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May.2005 part.3
 

 

 

 

 

 

水晶採掘中

 

5月15日 水晶ハンティング!

結婚15周年を“水晶婚”と呼ぶことは、今回の計画がほぼ決まった後に知った。水晶婚ねぇ...自分たちの“今”を見つめた時、ダイヤモンドのように硬くもなく、金のように希少価値があるわけでもない、ただ透明なだけなんだけど何故か魅力のある水晶という鉱物がとても相応しい気がする。
さて、今回のミッションは、以前からNESSYさんとやってみたいね!って話してた“トレジャーハンティング”の第一弾。とにかく何でもかんでも拾ったり捕まえたりが大好きな“狩猟採取”癖がある我が家にとって、このトレジャー(=財宝)ハントって響きは何物にも替え難い魅力を秘めている。特に数年前から隔週刊の『トレジャーストーン』を欠かさず買っている“鉱物博士”Masaにとってはタマラナイはず...でも運悪く彼の中学入学後初めての中間テストの前日。こういう場合、参加を見合わせるのが親の務めなわけで、一旦は当然のように今回のことは彼の耳に入れずにお断りをすることに決めたんだけども、行きたくてしょうがないイケナイ母親が耐え切れずに彼に話してしまったからさぁ、大変(笑)。もちろん、Masaは迷うことなく参加表明し、僕もちょっと迷いながらNESSY親分に家族全員での参加を告げたのだった。


登山口駐車場に到着。その恰好、どこか変だぞ?

そして迎えた今日。
Outbackにトレッキングの装備+スコップ、ハンマー、タガネなどの採掘七つ道具を積み込んで7:30に家を出る。我が家からずっと三桁国道を西へ。新緑が眩しい気持ちの良いワインディングロードを90分で目的の水晶バレイがある登山口に到着だ。(かなりメジャーな場所なのでインターネットで調べればすぐにヒットするんだけど、一応は某所ということで...笑)。

現地集合でNESSY&にしび〜夫妻と待ち合わせることになっているんだけども、約束の時間まで優に1時間はあるので駐車場でウロウロ。
すると徒歩やクルマで次々とやってくる地元のおじさん&おばさんたちが僕らの三重ナンバーを見て笑顔で話し掛けてくる。

普段ならニコニコ笑顔で会話を楽しむところだけど、今日はちょっと緊張する。ここの水晶は採掘禁止ではないものの(崖の崩落を招く可能性もあって)決して地元はウェルカム!なわけではないとの情報があったからだ。『いやぁ〜、水晶採りに来たんですよ〜!』なんてあまり大っぴらに言うのは憚られる気がして曖昧な笑顔を浮かべる僕。盗掘...このふた文字を心に秘めたドキドキ感。パトロールの腕章を着けたおじさんが現れた時はかなりドキリとしたけど、『遠いトコからご苦労さんやねぇ。三重はどこ?ほぉ〜そんなに早く来れるもんかなぁ。』僕の心配をよそにとても良い雰囲気。『水晶、採れるとエエねぇ。ま、危ない場所やから気〜つけてな。』な〜んだ、バレてるのか!(笑)


NESSY&にしび〜夫妻とともに旧登山道へ

とても雰囲気の良い里山を進む

そんな感じで地元の人達数人と会話を楽しんでいると、MTBに乗ったmasaさんご家族が登場。メールで地元にお住まいのmasaさんと予め連絡を取ってたんだけど、実際にお会いして水晶ハンティングのコツを伝授していただく(初対面なのに図々しくてスミマセン!)。間もなくNESSY夫妻のRANGEとにしび〜夫妻のPEUGEOTが到着し、準備が整い次第、いざ水晶バレイへ!

駐車場から旧登山道の標識に沿って気持ちの良い里山を進むと、すぐに水晶バレーの崖が見えてくる。ここで水晶が採れるという予備知識がなく、採掘に関する注意の看板がなければ記憶にも残らないような、な〜んてことのない崖だ。ただ、前に立つと陽光を浴びて地面がキラキラ光っている。その光の正体が微小な水晶片であることが判ると、僕らは蜘蛛の子を散らすようにザックを下ろすのも忘れて崖下に走る。


水晶バレイに到着し全体を見渡す。

採掘を開始するNESSY、にしび〜、かよちゃん

地道に崖下の土を探す者、
大物狙いで崖に登って岩を割る者、
人の目に触れにくい崖の端っこをこっそり探す者、
そのうちNESSYさんとにしび〜のふたりは『ここは俗化してるからダメだよ、他に崖があるはずだ!』などとニヒルな笑いを浮かべてGPSを手に登山道に消える...水晶探しには性格が出ちゃうのである(笑)。
僕は細かな水晶片がキラキラ輝いてる場所の上の崖に大物が隠れているに違いないと考え、ハンマーとタガネを手に水晶の育ちそうな空間がある層に沿って岩を割ってみる。
『あった〜!』
『ゲット!』
しばらくして目が慣れると、次々にそんな景気の良い叫び声が上がる。特に特定の誰かがたくさんというわけではなく、みんなに等しく見つかるのが何より。


