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 November.2005 part.2

 

 

 

 

11月18-20日 マイカヌ−でハワイへ!(鳥取キャラバン) 


鏡のように凪いだ初冬の東郷湖を渡ってHawaii...じゃなくってHawaiへ

 

自 宅 か ら 鳥 取 へ !

先月、古座川でご一緒させていただいた鳥取のカズオミンさんが、『是非、11月には“鳥取カニカニ・ツアー”に来て下さいね!』と誘って下さった。聞けば、高価というイメージが強い山陰名産の松葉ガニも地元ならではルートならば割と気軽に楽しめるらしい。カズオミンさんは社交辞令を言うような人ではないし、我が家は社交辞令でも本気にしちゃう家柄(笑)だし、カニの代金を割り勘にすることを条件に遠慮なくお邪魔することになった次第。もちろん、今回の目的はカニさんだけではなくて、ウェブサイトで拝見したり、ご本人からお聞きした“カヌー4艇...でも、カヌーキャリアなし”...つまりカヌーを運ぶ必要がないレイクフロントにあるカズオミン家の夢のような暮らしを体験させていただくこと。迷惑を顧みず、なんと出発3日前にカズオミンさんにアポを取ってみると、即OKのお返事が。しかも、その返信メールには“カヌーで足湯巡り”の文字!翌日にはるるぶ「鳥取・大山」を買い込んで、研究を重ねて出発当日を迎えたのだった。


21:00に自宅を出て米子道のPAでP泊

防寒対策はシンプルに銀マット

金曜は夕食とお風呂を済ませ、2艇のカヌーを積んで21:40に出発。名阪国道の工事渋滞に巻き込まれて1時間近くをロスし、幸先の悪いスタートになったものの、その後は西名阪〜近畿道〜中国道〜米子道とスムーズ。加西からはMamaに運転を任せて僕は寝るだけのゴクラクドライブである。予定では三朝温泉まで行ってP泊するつもりだったけど、最初の一時間ロスが響いて、米子道・上野PAですでに1:30a.m.になってしまったので、ここでP泊決定。夏以来何度もくり返してすっかり慣れた手つきでベッドを展開し、今日はビールなしですぐに眠りに着いた。


新しいホイールは似合う?

PAに住み着いてるタヌキ猫

先週の信州・蓼科のように氷点下になることはないものの、1:30a.m.現在の気温は3℃。前回寒さに震えたMamaはシュラフにフリースのインナーを入れてヌクヌク。それに加えて、今日の夕方に泥縄で買い込んできた銀マット(イマイチ見栄えが良くないけれど安くて確実なキャンプ用をフリーハンドでチョキチョキ。但しよくある裏がブルーのタイプはどうしても許せなかったのでグレーのものを使用したけど。)をはめ込んで防寒対策を講じる。効果のほどはと言えば、コレがもう素晴らしい断熱効果!フロントガラスは結露がすごかったのに、銀マットをはめ込んだリアの窓には全く生じないほどだ。しかも期待してなかった銀マット効果がもうふたつあって、まずはシェードとは違って窓に貼付けるので2段ベッドが1820mmフルサイズで使えること。そして次に完全に外部に光が漏れないことだ。但し、朝になっても真っ暗なままなので、寝過ごす可能性は大だなってことでPROTREKのアラームをセットしたけど(笑)。

三 徳 山 三 佛 寺 登 山


参道に敷き詰められた紅葉の絨毯

 

上野PAを7:30に出て、中国山地における修験道の聖地である三徳山三佛寺へと向かう。断崖絶壁の岩窟にはめ込まれたように建つ、国宝・投入堂はなんと西暦706年竣工!(現在、世界遺産登録に向けて準備中とのこと。)本堂から投入堂まではほとんど登山...というかロッククライミングに近い険しい道のりなのだそうだけど、ここは悪天候時には危険防止のためにしばしば入山禁止となる。まだ雨も降ってないし、登れるかも?と期待を込めてのスタートだ。


門前に吊るされた大根ダイコン!

