだけ...ダッちゃんが横転するというよりも、先にキャリアがカヌーなり吹っ飛ぶのが先かもなぁと覚悟を決め(涙)、マジで涙目になりながら風下のレーンに移って、仮にカヌーが吹っ飛んでも他のクルマに迷惑を掛けない準備をする。這うようなスピードで涙ながらに何とか渡りきって、Shikoku
Islandへ!
(徳島に入ってチェックしたら、センターヨークを固定したベルトは緩み、キャリアバーのボルトが数カ所緩んでフットが曲がっていた。しかも2インチのベルトに1/3ほど亀裂が...即、予備に交換...涙)
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秋桜が咲き誇る黒瀬の河原に到着
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着替え&準備を整え川へ
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徳島市内の路肩でキャリアの修理を済ませ、徳島から吉野川沿いに西を目指し、川之江ジャンクション、トンネルの連続する高知道で伊野に入り4年ぶりに仁淀川へ。前回のスタート地点と同じ黒瀬キャンプ場(キャンプ場といってもただの河原だけど...笑)に9:00到着する。
コスモスの咲き乱れるスロープを下り、河原の入口にダッちゃんを停めてカヌーを下ろし、着替えを済ませた僕らは、いつものようにCAMPERとPATHFINDERの2艇に分乗して10:20スタートで仁淀川に漕ぎ出す。
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光の美しい秋の日
10:20スタート!
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追い風に乗って順調に進む
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Mamaのパドリングジャケットをバタつかせるほどの追い風が、カヌーのスピードが速まるにつれて徐々に収まっていく。川の流れと風に“乗った”瞬間である。相変わらず澄み切った仁淀川、川底にくっきりと映った僕らの2艇の黒い影が川底の玉砂利を飲み込むように川下に向かってかなりのスピードで進んでゆく。前方をゆくPATHの影から伸びたパドルの細長い影が水の中で動くたび、小さな渦が生まれて水中にプリズムを生み、小さな虹色の光の粒が宝石を散らしたように揺れる。最高に美しい水の芸術!周囲の山々と同系色のグリーンに薄っすらと染まった、しかもグロス感のある限りなく透明な川面は美しいというよりも気高ささえ感じるほどである。
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広々とした川面は宮川とうり二つ
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適度な瀬が 僕らを飽きさせない
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『やっぱり仁淀川は良いわねぇ。』
操船をMasaに任せ、パドルをボトムに置いてブログの更新をはじめたMamaが空を見上げながらつぶやく。うん、いいね、この川。スタートから数百mで来てよかった!という幸福感に包まれる僕らなのだ。
スタートして間もなく、鮎釣り師の和船とすれ違う。この時期、宮川で和船といえば網での漁だけど、ここ仁淀川はあくまでも和船をアンカーで固定しての竿釣り、しかも友釣りである。竿の出ている反対側に針路を採り、和船とすれ違い、家族4人が次々に『こんちわ〜!』と叫ぶ。竿の先に集中していた釣り師のおっちゃんが笑顔でペコリと会釈で応えてくれる。この後も瀬のたびに鮎釣り師が竿を出していて、その度に針路を変える必要があったけど、通り過ぎるたびに挨拶を交わすと、みんな笑顔で頭をピョコン!
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そして、なんと言ってもこの透明度!
