WWW.PAPAPADDLER.COM


FLAME LAYOUT

 

 

 

 

 

 

 

May.2006 part.4

 

 

 

 

  5月19-21日 戸隠妙高&信越トレイルをゆく

 


霧が漂い、さらに幻想的な雰囲気

5/20 戸隠ミズバショウトレッキング

去年の6月、信州ダブルトレッキングと称して白馬と戸隠の森を歩いた時、戸隠自然植物園の湿地にミズバショウの巨大な葉っぱが群生してるのを見つけた時のMamaの悔しがりようといったらなかった。
『何よコレ!ぜ〜んぶミズバショウなんじゃないのぉ!クヤシイィィ〜。』
御在所岳にちょこっと登ればずぐに見られる僕とは違い、九州生まれの彼女にとってミズバショウは憧れの花。その場で有無を言わさずに来シーズンのミズバショウ花見トレッキングの計画を約束させられたのだった。ただミズバショウを見るためだけに400kmの道のりを往復するほど僕は花が好きではないし、ま、そのうち忘れるだろうと思っていたんだけども、その僕の認識は大間違いで、4月のスノーシューの時も彼女の関心は専ら雪の下に眠るミズバショウ。そこまで見たいのなら見せてあげましょうってことで、今回の戸隠キャラバンが決まった次第だ。


道の駅「しなの」にて前泊

例年なら戸隠のミズバショウの花期はだいたいゴールデンウィーク前後ということで毎年恒例の紀州キャラバンとバッティングするけれど、今年は稀に見る大雪のおかげで2週間以上遅れての開花。どうやらタイミングぴったりのようだ。ところが週末の天気予報は雨。金曜の夕方も激しい雨が窓を叩いている。普通はこんな大雨の中、出発しないよなぁ(笑)とは言え、月に2回しかない連休のチャンス。Masaのクラブの試合はないし、Mamaのフラメンコはないし、明日の天気が奇跡的に回復することだけを期待して夜8:00過ぎに家を出る。

御在所SAで夕食を済ませ、Mamaと90マイルづつ運転を交代しつつ東名阪~名神〜中央道〜長野道〜上越道を北上。前回も利用した我が家の定宿・道の駅「しなの」にてP泊だ。

4月に訪れた時は道の駅の周囲には2m以上もの雪の壁があって驚いけど、今夜の気温は16℃と暖かな夜。ベッドを展開しビール片手にシュラフに潜り込むと、家族の寝息を聞く間もなく眠りに落ちた。


G'z one携帯の不愉快極まりない目覚まし音で起床。時刻は5:30。どこで情報を得たのか知らないけど、Masaによれば戸隠神社宝光社で「月並祭太々神楽」という御神楽が執り行われるそうで、それを観に行こうというわけだ。
6:30から始まる神楽なんて...ホンマかいな?って心配しつつ車内で朝食のパンをかじりながら戸隠へ。

宝光社に到着すると、続々と集まってきましたおっちゃん&おばちゃん。皆、肩から「戸隠神社参拝」と書かれた白いたすきを掛けていて、どうやら宿坊に泊まっている人たちのようだ。長い階段を上がって正面の本殿に入ると、さすがは芸能の神様を奉っているいるだけあって、本殿内に神楽の舞台が設けられている。舞台の下の畳敷きに正座して待つこと暫し。祝詞から始まった「天の岩戸」の演目はたっぷり2時間。


雲の切れ間から覗く戸隠の山並み

観光客に門戸を開きつつも決して媚びることのないローカル色豊かな神楽はとても見応えがある内容で大満足だった。


朝の神社ってのは何故か気持ちイイ!

上:戸隠神社宝光社(6:00)
下:この神楽殿で月並祭太々神楽が開催される

しかも窓も扉もないオープンエアな本殿だけに、神楽の始まりには朝の光が射し込んでたのに、天照大神が岩戸にお隠れになったシーンでは豪雨になり、その後は戸隠神社を包む深い霧が本殿内に漂い舞台の奥が白く霞むなど、偶然にしては出来すぎの自然の舞台効果もあって『早起きして良かったね!』なのである。そんな中で僕が特に印象的だったのは、舞台のそでに羽織袴の正装で彫刻のように微動だにしない2人の老人。氏子代表だろうか?とにかくそのお2人の所作が見事にキレがあって格好良く、僕もあんな素敵な日本人になりたいなぁ、と感じた次第だ。


神楽を観終わり、石段を下りてダッちゃんへ

朝霧がとても幻想的


 

