CHAPTER 13

6月6日 怒淘の薪拾い、始まる! 森に入って森林浴がてら薪拾い...じゃ済まない「生活のための」薪拾い。いくら小さなストーブだとはいっても膨大な量の薪が必要なのだ。5/24.25にも書いたように森林組合のNさんが自ら場所を案内して頂けるということなので、友人U(山生まれ、山育ち。ログビルダーに弟子入りしたり炭を焼いたりとその道の「セミ」プロ)に助っ人を頼んでユニック付き2tトラック&2tダンプに分乗して3人で出発!林道を自宅から45分ほど走って現場に到着。おおっ!確かに薪の山だ!
チェーンソー(以下=CS)でログを刻んでたUはともかく僕はCS初心者(電気式しか使ったことがない)。Nさんに使い方からメンテナンスまでをレクチャーしてもらう。メンテは実際に使いながら教えてもらえるのですぐに飲み込めたけど、使い方はやはり慣れるしかなさそう。

伐採済み広葉樹の山

チェーンソーのプロ、Nさん
「CS講座」のあとは早速実技(笑)直径1mは大袈裟にしても70cm超の丸太がゴロゴロ。ここにあるのは全て組合が依頼を受けて伐採したものばかりなので僕らが有効利用しないと産業廃棄物として燃やされる運命にある丸太たちなのだ。ゴミとして焼却されるか、家族の心と体を暖めながら愛でるように燃やされるか、同じ燃え尽きるにしても大きな違いなんじゃないかな。なんて木の気持ちになったりして...。
しかしこれを玉切りしてトラックに積込むのはそんな感傷的な気持ちでいられるほど甘くはない。クレーンオペレータの資格を持つ僕が枝に埋もれてる丸太をユニックでゴリゴリズリズリ引っぱり出して、それをNさんが玉切り。人間の腰ぐらいまでの太さのものはUが次々に薪ストーブのサイズである45cm以下に切り揃えてゆく。プロとセミプロの2人の活躍で昼食をはさんで約3時間で2台の2tトラック満載の薪を積込むことができた。

直径70cm超の薪!

Nさんの土地に置かせてもらう
気持ちの良い汗を流した後は沢水を直接ゴクゴクと飲んでひと休み。自宅にはまだ薪小屋が出来てないし、これだけの量を保管する場所もないので、とりあえず自宅から15分ほどのところにあるNさんの山小屋予定地に置かせてもらうことにした。ここなら「仕事が終わってからちょっと薪割り」が可能な距離で有難いのだ。それにしてもNさんの土地は元は桑畑だった平坦地500坪、占有可能な1000坪の雑木林に囲まれた素晴らしい場所だ。こんな所にログハウスを建てられたら毎日がキャンプのようだろうなぁ、なんて憧れてしまった。(僕の会社まで20分以内だし)薪はNさんが知人から引き取ったという少女のブロンズ像(!)の前に山積みしてあるのでこれから暇さえあればここに通うことになりそうだ。
「これだけじゃ、2ヶ月分あるかないかだなぁ...」Nさんのそんな呟きに恐れおののきながらも、何となくわくわくした気持ちになるのは何故だろう。自分の腕一本で家族を暖めなきゃならない!という責任感と俺が家族を守ってるんだ!っていうえも言われぬ喜びなのかなぁ、なんてお父さんらしいこと考えたりして...。

 


 

 

6月8日 最後の仕上げ? 先週木工事が終わってからは毎日のように設備関係の運び込み、設置が続いている。まずはタイル屋さんが、キッチンの壁面に白いタイルを貼りにやってきた。白いタイルにブラックの目地を入れてキッチンは完成だ。う〜ん、イメージ通りだ!続いて電気工事。全てのコンセントを取り付けた後は5

