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FLAME LAYOUT

 

 

 

 

 

 

 

 July.2006 part.2

 

 

 

 

  

7月8-9日 進水式シーカヤッキング&川遊び(三重県・紀北町) 

まさか、そんなに都合良くお天気が良くなるわけないよなぁ...なんて2日目の今日は最初から諦めていたんだけど、目覚めると民宿の窓のカーテン越しに日射しがっ!そんなわけで、民宿のおばちゃんの心のこもった朝食をいただいた後、今日は昨日の和具ノ浜で潮漬けになったウェットスーツやその他諸々の道具の“潮抜き”のために魚飛渓へと向かう。


気が付けば今日も青空!

久々の魚飛渓に超ゴキゲンのAzu

民宿から10分ほどでいつもの魚飛渓・一枚岩に到着。ダッちゃんを停めて道路から魚飛の美しい川面をうっとりと眺めていると、見慣れたBIGHORNがこちらに向かって来るのが目に入る。あ!ひだださんだ!待ち合わせたわけでもないのに5分と差がなく魚飛で出会えてしまうあたりが“縁”を感じるなぁ〜(笑)。しばらくしてキャンプinn海山へキャンセル料を支払いに行ってくれたNESSY夫妻も到着し、朝一番の魚飛渓はいっぺんに賑やかな雰囲気に包まれる。ダッちゃんの車内で濡れたままのヒンヤリウエットに着替え...


緑の洪水の中でツツジがひときわ映える
CLICK

到着するなり『ヤッタァ〜捕まえたわよっ!』

『よ〜し、それじゃウェットスーツの潮抜きミッション開始だぁ〜!』
『ラジャー!』

MamaとAzuは上流側の渓流に入ってエビタモ網を振り回し、テナガエビ漁を開始。『やったぁ〜捕まえたわよっ!』川に入って数分で彼女がゲットしたのは中学生サイズのモクズガニ。ちっちゃいながらもハサミにチロチロと毛が生えてメチャカワイイ。『今度はエビちゃんゲット!』はいはい、いちいち呼ばなくてヨロシイ(笑)


モクズガニの中学生 CLICK

次々とテナガエビゲット!(♀)

その後もMamaは次々とテナガエビちゃんをゲット。『今日は調子悪いわぁ〜、エビちゃんたちが全然出て来てないの!』確かに前回と比べると彼女の『うぎゃぁ〜!入ったぁ〜!』『キャー、やったわよぉ〜!』ってな叫び声(笑)が上がる回数が少ない気もするけど、お天気が良い上にこれだけの数の人間が川に入ってたらしょうがないよなぁ。


この人はやはりコレがヤメられマセン

いいハサミしてるじゃん! CLICK

僕ら男性陣は準備運動もそこそこに川へザブン!ジワァ〜っとウエットスーツにしみこむ川の水。昨日の海水とは明らかな肌触りが違いを感じることが出来るものの、水温は和具の海水温とさほど変わらないほどに温かい。実は魚飛の素晴らしさはこの水温の高さ。ここと同じぐらい、いやもっと透明度が高く澄んだ川は日本中にあるけれど、そのほとんどが深い山の渓流で、水は切れるように冷たい。対岸の石ころのひとつひとつが見分けられるほどの透明度があってしかも水温が海水と大差なくて一日中泳いでられる川はここ紀伊半島ならではなのである。


Masaはすぐに潜水開始

水上から見ると何してるのかワカランけど...

僕とMamaは先月もここにやってきたのでさほどの感動はないけれど、去年の7月以来ちょうど一年ぶりのMasa&Azuはもう興奮状態でキレてしまってる(笑)。淵に飛び込んですぐに潜水モードに入ったMasaは『邪魔や!こんなん着てたら潜られへん!』と素潜りの邪魔になるNRSのウェットジャケットを脱ぎ捨てて、MISTERISOの半袖だけになって淵の深くへと沈んでゆく。しばらく浮かび上がってこないので何やってるんかいな?と水中を覗いてみたら、川底で拾い上げた大きな石を抱いて川底散歩してるし(笑)。


ワハハハ...川底の石を拾って、水中歩行で川を渡ってた

苦しくなると地面を蹴って石を抱いたまま浮かび上がって素早く息継ぎをしてまた川底を歩く...これを繰り返して淵を渡りきってしまったのだ!(泳いだ方が早いと思うけど...笑)
『川底を歩いてるとさ、魚がオレの頭の上を泳いでるのが見えるんだよな。知ってる?魚って自分より下にいる人間を全然怖がらないんだぜ。』
ホンマかいな?と僕も試してみると...ほ、ホンマやっ!僕の顔のほんの10cm上を8寸サイズの鮎がのんびりと泳いでるし!魚たちはまさか自分より深い場所を肺呼吸の動物が潜行くしてるとは思わないのか?それとも彼らの眼の構造的な特徴なのか?僕の吐く息の泡が水面に向けて立ち昇ってるのに魚は悠然とした態度のままなのである。


嬉しすぎて川底でこの笑顔(笑)

ううっ!息が続かん!