落ち着いた雰囲気の参道階段をゆく

ところが、上野PAでは青空も覗いてたのにトンネルを抜けると一気に空模様は怪しくなり、湯原ICでは激しい雨。(涙)西高東低、冬型の気圧配置と言えば、西からの季節風が吹き荒れるものの抜けるような青空...というのは太平洋側の常識で、日本海側では鉛色の雲が海から流れてきて雨や雪を降らせるものだということを実感する。
8:30、三徳山に到着。フロントガラスを激しく叩く雨に諦めムードが漂う中、参道入口から20分ほど雨に濡れてひときわ美しい紅葉を眺めつつ歩き、登山届を提出する本堂奥の登山事務所まで辿り着く。すると...無情にも『本日登山禁止』の看板。若い僧侶によれば『雨だと4点確保でも滑るので、今日はダメです。昨日は2名滑落者が出て大怪我をされたんですよ。』とのこと。


悪天候により登山道は閉鎖で入山禁止。遥拝所から雲の切れ間に国宝・投入堂を望む

 

P泊までして来たのに!とがっくりと肩を落としそうになる瞬間、絶妙のタイミングで『ここがただのお山なら悔しくてたまらないけど、きっとお山が“今日、君たちは登らない方がいい”って言ってるのよ。またお山に呼ばれたら来ましょうよ。』と、Mamaの言葉。修験道の聖地だけにその言葉に何故かすごく説得力があって、そうだなぁ〜また来よっと!なんて思っちゃうから不思議だ。
そんなわけで、登山を断念した僕らは駐車場から10分ほど坂を上がった場所にある遥拝所から雲の切れ間に覗く投入堂を拝んで三徳山を後にしたのだ。

白 兎 海 岸 & 白 兎 神 社

 


白兎海岸から日本海に架かる虹を観る


独特の植生が興味深い白兎神社鎮守の森

皮膚病に霊験あらたかなこじんまりとした社殿

次なる目的地は、鳥取砂丘。ほぼ20年前、MamaとふたりDAIHATSU Charadeに乗って延々と京都からのR9を走り続けて訪れた若き日の思い出の場所。確かニュ−スステーションの中継を見て『今から行く?』『行こ!』ってな軽いノリで夜中に出発したっけ...ま、そんな話はともかく、子供たちにとっては初めて訪れる鳥取砂丘なのである。砂丘へと向かう道すがら、白兎神社に立ち寄る。ご存知、因幡の白うさぎの伝説の故郷で、神社そのものは何てことがない小さなお社だけど、神社から地下道を通って白兎海岸に立つと何となく古のロマンを感じる。


海沿いのR9をゴキゲンドライブ

 


鳥 取 砂 丘 一 周 ト レ ッ キ ン グ


荒々しい波が打ち寄せる砂丘の波打ち際をゆく

鳥取砂丘に到着したのはお昼前。相変わらず雨が降り続いているので、まずは砂丘入口そばにある観光センターで昼食。レストラン前のショーケースでメニューを選んだんだけど、サンプルと実際のお料理の落差がこれほどスゴイとは!(涙)思わず、違う料理かと思って交換をお願いしそうになるほど(笑)。ま、夕食はカニカニ尽くしだしな、と気を取り直し、僕とMasaだけザックを背負って鳥取砂丘へと入る。まずは何がナンでも、ラクダ遊覧の乗場へ(笑)。
実は先月モンゴル映画『らくだの涙』を観て、ラクダ大好きぃ♪になっちゃってる我が家の女性陣にとって“鳥取砂丘に行くこと=ラクダに乗ること”。特にMamaにとって今回のキャラバンはラクダに乗ることが最大の目的だったりするのだ。ところが!!ラクダ乗場に着いてみると『悪天候につき本日営業中止』の看板が!『ラ、ラクダちゃんがぁ...』可哀想になるぐらい肩を落として涙目で落胆するMama。『もう帰る!』と駄々をこねるMamaをみんなでなだめてとりあえず砂丘を歩くことに決めて、雨の中を馬の背に向かう。


観光ルートの入口で馬の背をバックに

誰も足を踏み入れてないヴァ−ジンサンドへ

さすがに山陰有数の観光スポットということで、雨なのに観光客の数は相当なもの。ただ、大半の人はあまりの雨に砂丘に足を踏み入れるのを躊躇していて、実際に馬の背まで進む人は半数ほどだ。そんな中、僕ら人の流れに従ってまずは馬の背までの観光客ルートを進む。馬の背に立つと鳥取砂丘全体が見渡せてそれなりに眺めは良いのだけれど、人の踏み痕が一切ない砂丘西端・第一砂丘列方面のヴァージンスノーならぬヴァージンサンドが僕らを誘う誘う(笑)。雨だし寒いしどうしようか迷ったけど、三徳山に登れなかったことだし、歩いてみようっか!ってことで、急遽馬の背に沿って砂丘トレッキングの開始である。