Azuは地道に足元の土を探す

そんな感じで家族4人が文字通り目を皿のようにして探し回ること2時間...実はこの水晶バレイはあまりにも有名すぎてそれほど期待してなかったんだけども、小さいながらもかなり素敵な水晶を多数ゲット!(結局、僕が狙った岩の層から水晶が見つかることはなくて、地道に崖下を探した子供達の方が多くゲットした感じだ...涙)


探し始めると、もう言葉もない(カニ喰ってる時と同じ)

僕は岩を割って大物狙い。

家族4人が見つけた水晶をビニール袋に集めると、結構な量。今は赤っぽい土にまみれて貴石ってな感じはないけど、すでに心は家で水洗いしてピカピカに光る水晶を眺めてる自分を想像してニヤニヤ(笑)。
『う〜、早く家に帰って洗いた〜い!』Masaは地団駄踏んでるし(笑)
そうは言っても時刻はすでに12:30。水晶ハンティングに夢中で忘れてたけどお腹も減ったので、下山して近くの農園レストランへ。

 

あったぁ〜!結構大きいのを発見!

採掘を2時間ほど楽しんで笑顔で下山


本日の成果


ちょっと風変わりなこの農園レストラン。徹底したスローフードを実践しているようで、席は空いてるけど、受付を済ませてもすぐには食事を出してくれなくて、『今からお食事の準備しますから、まずは農園内を小一時間散策してからどうぞ。』とのこと。ホントはもう倒れそう!なほど空腹だったけど、ルールに従うしかない雰囲気なので、農園内で飼われてるロバやウサギと戯れ、咲き誇る花を眺めて園内を散歩。


農園レストランに到着

席の準備が整うまでの間、ウサギやロバと戯れる

『おおっ、餌が来たど〜!』『ふんにゃぁ〜ウレシイ!』『ネエチャン、オレにも餌くで〜!』『ワシが先じゃよ〜!』

マジでヘロヘロになってやっとありついたかご盛りランチ&テラスのデザートのセット(合計¥2500)は、正直なところ、へっ?コレ?(これだけ?...少ないゾ!の意味)な内容。普段はあまり食べ物に文句を言わないAzuが『写真と違う!』と暴れ出しそうな雰囲気(笑)。家族でイチマンエンでこれかよっ!ってな気がしなくもないけど、確かに素材本来のの食感と味をこれほど上手く引出した料理はまず出会えないよな、と気を取り直して美味しく戴きました。


あまりにも質素、そして途方もなく豪華

騙されたと思ってこれに¥2500払ってみると...

(*ちなみに農園レストランでは正直ちょっと不満を感じたんだけど、今はヒジョーに満足している。何故なら、帰宅後の夕食でサラダを食べる時に素材の旨味だけで充分に美味しくて、ドレッシングが不要だって感じたのだ!とても不思議な感覚なんだけど、“味覚のリセット”とでも言うのだろうか?そのために時々はあの農園レストランに行きたいと、今では思っている)

レストランでほんとにゆっくりゆったり食事をした(なんと15:30まで!)僕らは、全員でスーパー銭湯に行ってレジャーランド気分でお湯につかり、銭湯の駐車場で解散。往路と同じ道を辿って、2時間足らずで帰宅した次第だ。


農園内には可憐な花が咲き乱れてる

農園が妙に似合うおっさんふたり

家に帰るなり、すぐに水晶を洗う。細かいものは指で、原石は歯ブラシで優しく丹念に洗う。キッチンペーパーで水分を取って乾燥させると、実に美しい輝きを放つ水晶たち。中でも一番カタチの綺麗なものをつまんで電灯に透かしてみる瞬間の満足感ったらない!!
水晶ってのは実はあまり宝石としての価値はなくて、買おうと思えばホントに安価で買えるシロモノなんだけども、自分で探して見つけるヨロコビが、そのままこの水晶の価値となるんじゃないのかな...と思う。これは多少余裕が出来た今、お金にものをいわせて買ってあげるちょっと豪華なダイアモンドよりも、出会って一年目になけなしのバイト代で買ってあげたム−ンスト−ンのリングの方が実は価値があるように...。
ま、とにかく結婚15周年、“水晶婚”の僕らにとっては思い出深い春の一日になったのは間違いない。

『どうだ、中間テストと水晶ハンティング、どっちが大事だ?』と問いかける僕。
『あったりまえだろ!そんな解り切った質問するなよ!Papaらしくないぜ!』そう答えるMasa。

オレもそう思うよ。でも試験勉強しなくていいとは言ってないぜ。

 


僕らは今年で結婚15周年の“水晶婚”。
他人から見れば大したことのない15年なのかもしれないけど、
僕らにとっては、自分で見つけたからこそ価値がある
この水晶のような15年だったように思う。

これがダイアモンドに変わるのか、それとも長石になっちゃうのか
...それはまだ判らないけど。

 

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