プファッ!

一応、親父も見本を見せないとね(笑)

こうして僕とMasaはNESSYさんやひだださんと共に縦横無尽に泳ぎ回って潜水大会を楽しみ、Mamaの異常なまでの狩猟本能に少しヒいてしまったAzuはルリちゃんを誘ってウォータースライダーに興じ、Mamaは今日もひとり上流でテナガエビ漁(笑)。
身体が冷えきったところで、一枚岩にユニセラを出して海山特産の岩牡蠣を焼きながらのランチタイム。川遊びには絶対、温かいラーメン!どんな料理にもましてウマイ!


海山特産の岩牡蠣を炭火で焼いて昼食

プクプクジュワァ〜!


またも発見、泳ぐカナヅチ。アンタ足だけで泳いでるじゃん(笑)

ランチを食べた後は、またそれぞれの遊びに戻って楽しむ。漁をひと休みしたMamaの手を引いてウォータースライダーに誘うAzuとルリちゃん。『ダメよぉ〜、ワタシ、竿か網持ってないと泳げないんだからぁ。』この期に及んで、まだブリっ子してるMamaも流れに乗って岩を滑り始めるとワ−キャ−叫んで楽しそう(笑)。ドボンッ!と淵に落ちてプハァ〜!...顔を上げて娘と楽しそうに淵を泳ぎ渡る彼女。いつも両手に竿やタモ網を持って泳ぐ癖がついてるからか?両手が空いてるのに手を使わず足だけで泳いでるのには笑える(笑)。


嬌声を上げてウォータースライダーを楽しむガールず

イタッ!お尻打った!


ターザンロープを楽しむMasa

Masaとひだださんが次に目を付けたのは一枚岩の対岸の木から垂れ下がったターザンロープ。ふたりで協力してロープをたぐり寄せて、すぐにプレイ開始!(笑)ロープが細いのと結び付けた枝が細くてしなるのでちょっとやりづらそうだけど、歓声を上げながら何度も何度も淵に飛び込んでメチャ楽しそうだ。その楽しそうな声を聞きつけてAzuも挑戦!夏の眩しい陽射しの中、キラキラ光る水飛沫を飛ばして淵に飛び込んでゆく子供たち&ひだださんは、まさにウェットスーツを着た河童そのものなのである。


Azuも思い切ってチャレンジ

“体操のお兄さん”ひだださんは後方宙返り

温かいコーヒーを淹れてひと休みした後は、一枚岩の上流でみんな揃って川エビ漁。
お尻をこちらに向けて岩の割れ目から顔を覘かせるエビを狙う我が家の3人の姿が実にファニー(笑)。
Azuは2mぐらいの淵に潜ってドンコちゃんを観察し、Masaは水流を利用して身体を岩に張り付かせ浮力を消して潜るという高等テクニック(つまりブローチングしてるわけで、下手すりゃ溺れる)で岩の裏側に入り、まさかこんなに強い流れの中に人間が来ないだろうと油断してるテナガエビを楽々キャッチ。泳ぎの邪魔になるという理由でシュノーケリングマスクを嫌い、スイミングゴーグルにこだわる“ストイックな水遊び”に徹する彼ならではの漁法に舌を巻く。


Azuも潜水でドンコちゃん探し

うちの家族ってナニモノ???

確かに日本中探してもここ魚飛渓ほど美しくて水温の高い渓流は他にあまりないのかもしれない。でも、そんな素晴らしい場所であっても、誰もがMasaやAzuのように遊べるのかと言えばそうではないと思う。
河原を這い回り、石ころを口に入れては吐き出してた0才の頃に始まり、これまで数え切れない野遊びを一緒に経験する中で、僕は他人に迷惑が掛かる場合と危険に繋がる場合以外は全く口出しをせずに彼らのやりたいようにやらせてきた。(それでもAzuが馬に足の小指をかじられたのとMasaが琵琶湖で投石を頭に受けた以外に彼らが病院送りになったことは一度もない)僕はただ彼らをニコニコ見守っているだけで、具体的に遊び方をレクチャーしたこともないし、変なアウトドアスクールのリーダーみたく“訓練”させたこともない。


岩に引っ掛かってるドザエモンにしか見えないぜ!

