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 September.2006 part.1

 

 

 

  9月6日 極上ランチ!(みたらい渓谷トレッキング)

 


みたらいの滝を眺めつつ吊り橋を渡るともちゃん

子鬼の居ぬ間に...#10

“天川”、あるいは“天河”という言葉は意識的に避けてたつもりだった。先週水曜日のMasaとふたりでの『十五詣』山上ヶ岳登山。もちろん現段階では「女人結界」の掟が存在する以上、山上ヶ岳に行くことに関して、ともちゃんは不満を述べる余地はないはず...という目論みだった。


県境茶屋で松茸めしを仕入れる

しかし、山上ヶ岳ではなく天河神社となれば話は別。夕闇の天河神社に参詣した素晴らしさをMasaがうっかり話してしまった瞬間から、ともちゃんのご機嫌は斜め、どころかオーバーハングになってしまい(笑)、家族の日常生活に支障をきたすという事態に発展してしまったのである。

こんな感じで迎えた今日。
子供たちは学校に行ってて、僕とともちゃんはお休み... “子鬼の居ぬ間に”のチャンスである。
ただ、そうは言っても台風の高波でシュノーケリングは難しいし、夫婦でボディボードに行ったらMasaがスネるし、雨なのでカヌーダウンリバーって気分でもない。そこで今日は“とも孝行”な一日にしようってことで、彼女を誘ってみる。
誘い文句は...

『カノジョォ!サイッコ〜のランチしない?』(爆笑)

最高のランチを楽しむにはそれなりの手間隙が必要なもの。“何でランチにファイントラックのパンツ履かなくちゃいけないのよ!”ってなともちゃんの素朴な質問は無視して、OUTBACKにデイパックふたつとトレッキングシューズを積込み、R165をGo west!
企みが何なのかを分かっていながら分らないフリをするのが大人ってもの(笑)。
『わぁ〜、どこへ連れてってくれるんでしょ?想像もつかないわぁ〜!』
そんなわざとらしい会話すら楽しい夫婦でのお出掛けである。

当然ながらともちゃんもお察しの通り(笑)、“とも孝行”といえば行き先は天川村。もちろん山上ヶ岳に登るわけにはいかないので、天川の森を楽しむべく観音峰登山口にクルマを停め、一応トレッキングシューズに履き替えた僕らは山上川沿いに設けられた「みたらい渓谷遊歩道」へ入る。


観音峰登山口から渓谷へ

吊橋を渡り、針葉樹林らしからぬ明るい吉野杉の美林を楽しみながら山上川沿いに天の川との合流点を目指す。


トラスのない吊り橋はちょっと怖い

良く整備された遊歩道をゆく

遊歩道は前日の雨でぬかるんでいる部分もあるけど、総じて良く整備された歩きやすい山道。杉林を抜け比較的若いブナの森に入るあたりからは大岩の間を抜ける結構スリリングな道へと変わる。天気予報では曇り時々雨ということだけど、見上げる空には陽射しもあって、ブナの丸い葉っぱ越しに射す陽光が美しい黄緑のグラデーションを作り出して、実に気持ちの良い山歩きである。


紀伊半島らしい苔に包まれた渓流。
雨上がりの瑞々しさが心地よい

上:鉄橋から小さな滝を眺める
下:まさに“ミニ奥駈道”の雰囲気

渓流に近づいたり遠ざかったりを繰り返しながら、でもいつも僕らの耳に届くサラサラという水音を楽しみながら歩き続けると、垂直に切り立った岩壁に吊り下がったような鉄橋に差し掛かる。先週の山上ヶ岳にも多くあった床がスチールメッシュ(網)の橋。数十m直下が“見えすぎちゃって困るのぉん♪”なので、ともちゃんは怖い怖いを連発。山上ヶ岳はこの上に手摺がないんだぜ!って話すと『ワタシ、オンナで良かったわ。』ようやく解ってくれたみたい(笑)