神楽見物の後は奥社前駐車場に移動してトレッキングの準備。先ほどまで降り続いていた雨もどうやら上がったようだけど、また雨が降り出して濡れるといけないので、明日のためにトレッキングウェアを温存することにして、気軽な普段着のままで歩き始める。


奥社鳥居前から森林植物園へと進む

いきなりミズバショウが咲き誇っている

木道沿いに群生地へと進む

カタクリが当たり前に咲いているし...
CLICK

奥社の鳥居前を左に進むと自然森林公園の入り口。公園に入ると4月には2mもの雪に覆われてたのが信じられないほど春の装いを見せる森!入口付近の道端にいきなりカタクリの群生が見られたのをはじめ、ひとつひとつ挙げたらキリがないほどの早春の野花が咲き乱れている。舗装路から周遊路の木道に進むと、すぐに目に入るのが新緑に映える白い水玉...もちろん、ミズバショウ!しかも幸運にも満開!約11ヶ月越しの念願を果たすことが出来たMamaは子供のようにはしゃいで木道をミズバショウの群生に向かって駆けてゆく。


満開のミズバショウ群生地(戸隠森林植物園)

 


森林植物園全体が花にあふれている

ミズバショウCLICK

5月20日現在

4月4日はこんな感じ

ほどなくブナの木々の間から朝の光が射し、ミズバショウの純白の花弁がひときわ美しく輝き始める。『キッレ~イ!』Azuも木道のグリーンのロープの間から花弁に顔を近づけて香りを楽しみながら嬉しそうだ。湿原にムーンストーンを散りばめたように咲くミズバショウ...400km走ってやってきた甲斐があるというものだ。


軽装で手軽に信州の自然が楽しめる。但し熊さんも時々出るらしい(笑)

 

木道を辿って小一時間森林公園をぶらぶらと散策した後、液晶画面に4月のスノーシュートレッキングの軌跡を表示したGPSに従って戸隠神社奥社の参道中ほどにある随神門へと向かう。まだ多少の残雪はあるものの、ほんの一ヶ月半前とは全く違う景色。


とても変わった形の木々が多く、
ついつい寄り道をしてしまう。

上:4月のスノーシュ−でAzuが腰掛けた枝
下:気温が上がって残雪から湯気が立つ

そんな中、記憶を辿って前回見た特徴的なブナやモミの木々を探しながら歩くのはとても楽しいものだ。『あっ、これワタシが登った木じゃない?』前回、雪合戦を楽しんだ雪原はクマザサの草むら。そこに立つ“Azuのベンチ”は先月よりも数m高い位置にあって、前回の雪深さを実感することが出来た。

茅葺の屋根に若葉を芽吹かせた随神門をくぐると戸隠神社の神域。肌を刺すような“何か”の気配を感じつつ、スケール感が狂うほどの圧倒的な大きさの杉並木を見上げながら進むこと200mほどで参道は完全に雪に覆われる。


奥社参道に合流

戸隠神社奥社

随神門からの参道は残雪が深い

さらに進むと雪の表面から蒸発した水蒸気が霧となって漂い、周囲の森をベールのように隠し始めると、戸隠の森はさらに幻想的な雰囲気を醸し出す。歩みを進めると乳白色の霧の中に現れる巨木...あまりの神々しい空気にそれまで賑やかにお喋りを楽しんでた子供たちも神妙な顔つきとなっていく。


雲の上に見える戸隠山のギザギザの稜線

復路は奥社参道をゆく

残雪の階段を上り切ると印象的な岩屋の下に奥社のお社が見えてくる。九頭龍社と奥社に参拝を済ませ、ふと振り返ると濃い雲が徐々に薄くなり、鮫の葉のようにギザギザな戸隠山の稜線が墨絵のごとく姿を現す。まるで舞台の演出のような偶然の出来事に僕らは言葉を失ってゆっくりとフェードインし続ける戸隠山を眺め続けたのだった。

復路は参道を辿る。この時間ともなると人影がほとんどなかった往路とは違って、参道を上ってくる多くの参拝客とすれ違う。随神門まで来た時に降り出した雨。ザックから出した傘が役に立たないほどの豪雨の中、僕らは一直線に延びる参道を大鳥居まで急いだ。


人なんてものは所詮ちっぽけな存在
...そう思える光景

上:随神門がぼんやりと見えて来た
下:随神門からは延々と続く直線


随神門から振り返った杉並木

 