ほれっ、テナガエビ!

何故なら野遊びはあくまでも“嗜み(たしなみ)”であって人生の必要条件ではないと思っているから。淵で5m潜れても、6mの岩から飛び込めても、テナガエビを捕まえるのが上手くても、決して偉いわけじゃない。でも、こうして朝から夕方まで誰に指示されるわけでもないのに自分で遊びを創造して自主的に楽しく遊べる少年少女に育ったことは自慢していいと思う。


水中でターンするMasa

Masaの瀬登り

僕は野遊びに限らず“遊び”に教育的な効果を期待するのは大嫌いだし、もし遊びに“楽しい”以外のベネフィットを期待した瞬間に楽しさが半減してしまうものだと思っているけれど、この場所に来て「何もない」と感じて遊び方を指示されるまで行動できない子供か?それとも「何でもある」と感じ、自分で遊びを作り出していける子供なのか?大袈裟だけど、その違いは今後の人生を楽しむ上で大きな差を生むんじゃないか?僕はそう感じるのである。


Masaのジャンプ!
CLICK

Azuもジャンプ!
CLICK

結局、お昼にユニセラで岩牡蠣を焼いて食べた他は朝10時から午後4時前まで6時間、水に入りっぱなしだったので、最後は一枚岩から道路に登る体力もないほど。昨日に引き続いて一日中目一杯遊んで、久々の家族全員での海山水遊びを終えた。途中、古里温泉に立ち寄った時以外はMamaとAzuはダッちゃんの二列目、三列目のシートで真横になって爆睡(笑)。
そんなわけで助手席のMasaとふたりでずっとイロイロな話をしながら帰ってきた。

月に何度もお出掛けできた去年までとは違って、今年は月に2回、今月などは月イチが精一杯という状態が続いている。夫婦でのお出掛けが増えたとは言え、子供たちと過ごす時間は激減している状況である。中学二年生ともなると親と過ごすよりもクラブに行ったり友達と過ごす方が楽しいに決まっているし、お互いに“親離れ”“子離れ”をするにはイイ機会なのかもしれないと思うけれど、誰にも邪魔されずに “ほぼ一人前”の息子と久々にのんびりとアレコレ話せたのは結構嬉しかった。
ところが、海山から自宅に帰り着いた時のこと。ダッちゃんを自宅前に停車させ、シフトをPに入れパーキングブレーキを踏み、エンジンキーに手を伸ばしたところで、助手席のMasaが『ちょっと待って!』と叫んだ。何ごとかと思ってMasaを見ると、彼が視線を前方に置いたままこうつぶやいたのだ。

『エンジンが止まると楽しい時間が本当に終わっちゃう気がして寂しいんだよなぁ。あ、いいよ、もう止めても...。』


マリブ兄弟(古里温泉にて)

久々に立ち寄った「今日子ちゃんたまご」の自販機

そうか、僕よりも胸板が厚く彫像のように逆三角形になっちゃった彼だけど、まだ家族と出かける野遊びが楽しいのか。僕は少しだけ嬉しい気分になった。我が家の遊びは多少のグレードアップやレベルダウンはあるものの、彼の生まれた時から、いや、生まれる前からずっと同じだ。カヌーに乗る、川で泳ぐ、海に潜る、山に登る...ずっと同じことの繰り返しなのだ。他の家族のように遊びの幅が広くはないし、ログハウスを建ててローンを背負ってからは、それまで毎年恒例にしてた海外旅行にも行けないでいる。しかも野遊びばかりしている割には、そのレベルはいつまでたっても“なんちゃて”のまま。0才児を抱えてた時と大して変わらない遊びでキャーキャー楽しんでて、いまだに「趣味=アウトドアスポーツ」と堂々と言えるレベルにはない。

でも、今日のMasaの言葉から察すると、彼にとってはもはや物足りないはずの我が家の野遊びを楽しいと感じてくれていて、特別に彼のことを考えて行動しているわけでもないのに、中学生になった今でも親父と出かけることがイヤではないみたい...本当に嬉しいし、有難いことだと思うのだ。

確かにダッちゃんのエンジンを止めると、今回の野遊びが終わり、また今日からの日常が始まる。でも、君がオレとの野遊びが楽しいと感じている間、我が家の野遊びのエンジンは止まらない。そして、君かAzuに子供が生まれて、再び0才児を連れての野遊びが出来たらいいなぁ...パパの秘かな望みである(笑)

 

 

水中を自由自在に動くMasa。どうして君はそんなにスムーズに沈めるの?

 

 
1日目「海」へ

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