第一砂丘列は人影もなく、風紋が美しい

人の足跡がない砂丘はフカフカで足が沈んで歩き難いと想像していたけれど、実際に踏み込んでみると雨のおかげでしっかりと締まっていて、足跡がある部分よりも歩きやすいのが意外だ。水を見ると思わず近寄る習性がある(笑)我が家は、そのまま馬の背を駆け下りて波打ち際に行きたいところだけど、我慢してアップダウンを繰り返す尾根伝いに西へと進む。馬の背を下りきって第一砂丘列に差し掛かると、僕らの視界に入るのは砂丘のみ。人工物はもちろん、植物もほとんどない生き物の生育を拒む砂だけの世界だ。


雨のおかげでオアシスが出現!

足元に目を移せば、砂と風が創り出した芸術である風紋が広がっている...いわば“動植物のるつぼ”、世界的に見ても命の営みが最も濃密な紀伊半島に住む僕らにとって、全く見慣れない光景だけに実に新鮮で、その簡潔な美しさに思わずため息が出る。子供たちにとってだけではなく、僕ら大人にとっても “一番乗り”は実に魅力的なもの。
足跡の一切ない砂に足を踏み入れると、ついつい必要以上に砂を蹴って足跡をつけたくなってしまうから不思議だ(笑)。

第一砂丘列の尾根から進路を北に取り、なだらかな斜面を下って波打ち際へ。太平洋側の海とは全く違うグレー混じりのブルーの海は激しい白波が立ち、空は鉛色の雲が何層にも低く垂れ込めている...そう、まさに演歌で歌われる日本海そのままのイメージ(笑)。


砂丘に立つと、人は何故走り出してしまうのだろう...(笑)

波打ち際は隠岐の海岸がそうであったように、ハングルや中国語のゴミが多数流れ着いていて、ここが“日本の果て”であることを意識させられる。さらに波打ち際に沿って東へ進むと右側の砂丘が徐々に高くなり、先ほど歩いた馬の背の尾根の人影が豆粒のように小さくなっていく。比較対照するものが一切ないので、スケール感&距離感が麻痺してしまって、人間が笑っちゃうぐらいに小さく見えて、人 影が大人なのか子供なのか全く判別できない...なんだか騙し絵を思わせる不思議スポット・鳥取砂丘である。


結局Masaは馬の背を3回駆け下った
(つまり3回登ったということ)

上:下りたら上るのが世界のジョ−シキ(笑)
下:馬の背の斜面で股間から見た日本海

尾根に群集が見えてきた。どうやらここが観光ルートの真下にあたるようである。そこでMasaが直登に挑戦!砂丘のスカイラインに向けてぐんぐん登る。彼の後ろに続く足跡のラインがとても印象的だ。続いて彼の右からMamaとAzuの作るラインが斜めに伸び、最後に僕が登る。高度差は48m、たぶん傾斜角は40度近くあるので相当しんどいはずだけど、スノーシューイングを思わせる浮かぶような足に優しい感触がキモチ良く、休憩することなく一気に上まで登りきってしまった。頂上に到着し、さぁ帰ろう!って思ったら、突如Masaがニヤリと笑い、海に向かって全速力で斜面を駆け下りてゆく!ウオォォォ〜!雄叫びを上げて走る、という跳ぶ彼の歩幅はたぶん4m以上!実に気持ち良さそうでちょっとだけ真似したくなったけど、再び登ることを考えて踏み止まる僕である(笑)。


高度差48mを一気に駆け下りる快感!!

ウォォォ〜〜!

