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June.2005 part.4

 

 

 

 

 6月18-19日 戸隠&白馬大雪渓トレッキング

 

 
白馬大雪渓にて(2日目)

1日目 戸隠トレッキング

ここ3週間ほど、Mamaのご機嫌がかなり斜め...たぶんチャレンジコース39°チョッカッコ〜!ぐらいに斜めである(笑)。その原因はここのところの週末の過ごし方。自分が参加出来なかった大井川&宮川から帰った僕らが最高!を連発するたび、彼女のご機嫌の斜度はどんどん上級者コースになってゆく...要するに彼女は僕らに嫉妬してるというわけである。(涙)。
で、オマエはどこ行きたいねん?と聞けば『戸隠。』とひと言。去年の高千穂以来(...というか、ずっと昔、小学生の頃からなのだそうだ。)、彼女は古事記の世界の虜。高千穂、天河、出雲...神話の世界に登場する場所を巡る旅がしたいのだそうだ。そうは言っても、彼女をこれほど突き動かすものは僕同様に信仰心だけではなく(それも多少はあるかもしれないけど...)、神話で象徴的に描かれている古の人々が畏敬の念を感じたであろう自然を、風を、水を自らの肌で感じたい...そんなスタンスのようである。彼女に影響されて“「日本の神様」がよくわかる本(PHP文庫)”を読破し、八百万神のことなら何でも訊いて!状態になってるMasaも戸隠への旅には大賛成。...ここ数年、我が家の定番となりつつある“神話や歴史を育んだ自然を感じる旅”に出発!である。


朝の高速を疾走する

5:30a.m.に我が家を出る。
ただし、今日は直接戸隠には向かわずに、白馬岳の登山口から白馬大雪渓をトレッキングすることになっている。歴史や神話も興味がなくはないけど、どっちかというと壮大な景色や色とりどりに咲き誇る花々の方がお好みの僕とAzuの希望である。名神から中央道、長野道とノンストップで走り続ける。松本IC付近で左手にそびえるアルプスの山々を見ると中腹までがガスに被われ、どうも景色がイマイチ。ま、梅雨入りしてるんだから雨が降ってないだけマシ。贅沢を言ってはいけないんだけども、こうお天気が良いとついつい欲が出てしまう僕なのであった。そんなわけで豊科ICをそのまま通過し、長野市へ。長野市に入り、善光寺の脇を抜けループライン経由で戸隠へ。

バードラインと合流すると、そこはもう信州の高原!♪緑〜のな〜かを走り抜けてく真っ黒なダッちゃん♪ってわけで、空気までもが淡いグリーンに染まったかのような戸隠の森は紀伊半島ではもう終わってしまった春の色。緑には少しうるさいMamaとAzuが『キレ〜イ!やっぱり木の種類が違うわよねぇ〜!』を連発。9:00に戸隠神社奥社前の駐車場に到着である。

戸隠神社は天照大神が天岩戸に隠れた際、手力男命が投げた天岩戸が落下した場所(神話ではその岩戸が戸隠山になったということになっている)にある。
さっそくダッちゃんの車内で着替えを済ませ、奥社の鳥居へと向かう。
鳥居をくぐると、淡い緑色の中を貫くように真っ直ぐに、本当にまっすぐに伸びる参道が目に入る。参道脇に立つ案内板によれば奥社までは実に1900m!


戸隠に到着、トレッキング開始!

往復3.8kmである!ウへッ!そんなにあるの?1900mあればジェット機が離陸できるんじゃないの?そんな長さの直線である。ま、距離の話をすると凹んでしまうので、このことはAzuにはナイショでスタート(笑)


戸隠神社奥社参道は緑のトンネル

サンショウウオ?を発見!

ところが、素晴らしい森を貫く形で設けられたこの参道の両側は、まさに自然の宝庫。朝一番で参詣者が少ないこともあって、木立のあちこちからカッコウの鳴き声や啄木鳥のタップ音が響き渡り、参道脇には僕らの地方ではあまり見かけない野の花が咲いている。参道両側を流れるせせらぎを覗き込むとヤモリを小さくしたような両生類がチョロチョロ(...たまたま通りがかったオジサンによればサンショウウオの幼態だそうだけど...ホンマかいな?)。そんなわけでAzuも全く飽きずに溌剌と歩いてくれるのが何よりだ。

 