ケ所の換気扇、2階の照明器具の取り付けが夕方までに終わった。照明器具については正直言って僕のセンスは悪かった。Mamaの選んだものだけが妙にインテリアにマッチしてる。ま、覆水盆にかえらず。後悔先に立たずって言うからね。諦めよう...(涙)。そういえば昨日までに洗面台やトイレの設置も昼までに終わってたな。そして外では水道工事、排水工事も完了。これでほぼ住める状態になったんだなあって感慨ひとしお。
夜に届いた外構工事の見積もりは全てアンティークレンガを使ったのにしては納得できる金額。いつも僕と一緒に仕事してるTさんのことだから原価ギリギリなんだろうけど、払えるかどうか心配なので返事はとりあえず引き渡しが済んでからってことにしてもらった。
夕方監督さんから電話。「今週末に完成展示会をさせてもらって来週前半に内装の塗装、薪ストーブの設置をする予定です。たぶん来週末には引き渡し出来ると思いますよ。」そんな言葉を聞くと靴箱作りもピッチが上がる(笑)昨日の棚の取付完了に続いて、今日は扉を2枚作った。これで天板を乗せて扉をあと一枚作って蝶番で本体にとりつければ構想1日、製作10日、材料費1250円(笑)念願の自作家具第一号の完成だ。

 


 

6月10日 トユがついた 今日は雨樋の設置。これまでは雨が降るたびポタポタ雨垂れの音がしてたけど、もうそんな心配もないのだ。それにともなって外部の水道や下水道も完成。つまり薪ストーブと内部塗装以外は全て出来上がったというわけだ。屋外では工務店からはおじさんがひとりでやってきて、余った資材(これがまあ凄い量!トラック何杯もありそう)のお片付け。完成後取りかかるカヌー倉庫や趣味の木工の材料として、全て残してもらうことにした。180mm×15mm×12ftのパイン材だけで百枚以上あるのでたぶんカヌー倉庫の壁と床ぐらいは充分だろうなあ。室内ではダスキン・サービスマスターさんが最後のクリーニング。見てて思わず「も、もう、そのぐらいでいいですよ!」って言いたくなる程の念入りにやってくれた。


トユがついた。


自作靴箱も完成間近。

昨日は仕事が遅くなって靴箱作りは出来なかったけど、今日は夕方の1時間で扉の把手と蝶番、マグネットのキャッチなどの取り付けができた。扉の開閉もスムーズだし我ながら、なかなかの出来。明日以降、天板をつけてサンドペーパーでただひたすら磨きまくれば、ほぼ完成になるのだ。フィニッシュ用のオイルも入手したし、こちらも完成間近。なんとか引っ越しまでには出来そうだな...。

 


 

6月10日 現場審査合格! ポストを開けたら待望の「現場審査に関する通知書」が届いてた。『下記申請者に係る住宅の現場審査は、審査の結果合格と判定したので通知します』ついにここまで来たのだ!これで住宅金融公庫の融資手続きも始まるから融資実行までの「つなぎ資金」も借りることができる(ちょっとややこしい?)。つまり引き渡しの際には建築費を全て工務店に支払わなければならないんだけど、住宅金融公庫の融資は入居後数週間〜数カ月のタイムラグがある。そこで住宅金融公庫の融資を充当する条件で銀行からその期間の短期資金を調達するというわけだ。
自作靴箱の方もいよいよ完成を迎えた。ログハウスの隅に転がってたSPF材を3枚つなぎ合わせて天板(厚さ38mmの無垢!)を作り本体に固定。あとはひたすらサンディングペ−パー(#100)で磨き上げる。艶が出るほど磨くと市販の家具のようになってしまって味がないので#240のペーパーを仕上げに使って少しザラザラした感じを残すことにした。サンディングの後は、堅く絞った濡れタオルでホコリを払う。ログハウスの壁に合わせて色付けはせずにオイルをハケで塗った後、綿布で木目に沿って擦り込む。これで完成なのだ!

