鵜を象った玄関障子の引き手
鵜匠たちは焚き火を囲んで打ち合わせ しばらくして屋形船は関観前の河原に着く。河原に留めた屋形舟から準備をすすめる鵜匠たちの作業を見守り、鵜匠さんから鵜匠の装束や道具など詳しい説明を受けながら日暮れを待ち、松明に火が灯るのを合図にいよいよ川下りしながらの鵜飼漁(狩り下り)開始だ! 暗闇の中、赤々と燃える松明の灯りだけが輝く川面に浮かぶ鵜飼舟。舳先に立つ古式ゆかしい装束に身を包んだ鵜匠の手元からは8羽の鵜に白い手綱が伸びる。鵜匠は8本の手綱を絡ませることなく松明の篝火が照らす円の中に鵜を導き、猛烈な火の粉を全身に浴びながら可動式の松明の位置を調整する。火の勢いが若干落ちるとみるや、すぐに薪を投入し、舟を操る漕ぎ手(センターを“中乗り”、スターンを“とも乗り”と呼ぶ)に針路の指示を出す。一人二役どころか四役も五役もの複雑かつデリケートな作業をこなす鵜匠の技...さすがは“匠”。“士”や“師”よりもさらに上の領域を極めた特別な人の技に僕らはただ言葉もなく魅入るのみである。
長良川を下りながら鵜飼開始!
つかの間の鵜飼を堪能した後は、鵜匠さんに突撃インタビュー(笑)。片付けに忙しい手を止めて笑顔であれこれと興味深いお話をしていただき、とても楽しくためになる鵜飼を体験することが出来た。 自分が下った長良川、しかも沈をして水の味を知っているその場所だからこそ解る船頭さんの操船技術のスゴさ。たった3日前に一緒に泳いだ鮎(笑)だからこそ感じる愛情...僕らはただの観光客には違いないけれど、川を愛する者として、普通とは少し違う“何か”を感じることが出来たんじゃないのかな?僕はそう思う。 夕暮れの川風の心地良さ、様式美、迫力、動と静、光と闇、鵜の可愛さ、花火大会の後にも似た余韻、そして鮎尽し弁当の美味しさ...たぶん2006年の夏は鵜飼に初めて行った夏として記憶に残ることだと思う...間違いなく。
あまりのカッコよさにほとんど鵜匠さんをアイドル扱いのガールズ
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