『今日は鮎釣りさん、多いですねぇ。』
『鮎は来週の15日迄やきにのぉ。』
シーズン最後の鮎釣りを楽しむために釣り師さんたちで大賑わいの仁淀川である。でも、総じて...というか仁淀川の鮎釣り師は全員がとても友好的で、僕らが声を掛けるとみんなニコニコ笑顔で挨拶して、一言ふた言会話を交わせる。「川で遊ぶ仲間」という感覚で接することが出来るのが実に嬉しいのだ。僕らの目の前でおとりの鮎よりもひと回りもふた回りも大きな鮎がどんどん釣り上がっていて、見ている僕らも楽しくなるほどの豊漁なのもみんながゴキゲンな大きな理由なのかもしれないけど(笑)。
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どの浅瀬もライニングダウンは不要
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あまりののどかさにAzuはお昼寝
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実に痛快な瀬と静かに、でも意外と速い流れをともなった淵が交互に現れる仁淀川の清流を追い風に乗ってサクサクと進んでいく。刻々と深さが変化する川底に映るMasa&MamaのPATHの影が彼らに近づいたり離れたり...相当なスピードで流れる雲塊が太陽を隠すたびにその影がパッと消えたり現われたりと見ていて飽きない。
4年前に比べて水位は相当低いものの、浅瀬でも最低限の水深が確保されていて、時折カヌーのボトムが岩に当たるゴン!という音さえ気にしなければ、カヌーを降りてライニングダウンする必要は一度もない。
広く青い空に浮かぶ丸っこい白い雲、サワサワと音を立てて揺れる木々、全く緊張感を感じることのない美しい流れ...あまりの快適さに眠くなったAzuがセンターヨークに身体を預けて昼寝を始めるほどだ。
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カヌーを横に向け、追い風を最大限に受けて進む
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間もなく、正面に橋が見え始める。柳瀬橋である。
柳瀬橋は“瀬”という字の通り、手前に川幅が狭まることによって流れが右岸にぶつかりながら流れる瀬が現われている。しかも右岸にはテトラポッドが林立し、左岸には鮎釣り師が林立している(笑)
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付かず離れずに進む2艇
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瀬限定(笑)なAzuのパワフルなパドリング
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でも、大きなカーブもなく実に素直な流れで、バウを一発目の波に喰われない限り、沈の可能性は限りなくゼロに近い。また仮に沈して右岸から突き出したテトラポットが起こす左回りのコークスクリュー状の渦(*←の写真にも線となって見えている)に巻き込まれたとしても、覆い被さる波に慌てずに流れに身を任せて流れに対して左側を目指して泳げば容易に左岸に辿り着ける...そんなことをAzuにレクチャーしながら瀬へ。
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柳瀬橋はテトラの瀬が続くが極めて易しく素直
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11:00 水辺の里「あいの里」に到着
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釣り師を避けて右岸のテトラすれすれを進む。予想通り縦向きのボイルが幾つも発生しているけれど、若干バウを左に振ってハルがボイルを垂直に近い角度で受け止めるように心掛けるだけで、カヌーのハルは水の流れをスムーズに“いなす”ことが出来る。僕の姿勢を観察していたのか、後続のPATHも同じポジションで続く。
橋をくぐると左岸に「あいの里」(“あい”=当地の言葉で“鮎”のこと)、そしてその河原に立ち並ぶテント村が見えてくる。
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地元のおばちゃんたち手作りのランチに舌鼓
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一時間半ほど休憩してリスタ−ト
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『お〜い、ちょっと早いけどここでランチにしようよ!』
『いいわよ〜!』
...ってことで、左岸にカヌーを寄せて上陸し、あいの里へ上がる。スタートからここまでGPS読みで6.2km約40分の川旅だった。
あいの里で地元のおばちゃん手作りの“手作りコロッケ定食”のランチを楽しみながら前半のパドリングについて家族で語り合う。
『さっきの柳瀬のコース取り、100点だぜ!』
『えっ?どこの話?危ない瀬なんてあったっけ?』
アッケラカンとしている2人。『だって、あいの里で何を食べるかって話してたら着いちゃったんだもん』
たぶんMasaとMamaは僕みたいに頭で考えて漕いでいるわけじゃなく、これまでの経験から自然とそういう漕ぎ方をしてただけのようだ(笑)。
