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April.2005 part.1
 

  

 

 

 


高圧線の瀬を楽しむ父と娘。気分はベッキ−&ビル・メイスン!

 

4月2-3日 2005カヌー事始めキャンプ(気田川下流部12km)

いよいよ今年もカヌーシーズン到来。ま、カヌーってのは装備さえしっかりすれば一年中楽しめる遊びなわけで、この場合のカヌーシーズンという言葉は、長年カヌーやってるくせにドライスーツさえ持ってない「我が家にとって」という枕詞が付く。我が家にとってのカヌーシーズンとは、川で泳いでも笑っていられるシーズンとほぼ同じ(笑)、つまり3月下旬以降がスタートとなる。
去年のカヌーシーズンは新艇・PATHFINDERの進水式...つまり3艇体制の始まりとともに幕開けしたけれど、今年は去年と全く同じ陣容でのシーズンイン。ただ、今年はカヌーのトランスポーターがLand Rover Discovery=DiscoからDODGE RAM VAN=ダッちゃんへと変更になって、カヌー装備の見直しを始め、河原へのアクセスや行動パターンも去年までとは様変わりし、何かと慣れない準備が大変だ(楽しいけど...)。


3艇積みはこんな感じでテスト済み

今年の初漕ぎは大井川(...の予定)。
去年、桜が満開で最高に素晴らしかったこともあって『来年もここで初漕ぎにしようね!』とtakaboo家と去年から約束してたこともあり、これまで日程の調整をしてきたのだけど、寸前になってtakaboo家のMaakun#bが少林寺拳法の段級審査が日曜に行われることが判明し、試験会場に近い気田川に変更となったのだ。

これを何より喜んだのがMamaとMasa。
『大井川は大好きだけど、風が強かったら最低だもん。その点、気田川はあんまり風が吹かないし...』
うん、確かに気田は支流だし谷が深くて風が弱い気がするよなぁ(*takaさんによれば、『そんなことないですよ。気田も風が強い時もありますよ(苦笑)』だそうだけど)。
何しろダッちゃんでカヌーに行くのは初めてのことなので(当然キャンプも初めて)、いつもみたいに当日の朝ではなく前日からしっかりと準備を始める。

カヌーは予め積み込みのテストを行ったのでスムーズに載せることができたし、カヌー&キャンプの装備も実際に積んでみるとカーゴスペースが1/3余るほど。これまではパズルのように荷物の積み方を考えて、それでもセカンドシートの足元まで荷物で満杯だったのに...さすが “ゴト車”(コマーシャルユース=商用車)ダッちゃんの面目躍如だ。笑っちゃったのは62インチのパドルが余裕で横積みできること!スバラシイ!

『パパ、素朴な疑問なんだけど、ダッちゃんってカヌーやキャンプ専用車でしょ?だったらこういう荷物って積みっ放しでいいんじゃないの?』

えっ?そ、そう言えばそうだな。ってことはお出かけの度に1回1回積んだり降ろしたりしなくて良いってことだよね?スバラシイ!素晴らし過ぎるではないか!!


適当に積んでも余裕たっぷり

(カヌーも積みっ放しにしたいけど、背が高すぎてガレージに入らないので毎回積み降ろしの必要アリ)
そんな感じで、我が家にしては珍しく前夜に準備万端。『何しろ今シーズン初めてなんだし、忘れ物してもしょうがないよね。』そんな気楽な気持ちで早めに床についた僕らだった。

 

1日目 気田川ダウンリバー

5:30起床で、6:15出発は予定通り。去秋の気田川DRの時は6:00に出発して結局15分ほど遅刻したけど、伊勢道〜東名阪がゲートレスでダイレクトに繋がったし、伊勢湾岸道が東名まで完全に開通したこともあってtakaboo家との待ち合わせ時刻9:00よりも1時間近く前に待合せ場所そばのコンビニに到着。気田川まで2時間足らず...名古屋市内を通っていた頃は4時間近く掛かっていただけに、信じられないほど便利になったものだ。
コンビニで買い物を済ませ、クルマに戻るとそこへtakaboo家のMistralが到着。グッドタイミング!takaboo家の買い出しを待って、そのままスタートポイントの秋葉神社下社へ。


秋葉神社下社前の河原に勢揃いしたカヌー

ここでカヌーを下ろし、着替えやダウンリバーの準備を済ませて、お父さん2人はゴール地点・気田川橋までクルマを回送するために2台で出発。

ご存知の通り、ゴールまでの気田川沿いを走るR286は非常に狭い山道。車幅205cm、見やすいけど不用意にデカいドアミラーの両端で255cmもあるダッちゃんでここを走るのは非常に心配だったのは事実。ところが「案ずるより産むが易し」特にストレスもなく、対向も問題なくこなすことができた。
狭い道こそ左ハンドル!...左ハンドルばかり乗り継いで来たMamaがよくそう言ってるけど、確かに左ギリギリにcm単位で寄せることが出来るのが有難い。ゴール地点の気田川橋下の河原への進入路も問題なく入れてホッとしながらMistralをデポしてスタート地点に戻り、スタート準備が整ったのは10:30。


ダッちゃんを鏡にして...

