【宮川がきれいなわけ】 
仮説その1「川の流域の人口が少ない」

宮川に遊びに行くと、僕の住む町よりも家が少ないように思います。特に僕がよくカヌーで川下りをする大台町から度会町の中流域は川から家がほとんど見えないです。これまでに下った長良川はずっと川岸に家が立ち並んでいますし、最後の清流と呼ばれる四国の四万十川や仁淀川も宮川よりもずっと家が多いように思います。逆に時々遊ぶ海山町の銚子川や和歌山県の古座川、日置川は2級河川なので、この水質調査には含まれませんが、ほとんど家がなくて宮川よりもさらにきれいだと思います。そこで川の流域の人口が少ないことで川をきれいに保たれているのではないかと仮説をたて、それぞれの川を比較してみることにしました。人が多いか少ないかは流域面積によって違いがあって、単純に流域内人口の数だけでは比較出来ないと思うので、流域の人口密度を計算したのが下の表3です。

 

表3
河川名
県名
長さ
流域面積
流域内人口
kuあたりの人口
宮 川
三重

91km

920km2

140,000人

152.1人

後志利別川
北海道

80km

720km2

16,000人

22.2人

尻別川
北海道

126km

1.640km2

38,000人

23.1人

大野川
大分

107km

1,465km2

206,818人

141.1人

十勝川
北海道

156km

9,010km2

340,000人

37.7人

姫 川
新潟

60km

721km2

20,000人

27.7人

荒 川
新潟

73km

1,147km2

40,000人

34.8人

豊 川
愛知

77km

724km2

210,000人

290.0人

北 川
福井

30km

215km2

21,389人

99.6人


2004,2003のワースト1の川
大和川
奈良大阪

*168km

396km2

2.150.000人

5429.2人

鶴見川
神奈川

42km

235km2

1.840.000人

7829.7人

*1淀川全体の長さ

この表からわかるのは、やはり人口が少ない川はきれいで、人口が多い川は汚れていることです。北海道の後志利別川流域には神奈川の鶴見川の実に1/352倍しか人が住んでいないのですからきれいに保たれているのは当然のことです。こうしたことから、北海道の川がきれいなのは人が少ないからと考えて良いのかもしれません。
ただ、少し気になるのは、いつも1位か2位になっている宮川が他の川に比べて決して人が少ないというわけではないということです。上位5位の中では豊川に次いで人口が多い川なのに、なぜ水質が良いのか?について、また次の仮説を立てて考えてみることにしました。

【このページの結論】

1.流域人口の少ない川はだいたい水質が良い。

2.流域人口が多い川は水質が悪いことが多い。

3.流域人口が多くても水質が良くなって来ている川がある。