『寒っ!』開閉可能な窓を全て網戸にして眠りについたせいで、空が白み始めた時刻に寒さで目が覚める。隣で寝てるMasaの腕を触るとひんやりした感触で、あわてて足元のレクタングラーシュラフを手探りで手繰り寄せ、彼の首までかぶせる。ブルーのインディグロのバックライトに光る外気温計は17℃を示し室内も18℃と、涼しいというよりも寒い朝である。
時計の針は4:30。とにかく混雑は避けたいし、人の少ない千畳敷カールを歩きたい僕らは予定よりも早めに起床し、トイレで身づくろいをした後、トレッキングの準備に取り掛かる。ツェルトをザックに入れたり出したり迷いつつも5:30、準備完了。駐車場に隣接したバス停に行くと、すでに派手なスパッツを身に着けた中高年のグループが並び始めている。ふとタクシー乗り場を見ると、客待ち中が3台。6:15始発のバスを待つよりもタクシーに乗った方が得策と判断した僕らはタクシーでしらび平・ロープウェイ乗り場へと向かう。バスは1人¥800なので全員で¥2800、タクシーは1台¥3500〜3700とさほど差がなく、タクシーの運転手さんとお喋りを楽しみながらのんびり座れるタクシーが断然いいのである。
親切な運転手さんに木曽駒ヶ岳について色々とレクチャーしてもらいながらタクシーでつづら折れの山坂道を30分ほど上ってロープウェイ乗り場に到着。一番乗りは叶わなかったけど、5番目で第一便のロープウェイに乗車だ。南アルプスの素晴らしい景色を眺めること7分半、千畳敷カールに到着である。
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