スタート前でゴキゲンの我が家

階段前の側流から水温を確かめながら本流までカヌーをライニングダウンし、4艇のカナディアンカヌー(Old Town Cascade green:takaさん/Apparachian red:Maakunb&Keikoちゃん/Camper olive:Azu&aki/Pathfinder red:Masa&Mama)と1艇のカヤック(Dagger:Shiorin)でダウンリバースタート(11:03a.m.)。

天候は薄曇り、風はほとんどない。気温は10℃を少し上回る程度、ウェットソックス&ウェットブーツで足を覆っているせいか、意外にも水温は身の危険を感じるほどの冷たさではない。

『おい、Masa、お前は今年はまだ泳いでないなぁ。泳ぎたくてウズウズしてるんじゃないの?次の瀬で沈してもいいぞ!』
『勘弁してよぉ〜!』

並んで緩やかな流れに漂いながら、僕とMasaは冗談を言い合う。


カヌー4艇&カヤック1艇でダウンリバースタート

でも実際、Masaは3月に宮川で泳ぎ初めをするのがここ最近の恒例になっているだけにあながち冗談でもないんだけれど(笑)。実際には積極的には泳ぎたくはないけど、やむを得ずなら泳いでもいいかな?程度の水温である。


テトラぎりぎりでクリア

水量は多くなく少なくなく、という感じ。ライニングダウンの心配はなさそうだ。特筆すべきはその水質。ここ何回かは笹濁りの気田川しか下ってなかったので、今日の澄み切った透明感は実に嬉しい。

下社の河原のエイペックスにある瀬を抜け、右岸にある玉砂利の河原が切れると正面にテトラが待ち構える小さな瀬が現れる。バウのAzuがパドルを休めてよそ見をしていたので...
『あ〜タイヘンだぁ〜隠れテトラに吸い寄せられるぅ〜!』と叫びながらひとつだけ飛び出た水面下のテトラに向けて舵をとる。
『わっわっわ...』Azuがパドルをシャカシャカ動かしたのを見届けて、気付かれないように小さくプライ...カヌーはゆっくり向きを変えて隠れテトラすれすれを通過。バホンッ!バウが水面を叩きスプラッシュがAzuの顔を洗う。

『な、Azu、オマエが漕いでくれないと岩にぶつかっちゃうからな。瀬ではちゃんと漕ぐんだぞ。なんたってオマエがこのフネのパイロットなんだから...。』
はい、これで補助エンジンの始動完了!
キャプテンは色々と気遣いが大変なのである(笑)。


いかにも気田川らしい軽快な早瀬

テトラの瀬を過ぎると、気田川は大きく蛇行を繰り返しながらゆったりと流れてゆく。ここからしばらくは人工物がほとんど目に入らない、僕の大好きな区間である。
川幅が広がって流れが緩やかになったと思ったら、すぐに川幅が狭まり、小さな三角波が立つ早瀬。そして早瀬の先には岩壁が立ちはだかって、そこで流れが直角に曲げられる...気田川はこのパターンの繰り返し。


スターンでカヌーを操るママたち

清流に笑顔が浮かぶShiorin

 


ウォーホッホッホッホ!

直角のカーブを越えるたびに振り返って後続のMasa&MamaのPATHの動きを見守るけど、残念ながら(笑)顔が引きつることもなく満面の笑みを浮かべて、そつなくクリアしてしまう。何度か直角のカーブを上手く乗り切った後、Mamaが僕らに近づいてきて笑いながら叫ぶ
『やっぱり気田川はいいわねぇ〜!あんまり漕がなくてもいいし、瀬は易しくて楽しいし。』
せ、瀬が易しいだとぉ!数年前、えっ、気田川行くの?ワタシでも大丈夫かしら?、なんてビビってたのは何処のどなたさんでしたっけ?(笑)
ま、とにかく湖で漕ぐのと同じ“内股シッティングポジション”(しかも今日は斜め座り)のへなちょこ漕ぎで、チョイチョイっとパドルを動かしてるだけのMasa&Mama...完全に自信過剰で気田川をナメきってる2人である。


ガールズは瀬なんてお構いなしでおしゃべり

2艇の母&息子カヌーは順調に漕ぎ進む

右岸を走るR268のガードレ−ルが見えなくなったところで正面に笹合橋の茶色の橋梁が見えてくる(スタートから4km)。
先頭を行くtakaさんが右岸の河原にフネを寄せてカヌーを下りてカメラを構えるのが見える。んん?もしかしてさっき言ってた落ち込みのある瀬?予感は的中、水面下の深いところに大きな岩が沈んでいて50cm程度の落ち込みが出来ている模様。


ヒャァッ!冷たぁ〜い!