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岩の間を縫うように進むレッドカヌー
4年前と変わらず、美味しくてボリュームのある「あいの里」の食事を楽しんだ後、川を望むテラスに座ってソフトクリームを食べてまったりと過ごす。本当は美味しそうな手作りケーキが食べたいところだけど、楽しみは全部一度に叶えてしまうとつまらないので、ダウンリバーの後でもう一度ここに立ち寄ってティタイムで戴くことを約束して、僕らは再び川に漕ぎ出す。
「あいの里」の河原を出ると右岸に折り重なるような大きな岩が続く。川の中にも数多くの岩が点在していて、僕らのカヌーはその岩を縫うように進む。0.5級程度の素直な瀬を幾つか越え、左岸が岩場で右岸に玉砂利の敷き詰められた扇状の河原に到着。ここの淵の透明度といったら!魚飛に勝るとも劣らない美しさに思わずダウンリバーを中断してワケもなくぐるぐる回ってしまう僕らだ。
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深い
淵の真ん中に大岩発見!『降りてもいい?』
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淵の真ん中に“水蜘蛛の術”で(笑)立つAzu
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『ねぇ、Papa、下りてもイイ?』淵の真ん中に水面スレスレのテーブルのような大岩。Azuが水深5cm程度の岩の上に立つと、まるで“忍法・水蜘蛛”みたいな不思議な光景(笑)。Azuがカヌーから下りたのを見て、“紀伊半島の河童”くんも我慢出来ずに川へドボン!
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Masaはやっぱりやっちゃいます(涙)
実はコンタクトレンズユーザーの河童くん、まさか10月の遠征先でのカヌーツーリング中に泳ぐとは思っていなかったので、ゴーグルもシュノーケリングマスクも持ち合わせていなかったんだけど、そんなのお構いなし。顔を上げたまま川を横断し、向こう岸で大岩によじ登ってザブン!と飛び込み、満面の笑みを浮かべたままこちらに泳ぎ渡ってくる。
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短パンウェットとラッシュでも大丈夫な水温
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但しさすがに10月、ゴーグルは持ってません
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『川ってのは泳いで渡って、ちょっとだけ水を飲んでこそ知ったことになるのさ。』
生意気にも川遊びの哲学を語るMasaである(笑)そういえば前回ここを訪れた時は11月で徳島自動車道が積雪通行止め(!)になったような寒い日だったので、今回は仁淀川での初泳ぎなのである。但し、今日もそれなりに気温も低く、しかも太陽が雲に隠れて風が吹く泳ぐにはちょっとなぁっていうコンディション。さすがにこの時期に泳いでるニンゲンは珍しいのか?僕らの上空にいつの間にやらトビがたくさん集まって来て、円を描くように滑空しながらモノ珍しそうに、泳ぐMasaを眺めていた。
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『うわっ、泳いでるよ!』『バカ!』上空にトビたちが集まる
それにしてもMasaの着ているファイントラック社製のラッシュガード「フラッドラッシュ」は素晴らしく高性能で、長時間にわたって散々川を泳ぎ回っていてもほとんど身体を冷やすことがない。
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ほら、もう乾いてるし!
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しかも(これがこれまでのモノとの大きく異なる美点なんだけども)水から上がった瞬間にサッと乾き、着替えなくても強風の中でも寒さを感じることがない...まさに川遊びのオールラウンダ−、河童の皮膚=Kappa
skinなシロモノである。
実は今回、僕が着ているのも同社製の中間着「ドラウトセンサー」で、これもまた実に快適。常に濡れるカヤッキングとは違ってカナディアンカヌーはドライな時間が長いんだけど、吸汗・即乾・保温の三要素がこれまでのテクニカルウェアの素材とは段違いに素晴らしく、僕とMamaが履いてる“絶対に濡れない”「ストームゴージュパンツ」と組み合わせれば、もう最強のカナディアンカヌー乗りウェアなのだ。(*あまりに快適なため、他のウェアを着る気になれず、ダウンリバー後にサッと水で洗って10分ほどで乾燥し、翌日の石鎚山登山でも着たほど。)
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しかも、そんな素晴らしい機能性を持ちながらも、着心地は上質なコットンのような肌触りだし、カヌーも登山もこれ一枚!そんな夢のようなウェア...たぶん今後の我が家はファイントラックしか着ないだろうなぁって感じるほどだ。
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日が射すとこういうことに...
