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FLAME LAYOUT

 

 

 

 

 

 

 

June.2006 part.5

 

 

 

 

  

 


梅雨の晴れ間の和具ノ浜は誰もいない

6月21日 極上の海と川を遊ぶ!(三重県・紀北町)

子鬼の居ぬ間に...#7

『さぁ、仕事仕事!これから休まずに仕事頑張るぞぉ〜!』
竹生島は確かに楽しかったけど、存分に野遊びを満喫出来たか?と言われれば疑問符な休日を過ごした翌月曜日、仕事場でヤケクソなひとり言をつぶやいてたら若い衆が一言。
『親方、休んだらエエですやん。水曜日ダイジョウブっすよ。』
感涙にむせびながら言葉に甘えて水曜に休むことにする。

で、迎えた水曜、8:00ちょうどの我が家。子供達を送り出した後...

『今日は暑くなるのよ!海よ、海!』
『伊吹山のサイト見たか?花がすっげぇんだって!』
『だからぁ、伊吹山は弱い気圧の谷が通過するから曇りよ。暑いし。今日はピーカンの南よ、南!!』
『なにバカなこと言ってんだよ。標高1377mは暑くないのっ!それに昨日包丁で指切ってるんだろ?』
『だから、海で消毒するんじゃないの!』
『...』

伊吹山三合目からの“なんちゃってお花畑登山”に行きたい僕と和具ノ浜で極楽シュノーケリングに行きたいともちゃん...意見が対立して朝っぱらから激しい夫婦喧嘩なのである。で、モノが飛ぶ寸前に折れたのはこの僕(涙)。渋々、シュノーケリングの準備を積み込んで、8:30紀州に向け出発だ。


L.L.Beanシェルターでプライベート海の家を設置

美しいというより美味しそうな魚ばかり

今年3月に開通した紀勢道のおかげで和具ノ浜に到着したのは9:45(ちょっとばかり飛ばしたけど...笑)。海開き前のビーチは当然ながら誰もいなくて貸切状態である。美しいトイレでさっさと着替えを済ませ、ビーチの中央にL.L.Beanシェルターを広げ、日陰にCamptimeのRoll-a-table(ちゃぶ台仕様)をセットし、海へ!到着から海にザブン!まで10分の早業である。

ピーカンで無風だけど、気温が30℃に満たないこともあって海水温まだ少し冷たい感じ。ただマスクをセットして水中を覗いてみると抜群の透明度なのが嬉しい。少し潜って水面を見上げると真っ白な太陽から放射状に射し込む光が虹色に輝いて素晴らしい眺めだ。


水面スレスレに群れるベイビーたち

上手に擬態してるね!
CLICK

魚の群れに向かって泳ぐ
CLICK

消波ブロックの中を泳ぎ進むと沖からブロックを越えて入り込む冷たい海水と陽光を受けて暖められたビーチ側の温かい海水が混じりあうことなくソーダにシロップを加えたように揺らめく“ゆらゆら帯”現象が見られ、先を泳ぐともちゃんの後姿がスーラの点描画のようにも見える。波が穏やかなブロックの内側の水面スレスレには警戒心のないベイビー魚がウヨウヨいて可愛いけど、それ以外には「世にも珍しい珍魚“泳ぐカナヅチ”(=ともちゃん)」以外にほとんど魚影がないので、ブロックを越え外洋へと出てみる。


おおっ!珍魚「泳ぐカナヅチ」

 


笑顔はいいけど、そこ足届かないぜ!

ベイビーたちと戯れるともちゃん

でも、そこにも魚はほとんど見えず、水中で首を横に振って指で×印を作るともちゃんにゼスチャーで合図して、ビーチの左側・鳥居の建つ磯へ向かう。ところが鳥居の岩場に近づくと波が高いこともあって透明度がガクンと落ち、快適な魚見は望めない感じ。そこでまたビーチに平行に泳いで右側の磯に向かうとようやく魚たちの姿。ただ、まだ6月ってことで美しい魚ではなく美味しい魚がほとんど(笑)で、色彩豊かなのはベラぐらいのもの...ちょっとがっかりである。


ベイビーたちも逃げないし。

僕には泳いでるように見えるのですが...