最初に僕らが突入。
カメラを意識して(笑)一番波の高いルートを狙って進入したら、どうやら水面下の2つの岩の間を抜けちゃったようで左からの波がボトムを押し上げてカヌーを大きく右に傾ける。Azuの足元からゾバッ!ってな音とともに大量の水がガンネルを越え、たまらずスターンでローブレイス。カヌーのコントロールを邪魔するほどの量じゃなかったけど、あそこでブレースしなかったら水ブネになって、瀞場に進んでから何てことない場所でコテンッ!と沈するパターンだろうな(笑)。


Shiorinをレスキューして左岸に向うCAMPER

続いてカヤックのShiorinが瀬に入ってくる。
右サイドの漕ぎが大きすぎたか?バウが若干左に向いたと思ったら、瀬の一番激しい部分であっという間に真横になって、落ち込みで沈。でも、落着いて沈脱して、裏返しにして浮力を確保したカヤックをビート板のようにして流れてくる。
沈したパドラ−を即刻レスキューすべきか?、それとも写真を撮りながらはやし立てるべきか?(笑)は流れてるパドラ−の目の光を見ればすぐに判断できるんだけど、さすがShiorinは慣れたもの。凛とした表情で冷静な“誇りある”沈脱者の雰囲気なのだ。
ま、さすがによそ様の大切なお嬢さまの沈を写真に収めるのは気が咎めたので、そのままShiorinの流れてくる進路に先回りしてカヤック&Shiorinをキャッチ。Shiorinをガンネルに掴まらせてカヤックをカヌーの上に載せて裏返す“Tレスキュー”で水を抜いてCAMPERのペインターロープに固定した後、Shiorinを僕とAzuの間に乗せて日当たりの良い左岸へと送り届けた。

Shiorinは全然平気で笑顔だったけど、ちょっと寒そうだったので着替えさせ、ちょうどお昼前だったこともあって、ここ笹合橋でランチタイムにすることに。


サボってる間に50cmの落込みに進入して思わずガンネルに掴まる情けないMasa

カヌーの積荷を解いて、河原にTheButonを敷いてどっかりと腰を下ろし、バックパッカ−ズテーブルの上に置いたPRIMUSに火を入れる。鍋の中は九州で買いだめして来たマルタイ棒ラーメン“しょうゆ豚骨味”(笑)。ところが、粉末スープを入れる時点になって、シェラカップ&ロッキーカップをダッちゃんに置いて来てしまったことが判明...たったひとつのシェラカップと鍋のふたつの食器を使って家族4人で食べる羽目になってしまう。
一度に食べようとするとオデコがぶつかるので2交代制(涙)...待切れずMasaがズルをしたりして殺気立つ最悪の雰囲気なのだった。(*takaさんのレポには『...一つの鍋を囲んで仲良く食べている姿は微笑ましいのです。』と書いて頂きましたが、これは大きな誤解です。)


Shiorinのカッコイイ沈を合図にランチ

ラーメンで冷えた身体を暖めるAzu

 



気田川の美しい流れにはオールドタウン・レッドが良く似合う

 

一時間ほどかけてランチを楽しんだ後、午後の部スタート。ShiorinとMaakun#bが交代した他は午前中と変わらない陣容でダウンリバーを続ける。

笹合橋をくぐってカーブを左にとってしばらく進むと、長い早瀬とその先に直角のカーブ、カーブの直前には左岸から大きく倒れ込んだ竹のストレーナー...『笹合の瀬』が現れる。この竹のストレーナーは下るたびにというか、日々刻々と状況が変化するので要注意ポイントなんだけど、先行のtakaさんが右岸にカヌーを寄せて、右岸スレスレを通るように指示してくれて、安全に通過。

笹合の瀬を越えると右手の山に高圧電線の高い鉄塔がそびえ、今回のルートで最大の瀬である『高圧線の瀬』が近づいていることを教えてくれる。緩いS字の淵を漕ぎ進むと目の前に白く波立つ瀬が見える。クルマの回送の際に俯瞰した限りは水量的には問題なさそうだったけど、瀬のエンドで流れが大岩にダイレクトにぶつかっているように見えたので、本流と右岸寄りのエスケープルートの間の中州にカヌーを寄せてtakaさんと僕、そしてMasaの3人でスカウティング。


気田川名物・竹のストレーナーを岸スレスレでかわす

確かに流れは大岩に向けて一直線だけども大岩の直前の水面下に見えない障害物があるのか、流れが大岩の直前で若干弱まっているし、激しい瀬と大岩の間に30mの余裕があって、いつでも左岸寄りのエディをキャッチして逃げることも可能。


高圧線の瀬で満面の笑みを浮かべるAzu

合議の結果、今日の僕らのスキルなら問題なかろうと判断し、レスキューのポジションを決めた上で、全員で本流を下ることにする。

まずは1stレスキューアーのtakaさんが突入。
いつもなら瀬の入口で響き渡るガゴッ!という隠れ岩にボトムを引っ掛ける音もなく、器用に細かく針路を変更し岩を避けながら瀬の本体へ入るtakaさんのCascade。本流の真っ芯を進み大岩の直前で瞬時の体重移動でリーンをかましてクロスでターン。すぐにオンサイドにパドルを移してエディキャッチ、大岩の後ろへとカヌーを滑り込ませる...
パチパチパチ...理想的!ワンダフル!