淡いグリーンが空に溶ける

 

眼下の山上川は渓流とは言っても大小様々な滝の連続で、遊歩道がしっかりしているからこうして気軽にこの素晴らしい渓流を堪能できてるけど、もしこの道がなかったらシャワークライミングの専門家でないとここに入るのはまず無理ってな変化に富んだ非常に高度感のある谷。遊歩道脇の岩は美しい苔の絨毯に覆われていて、その一本一本に小さな水玉がくっついて宝石のように輝いているさまは、まるでジュエリーショップのショーケースのように美しい。


カワイイ〜!

まんまるな苔玉

しかも、遊歩道は平日とあって人影は全くなく僕らの先に足跡もない。滝の音だけが響く静かな森はふたりで独占状態で、とてものんびりと夫婦水入らず(*今日はウエットスーツ着てないし...笑)の時間を過ごすことができるのだ。

しばらく山上川沿いに進み、頭上に大きくせり出した大岩の下をくぐって階段を下りると、正面に美しい吊り橋が見えて来る。みたらいの吊り橋である。


大岩と大岩を木道が縫うように続く遊歩道

みたらい渓谷の代表的な光景

豪快に流れ落ちる“みたらいの滝”

ともちゃん(160cm)と比べると30mはあるのかな?

吊り橋を渡ると眼下に轟音を起てて豊かな水が流れ落ちるみたらいの滝を望むことができる。吊り橋で対岸に渡り、さらにどう見ても渡るのが不安なトラスのない長い吊り橋(哀伝橋...揺れるんだな、これが!)を渡ると山上川と天の川の合流点。お土産物屋や駐車場が見え、それまでとはちょっと違う雰囲気なので、ここれ折り返すことにする。再び吊り橋を渡り、遊歩道を外れてみたらいの滝の滝口の大岩へ。


“みたらいの滝”滝口の大岩にて

滑らかな表面の岩に座って、ザックから取り出したのは途中で買った、名張・赤目の松茸山元直営「県境茶屋」謹製の松茸めし弁当(まだ温かい!)でもって、食後のコーヒーは先週、山上ヶ岳の表参道「お助け水」で汲んだ鉱泉を使用。

『どう?どんなレストランより広くて美しいオープンエアレストランでのランチ、気に入った?』(笑)
『こんなことだろうと思ったわ。』

苦笑するともちゃんと平日の昼間、パーフェクトに貸切り状態のみたらい渓谷で滝と吊り橋を眺めながらの“サイッコ〜の”ランチ...のつもり。
昔...ハタチぐらいの頃のともちゃんならもっと感激してくれたとは思うけど、出会ってから20年以上こういう“しょーもない”作戦ばかりやってると、僕の行動は全てお見通し(涙)でも、まんざらイヤじゃないみたいで、苦笑いしながらもちょっとは嬉しいみたいで何より何より(笑)


こうして見るとちょっと危険?
水量はかなり豊かです。

上:荷物を下ろして...
下:お待ちかねのランチタイム!


赤目松茸山元「県境茶屋」謹製 松茸めし弁当

 

自分に魅力が足りない部分を誤魔化す意味で(涙)「カノジョ」に“驚き”をプレゼントするのが作戦だった若い頃。以来、20年以上が経ち、今では奥さんのともちゃんや子供たちに“驚き”をプレゼントするのが楽しくてしょうがない僕。昔のように下心があるわけではなく(笑)、日々の生活でのちょっとしたスパイスとしての驚き...世間知らずな僕の知りうる範囲&出来る範囲のことだから大した驚きではないけれど、彼らの驚く顔を見て僕はちょっとした幸せを感じるのだ。自己満足?そう自己満足。でも、僕の自己満足が誰かを幸せにするとしたら、それはそれで価値ある自己満足なんじゃないのかなぁって思う。