こんな風に砂丘一周トレッキングを存分に楽しんだ僕らだけど、砂丘から駐車場に戻ってふと我にかえると、足元のジャングルモックは砂まみれできな粉のおはぎ状態だし、傘もレインウェアも使わなかったせいで、ダウンジャケットは雨で萎んでしまってるほど。『あ〜あ、ひどいなぁ、よし、乾燥室で乾かそう!』と向かったのは暖房が効いてヌクヌクな土産物屋さん(笑)。

ここでお土産物を選ぶフリをしたり、21世紀梨ソフトを食べたりしつつ濡れたダウンを乾かすのだ。
するとガイドマップを見ていたMasaが突然叫ぶ。
『追後スリバチ行ってないよぉ!』

尻込みしてる女性陣を土産物屋さんに残し、僕とふたり再び砂丘に入り、高度差40mの窪み・追後スリバチへ。スリバチの縁に立ったMasa。振り向いてニヤリと笑い、スリバチの底に向かって全速力で駆け下りてゆく!ウオォォォ〜!はいはい、好きにやってなさい...呆れて言葉も出ない僕である。

砂丘では女性陣が楽しみにしてたラクダ遊覧も雨で営業中止だったし、僕も真っ青な空とベージュの砂丘、そしてふわりと浮かぶパラグライダー...ってな光景を期待してたのに、鉛色の空からは氷雨になりそうな雨が降り続いて、実にもの悲しい雰囲気でちょっと残念。でも...


高度差40mの追後スリバチを駆け降りるMasa

『雨の砂丘も悪くないよなぁ。だって雨のおかげで砂が固く締まってメチャ歩きやすいし、ほら、地下水が湧いてるオアシスも見られたし。』というMasaの言葉にナルホド!って思っちゃった次第。そ、そう言えばそうだよな。
そんなこんなで鳥取砂丘で3時間ほど歩いた後、ダッちゃんに乗って次の目的地を話し合いながらR9を西へ。海岸沿いの快適なルート...運転するのはもちろんMamaで、僕はサードシートでゴロン!である。


雨のおかげで鳥取砂丘を独り占め!(第一砂丘列〜追後スリバチ)

 

倉 吉 白 壁 土 蔵 群 散 策

『着いたわよ、起きて!』Mamaの声で目覚める。
周りを見ると、どうやら大きな駐車場みたい。『倉吉に着いたのよ。今からここを散策するの。』寝ぼけ眼のままザックを担ぎ、ダッちゃんを停めた倉吉市立倉吉博物館・倉吉歴史民俗資料館から目と鼻の先にある倉吉の旧市街へと歩く。路地を進むと目の前に重厚な白壁の町並み...白壁土蔵群である。


奈良時代に因幡国庁が置かれたほどの歴史ある町

女性陣はホントは野山よりもこういう場所が好き?

ちょうど高山や津和野を思わせる古くてお洒落な感じ、いかにも女性陣好みの場所である。ただ、ここが素晴らしいのは、それらの建物が観光客目当ての現代風のお土産物屋さんじゃなく、人々の生活に根ざした暮らしの場所でもあること。玉川という小さな川沿いに美しく落ち着いた雰囲気の街を散策したあと、何気なく鐘楼門が見事なお寺に立ち寄ってみる。すると!なんとここはあの南総里見八犬伝のモデルである八剣士の墓所。あまりにラッキーな偶然に驚きつつ、当主をはさんで並ぶ8基の五輪塔に手を合わせる。


偶然立ち寄った大岳寺で里見八剣士の墓に出会う!

中野桶樽店で寿司桶をお買い上げぇ〜!

で、次はここへ来る途中にMamaが目ざとく見つけた桶樽店へ。 最初は見てるだけぇ〜ってことで一通り商品をウィンドウショッピングして一旦店の外に出たものの、やっぱり伝統工芸士が丹精込めて作った木曽檜の寿司桶が忘れられないMama。市役所近くまで歩いて信号待ちをしてる間に...『やっぱりアレ欲しいっ!買うっ!』と欽ちゃん走りで桶樽店に駆け出すのだった(笑)。でもって、極厚堅牢な寿司桶ご購入ぅ〜!
『だって今日はラクダに乗らなかったし、これぐらいの贅沢してもバチ当らないわよね!』
『いいじゃん、オレのラケットも木曽檜の一枚モノだし。』
高価なモノを買うと、何故かみんなで言い訳大会になる我が家である(笑)。


日暮れまで倉吉の町を散策

カズオミン家でカニカニパーティ

倉吉散策をもって本日の遊びはおしまい。いよいよ楽しみにしてたカズオミン家訪問!なのである。メールや電話で今夜、カズオミンさんからご自宅に泊まって行くようにお誘いをいただいてたけれど、お風呂や夕食の準備だけでも大変なのに、家族4人を泊めるとなると奥様の手間は尋常じゃないわけで...逆に自分ちに誰かお客さんがあった時のことを思い返してみると、ご好意に“はい、ありがとう!”と甘えるのはイカンだろうってのが正直な気持ち。


総檜温泉も作っちゃいました〜!