takaさんがレスキューロープを手に大岩の所定の位置に立ったのを見届けて、上流で待機する女性陣に河原の小石を並べてコースのミニチュアを作ってコース取りをレクチャー。

過度の緊張で手が止まる→横向きになる→大岩とOld TownマークがKiss→水圧が掛かってカヌーがメリメリメリ...バキバキッ!が一番いけないので、横向きにならないようカヌーのバウの向きに注意を払うことを強調。もちろん『いつでも左に逃げられるからね。』とポジティヴな言葉も忘れずに(笑)

次は2ndレスキュアーでもある僕の番。
瀬の直前の静けさ...流れが流芯に集まり始め、流速が徐々に増すと耳元で鳴り始めるヒューという風切音が心地良い。
『谷?山?』Azuは迷わず『山!』と叫ぶ。これは何も暗号ではなくて、スキーのモーグルのように波の間を通る安全策か、それとも波頭をカヌーで潰しながら豪快に飛び跳ねて楽しむかの打ち合わせ(笑)。
『よ〜し、一番高い波ばかり狙おうぜ!』
『ウキャキャキャ』
Azuと作戦会議をしながら瀬の入口の隠れ岩をジグザグに避けつつ本流に入る。本流は右岸スレスレにあって右オンサイドの僕には少し窮屈だけど、細かくバウを振って高い波頭を縫うように進む。センター寄りのソロポジションのように自由自在という感覚には程遠いけど、パドルと腰、そして波のパワーを借りて自分の前に3m以上伸びる船体を強引に振りまわす快感はタンデムならでは。


Mama&Masaは手堅いコース取り

早めのエディイン(早すぎ...)

ウッホッホ〜イ!キャッキャキャ!
動物園の猿の親子と化した僕らは大岩直前の波をバウで叩いた後、左のエディへ。河原にカヌーを上げて、打ち合わせ通り左岸の先端でスローロープ片手に後続を待つ。
カヤックのMaakun#bは余裕の表情でのんびり瀬に入り、肝心の部分で大きく数回漕いでクリア。
Keikoちゃん&Shiorinはタンデムのお手本のようにShiorinがクロスドロー、Keikoちゃんが大きくスイープでエディイン。
Mama&Masaは相変わらずナメたヘナチョコ漕ぎで『危ないのヤだもんねぇ〜』とばかりに本流を斜めに横切って左岸のエディに一直線(涙)。それぞれがそれぞれの技量に応じたスタイルで『高圧線の瀬』を漕ぎ抜けたのだった。

メインイベント(笑)の高圧線の瀬を越えると、あとはオーラスの瀬まで特に大きな瀬もない。
僭越ながら先頭を漕いでいると、目前に本流を跨ぐように倒れこんでいる竹が見えてくる。あぁ、さっきクルマから見えてたのはココだったんだな、それなら右手に細いけど何とか通れる分流があるはず...やっぱりあったな。ってことで、見た目よりも危険な竹のストレーナーを避けて右の分流に進む。
それなりに浅いザラ瀬を進むと流れが岸壁にぶつかって盛大な返し波が盛り上がってる状況。特に難しい印象はなかったけど、何となくワクワクするような楽しい胸騒ぎがあった(笑)のと、後ろを振り返ると後続がかなり離れているのが見えたので、カヌーを河原に上げてカメラを構えながら後続を待つことにする。


気田川をナメてるふたりは、何てことない瀬の返し波に乗り上げて沈!

二番手はMama&Masa。すでに瀬に進入してるというのに、バウのMasaはパドルを止めてMamaの方を振り返り、何やらお喋りに夢中で川をあまり見てない感じ。しかも僕の姿を見つけて笑顔で手を振ってたりして...岸壁が近づき、いよいよパドルを手にして正面の注視するふたり。『サン、ニ〜、イチ、それっ!』何の掛け声かと思ったら、ふたり揃ってプライを入れてターンの動作を開始する合図(笑)。どうも“サン”のタイミングでパドルを入れないと曲がんない気がするのですが...僕の思ったとおりカヌーは曲がらず、しかも早々に曲げるのを諦めて、パドルをアウトサイドに突き立ててインサイドにリーンさせつつ笑顔で衝撃吸収ポーズ。バカ!それするとパドルのチップが痛むだろうが!(笑)。

返し波を利用してぶつからずにクリアする...ま、確かに水の流れを良く観察してないと出来ないし、最小限の労力で済む方法なんだろうけど、カヌーイストとしては下の下のテクニックですな。
ところが!返し波の盛り上がりが想像以上に高さがあって、しかも“内股シッティングポジション”で艇と身体が一体化してない二人。体重をインサイドに掛けてる時にアウトサイドを波に突き上げられたら...まるで大木が切り倒される瞬間のように、ゆっくりじっくりとカヌーが傾いて、Masaの叩きつけるようなブレイス3回も空しく沈!ホレホレ、川をナメてるとこうなっちゃうのよ、という人生訓のような粗沈である(笑)。それぞれ片手にパドルを握り締め、顔を見合わせて大笑いしながら流れる2人。
『ワハッ!ウプ、ワハハハ!ウプ、ワハハハ』
口が水に没する度に笑い声が途切れるのがメチャ可笑しい。