随神門

1500mの直線の先には、とても雰囲気のある門。茅葺屋根には多くの植物が芽吹いて、まるで草原を切り取ったように緑がまぶしい。門をくぐると真っ直ぐに天を突くかのようにそびえる杉木立が林立していて、空気がいかにも神域って感じに変わる。心地よいゾクゾク感とでも言おうか?ある特定の神社でしか感じることのない独特の空気感である。
『なんかさぁ、熊野や屋久島でしか感じたことのない雰囲気よね!』
Mamaは鳥肌が立った腕を組んで、そのゾクゾク感を味わっている感じ。“気”とかに疎い僕でさえも、しっかりビリビリと感じる空気の違い...さすがは戸隠である。
『どうだ、戸隠はやっぱりスゴイか?』
『うん、スゴイわ。アナタも解るでしょ?』
『うん、確かにこれはスゴイ!』


素晴らしい杉並木
ここから凛とした空気に変わる

上:随神門を抜ける
下:奥社に到着

さきほども少し書いたけど、彼女がココに来たかった直接のきっかけは、田口ランディさんのメルマガを読んだことだ。鈴木光司さんやランディさんが天河に負けず劣らず戸隠ってスゴイよね。と語ってるのを読んで、何がそんなにスゴイのか?を自分の目で確かめたくなったのだ。


榁に入ってはしゃぐAzu

寄り道大好き!な子供達

参道で拾った蝶の羽

確かに古事記は神話である。
神話には科学的じゃない部分が多くて、ウソやん、そんなの!って笑っちゃう部分が多いのは確かである。でも、全てがデタラメかと言えば、実はそんなことはなくて、史実に基づいた本当の話なのである。ただし史実をそのまま記録するだけでは芸がないし、時の権力者に不都合な内容は後日抹消される危険をはらんでいる。だから荒唐無稽な“例え話”として文章化され、生々しい人の“生”の部分は象徴化され、所詮は神世のこと、と理解された。だからこそ千年以上の時を経て今も語り継がれているのだ...僕はそう思う。(これはプロレスだとか相撲にも似た部分でもある。その本質を理解せずして八百長だ!スポーツじゃない!とか言う愚かさと同じだな。)
例え話からその本質を読み解く楽しさ、千年以上も語り継がれたからにはハンパじゃない“何か”がそこにある気がするのだ。


戸隠森林植物園へ

湿地帯に伸びる木道

素晴らしい状態の森に目を奪われる

巨木の間を抜け、自然のままに近い石段を上がり、しばらく進むと奥社の本殿が姿を現す。本殿は再建なのか、近年建てられた雰囲気。ただ、その本殿を覆うようにオーバーハングした岩屋が、ここが特別な場所であることを物語っている。『高千穂の天安河原みたいよね。』御意!

奥社とその隣にある九頭龍社に参拝を済ませ、またまた1.9kmを歩いて鳥居まで戻った僕らは、門前の蕎麦屋で蕎麦を食べ、戸隠森林植物園へと進む。
植物園と言う言葉についつい騙されがちだけど、周回路(木道)が整備されてる他は人の手が入らない(...ように見える)休養保護林。


衝立のように根こそぎ倒れた木

満々と水を讃えるみどりが池

湿原を渡る木道を進むと野鳥のさえずりとセミの声で会話が出来ないほどに騒がしい。

『自然度がさらに高い上高地、ってな雰囲気だわね。』
『そうそう、俗なお土産物屋がないのが有難いね。』
ミズバショウの花期が終わった湿原には美しい初夏の花々がまるで宝石を散らしたように点在し、写真では表現しきれない無数の緑色が折り重なるように風に揺れている。
『今の季節も素晴らしいけど、5月のミズバショウも壮観でしょうね。』
『来年はミズバショウの季節に朝一番で来ようね。』
『朝一番じゃ遅いわよ。金曜の夜に家を出て、適当にP泊して、日の出とともに散策開始よ!』
はいはい(涙)


カルガモのヒナが至近距離を泳ぐ

 


戸隠森林植物園


鏡池に映る戸隠連峰

3時間ほど森の中を歩き回って、みどり池、鏡池を見学。その後、戸隠神社中社、宝光社にも参拝。
おっと、Mamaは踊りの神様(正確には舞楽芸能の神様)である火之御子社にも参らないと!
そんなわけで、戸隠神社五社巡り&森林植物園トレッキングはおしまい。
Azuのご機嫌を取るために戸隠牧場へと向かう。


宝光社の長い階段
疲れた足にはちょっとキツイ?