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ひとりで浮遊感覚を楽しむAzu
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泳ぎ回る子供達を眺めつつ河原でのんびり過ごしていると、それまで雲に隠れていた太陽が顔をのぞかせ、暖かい光が川面に射し始める。するとそれまでも美しかった川がさらに美しく、その素晴らしい透明度に僕らは思わず息を飲む。すっげぇ!
ひとりでカヌーに乗って淵に漕ぎ出していくAzu。まるで水が目に見えない空気のように、まるでそこに存在しないかのように感じるほどの透明感...正真正銘の“空飛ぶカヌー”である。
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『やっぱり、仁淀が一番好きかも!』by
Mama
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カヌーでの“空中浮遊”を堪能した後、僕らは再び針路を下流に向け、追い風に乗ってさらに川下りを続ける。相変わらず僕らを追い越すようなスピードで流れる雲が眼前に広がる山並みに美しい濃淡を作り出し、光を反射する川面はうっとりするような黄金色の輝きを放つ。そんな川面に100m以上にわたって真っ直ぐに伸びるMasa&MamaのPATHFINDERの航跡。曲線ばかりで形作られた自然の中に唯一存在する定規で引いたような乱れのない直線...彼らの技術の向上と親子ならではの息の合ったパドリングを思い知る瞬間である。
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美しい航跡を残してスムーズに進む息子と母のカヌ−
もちろん息が合っているのは母と息子のPATHだけではなく、Azuエンジンをバウに搭載した僕のCAMPERも同じ。バウを浮かせたメチャ風に弱いソロパドリングのような状態だった数年前に比べ、Azuエンジンも大型化して(レディの体重をここに明記するのは避けるけど、身長153cmで●カップ...笑)スターンの僕が実感できるほどどっしりとした漕ぎ味になってきたし、また僕の指令を待つまでもなく、艇の向きや流れを読んで、僕の意思を汲みとって右に左にバウを振ろうとするインテリジェントなエンジンである。ま、ここ仁淀川に限って言えば、彼女はまるっきりのソロでも問題なく安全に下れるだけのテクとパワーがあるわけで、4年前と比べてカヌーの動きがスムーズなのは当然といえば当然なんだけどね。
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仁淀川の透明度は終始変わらず
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風は強いけど、あくまでものどかな川面
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鮎釣り師の林立する瀬を大声で世間話しながら抜けると、遥か前方に沈下橋が見えてくる。
僕の故郷の川にはいくつもある沈下橋(*うちでは潜水橋と呼ぶ)だけど、ホームリバー・宮川にはひとつもなく、また10tダンプが通行できるような大型のものはここ仁淀川独特のものである。
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こんな風に僕らにとって珍しい沈下橋だけに、4年前もこの沈下橋をバックに写真を撮ろうと思ったんだけど、橋が視界に入った瞬間、真っ黒な雲が空を覆いカヌーを吹き飛ばすような強い向かい風と痛いほどの豪雨が吹きつけて写真を撮っている場合ではなくなってしまった。今日はといえば...やはり暴風、しかも何故かここだけ向かい風(涙)。瀬でもないのに白波が立ち、カヌーのバウを越えて容赦なく波飛沫がカヌーの中に入ってくる状況の中をパドリングジャケットのフードを風船のように膨らませてMamaとMasaが力の限りに漕ぎ進むのが見える。GPS読みで時速5km/hで進んでいるスピードも加えて体感的に風速は15m/s以上!これまでの追い風ではパドルを水から上げるたび、ブレードを真横にしないと風圧でパドルが前方に持っていかれてバウのAzuの頭に当たりそうになったけど、今度はAzuのパドルが風に煽られて僕が目一杯前方に突き刺したパドルとぶつかってしまうほど。
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美しい表情を見せ流れる雲
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沈下橋が近くなると風が斜め左からに変わって、断続的に吹く強風に知らず知らずのうちにカヌーが右岸に流されて橋脚に衝突する危険もある。
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沈下橋が見えて来た!