『あっはっは...何で沈したんだろ?』

『寒くないかぁ?(爆笑)』『ダイジョーブ!大丈夫!』ま、あの笑顔なら大したことはないな、そう判断してパドリングプルオ−バ−を風船のように膨らませながら『何で、沈したんだろ〜!』とゴキゲンで流れるふたりからカヌーを受け取る僕。ところが!『あっあぁぁぁ〜...』想像以上の流れでカヌーに引きずられて、その場で転倒!カヌーに掴まったまま2つ目の小さな瀬に突入し、僕まで2005年初泳ぎになってしまった。(普段ならペインターロープを掴んで岸に引き上げるのに、今日はハル(船体)を持ったのがいけなかったみたい...涙)今年はなるべく暖かくなるまで泳がないつもりだったのに...我が家は桜が咲く前に川で泳ぐ運命のようである(笑)


岩場に咲く可憐な花

予想外の沈を楽しんだ僕らは、岩場に咲く可憐な花を楽しんだり川を渡る野鳥を観察したりしながら砂利採取場の長い早瀬を抜ける。緩やかなカーブをとって(但し、この辺りからは人工護岸の割合が増えるので、流れが不規則になるので注意が必要)、視界が開けると、正面に松間橋(10kmポイント)が見えてくる。
『そろそろ来るよ!』僕はMama&Masaに注意を促す。何が来るって?風である。ここからピンボールの瀬までは風の通り道になっているので、いつでも強風に悩まされる区間である。でも、間もなくゴールだし、最後にお楽しみのオーラスの瀬が待っているということで、みんな頑張って漕ぐ...というか、気田川はここまで、さほど漕がなくても川の流れが運んでくれるので、ここが初めてのパドリングポイントみたいなもんなんだけどね。

バウのAzuとともに断崖に咲く椿の花がポチッ!と水面に落ちる“あはれ”を愛でつつ、松間橋下流の浅くフラットな水面を進むと気田川は最後の大屈曲を迎える。
大きく右にカーブした先には通称・ピンボールの瀬。決して大きな瀬ではないけど、水面に50cm大の岩が無数に点在し、それを避けて進むのにはかなり丁寧なパドルワークが必要。万一操船を誤って岩に乗り上げると、“水上スタック”が待っている。浅瀬ならともかく、1m近い水深でかなりの流速があるこの瀬の中でカヌーから降りることはまず無理なので、隠れ岩に乗っかったまま身動きできずに途方に暮れるしかない。(実際、去年アキヒロさんがそのパターンで15分以上動けなかったことがあった)しかも岩が小さいだけに増水のたびに岩の位置が変化し、これぞ定番!というコース取りがない...そういう意味ではピンボールというよりも新台入替の度に釘を打ち変えるパチンコ台の趣きがあるのかな?(笑)


カヌーイストにとって父と息子の理想ですな...

今回はピンボールの瀬が一番面白かったかも?

今日は水量がまずまずあるのでごく小さな岩は水面下に没していて、ピンボールっぽくないけど、ヘナチョコ漕ぎのMama艇はほぼ100%の確率でスタック、あるいは乗り上げて沈して僕に助けを請うに違いないので、ピンボールの瀬本流はtakaさんと僕の2艇だけがチャレンジし、他の3艇は右手のエスケープルートを進むように指示する。

まずは僕&AzuのCAMPERがスタート。う〜ん、ピンボールじゃない!瀬に入ってすぐの印象。パチンコ台で言うところの釘は全然顔を出してなくて、台の中央など数カ所に開く“チューリップ”の上を水流が乗り越えてる感じ(笑)。バホン!バホン!Azuが乗ってる比較的重いバウを軽々と持ち上げる波を越え、着水する音だけが響く。『ヒャッ!ヒャッ!』着水の度にAzuがスプラッシュのカーテンに包まれ、その飛沫が僕の顔を濡らす。

瀬の途中で岩を避けて急激に右ターン!バホン!バホン!面白れぇ〜!『お〜い、大丈夫だぞ〜!お前達もこっちを下れよぉ〜!』浅い分流を苦労しながらライニングダウンしてる女性陣にこの面白さを伝えようと叫ぶけど、瀬音にかき消されて声は全く届かないようだ。
続いてtakaさんもスタート。おおっ!跳ねてる跳ねてる!まるで離陸直前のジェット機のように、前半分を空に向けて突き出して緑のCascadeが宙に舞う。僕のそばまで下ってきたtakaさん。『もしかして、ここが一番面白いかも!』僕以上にWW(ホワイトウォーター)志向のtakaさんは嬉しそう(笑)。
『何よ、自分達だけ楽しんで!一度沈したらもう二度も三度も同じで何も怖くないわよ!ワタシも下りたかったのにぃ〜!』Mamaは本気で悔しそう。