2時間ほどほとんど休まず泳ぎ続けたら、なんだかもう満足!ってな気持ちになってしまった僕ら。
『どうする?』『もう充分じゃない?』
波打ち際に座って海を眺めつつおにぎりを食べた僕らはさっさとシェルターを畳んで和具ノ浜を後にする。
『ほら見ろ!伊吹山の方が良かっただろ?』『・・・』


『今度はマリブツー持ってきてあの島まで渡ろうな!』



祝・復活!エメラルドグリーンに輝く魚飛渓

正午過ぎに和具ノ浜を後にした僕らは、子供達の待つ自宅へ急いだ...なんてことがあるはずはなく(笑)、OUTBACKのシートに敷物をしてウェットのまま乗り込んで、“潮抜き”のために魚飛渓へ。

海山大水害の後、魚飛渓でも各所で復旧工事が行われてて、その後の環境の変化を心から心配してた僕ら。実は今日も壊滅的に傷んだ魚飛の自然を目にするのが恐ろしくてあまり行きたくないってのが本音だった。ところが!いつもの一枚岩に来てみたら、何と見た目はすっかり元通り(嬉)。嬉しくなった僕らは小走りで一枚岩に下りて、準備運動もそこそこに一枚岩の淵へザッブ〜ン!...うわっ!すげぇ!何コレ!?


嬉しさのあまり一枚岩を小走りでゆくともちゃん

『ミッション開始!』『ラジャー!』

対岸の岩がくっきりと見えるまるでそこに水が存在しないかのような透明度の水面下は魚たちがウジャウジャ。白い岩にはカマツカやドンコちゃんが何尾も張りつき、尺サイズの鮎やカワムツがヒラヒラと群れ泳ぎ、岩陰にはテナガエビの特徴的なハサミが何本ものぞいている...大水害の前をも凌ぐ豊かさに言葉を失うほどだ。

『それでは魚飛でのウェットスーツ潮抜きミッション開始っ!』『ラジャー!』
おどけた感じの敬礼をしたともちゃんが、エビたもを手に(なんで、潮抜きにそんなもん要るねん...爆笑)彼女とっておきの “ウナちゃんポイント”(水害前に何度もウナギに遭遇した場所)に向け出発。
時折水面から顔を出して、僕の方に振り返ってニッコリ。
『ウェットの潮抜きって楽しいわねぇ〜!』はいはい。


すごいのぉ〜!いっぱいいるのぉ〜!

エビたもを手に激しい瀬を泳ぎ上るともちゃん


もう最高っ!足元にエビちゃん魚ちゃんうようよ

 


や、やばい!見つかった!
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よ〜し!とりゃ〜!

ほどなく『ギャ〜!うわぁ〜!パパァ〜!パパァ〜!』彼女の悲鳴が魚飛渓に響き渡る。な、なんなんだ!?怪我でもしたか!?慌てて駆け付けると、彼女の持つエビたもを激しく揺らす物体。『スゴイのぉ〜!』網から取り出してみると巨大なテナガエビ!両方のハサミを広げると30cmにもなる大物である。『久しぶりねぇ〜!元気だったぁ?』テナガエビに話しかけるともちゃん。元気だっつうの(爆笑)


一匹目ゲット!それにしても大きくないかい?

久しぶりねぇ〜!元気だったぁ?


怖〜い足が届かないのぉ〜!

 


すぐにリリース
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今年は幸先がいいわぁ〜!

巨大テナガエビを写真に収めて、元いた場所にリリースした後、僕は彼女と別れて岩の割れ目に咲き誇るヤマツツジの写真撮影のため下流へ泳ぐ。すると...

『ギャ〜!うわぁ〜!パパァ〜!パパァ〜!』彼女の悲鳴が魚飛渓に響き渡る。またかよ(涙)な、なんなんだ!?今度こそ怪我か!?慌てて駆け付けると、彼女の両手には真っ赤なお腹を見せてクネクネ動くイモリが2匹。

 


『イモリよぉ〜!カワイイッ!』と優しく手掴かみ。
だ、だからアナタはどうやって2匹いっぺんに捕まえるの?

