CHAPTER2

ログハウスとの出会い 僕がログハウスと出会ったのは小学校の時。と言っても実際に見た訳じゃなく、叔父に連れて行ってもらった映画「アドベンチャー・ファミリー」の中である。映画はウィルダネスに不慣れな家族がカナダの森に引っ越して、雄大な自然のなかで様々なアクシデントに立ち向かいながら家族の絆を深めて行く、といったありがちなストーリーだったが、その家族が住む家がログハウスだったわけだ。すでにボーイスカウトの活動をしていた僕は、単純にもそのお話に感動し、手作りの家=ログハウスに憧れを感じた。そして不思議なことにある種の懐かしさを感じたのだった。「田舎の家にそっくりだ!」...そう、数年前まで住んでいた田舎の家、つまり土間、かまど、囲炉裏、そして天井板がなく梁丸見えのどっしりした造りと云った雰囲気が故郷の家に似ていたのである。

ログハウスにハマる 高校を卒業したある日、父が薮から棒に「おい、今から山を見に行くぞ!」と僕を誘った。我が家には田舎に残してきた山があるのだが、林業の真似事をしていたのは祖父の代までで、それ以降は全く手入れをしていない。近年の木材の値段の低下で銘木の育つ地域ならともかく、名もない山里の杉や檜、しかも枝打ちさえしていない節だらけの木なんて商売にはならない。しかし、急に林道の工事が始まることになり地主は立ち会えってことらしいのだ。父とすればこの機会に息子に自分ちの山を教えておきたかったようだ。

A高原の別荘地から数分下ったところに我が家の山が広がっている。先程も述べたように資産価値は全くないが、面積は宅地なんかと比べると、とんでもない広さだ。山につくと、話とは違ってもうすでに林道が完成してしまっている。林道を軽トラックで走りながら、父の説明を聞く。と、その時、急峻な山の谷間に1反(約300坪)ほどの平地が目についた。まるで砂防ダムのような形だが、山側を林道が走っていてまるで宅地のようだ。他の山とは違って太さ30cm程度の檜が整然と立っている。「あれはな、おまえの生まれた年に、俺が田んぼに植えたんや。」そこは以前は田んぼだったのだが作付けが難しいので木を植えたというのだ。田んぼだったというだけに、この土地の隅には飲める沢水が流れ、扇状地のようになった部分にはワサビが群生している。田んぼの畦に立てば、遥か下に海や半島が見える。「ここに小屋建てたら住みやすいやろなあ。幸いなことに電話線や、電気は1km以内にあるから工事は無料やし、水は飲めるし...。」「まあな。この木を切ったら小屋が建つわな。」その瞬間、僕の頭の中には「ログハウス」という言葉が閃いた!

家に帰ってからはログハウスの資料集めが始まった。今と違って丸太小屋の資料なんてどこにもなかったが、百科辞典までコピーした程熱中したのを覚えているから、相当ハマった。しかしその熱の程なく冷めることになる。理由はひとつ。大学生の身では資金がなかったのだ(笑)

ログハウスにハマる その2 大学を卒業した僕は、田舎が自分に合っていると考え故郷に帰ってきた。そして就職先で友人Uと出会った。彼も僕と同じでド田舎の出身。家は今も田舎にあって家族は林業や炭焼きやっているという筋金入りの(?)田舎人だ。彼と話すうち、数年前にマイ・ブームだったログハウスの話題になった。というより当時はまだまだ珍しかったキャンプ場を経営したいという共通の夢があったのだ。「俺、今ログハウスの会社に遊びに行ってるんや。川剥きとか仮組とか手伝っておもろいで!」彼は地元ログハウスビルダ−に弟子入り(?)して既に活動してるという。しかもそのビルダ−は日本でも有数のハンドカットログハウスのメーカー(1998年度ログハウス・オブ・ザ・イヤー受賞)僕は焦った。しかしウチには家業の関係で一般家庭にはあるはずもないトラックやクレーンなどの機械、そしてチェーンソ−やコンクリート工事一式の道具も揃っている。それに木工の趣味もあるから建て具なんかは僕にも作れそうだ。彼の経験と僕の道具。そしてふたりの山にふんだんにある材料...こりゃ、やるしかないで!とりあえずキットの小屋を建てて、そこをベースキャンプにして...大いに盛り上がったのだが、僕が結婚したため時間がなくなってしまった(涙)

そして家が崩れ出した あれから10年。時々「夢の丸太小屋に暮らす」とか「ウッディライフ」とかといったログハウスの雑誌を買ってはため息をついていたのだが、夢が実現する見込はなかった。カヌーを始めた僕は「山の丸太小屋」にはあまり興味がなくなっていた(川のそばにボートハウスが欲しいとは思うけど)し、彼は相変わらずログビルダ−の手伝いをしながらも自分はマンションを買ってしまった。僕も結婚と同時に築20年の中古の家を買ったのでログハウスなんて建てる予算はないし、当然ながら時間もなかった。自分でサンルームのキットを組み立てたり内装を修理したりはしていたが、ログハウスは文字どおり夢に終わりそうな雰囲気だった。

しかしながら、今年に入って少し様子が変わって来た。家が崩壊し始めたのだ!最初に気付いたのは縁側の柱の歪みだ。4寸の柱が目で見てわかるぐらいに曲がっている。その上、風呂場のタイルがヒビ割れて破片が浴槽に落ちている日が多くなってきた。そしてトドメは今年夏の台風。風呂のヒビは一挙に進み、屋根瓦全体が浮き上がって所々は今にも落ちそうだ。ヤバいかな...そう感じた。そういった流れのなか、秋には立て替えも視野に入れたリフォーム計画がスタートすることになったのだが...

 

 


自宅ログハウス化計画始まる!

 


 

 

 

 

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