 


 

6月13日 完成見学会 この週末、我が家を利用して工務店の完成見学会が開催された。金曜日に新聞広告を入れたので昨日からひっきりなしにお客さんがやってくる。Mamaの友達の中には「自分ちで見学会なんかされてイヤじゃない?汚されたりしたらどうするの?」なんて言う人がいるけど、まだ家具を入れたわけじゃないし、生活感の全くない家を見られても気にならないってのが本音。それに見学会と交換条件で多少は安くしてもらってるしね(笑)。


普段着でレジャー気分


男手ひとりだとこの程度


積み上げたらこんな程度(涙)

でも、家にいるとなんだか照れくさいので、今日は家族でお弁当と水筒を持参して薪拾いに行く。場所は先日も行った標高500mぐらいの山の中にある森林組合の集積場。2tトラックに4人乗り(定員オーバーだけど)して家から40分ほどで到着し、早速子供達に注意事項を伝える。

その1 チェーンソーのエンジンがかかっている時はパパに声をかけないこと
その2 斧を使ってる時はパパに近付かないこと
その3 薪に触る時は手袋をすること
その4 つまづいて枝がささったりしてはいけないので走らないこと
その5 川の水は飲まないでわき水を飲むこと

先週、直径50〜70cmのものはかなり運び出したし、今日は子連れということで20cm程度のものを中心にチェーンソーで玉切り。僕がチェーンソーで長さ40cm程度に切ったものをMamaがトラックに積込む。MaakkunとAzuは10cm以下のあまり役に立たない枝ばかり運んでたけど、せっかくやる気になってることだしとやかく言わないことにする(笑)2時間ほどで2tトラックに軽く一杯集まったので、家に帰ることに。
今日はNさんの土地に置かせてもらわず、自宅のガレージの隅に檜の4寸角材を並べてその上に積み上げた。写真手前がPapaが集めた20cm級。奥が子供達の5cm級(笑)なのです。

 


 

 

6月16日 屋内塗装 毎日暇さえあればガレージで薪割り。太いままだとたいして多く見えない薪も割ったら倍増した感じがするので割り甲斐があるってもの。幅5mの薪置き場に積み上げた薪も2m近い高さになった(嬉しい!!)ご覧のとおりここにあるだけでも、まだまだ割らなくちゃいけない太さのものが大半だし、Nさんの土地にはこの何倍もの薪があるし、森の中の集積場にはそのまた何倍も...最終的には幅10m以上の薪小屋を作んなきゃ納まんないな。思わずニンマリ(笑)
一方ログハウスは昨日、屋内の壁塗装。いつもならマスクをしてる塗装屋さん達がえらく軽装で作業。それもそのはず、内壁の塗料は天然成分でできた「OSMOカラー」というワックスなのだ。ホントは無塗装でも良かったけど、子供のいる我が家ではそんなわけにもいかない(涙)そして今日は床のオイルステン塗装。色は先日決めてあったので見なくても大丈夫。...ところが!である。夕方、Mamaから慌てた声で電話が入る。「パパ!い、色、色が違うのよ!!」「えっ!」家に帰ってびっくり。指定した薄めのオークじゃなく、グリーン(オリーブ)に塗られてるじゃないか!
「この色、違います!」「いや、施主さんに言われたとおりの色ですよ。」「いや!こんな色指定してないです。絶対!」...でも玄関先を除いてほとんど塗り終えた状態では後の祭り。オイルステンは木目に浸透するので元の色に復帰させることは不可能なのだ。色については僕と塗装屋さんの間でしか話してないから第三者の証人がいないわけだ。。監督さんを通して決めなかったことを後悔したが、「指定した」「指定してない」では水掛け論でらちが開かない。それにこれまでとても丁寧な仕事をしてくれたし、決して塗装屋さんに不満があるわけじゃない。そこで...「塗り重ねてもらえますか?」
最大限の妥協。諦めるか塗り重ねるかしか選択肢はないのだ。実のところ、僕も職人だから彼と同じ立場に立つことが時々あるので気持ちは良く分かる。(自分は全て書面に残すようにしてるから、最終的には僕が正しいことばかりだけど)「なに言ってんだ、この野郎!」って気持ちがゼロじゃないことは確かなんだよな、こんな時。今日一日かけてやった仕事をもう一度やらなくちゃなんない辛さ...職人の人格がモロに出ちゃう瞬間でもある。ところが...「はい、やってみましょう。」塗装屋さんは自分は間違ってないという信念を持ってるのだから、本来なら『どーして、そんな面倒なことしなくちゃなんないの?』ってのが本音かもしれないけど、そんなそぶりも見せずに色合わせから始めてくれた。ベースのグリーンを隠しつつ木目が消えない程度の濃さ...素人の僕にも難しいってことは良くわかる。黙々とペンキを調合する塗装屋さん。その後ろ姿を見て思った。「もし納得出来る色じゃなくてもOKと言おう。」