そこで、カズオミンさんがお仕事から戻られる時刻まで少し時間があったので、予め見繕ってた周辺のP泊ポイントを下見するために東郷湖を一周する。で、今夜の宿を“道の駅はわい”に決めて、カズオミン家へ。
いつも変わらぬ笑顔で僕らを出迎えてくれるカズさん、ミユキちゃん、ヒロちゃん。
まずは雰囲気ある町家(優に我が家の倍の広さがある!)をご自分の手でNeo-classicに改造した素晴らしくセンスの良いお宅を見せてもらった後、『ま、まずはお風呂でも。』ってことで、東郷温泉の源泉からひいた温泉がなみなみと注がれた...しかもカズさん手作りの総檜風呂に入らせてもらう。お風呂でゴクラク気分になった後台所を覗くと、何とカズさん自らお魚をさばいてるし!!えっ、料理なんかもやっちゃうんですかぁ?

『いやぁ、趣味なんで。学生時代に居酒屋で飲んでるうちに興味を持って、材料持ち込みで押し掛け弟子入りして覚えちゃったんですぅ。』
言葉も出ないほどの手際の良さを惚れ惚れしながら眺めている間にお料理が完成!これまた手作りの囲炉裏部屋で囲炉裏の炭をツンツンしながらカニさんはもちろん、プロ顔負けのお料理を戴きつつビールなんか飲んじゃったら...すんません、今晩泊めて下さい(笑)。
Azuは2階の手作り映画館(まさに映画館!)で『野ブタ。をプロデュース』を見せてもらうは、Masaは手作りショットバーのスロットマシーンに夢中になっちゃうは...マジでココんちの子供になりたいっ!って思ったはず。だって、僕もそう思ったもん(笑)。
そんなわけで、楽しい楽しい夜はノホホンとしたリラックスムードに包まれて更けてゆくのだった。
あのぉ〜、40歳で養子になるのは無理っすか?無理?やっぱり...


囲炉裏部屋作っちゃいました〜!


ここには書き切れないカズオミンさんちの素晴らしさはHPにて

 


マイカヌーでハワイを目指す!


東郷湖の朝(四ツ手網)

雨なのに存分に楽しめた初日。雨もまた楽し!って思わなくはないけど、正直なところは晴れて欲しいところだ。でも目覚めると外は雨。美味しい朝食をいただきつつもやはりお天気が気になるのだ。


東郷湖畔を朝のお散歩

朝食後、カズさんに誘われて朝のお散歩に出発。
昨夜は暗くて判らなかったけど、東郷湖はご自宅からほんの目と鼻の先で歩いて数分ってところ!カヌー&カヤックを4艇も所有されてるのに、クルマにキャリアバーすらないカズさんちの謎がナルホド!って思える絶好のロケーションだ。
カズさんの案内で湖畔を少し歩く。魚を捕獲するための四ツ手網小屋の向こうに広がる穏やかな湖面...湖岸にふたつもの温泉街を抱えるのに、この静けさは何だ!
自然の岸辺と見間違うほどに自然な近自然工法の護岸は人が湖に近づくことを拒んではいなくて、誰もが簡単に湖水に触れることが出来、しかも誤って落水しても笑いながら岸に上がることが出来る絶妙の状態なのである。ここに住んでりゃ、他に行くなんてこと考えないなぁ...僕はカズさんをマジで羨ましく思う。

散歩を終える頃には空が明るくなったので、いよいよ『マイ・カヌーで行くハワイへの旅!』の準備開始だ(笑)。ま、最近はかなり有名になったので、その意味がお判りの方が多いだろうけども、要するにカズさんちの裏の東郷湖にカヌーを浮かべ、湖を漕いで1.5km先の対岸にある羽合温泉(*最近は平仮名で“はわい温泉”と書くのが正式らしい)まで横断、ハワイ名物・足湯巡りを楽しもうという洒落の効いたプラン。