そんな感じでピンボールの瀬をクリアすると、残るはキャンプ場前のオーラスの瀬のみ。初めてここを下った時は1m以上の段差があって、なるほど正真正銘Class2の瀬だなぁって感じたけれど、その後の増水で川床の状態が変わってからは流れがストレートになってかなり迫力が削がれてしまった。今やClass1なんて言ったらWW派の人達に笑われちゃうようなショボショボの瀬と化している。もはやスカウティングの必要なしってことでコースのチェックもなしで全員で一度に飛び込む。ジャバジャバジャバ...でオシマイ。

『な〜に?もう終わり?せっかく膝立ちして備えたのに!』とMama。あ、あんたねぇ、これまでずっとシートにどっかり座ったままで漕いで来たわけ?(笑)ある意味、それはそれで凄いことかも...


ゴール!美しい花!(対岸の山桜がね...笑)

オーラスを越えると左手に広い河原が広がり、その先に赤い吊り橋...気田川橋の優美な姿が現れる。正面の急峻な岸壁には細い山桜がほぼ満開に咲き誇っている。左岸の河原にはtakaさんちのMistral。ゴールポイントである。(ここが気田川最後の河原で、その先は天竜川なのだ。)
『お疲れさまぁ〜!』2回延べ3人の沈と楽しい思い出を残して、スタートからちょうど12km、約4時間で気田川橋にゴール!(15:03)カヌーを河原に上げて山桜をバックに記念写真を撮る。みんな満面の笑み...それを見るだけでそれぞれにとって、とってもイイ川下りだったことが判る。



ダッちゃんにカヌーを積込む

ダッちゃんで気田川橋を渡る。ギリギリ!

ゆっくり休む間もなく、パパふたりは後片付けに取りかかる女性陣や子供を残して、スタートポイントへダッちゃんを取りに向かう。そのまま再びゴールに戻ってダッちゃんにカヌーを積込んでスタートポイントの下社前へ。


R268をゆくダッちゃん。対向はできないね。

『わぁ〜信じられない。よくこんな細い道をダッちゃんで走るわねぇ。私にはどう見ても ダッちゃんの両側がガードレールに擦れてるように思えるんだけど。』いやいや、実は運転してるオレにもそんな気がしてしょうがないんだけど...なんてこと言うと同乗者に恐怖感を与えるので、アハハハ...と力なく笑って誤魔化す(笑)。

下社に到着した僕らは、またまた休む間もなく今夜のキャンプサイトの設営に取りかかる。(昼間に目一杯遊ぶと夕方が忙しい。これはカヌーイストの宿命か?)ダッちゃんでの初めてのキャンプだけに、いくらカーキャンプとは言えレイアウトするのが大変だ。もちろん、ダッちゃんを購入する時にアレコレ想像を巡らせて、だいたいの配置や道具の選択は頭の中では出来上がっているので、そのひとつひとつを検証しながら組み上げてゆく作業はとても楽しいんだけど。

カシ−タはサイドオーニングが装備されていたけれど、ダッちゃんには敢えて付けなかった。我が家のキャンプはキャンプそのものを楽しむキャンプではなく野遊びの手段としてのキャンプなわけで、サイトから出たり入ったりすることが多い。ダッちゃんを文字通りサイトに“縛り付ける”ことになるサイドオーニングなんて全くナンセンス。
そんなわけで、まずはレクタングラータ−プをハトメひとつぶん残して自立させ、そこにダッちゃんを横付けし、ハトメひとつぶんのヒラヒラをダッちゃんのレインガーターにラバーベルト&フックで引っ掛けることで代用することにする。今日使ったのはsnowpeakの旧々モデル(ベージュ3m×5m)だけど、ダッちゃんに取り付けたフックの幅は4m以上あるので、次回は旧モデル(ベージュにレッドの縁取り4.3m×5.5m)を使った方が良さそうだ。


タ−プを張り終えると雨が落ちて来た

まぁ、だいたい目論み通りのセッティングが終わり、キャンプサイトらしくなったのは薄暗くなり始めた18:00前。タ−プを張り終えたのと時を同じくして雨が降り始める。何と言うタイミング!一応は夕食の材料も持参しているけど、沈して冷えきった身体をお風呂に入って暖めたいし、これから夕食の準備を始めるってのもなぁ...ってことで外食決定!まずはお風呂ってことで、気田川上流にある『花梨の里』へ。
営業してるのかなぁ?と、ちょっと不安だったけど、運良く全面泡風呂♪のお風呂に入ることが出来て心も身体もホカホカになった僕らは、そのまま気田川沿いにある炭焼きピザのログハウスへ。1日を川で過ごすと、背もたれのある椅子、電灯の灯り、流れる音楽...そういう普段は気にも留めないものに深く感動を覚えるもの。『あ〜文明は素晴らしい!科学っていいなぁ〜!』椅子の背もたれをナデナデしながらついそう呟いてしまう僕だ(笑)。
大袈裟ではなく、どうしてこんな場所にこんな味が?とオーパーツな感覚(笑)を覚えるような美味しいパスタ&ピザをお腹一杯食べてすっかり豊かな気持ちになった僕らは、天狗広場そばのコンビニでお酒を買い足してキャンプサイトに戻る。



大雨だとタ−プの下がさらに居心地良く感じる

ユニセラの火熾し担当のMamaたち

サイコロステーキを焼いて、幸せな夜

taka家の暖ちゃん(カセットガスストーブ)初登場!