煙突の中心から右が間違えた色。左が新色。


自作靴箱も運び込んだ。

ところが、である。魔法のような調合ですんごく素敵な色が出来上がったのだ。試しに床の一部に塗ってもらう。なんとなくアンティックな家具のような色合い。(煙突のカバーの色を見て!)そういえば船の内装家具を作ってる友人から聞いたことがあったなあ。「何度も違う色を塗り重ねるとシックな色がでるんだよ。」(実際、色を塗り重ねてサンドペーパーで擦ってアンティーク風に仕上げてる家具も多いんだよね。)家具とは違い、塗装面積の広い家の内装はそこまで手間をかけないのが普通だけど、なにしろ「いかにも色を着けました!」って感じじゃなく茶色のようなグリーンのような光線の当たり方や種類で見え方が違う素敵な色なのだ!思わず「これ塗って下さい!」って叫んでしまった程(笑)塗装屋さんはすまなそうに塗ってたのが逆に申し訳なかった。「災い転じて...」の言葉通りの結果になった、ログハウスはじめてのトラブルであった。

教訓その1打ち合わせは必ず監督さんと!第三者を通すか書面やFAXなど証拠を残しておくこと。責任問題とかじゃなく、お互いに嫌な思いをしなくて済む。
教訓その2自分が選んだモノがベストとは限らない。もし行き違いがあってもむやみに怒らず、じっくり善後策を練ること。

 


 

6月17日 薪ストーブの設置 昨日のちょっとしたトラブルから一夜明けて、今日は床の塗装の重ね塗り。塗装屋さんはとてもかったるい仕事かも知れないけど、ひと塗りひと塗り丁寧にやってくれた。昼すぎには監督さんがやってきて薪ストーブ・ダッチウェスト/スモ−ル・コンベクション・ヒーターFA225の設置。小さく見えて実際は172kgもあるので大変そうだ。煙突の取り付け・調整が終わるとガランとしたリビングだけに、そのマットブラック&ブラスの四角い鋳鉄の箱はひときわ存在感がある。我が家の冬をただ暖かくしてくれるだけでなく、家の象徴でもある薪ストーブ。子供達にとっては「冬」と聞いてまっ先に思い浮かべる「季語」のような、そんな存在になるんだろうな...。
昨日、昼休みを利用して、銀行へ必要書類を届けてつなぎ資金の申し込みに行った。後は保存登記が完了して登記簿謄本が銀行に到着すればつなぎ資金の融資の稟議手続きに入る。もし問題がなければ来週中に融資実行→全額支払い→無事引き渡しという手順になるのだが、来週中というのは微妙な感じだ。

ということは27日の引っ越しはキャンセルになる恐れもあるということ...。仮住まいの賃貸期限は今月いっぱいだし、引っ越し屋さんの手配や買った家具のお届け、ケーブルテレビやパソコンのLANの工事など月末にお願いしてるので、非常に困る事態なのだが...。監督さんはずっと今月中の引っ越しは絶対OKだって言ってたし(仮住まいの大家さんに伝えなきゃならないから、5月末から会うたびに確認してる)ほんの2.3日前の展示会の際に工務店の営業の方も大丈夫って言ってたのにこの事態。冷静になって考えると、お金払ってないのに引き渡せなんて言う方がどうかしてるんだけど、なんとかならないもんだろうか。「食事は待った方が美味しい」からそんなに焦る気持ちはあまりないんだけど、工務店さんの言葉を信じて引っ越しの段取りをしたがために...「こんなことなら工務店さんもいい加減な見込みを言わなきゃいいのに!」なんて少しご立腹のMama。「お金も払わずに引き渡してくれるわけないだろ!。」と僕。「そりゃそうね(笑)」でも、それにしても困ったなあ。
ま、そのうち結果は出るだろうけど。

 


 

 

    
いよいよ引渡しと引っ越しです。

 


 

 

 

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