(カズさんからこのプランを聞いた瞬間、史上最短でこのカヌー日記のタイトルがほぼ決定しちゃった...笑)

まずは奥様&子供達が着替えている間にダッちゃんを駐車場に停めたままでカヌーを降ろし、持参したフォールディングカートをスターンに架けて、温泉街の旧街道をゴロゴロと牽く。
我が家でこんな真似をすれば人集りが出来るけど、国体のカヌー競技が行われて以来、誰もがカヌーに馴染んでいるこの町ではごく普通のことなのか、すれ違う子供たちもオバちゃんもギョッ!としたりせずに平然とすれ違う。
灯台のように周囲を照らしていたのだろうか?以前は船着場だった小川のそばには古い石灯籠があって、かつての温泉街の賑わいを偲ばせてくれる。


ダッちゃんからカヌーを下ろして車輪をセット

温泉街の旧街道をカヌーを牽いて歩く

これならMamaでも大丈夫

カヌーを運び終え、全員が着替えを済ませて湖岸に集合し、さぁスタート!...かと思ったら『おでんが20%引きだぜっ!』とMasa。見ればスタートポイントに隣接するコンビニにおでんセールのポスターが...反対する理由は何もないわけで、全員がP.F.Dを着た変な集団はコンビニでおでんを山のように買い求めるのだった。


昔の船着場からフネを出す。

いよいよハワイに向けて漕ぎ出す!

さて、仕切り直しで9:55、我が家のCAMPER&PATHFINDERと“パパの愛情”アウトリガーをまとったカズさんのハンドメイドカヌー1号艇“Vivace”(ヴイヴァーチェ=“元気”【伊】)の3艇でスタート。
細い水路を20mほど漕いで広々とした湖面に出ると、目指すは対岸のハワイ!だ。さきほどまでの雨がウソのように青空が広がりつつある空と、頬を“撫でる”ような微風に思わず歌い出す僕。
♪ハ〜レタソラァ〜、ソ〜ヨグ カゼェ〜...あ〜ああ〜憧れぇ〜の、ハワイィ〜イ航〜路ぉ〜♪


やっぱり2艇体制が自然だなぁ...

Azuの冷たい視線を浴びながら“憧れのハワイ航路♪”を2番までフルコーラス歌う(笑)。椰子の木もないし、ビキニのボッ!キュ!ボ〜ン!なオネエチャンも小錦もたぶんいないだろうけど、ハワイはハワイ。HawaiiじゃなくHawaiってことで“i(愛)が足りない”なんて揶揄する人もいるらしいけど、僕らにとって遥か先に見えるハワイはHawaiii...(愛がいっぱい...笑)だ。


あ〜ああ〜憧れぇ〜の、ハワイィ〜イ航〜路ぉ〜♪

湖の中心で“おでんっ!”と叫ぶ


凪いだ湖面を滑るように進む2艇

漕ぎ出してすぐ、Azuはパドルをボトムに置いてコンビニで買い込んだおでんを食べ始める。『美味しいぃぃ〜!』それを聞いてMasaも『ああっ、ズルイ!オレも喰いてぇ〜!おでん喰いてぇ〜!』と大騒ぎ。さしずめ“湖の中心で「おでん!」と叫ぶ”状態なのである(笑)。


ハワイのある岬まで1.5kmの船旅。

近づくと盛大な羽音を起てて飛び立つ

本当に静かな湖面を滑るように進む3艇。湖には所々に湖底から湧き出す温泉を汲み上げるための櫓が組まれていて、その櫓で羽を休める鷺を間近に眺めつつ、おでんの丼を手にしたバウガールを載せたまま針路をハワイに向け進む。途中、何度もパドルを漕ぐ手を休めてのんびり浮かんだまま話に花が咲いたりしてたせいで1.5kmほどの距離を40分ほど掛かったけど、何とか無事に湖を渡り切る。岸辺が近付くと、そこには白鳥の群れ!優雅で美しい姿を間近に観察しつつ、はわい温泉の立派な旅館街の間の水路を抜けて、ポンポン船の船着き場近くにカヌーを着け上陸する。


白鳥の群れが前方を横切る


まさに白鳥の湖...夢みたい

旅館街の水路にカヌーを進める

ウェットスーツと P.F.Dを身に着け防水バッグを手にした温泉街には不似合いな集団 だけど、幸いにも泊まり客がほとんど宿を発ってしまったのか、行き交う人もまばらで静まり返ってるのが救いだ。カヌーを着けたポイントのすぐそばに自由に使える足湯があるけど、まずはお洒落なお土産物屋さんに入ってトイレを借り、あれこれと土産を買う。それからハワイに点在する足湯を順番に回ったわけなんだけども、これが実に素晴らしい!

