【宮川がきれいなわけ】

仮説その2 「下水道の普及が進んでいる」

 

仮説その2.の結論3.に注目し、流域人口が多いのに水質が良いのは、きっと下水道の普及が進んでいるからだと考えました。それぞれの川の流域の下水道普及率を調べてみようと思いましたが、流域と市町村の境界が一致しないので、資料から正しい数字を導き出すことが出来ないません。そこで、おおまかに県別の数字で推測することにしました。その結果は下の表4です。

表4

県 名
河川名
下水道普及率
全国順位
神奈川
鶴見川

93.5%

2
大阪
大和川

87.2%

3
北海道
後志利別川

85.8%

5
奈良
大和川

64.2%

14
愛知
豊 川

61.0%

17
福井
北 川

59.4%

19
新潟
姫川

53.4%

22
大分
大野川

38.3%

39
三重
宮 川

33.9%

42

平成16年3月31日現在

仮説とは違って、水質ランク上位の川が流れる中だけでなく、ワースト1位の神奈川、奈良、大阪、を含めても宮川のある三重県は下水道の普及率がこの中で最下位であることが判りました。
また下水道普及率の最下位は徳島、続いて低い順に和歌山、高知、島根と続くのですが、それぞれ吉野川(徳島)、古座川、日置川(和歌山)、四万十川、仁淀川(高知)、江の川(島根)と有名な清流がある県ほど下水道の普及率が低いことが判りました。
このことから、宮川と大野川を始め、有名な清流には何か特別な原因があって水がきれいに保たれていて、下水道の必要性が低いことから普及が遅れているのではないか、と考え、新しい仮説を立てて検証してみました。

【このページの結論】

1.北海道、福井、新潟の川は流域人口が少ない上に下水道の普及が進んでいるから川がきれい。

2.神奈川、大阪、奈良は下水道の効果を上回るほど人口が多いから川が汚れている。

3.愛知の豊川は人口は多いけれど、下水道の効果があって川がきれい。

4.宮川、大野川は人口も多く下水道も普及していないのに川がきれい。