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『真正面の橋脚を狙って進めぇ〜!』サイドスリップするマージンを考えて漕ぐようにと、思わず叫ぶ僕に、PATHのMasaがサッと右手を上げて応える。そこで彼らが採った行動は、パドルを水中にブレードの根元まで真っ縦に差し込んで水中にハーケンを打ち込む要領でキールを作りカヌーのサイドスリップを止める作戦だ。しかもグリップをゆっくりと捻り、水面下の水の流れを捉えて風に逆らう推進力をも生み出そうとしている!!やるじゃん!実際のところ、この方法は前後のコンビネーションが上手くいかないと風下側のパドルを起点に思わぬ風沈のきっかけともなるわけで、右オンサイドのMasaの微妙な手加減が要求されるわけなんだけど、彼の舵取りはパーフェクト!バウのMamaは水の流れを直角に捉えて漕いでいるわけではないのにカヌーは斜め左からの風の影響を全く受けていないかのように少しリーンを掛けたまま静かに安定したままでグングンと進んでいく。
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何故かここだけは15m/sの向かい風。瀬でもないのに大波が立つ
こんな感じで沈下橋をくぐって熟練の技を随所に見せながら狂ったように吹きすさぶ風をやり過ごした僕らは、今回のコース最大の大屈曲を大きく右回りでクリア。「レストランあおぎ」前の釣り師の竿のトンネルへと進む。狭く落差の大きな瀬で僕らの採るべきルートは実に限られていて、しかもその両側から釣り師の竿が覆いかぶさる柳のように無数に垂れ下がっている。ここはライニングダウンで迂回した方が良さそうだなぁと左岸よりのザラ瀬にカヌーを寄せようとしていると、一番手前の青いキャップをかぶった釣り師が僕らに向かって何やら大声で叫んでいるのが見える。ここに来ると風向きはほぼ追い風。それだけに結構な至近距離にもかかわらず釣り師の声は途切れ途切れにしか聞こえない『__ま_に_ぁ、じゃ_しち_け_こ_と_て__きに!』意味不明。でも、とにかく通るなって言ってるんだろうなぁと、さらにカヌーを左に向けると釣り師が明らかに手招きしている。恐る恐るカヌーを釣り師に向けると...
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そ〜ら〜はひろい〜な〜お〜き〜な〜♪
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『そっちは浅いがやき、こっち通っちょき。邪魔しちゅーけど、あし傍をつとおてもいいぜよ!すまんにゃぁ。』(日本語訳:そちらは浅いので、こちらを通りなさい。邪魔をして申し訳ないけど僕の傍を通ってもいいですよ。すみません。)...ということで、『すまんにゃ!』『ごめんや〜』『どこまで行くがかぇ?』笑顔の鮎釣り師さんが整列する中を通していただく。
何と大らか!何と素敵な鮎釣り師の林立!(笑)
『こんなだったら、釣り師さんが居る方が楽しいわよねぇ〜!ワタシ、やっぱりこの川が一番好き!仁淀川バンザイ!高知県バンザイ!』
Mamaはますます仁淀川のファンになってしまったようだ。
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また追い風が吹き安心してAzuがお昼寝
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ゴールのスロープが見えて来た!