 


ハワイ温泉で足湯巡り♪

観光客よりも地元のオジサン&オバサンが多い感じで、ウェットをまくりベンチに腰掛けると、『どこから来なすった?』とすぐに隣のオジサンに話し掛けられ、異文化&異世代コミュニケーションの始まり始まりぃ〜!なのである。

都会に限らず、田舎であっても最近はこうして他人と気軽に話をする機会が減っていて、新幹線で隣のオネエチャンに話し掛けようものなら(現在、新幹線でこの日記書いてるので...笑)、警戒心に満ちた目で睨まれるなんて時代だけど、こんな風に心からリラックスしつつ“裸のつきあい”ならぬ“裸足のつきあい”をしてるとカラダばかりかココロまでもが鷹揚になれる、そんな気がする。
『足湯でお見合いしたらさぁ、きっと成婚率アップするだろうなぁ。』
そんな僕の言葉に大きく頷くMamaである。

温泉は少し熱め程度だけど、きっと温泉成分の影響もあるんだろうか?5分も足を入れていると、まるで日焼けのように肌が真っ赤になって全身から汗が噴き出してくる。健康に良いかどうかはともかく、お風呂と言えば肩まで浸かって...というのが僕の好みだけど、足湯だけで充分に温泉効果がありそうだ。


どっちがオヤジ?息子?(ヒントはスネ毛)

岩風呂風、SPA風、バス停風(笑)と3つの足湯を巡り、最後に和船風の水風呂で毛穴を引き締めた僕らは、再びカヌーに乗り込んで、朱色に塗られた和風の橋をくぐって東郷湖へと戻る。


運河をゆくPATHFINDER。波紋が
陽光を浴びて輝くさまが美しい

上:ポンポン船の前に停めたカヌー
下:空を映す湖面を切り裂く航跡

湖にせり出す形で清水の舞台風に建てられたホテルの床下には首までのメタリックグリーンが美しい鴨の群れ。チィ〜!という鳴き声を残してカワセミが瑠璃色の残像を残して水面スレスレを飛び去る。お天気は完全に回復したのに、全く風は出なくて、鏡そのものの湖面は青空をゆったり流れる白い雲を映し、まるで雲の上を飛ぶ飛行船にでも乗っているような錯覚を覚える。50mほど先を進むVivaceの起てた微かな航跡が5分ほど時間を掛けて僕らの前の水面を揺らし、ああ、そうだ、オレは湖に浮かんでるんだ...ふと我に返るほどの穏やかな時間だ。


この広々とした開放感が湖の魅力だ。

我に返ると言えば、真横を50mほど離れて進むPATHFINDERの写真を撮ろうとカメラを向けた時、ふとMasaの姿に違和感を感じる。
新聞日曜版の間違い探しクイズでもやってる気分で彼の姿をじっくり観察していると、重大な“間違い”を発見!
『うわぁっ!お、おまえ、ライジャケしてないじゃん!』『えっ?』
どうやら最後に入った足湯にP.F.Dを忘れてきちゃった模様(涙)。ま、湖のど真ん中から岸辺までは約750m程度なわけで、Masaの泳力でフルウェット着てこの水温なら余裕で泳いで往復できるだろうけども、そこはそれ、十万、百万が一ってこともあるわけで、取りに戻らせることにする。
(それにP.F.D絶対論者に湖上で出くわしたら何言われるかワカンないし...笑)

そんなわけで、彼等が戻るまで湖上でのんびりゆらゆら浮かんで待機してたんだけど、こんな場所に人間がいることが物珍しいのか?湖を一直線に渡る鵜や鷺がわざわざ飛行ルートを曲げて、僕らを観察に来るのには笑ってしまった。