『キャワイイでしょ!飼いたいぐらいよ。』彼女の手の中のイモリたちは明らかに迷惑そう。
『おい、どうすんだよ、こんなオバサンに捕まっちゃったぜ。』
『オレたち喰われちゃうのかなぁ?』
『大丈夫よ、食べたりしないから!』
まるでイモリと会話しているかのように、優しく話し掛けたあと、彼らを捕まえたウォーターポッドホ−ルにリリースするともちゃんである。


おい、とんでもないオバサンに捕まっちゃったな。CLICK

魚飛渓はツツジが満開

『ギャ〜!うわぁ〜!パパァ〜!パパァ〜!』...その後もともちゃんは静かな渓谷に絶叫を響かせながら騒がしく漁を続ける。テナガエビをゲットするたびにともちゃんの元に駆けつけてると僕も楽しめないので、うるさいオバサンの呼び声は無視して一枚岩下の淵をのんびり泳ぎまわって魚たちに挨拶して回る。

ともちゃんとは違って、海山の美しい自然を前にすると愛でる気持ちが先に立って狩猟本能が消え失せる僕。当然ながら僕には殺気というものがあまりないからか、魚たちを至近距離で観察することが出来る。この“殺気があるか?ないか?”は魚に限らず野生動物一般にあてはまる不思議な現象で、僕の場合、海ならば魚たちを手で触れても逃げないまでに殺気を消すことが出来る(断言!)。川の魚は用心深いのでそこまでは出来ないけど、群れの中に入って一緒に泳ぐ程度なら可能なのだ。(...そのくせ、人間の女性を前にすると殺気、じゃなく煩悩を隠し切れないのは何故???...苦笑)


次々と獲物をゲットして自信に満ちた表情

『あっ、エビ!』だからぁ、アナタは泳げるんだって!

今日も最初は僕が5mまで近づくと全速力で逃げていた魚たちだけど、驚かせないようにプカプカ浮かんでいるうちにその距離が確実に縮まって、30分も連続して浮かんでると鮎がカメラのストラップの間をくぐるまで気を許してくれるようになる。(彼らが気を許したかどうかが良く判るのは彼らの向き。最初は絶対に横向きだけど、慣れて僕に興味を持ち始めるとみんな僕に顔を向けてくるのだ。)でも、手を伸ばせば手掴みできるんじゃないの?そんな良からぬことを思っただけで、彼らは敏感に反応して僕から離れてしまうのだ。基本的に魚ってのは3秒前の記憶はないって言われるけど、きっとそれはウソ。僕の脳波だか “気”だかをちゃんと察知できる能力を備えてるのは間違いないと実感する所以である。


手を伸ばせば届く距離を泳ぐ

鮎と何やら情報交換?『あのオッサン安全だぜ』

そんなわけで、魚たちに仲間だと認めてもらえた後は、彼らの群れに入って一緒に泳いで“川の竜宮城”を満喫する。ふと振り返ると僕の後方2〜3mにアマゴの赤ちゃんが付いて来てるっ!チビのくせにくっきりしたパーマークにポツポツと朱点がある美しい魚体...カワイイッ!ミニチュアのようなキュートな尾びれをチョコマカ動かして必死で泳ぐ姿は例えようもなくキャワイイ!


淵に浮かんでたら僕を観察しにやってきたアマゴ

 

僕が泳ぐを止めると、僕の顔のそば10cmを追い越していくアマゴベイビー。好奇心があって僕に興味津々だけど、ちょっと怖いかも?ってな微妙な態度で僕の周りを回り始める。カメラを構えるとちょっとドキッとして岩陰に隠れるけど、しばらくするとまたそばにやってきて...そんなことを繰り返してるうちに段々と距離が縮まり、28mm広角レンズのCaplio 400Gwideでも充分に撮影できるまでになったので、何枚か撮影。ピーカン&透明度抜群とは言え、チョコマカ動き回るアマゴちゃんを至近距離でブレずに撮影するのはなかなか難しい(しかもカメラが「現場監督」だし...笑)けど、40数枚のうちの3枚だけは納得できる写真をとることが出来て大満足な僕である。


