8月30日 山上ケ岳登山&大峯奥駈道
Masaが14歳になった今年の7月末、僕の頭にある山のことが浮かんだ。
そのある山とは大峯山。今ではあまり聞かなくなったけれど、戦前はこの地方には「十五詣」という決まりがあった。「十五詣」とは、数え年で15歳になった男子が元服の習わしとして大峯山に行に出る習慣で、現在70代のお爺さんたちの口からその当時の思い出話を聞く機会も多い。
もちろん、行に出ることで人生の厳しさとか、本当の恐怖とかを体験させるという大義名分もあったけれど、実のところ、大峯山の麓に栄えていた花街...今の洞川温泉で、「男になる」のが本当の目的だったらしい(笑)。さすがに実の親父がMasaを「男にさせる」わけにはいかないけど、昔の習わしに従って“硬派な”「十五詣」をやってみよう...そんな風に思った次第だ。
(ちなみに関西では「十三詣」として12歳で大峯に入るそうだ。都会は大人になるのも少し早いのかな?...笑)
親戚のオジサンによれば、毎日が苦行のような生活だった昔の少年たちは、色気ででも釣らないとそんな馬鹿げた苦行に進んで参加する者はいなかったそうだけど、満ち足りた生活を送る現代の14歳は、誘えばホイホイ付いて来る(笑)。しかも先日から取組んでいる自由研究『熊野と出羽、ふたつの三山』のフィールドワークとしても魅力的となれば、なおさらである。
さて、この“大峯山”なんだけど、実はどれだけ地図を探してもそんな名前の山はなく、紀伊山地の中央を南北に貫く全長およそ150kmほどの山脈全体を指して“大峯山脈”と呼ぶ。その山脈全体が修験道の聖地なのである。でも昔から一般的には大峯山といえば山上ヶ岳(古名・金峯山_きんぷせん)のこと。今もなお山上ヶ岳は修験道の聖地として日本で唯一「女人禁制」を頑なに守っている山であるのだ。
夏休みも残すところあと2日。一週間後にピアノの発表会を控えたAzuとその母親はお出かけ出来ない状況で、「女人禁制」の山に登るには、最高のタイミングなのである。
|