空に浮かぶ雲が紀伊半島とは全く違う気がする

Masa&MamaがP.F.Dを取って追い付くのを待って、僕らは並んで対岸を目指す。
『あの山にある携帯電話のアンテナが船着き場です』
『グリーンの壁の建物が見えますか?あれが四ツ手網小屋の方向です。』
東郷湖を知り尽くしたカズさんならではのアドバイスを頼もしく感じながら、“グリーンの壁の家”を目指して漕ぎ進む。
カズさんの言葉通り、グリーンの家の前に今朝の散歩で見た四ツ手網小屋。たかが湖の魚をすくい取るだけに何とも仰々しい施設だこと!なんて思ってたけど、土産物屋さんで見た古い写真にもこの四ツ手網での漁の様子を映したものがあって、かつては網を引き上げる縄が切れそうになり、網が破れんばかりなほど大量の魚の水揚げがあったようで、湖岸に点在するこの四ツ手網小屋は東郷湖の豊かさの象徴なのである。


四ツ手網小屋をくぐる

ゴール!早速後片づけ開始

小屋へ渡るはしけの下をカヌーでくぐり、湖岸沿いに西へしばらく進むとスタートポイントの船着場が見えてくる。防波堤の隙間から葦の生い茂る細い水路を通ってゴール。我が家が普段下る川はもちろん、三瀬谷や青蓮寺などのダム湖とは全く違うのんびりとしたカヌーイングに心が癒されるようなツーリングとなった。朝と同じようにカヌーにカートを取り付けてダッちゃんの待つカズさんちの駐車場へと運び、お宅で着替えさせていただいた後、僕らは東郷湖有数の観光スポットである中国庭園へ。


この灯籠は昔の船着場を照らしていたらしい

ラクチン楽ちん...これから舗装路はコレだな!

後で聞いたカズさん情報によれば、翌日から来年の月曜9時ドラマ『西遊記』の撮影が行われたようで、一日違いでヒロインの深津絵里ちゃんを一目見られたかも知れないと思うと残念無念である(実は東京映画祭で赤絨毯を背中の大きく開いたドレスで歩く姿...セクシーさが売り物じゃない彼女のセクシーな姿を見て以来、ちょっとファンです。うひひ...笑)。


三朝温泉に立ち寄る

ここが源泉その名も『株湯』

渋滞を前に播磨PAの↑で腹ごしらえ。
このイラストがGOOD!

残念ながら庭園を観る時間はなかったけど、併設のレストランで美味しい中華料理を食べて、カズオミン家とはここでお別れ。どんな言葉でも言い表せないほど強烈にお世話になったけど、今度は我が家が紀伊半島でお返ししますぅ〜ってことでカズさん、ミユキちゃん、ヒロちゃんに見送られて東郷湖を後にする。

東郷湖からは美しく紅葉した中国山地の穏やかな山並を眺めつつ三朝温泉へ。東郷温泉&はわい温泉で充分に温泉は堪能したはずだけど、“日本一のラジウム温泉”というキャッチフレーズに惹かれた僕らはやっぱり寄り道。立ち寄り入浴が可能な温泉旅館「花屋別館」の何故か水車がグルグル回る大浴場で、ゆったり過ごし、三朝温泉の源泉その名も「株湯」にも足を運んで 三朝のお湯を満喫したのだった。

以上で今回の鳥取キャラバンの日程は無事終了。Mamaと運転を交代しながら米子道〜中国道とダッちゃんを走らせて自宅へと戻ったのだった。

決して天候に恵まれたわけではなく、三徳山での投入堂登山、鳥取砂丘でのラクダ遊覧と当初の計画が雨で次々とキャンセルになる中、それでも腐ることなくガイドブックに首っ引きで楽しい遊びのアイデアを提案してくれた“我が家の百科事典”Masa、行き当たりばっ旅なのに、ウキャキャキャ!と笑顔で楽しんでくれた“ポジティヴシンキングの権化”Mama&Azu、そして誰よりも何よりも恐縮しちゃうほどの歓待で出迎えて下さった“ワタシマケマシタワ”なカズオミン家の皆さまに感謝したい。

大満足だけど宿題も数多く残した旅でもあったので、また来ます!ってことで。
う〜ん、返すがえすも残念なのは深津絵里ちゃんだぁ...(違うだろ!...笑)

 

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