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釣り師に見送られて瀬を抜けると、川幅がぐっと広がって、それでも結構早い流れと追い風に乗って僕らは時速10km/hを超えるスピードを維持して進む。『あ〜何だか眠くなっちゃった!』そう言い残してボトムにゴロンと横になったAzuは数秒で盛大な寝息を起ててマジでお昼寝を始める。スーハ−スーハ−♪何故かストロークのピッチが彼女の寝息に合ってしまうのに気付いて一人で笑ってしまう。
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ゴールしても熟睡し続けるAzu
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川を吹き抜ける強風(波の大きさに注目)
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スーハ−スーハ−♪を10分ほど聞いているうちに見慣れた河原が見えて来る。前回のゴールの河原である。ハッキリ言って4年前は這う這うの体でここに辿り着いたけれど、今日の僕らは余裕たっぷり。ただ、Casitaを加田キャンプ場に定置してて出来ればそこまで行きたいと願った前回とは違い、今日はゴールはどこでもいい。ま、今後の予定を考えて今日はここをゴールにしようかってことで、カヌーを左岸に着けてゴール。漕行距離12.79km、ランチタイムを除くと2時間15分・平均時速5.68kmのカヌー旅だった。
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Azuが熟睡したまま乗ってるカヌ−を河原に引き上げた後、大はらハイヤーさんに電話。5分ほどで来てくれたタクシーでダッちゃんを置いてあるスタートポイントへと向かう。僕が戻るまでの間にとんでもない出来事が起きたけど、ま、なんとか死者の出ることもなく、スロープからダッちゃんを河原に入れてカヌーと装備を積み込み、Azuとの約束通り「あいの里」へ。
あいの里で手作りケーキを楽しみつつひと休みした後、我が家の“秘湯巡り”のスタートととも言える蘇鶴温泉へと向かう。
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大はらハイヤーさんに乗せてもらって黒瀬へ
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出た!爆笑看板っ!
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『ゆるぎます。静かに静かーに』な爆笑看板を横目に伊野の市街から少しだけ山に入った蘇鶴温泉は、周囲に住宅地やゴルフ練習場があっていわゆる“秘湯”ってのにあまり相応しくないロケーションにある。でも、掛け流し&硫黄臭が漂う一軒宿で、何と言ってもシャワー設備や備え付けのシャンプーの類いが全くない...これが我が家にとって今や「いい温泉の予感」の条件なのだ。
髪の長いAzuやMamaにとって、このシャワーや混合水栓がないってのは本来は致命的な欠陥で、実は前回の女性陣の評価は散々。「シャワーがない」に始まって「脱衣所が不潔な感じ」「お湯の色が不気味」「おばちゃんの笑い声がうるさい」etc...言いたい放題。当然ながら今回も仁淀川沿いを蘇鶴温泉に向かう車内でずっと反対し続けていた2人だけど、あれから4年、我が家の温泉大臣・Masaの好みでシャワーはおろか脱衣所も屋根もないような“リアル秘湯”を含め各地の温泉100ケ所以上200回もの入湯を経験し、本当に良い温泉とは何か?を理解した彼女たちの評価は...
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我が家お気に入りの蘇鶴温泉へ
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温泉でおでんを食べて腹ごしらえ
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『さいっこ〜!素晴らしい温泉ね!座布団3枚っ!』やっぱりね(笑)。ホントに良いんだもん、ココ...ってことで蘇鶴温泉を堪能した僕らは、伊野の町を後にして次なる目的地である愛媛県・石鎚山へと向かう。(もちろん高知を去る前に「鰹のたたき」の夕食を食べて...)
川之江ジャンクションを通過したのはまだ19:00と、このまま右車線に入れば今日中に帰宅できるよなぁってことで、これなら仁淀川日帰り(一泊一日?)も可能だななんて思ってしまう僕はちょっと変だろうか?(笑)
四国キャラバン2泊目は松山自動車道・石鎚山SA。早めにベッドを展開し、ゴロ寝しながらダッちゃんシアターで家族揃って『有頂天ホテル』の上映。三谷さんの映画面白すぎ!これからダッちゃんシアターはコメディがいいなぁって話しつつ、明日に備えて眠りについた。自宅出発から24時間ちょうど...長くて楽しくて短い一日はこうして幕を閉じた。
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