カードに興じる子供達の隣で大人だけの二次会開始。
テーブルの上に置いたユニセラで暖をとりながらサイコロステーキやウィンナーを焼きつつ戴くビールの旨いこと!飲んべえのtakaさん&Mamaはさっさと隣に並んで先月僕らが白川郷で買って来たにごり酒をぐいぐい...(笑)
例によって焚き火トークならぬ炭火トークの内容は他言無用だけど、マジネタ&シモネタ硬軟とりまぜまぜで、大いに盛り上がった夜。(途中でpaddler7さんの乱入もあったしね...笑)ほとんど貸切り状態のキャンプサイトで夜遅くまで話が尽きることはなかった。

 


 


雨上がりの朝

 

2日目 観光客モード(秋葉神社巡り)

目覚めて目を開くと、目の前に見慣れない風景が広がっている。ん?一瞬ここはどこ?ワタシは誰?な感覚になって頭が少し混乱する。あぁ、そうだ、ここはダッちゃんの中だ。運転席と居住空間を仕切るスクリーンを開けると、眩しい陽光が車内に射し込む。ホワイトアウトから一拍おいて目の絞りが機能し、まるでTVの画面のように気田川の広々とした河原がフロントガラス越しに広がっているのが見え始める。

ダッちゃんは厳密にはキャンピングカーじゃないけれど、キャンピングカーの愉しみは、この目覚めの瞬間に味わうある種の驚きなのではないかと思うのだ。大自然に抱かれて目覚めた朝、窓のスクリーンを開くと初めて見る光景が広がっている。その余韻を残したまま、すぐに次なる未知の土地に向けて走り出す自由自在な感覚...この感覚をいつでも自由に味わい、時間に制約されることなく、真の意味でのプライベートな旅を作り上げる。ガイドブックには決して載ることがないローカルで飾り気のない時間。これが僕のとっての「旅」の定義である。“予定は未定”“トラブルはトラベルのスパイス” ダッちゃんにカヌーを積んで東へ西へ。山を歩き、川で泳ぎ、海で獲物を捕らえる...旅先の自然を深く味わことでしか見えないものが絶対ある!僕はそう思うのだ。


朝のtakabooサイト

Maakun#bは少林寺の段級試験へ出発。

さて、ご高説はともかく(笑)、ダッちゃんの寝心地はかなり良い感じだ。寒がりのMamaは深夜に寒さを覚えて一度目が覚めたみたいだけど、これはフロントのスクリーンを下ろし忘れてたから。ダッちゃんの室内は幅1..9m×長さ3.6mの4畳半と同じ面積(走る四畳半!...笑)。でもスクリーンを下ろして区切った居住スペース(運転席スペースを除く)は幅1..9m×長さ2.8mだから面積は3.3畳ぶんなわけで、ここに4人寝てたらそりゃ暖かいわな(笑)


サイトに図々しい鳩吉登場!

走る物干台

サイドウィンドから外を覗くと、takaboo家が朝食の準備中。これからtakaさんはMaakun#bを少林寺拳法の段級審査の会場へ送ってゆくのだ。みんなで朝食を済ませ、凛々しい胴着姿のMaakun#bとAzuの記念写真を撮ってもらって、takaさん&Maakun#bを見送った後、残りのメンバーはポカポカ陽気のキャンプサイトでのんびりとお喋りを楽しむ。
takaさんたちが居ない間に近辺の観光スポットを巡ろうか?というアイデアもあったけど、タープの下のガタバウトチェアに腰を下ろし、お決まりのリラックスポジションで春の景色を眺めつつのんびりしてしまったらもう動くのが億劫に(笑)。河原にキャンプやカヌーの道具を並べて虫干ししたり、図々しくサイトの中に入って来て歩き回る鳩(「鳩吉」と命名)と戯れたりしてる間に、そのままあっという間に正午になってしまう。


好天に思わず装備の虫干し

無事、審査に合格して戻ってきたMaakun#bをみんなでお祝いしてから撤収開始。カーゴスペースが広大ってのはこんなに撤収も楽なわけ?と驚きの30分で撤収完了だ。出発の準備が整ったところで、『さて、今日はどうする?』(笑)


秋葉神社下社にお詣り

実はこの気田川にはこれまで何度も遊ばせてもらっている僕らだけど、天狗さんの神社である秋葉神社に一度もおまいりしたことがない。いつも一度はお参りしなきゃなぁって思いながらも何かと遊びに忙しくて、帰り際に『天狗さん、ごめんなさい!』なんてお詫びの言葉を呟きながら帰ってたので、今日はキャンプサイトの前にある下社とその後にそびえる秋葉山の山頂に鎮座する上社にお参りすることにする(林道からの眺めがスバラシイらしいし)。