上:鏡池にて
下:中社に参拝

戸隠山、瑪瑙山、黒姫山を一望に出来る戸隠牧場はMasa情報によれば130haという広大な場所。Masaと1ヘクタールって何メートル四方だっけ?などと話しながら牧場の奥に進む。
『ま、130haってのはこういう広さのことだな。』ということで一件落着だ(笑)。

牧草の緑にハルザキヤマガラシの黄色、背景は険しい山容の戸隠山...Azuのご機嫌とりのはずが、ここの素敵なロケーションに僕までもが虜なのである。当然ながらAzuは『うぎゃぁ〜!』と絶叫しながら、たぶん体育の50m走の時の倍のスピードで放牧された馬や牛、そして山羊や兎の元へ駆け寄る。動物たちと戯れてトレッキングの疲れなんて忘れちゃったような笑顔のAzuばかりか、Masaまでもが満面の笑みで山羊に遊んでもらったのだった。


戸隠牧場に到着

ヤギに大人気のMasa

ヤギに背中を向けるのが怖いAzu

うさぎは何故かAzuだけにダッコされる

1時間ほどを牧場で過ごした後、隣接のキャンプ場・村営戸隠キャンプ場(戸隠村は長野市と合併したから市営か?)に入ってみる。ダッちゃんがやってきてからというもの、キャンプ場に入る必要性を全く感じなくなった我が家。天候や体調によって、その場で予定を変更することが多い我が家にとって、予約が必要だったり、時間やルールに縛られるたりするオートキャンプ場は少し鬱陶しく感じ始めてるのだ。


雲間から洩れる一筋の太陽...とても神秘的な光景だ

そんなわけで今夜はその辺の道の駅とかでダッちゃんの2段ベッドでP泊のつもりだったけど、戸隠キャンプ場が空いてて静かな感じだったし予約不要なキャンプ場だったこともあって、『管理人さんが感じ良かったら泊まろう。』(笑)というイイカゲンな判断基準で戸隠キャンプ場の管理棟へ偵察。

おっちゃんが素朴でメチャ感じ良かったし、料金もリーズナブルだったので(笑)、広い敷地に数家族...ほとんど誰もいない芝生のフリーサイトにダッちゃんを入れて、急遽ここに泊まることにする。
日暮れまで響くカッコウの声、時折聞こえる啄木鳥のタップ音(ヒグラシのようにフェイドアウトする感じが物悲しくて、ボーイスカウトキャンプの夏の夕暮れを連想してしまう!)を聞きながら一応タープだけ張って設営完了(明朝は早いので...)。

キャンプが“目的”ではなく、あくまで“手段”である我が家。さぁ、夕食だ!と言ってツーバーナーに火を点すのではなく、ダッちゃんに乗り込んで外食(笑)。特に決めたお店があるわけではないけど、蕎麦屋ばかりで困り果て、飛び込みで洒落たログハウスのピザ&パスタのお店『小鳥の森』に入ったけど、これがもう大正解!


“小鳥の森”で夕食


牧場に隣接する戸隠キャンプ場にて一泊

お料理はもちろん美味しいし、なんと言っても店内にディスプレイされたスノーシューについてご主人に尋ねたら、ついつい話し込んでしまって...ここ戸隠が極上のスノーシューフィールドであることを知って得した気分。
また冬にお邪魔することを約束して『小鳥の森』を後にする。


夜の買い出し。中社前にて

お絵描きAzuと居眠りMama

Masaはここでも卓球のラケットを離さない

テーブルにやってきたクワガタ♀

キャンプサイトに戻るとキャンプ場は漆黒の闇に包まれている。月明かりしかない真っ暗で静かなサイトにテーブルとガダパウトだけを出して、お絵描きを楽しむAzuの隣で夫婦で味わうビ ール...至福の時である。『つくづく良いキャンプ場だよなぁ....』『そうね、なかなかこういうキャンプ場ってないわよね。』...我が家がいっぺんに好きになるキャンプ場。P泊にはない寛ぎ感を満喫できるという意味でキャンプ場利用ってやっぱり良いかも!...そんな思わせてくれる戸隠キャンプ場の静かな夜は更けていくのだった。
グビグビグビ、プハァ〜!最高!

   
戸隠トレッキングで見かけた花々

(クリックすると拡大します)

ラショウモンカヅラ
コンロンソウ
ズダヤクシュ

レンゲツツジ
サイハイラン

マルバアオダモ
クリンソウ
ガクアジサイ

コバイケイソウ
ハルジオン
ハルザキヤマガラシ

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戸隠牧場のハルザキヤマガラシ

 
2日目 白馬大雪渓トレッキングへ

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