大峯表参道「お助け水」のコーヒー

一輪だけ咲いてる花

Masaとの山上ヶ岳の帰り道に赤目の峠で見つけた松茸めしのお店。今度機会があったら、これを小さな驚きの“ネタ”にしてデートのプランを組み立ててみよう...先週、僕はそんなアイデアが頭に浮かんだ。(僕はドライブしてる時はもちろん、本を読んでいても人と話していても、いつもそんな“ネタ”を探しているし頭の中にはそんな“ネタ”が詰っている。)変わり者だけに、その“ネタ”が狙い通りに理解されて上手く生かされる確率はとても低い。でも長年一緒に暮らしてる家族だけに、もし仮にハズしたとしても僕の彼らを喜ばせよう&驚かせようという気持ちはほぼ100%伝わるし、夫婦喧嘩の解決や元気のない子供を励ます“タネ”になることも多い。

まぁ松茸めしに関しては、まさか一週間後にこの“ネタ”を使うことになるとは思わなかったけどね(笑)。


ともちゃんに覆いかぶさるような崖
歩きやすいけど実は険しい

上:頭上注意の巨大な看板(笑)
下:垂直の崖に架かる金網の道をゆく

彼女がどう感じたかはともかく、僕の自己満足な“極上ランチ”を済ませた僕らは、みたらいの滝を後にして、元来た道を折り返す。
往路は時折日の光が射す曇りのお天気だったけど、復路は太陽が顔を出して空を覆うブナの葉っぱがキラキラ輝いて実に明るく美しい。ここのところ曇か雨か霧のブナ林ばかりを経験してきたともちゃんは、その緑の氾濫とも言える光景に思わず立ち止まってため息をついている。僕も風で揺れるたびに圧倒的な立体感&臨場感で迫り来る自然美に言葉もなく立ち尽くすのみである。


この優しいグリーンは紀伊半島ならでは!

渓流は下るよりも上る方がずっと素晴らしく見えるものなので、往路では見逃してしまってた多くの滝を復路で発見し、(しかもここの滝はどれも素晴らしい!)感動の嵐な僕らだ。
最後の美しい滝・光滝から30分ほどで、OUTBACKを停めた休憩所に到着。トレッキングシューズを普段履きのジャングルモックに履き替えてOUTBACKに乗り込む。


こんな滝が次々と現れる

ちょっとビビりながら下を覗く


もちろん、3.2kmの“大人の距離”のトレッキングの後は洞川温泉へ。温泉街の川向いにある山上ヶ岳資料館(水曜定休!ちなみに洞川エコミュージアムも洞川温泉センターも水曜定休...どうやら洞川全体が水曜定休のようで残念!)前の駐車場にクルマを停め、大峯山寺を護持する根本道場である大峯山・龍泉寺の境内を散策する(ホントは大峯山寺とセットでお参りするみたい)。


大峯山龍泉寺

誰もいない境内を散策する

山上川を渡って洞川温泉街へ

今日お風呂をいただくのは花屋徳兵衛

30分ほど境内を歩いた後は、山上川の朱塗りの橋を渡って昔懐かしい風情の残る洞川温泉のメインストリートへ。去年ダブルブッキングで泊り損ねた洞川一の老舗旅館「花屋徳兵衛」の後鬼の湯で汗を流し(日帰り入浴可¥600)、ともちゃんにとって本日のメインイベントである天河神社に参詣して、ギリギリ夕食に間に合うように帰宅した。我が家では雨が降ってたようだけど、天川は時折日の射す絶好のトレッキング日和だったし、目論み通りともちゃんのゴキゲンもフラットになったし、メデタシメデタシである。

お泊り出来るようになるとのんびり出来て完璧なんだけど...ま、それは来年Azuが中学生になってからのお楽しみってことで。


天川の大銀杏
(国指定天然記念物)

今日のメインイベント天河神社へ
僕は2週連続。でも何度来てもいい場所だ

 

 

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