またまたテナガエビゲット

こいつは色が赤い

こんな風に一枚岩をはさんで上流と下流に別れて魚飛渓を満喫する僕ら夫婦。
上流の妻はエビタモを振り回して狩猟本能むき出しで漁に精を出し、下流の夫はプカプカと浮かんで愛に溢れた視線で魚と戯れる...何だか反対のような気がしなくもないけど(笑)、たぶんコレは幼年期の育ち方の違いなのだろうと思う。
普通の男の子がそうであるように僕は、子供の頃よく生き物を捕まえて遊んだ。田舎にいた幼児の頃は高校生の叔父に連れられ実家そばの淵でアマゴ(*アメゴと呼んでた)を手掴かみで捕り放題だったし、今の家に引っ越してからも比較的自然に恵まれた場所で育ったこともあって、家から100mあまりの場所でカブト虫やクワガタ捕りが楽しめた(ミヤマクワガタは“な〜んやミヤマか!”って捨ててた)し、近所の川でフナ釣りやザリガニ捕りなどを毎日楽しんだ。その反面、カエルのお尻に爆竹を挿したり、トンボの羽に日の丸を描いたり、アブに七夕の短冊を吊るしたり...幼児独特のある意味残酷な方法で生き物たちの命を奪って育った。だからこそ、大人になってからむやみに必要のない殺生はしたくないという気持ちが強いのかもしれない。


結局3時間泳ぎっ放しのともちゃん

そんな僕に対し、ともちゃんは今の姿からは想像もつかないけど(爆笑)、子供の頃はフリルの付いたスカートしか履かない誰より女の子らしい女の子だったそうである。しかも政令指定都市のど真ん中の育ち。当然ながらカブト虫捕りやフナ釣りはしたことがなくて、もちろん生き物の命を奪うなんてことはしない“虫も殺さぬ”少女だったのである。そんな彼女の秘めたる狩猟本能が目覚めたのは、男の子を産んだ後のことで、今の彼女は生き物を捕まえるのが楽しくて楽しくて仕方ないって感じ(笑)。性別も違うし育った環境も違うので、どちらが正しいとか正しくないとかの話ではない(昨今の教育評論家は、この幼児期の生き物と触れあう体験の欠如と命を軽視する若者たちを関連づけたがるけど、そんな単純な話じゃないと思うけどなぁ〜)けど、たぶん僕らの魚飛での楽しみ方の違いはそういう幼児体験の違いだと感じる。


偶然タモに入ったチビテナガエビ

ほら、可愛いでしょ?

ただ、そんな彼女も最近、というか海山大水害の前と後で漁の仕方に少し変化が生じている。
水害の前はヤスやシャクリを使って突き刺し、捕まえたら食べるのが基本だったけど、今はヤスをタモ網に持ち替えて“すくう”ことが主流。で、手袋をした手で握って優しく話し掛けて捕えた充実感を味わった後は、捕えた場所にそっと放すのである。今日も数多くの獲物をゲットしてたけど、全てリリースしてたわけで、たぶん来年になると防水カメラが欲しい!って言い出すんじゃないかと予想してるんだけど...どうでしょう?(笑)


そろそろ上がったら?ダメ!エビいるもん

一度に2匹のカワエビゲット!
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潮抜きにしてはちょっと長めに3時間泳ぎっ放しな僕ら。僕が浮かんでた淵にテナガエビがウヨウヨいることをともちゃんに教えると『えっ、うそうそ!どこどこ?』と淵に頭から飛び込んでゆく。『うわっ、ここ深いじゃない!』『ワタシ、泳げないのぉ〜!』『足が届かないとこ、怖ぁ〜い!』溺れそうになってジタバタ。ところが、『あっ、ホントだぁ〜!テナガエビいっぱいね!待っててねエビちゃ〜ん!』獲物を発見してからは深い淵をスイスイ泳ぎ渡って潜水までする始末。
泳げない?ウソこけっ!そこ、深さ4mだよっ!

そんなわけで海で2時間、川で3時間泳ぎ回った僕らの水遊びは、15:00におしまい。林道にクルマが来ないのをキョロキョロ確認しつつ夫婦でスッポンポン着替えを済ませ(笑)、一路自宅を目指す。
そんでもって帰り道。
『ほらね!伊吹山よりこっちの方が良かったでしょ?』『・・・』


あ〜疲れた!帰りましょ!

夕方になると蝶の乱舞が見られた
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R42から伊勢道を通ってこれまで最速で16:20に帰宅。
素知らぬ顔で無事Azuを出迎えすることができたのでした。めでたしメデタシ。
18:00過ぎにはMasaも帰宅。
『今日から試験期間でクラブないし、市民プールで泳いできたよぉ〜!久々に連続で1km泳いだら疲れたぁ〜!』
『オマエも水泳かよ!』
『えっ、パパも泳いだの?』
『あ、いや、別に...』

 

 

 

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