まずはクルマをそのままサイトに残して徒歩で下社へ。石段を登ってお社にお参りし、一応今年僕は前厄なので天狗さんの絵馬を奉納(笑)。
下社に参詣したあとは、再びキャンプサイトに戻り、それぞれのクルマに乗って、次なる目的地・秋葉神社上社に向かう。

すでにお昼を過ぎているので、途中のお店で弁当でも買ってスーパー林道天竜線の眺望が良い場所で食べようか?なんて意見もあったけど、気田川に架かる秋葉橋を渡ったところにある「街道一うまい蕎麦」屋さんに引き寄せられるように入ってしまう僕らだ。蕎麦は石臼でひいた粉を使った十割の手打ち蕎麦...うまい!...って“うどん文化圏”の僕には蕎麦の味は良く判らないんだけども(笑)


天狗広場にて

デカい天狗さんの下で

林道を疾走するミストラル

天狗広場の少し先を左折してスーパー林道に進むけど、途中で土砂崩れ通行止の表示があり、先に進めないことが判明。運良くダッちゃんでもUターンできて良かったぁ!
元来た道を折り返すんだけど、せっかくだからってことで天狗広場に寄り道してみる。高さ8m幅6m、鼻の長さは実に4mもあるという巨大な天狗のお面はバカバカしいほどの大きさ。何となく赤いカヌーをルーフに載せたダッちゃんのフェイスと何かしら類似性を感じた僕は、天狗の前にダッちゃんを停めて記念撮影。向きを変えてもう一枚撮ろうと思ったけど、大人気ないので止めた(笑)
再び秋葉橋を渡り、下社前を通り過ぎて気田川の右岸沿いのR268を下る。気田川橋を通り過ぎ、とても細い道を道なりに進むと天竜市.雲名(うんな)へ。ここからはいよいよスーパー林道の始まりだ。

正直なところ、ここにこれほど高規格の林道(林道と呼ぶこと自体が憚られるような、まさに快適なドライブ専用道路)を造成する必要性の是非はともかく、ダッちゃんでも余裕で走れるのは非常にありがたい。20分ほど走って秋葉神社上社に到着。

広大な駐車場にクルマを停め、大鳥居をくぐって参道を歩く。気軽な気持ちで歩き始めたけど、実は大鳥居から本殿までは急な階段を500m歩く必要がある。今日はみんな元気だからいいけど、疲れきった時ならちょっと辛いかな?
でも、標高800mを超える参道からの眺めは素晴らしく、木立の隙間から気田川を眺望することができる。『あっ、あの橋は笹合橋じゃない?その手前の白い波立ってるところってShiorinが沈した瀬だ!』そんな風にお喋りを楽しみながら上社に参詣して駐車場に戻ると、時計の針は早くも16:00前。そろそろ帰らなくちゃ!
スーパー林道を下り、天竜川沿いにR152を天竜市内へ。レトロな鹿島橋を渡るといよいよtakaboo家とお別れポイントだ。窓を開け手を振りまくってるとあっけなくtakaboo家のMistralが見えなくなる。ちょっと寂しい瞬間。


秋葉神社上社にお詣り

浜松ICから東名高速へ入った僕らは夕陽に向って西を目指す。クルーズコントロールを60マイルにセットし、後は大きなキャプテンシートに身を委ね、腕をひじ掛けに預けて手をステアリングに添えているだけ。大排気量V8独特のドロドロ〜ってなエンジン音が疲れた身体に心地よい。やはりダッちゃんは気田川沿いの山坂道なんかよりも、高速をこんな感じで中速で流すのが一番似合ってる。


無気味な雲に覆われる伊勢湾岸道

『それにしてもツイてたね。』
『ダウンリバーはあんまり風吹かなかったし。』
『タ−プ張った途端に雨が降り出したし。』
『花梨の里はお風呂を沸かしたのは今週は昨日だけだったんだって!』
『限定6枚の炭焼きピザも食べられたし。』
『今日の蕎麦もオレたちの次のお客は蕎麦が売り切れだったんだぜ!』
『でも、今日のこの天気はちょっと惜しい気がするな。』
『何言ってるのよ!贅沢言っちゃダメよ!』

そんな時、Azuのメル友・九州じいちゃんからメール。「今日はキャンプですか?天候の急変に注意して下さい。」ん?天候の急変?そう言えばさっきからハイウェイラジオの看板に“気象情報”って文字が...

『まさか今日は雨は降らないだろう?あははは...』ところがドッコイ!(笑)伊勢湾岸道で三重県に入った途端、激しい雷雨...ハザードを点けないと危険を感じるほどだ。
『それにしてもツイてたね。』『こんなことってあるのね...』
僕らは気田川の天狗の神様に感謝しながら、数秒おきに光る大迫力の稲妻を飽きずに眺めつつ家路を急ぐのだった。

 


上社の参道から望む気田川。ランチポイントの笹合橋が見える

 

April.2005 MENU
 

 

 

 

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