ずぶ濡れになった僕らはダッちゃんに戻り、とりあえずトレッキングシューズを履き替えてミズバショウと同じぐらい念願だったピザ&パスタ「小鳥の森」にお邪魔する。

約1年ぶりにお会いするオーナーのhatakichiさんとのお喋りを楽しみながら美味しいピザ&パスタを美味しくいただいた。これまで戸隠と言えば蕎麦だったけど、これからは戸隠といえば「岩魚と高原野菜の和風パスタ」と「小鳥の森特製サラダピザ」そして「そばの実のシフォンケーキ」だろっ!そんな美味しさである。


「小鳥の森」で少し遅めのランチ

車窓から見える沿道のミズバショウ

例によって“旅に来てるんだ、ケチケチすんな!”とばかりにバンバン注文する僕に『そんなに注文しても大丈夫?』子供たちが心配するほどだったけど、ここでしか味わえないものなんだから我慢するなんてなんてナンセンス。あまりの気前の良さにオロオロする子供たちと終始上機嫌な両親...普通は逆だよな(笑)。


道端に咲くミズバショウとダッちゃん

 

少し遅めのランチを終えても激しい雨が降り止まないので、戸隠での午後の部「戸隠牧場散策」は諦めて妙高高原に移動。道路の中央線が2本ぶん見えないほどの深い霧(僕の生涯でNo.1の濃い霧)の中を走って、いもり池の湖畔にある妙高高原ビジターセンターの充実した展示で周辺の自然を予習。いもりのハンドタオルなどの“いもりグッズ”を買ったり、トレッキングコースの情報を得た後、燕温泉へ。


いもり池にある妙高ビジターセンター

濃霧で視界を奪われる

最近では温泉マニアと化して、やけに温泉に詳しいMasa(硫黄泉とか重曹泉などの泉質に関してや、掛け流しか循環式か、露天風呂の眺望など、旅の前にガイドブックでチェックして全て暗記している!)の強いプッシュがあったからである。

いもり池から最短距離の赤倉温泉ルートはいまだ雪で閉ざされているので一旦R18に戻って、さらに濃くなって視界2mを切るほどの濃霧の山坂道を30分ほど走って到着した燕温泉は人影が一切なく、そのくせやけに立派な建物が並んでいるので、まるでゴーストタウンの様相を呈している。


燕温泉へ。深い霧で15:00なのにこの暗さ

Masaのススメでやってきた燕温泉街。さみしい...

多くの温泉宿の中から僕らが選んだのは、いもり池からの道すがら電話で問い合わせて『うちは燕温泉で唯一男女別の露天風呂があるんです!』と主人が“男女別”を強調したお宿。MamaはともかくAzuはもう絶対に混浴はイヤなお年頃みたい(笑)。
特に特徴はないけど、古き良き昭和の香りが残るいい感じのロビーを横切って温泉に入ると、やはりと言うか何と言うか(笑)僕ら以外にお客がいない貸切状態。


視界5m。眺望もなく露天風呂の意味なし(笑)

そのぶん、お湯は最高!!この湯の花の量はすごい

ゆったりと岩風呂に肩までつかってのんびりしていると、自分の足がみるみる汚れてゆく!!ん?何じゃこりゃ!軽く白濁してるのかと思ってたお湯、実は濁っているのではなく、1mm程度の浮遊物だらけなのだ!
つまり僕の足は汚れているのではなく、その浮遊物がどんどん堆積している...こんなの初めて!ってなスッバラシイお湯に入って疲れを癒すと、もう後は寝るだけってな気分になった僕らは、その後の計画を全てキャンセル。早めに夕食を済ませた僕らは、今夜も道の駅「しなの」に戻ったのだった。

早い時間からベッドを展開し、シュラフにくるまってゴロゴロする僕ら。上段ベッドで爆睡状態のMamaの寝顔を見てクスクス笑いつつ、僕ら3人は“ダッちゃんシアター”でとてもオシャレで可愛い映画「猫のミヌース」を観て一家団欒。オランダで最も愛される作家といわれる児童文学者シュミットの同名小説を映画化したもので、こういうほのぼの系がダッちゃんシアターにはぴったり。(ちなみに今回用意したもう一本のDVDはウィル=スミスの『HITCH(邦題“最後の恋のはじめ方”こっちは小6の娘と観るのにいい映画!...笑)

ま、そんなわけで...今夜もまたビールが美味しい素敵な夜である。


結局、道の駅「しなの」に戻って、映画を観ながらのんびり過ごす

 

 
戸隠で見た花々
CLICK

Photo by aki with RICOH Caplio 400G wide

 

 5/21 妙高高原&信越トレイルへ
 

May.2006 MENU

 

 

アンケートにお答えください!

 

_  _  _

 

Copyright 1998-2006 Akihikom.All right reserved

paddler@mac.com