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鮎釣り師わっきーさんのおはなし

 

執筆をお願いしたワッキーさんは関西在住のカヌーイストで鮎釣り師。秋から春はカヌーを、解禁以降は鮎釣り師を楽しむ本当の意味での川の達人です。そんなワッキーさんのメールに目を通し、僕はアンケートのお礼も兼ねてすぐに下記のようなお願いメールを送信しました。


『鮎釣り師とカヌーイスト、なかなか難しいですね。でも確かにカヌーイストにも鮎釣り師に対する配慮というか遠慮がないような気がしてなりません。確かにカヌーが通ったからと言って鮎釣りの釣果に悪影響はないにしても、ちょっとした気遣いをするのとしないのとでは大違いです。もっと釣り師の心理を理解しないといけませんね。それと釣り師もカヌーは川を通るしか他に進む手だてがないわけで、もう少し紳士的な態度を取ってほしいものだと思います。その点、ワッキーさんは両者の言い分がわかってすごいと思います。僕も鮎釣りやってみようかな?(笑)

ワッキーさんも書いていらっしゃいますが、最近の渇水が鮎釣り師とカヌーイストのトラブルの原因のひとつになってるんじゃないかとも思います。渇水だと川幅が狭まってカヌーの通れるルートが限られてきます。水量が豊富で迂回できるルートがいくつもあればよっぽどの初心者でもないかぎり釣り糸をかすめるようなバカな真似はしませんよね。僕のホームリバー宮川も県が主体になって「宮川ルネッサンス」事業が行われています。その目玉になるのが流量の増加なのです。農業用水や夏期の渇水準備などクリアしなければならない課題は山積みですが、はやく具体的になってくれるといいなあ、と今から願っています。

ところで、カヌーイストで鮎釣り師のワッキーさんにひとつお願いがあるのですが、「鮎釣りとカヌー」について、どんなかたちでも結構ですので文章をお願いできませんでしょうか?双方の気持ちや都合が理解できるワッキーさんならではの意見や実例など、別にカヌーイストを弁護する内容に限りません。無理なお願いであるのは重々承知していますが、僕も含めてカヌーをする人間が一番知りたい内容だと思うのです。もし、許可をいただければ全文をそのまま鮎釣り師のページに掲載させていただきたいと思います。ぜひぜひ宜しくお願いします。

それではお返事をお待ち申し上げます。...aki 』


非常に失礼かつ無理なお願いにもかかわらず、ワッキーさんから以下のようなお返事を戴きました。掲載許可をいただきましたので全文掲載させていただきます。

 


『こんにちはワッキーと申します。

私はカヌーが大好きです!なんと鮎釣りも大好き!秋から春はカヌーで川遊び。夏は鮎を求めて行脚する。そんな遊んでばかりのどうしようもないオッサンです。さて、このたび当HPのWeb Master“a k i”さんにすすめられて、「鮎釣りとカヌー」について駄文をひとつ書くことにしました。良かったら読んで下さい。

まず、鮎とカヌーの関係ですが、問題ない!と思っております。証拠に日置川でカヌーの一団が通った後にその年最大の28cmが釣れたこともあります。また、木曽川などでは観光船、そして北山川では轟音まき散らすジェットボートまで川を往来していますが問題なく鮎は釣れます!これは間違いなく事実でしょう。

しかし、釣り人の「カヌーへの怒り!」の部分もあります。まず、「鮎の友釣り」についてのご説明を少々書きます。友釣りはエサなど使わず、おとりの鮎を川の鮎のいそうなポイントに誘導して、なわばりを守っている鮎を釣ります。ポイントとは「瀬の本流」なのです。皆さんが瀬を行くとき抜けるコースそのモノずばりなんですよ。

ココが問題です!おとり鮎は生き物なので思うようには泳いでくれません。「やっと、ポイントに入った釣れるか」と期待した瞬間にカヤックが来て、ご丁寧にホイール!?までして行ったこともあります。真上を通過するとおとりの鮎がおびえて、石の間に逃げて、ひっかかり最悪おとりの鮎ごと仕掛けを失う可能性があります。また、ポイントからはずれた鮎を回収しようにも瀬のすぐ下で後続のカヌーを待つ為にリバースされたら下手に動かせません。・・・怒り其の一!!

1.瀬に血走った釣り人がいたら、サッと抜けて少し離れた所で待って下さい。(エディは最悪!!)

もう一つ鮎の習性に関してですが、朝から昼は瀬の中でなわばりを持っていますが、夕方になると、瀬の下や、浅いチャラ瀬に移動します。この時合いが一番良く釣れ、また一日の釣りを締めくくる、まさに緊張の時間です。ココが問題です!!浅場にいる鮎はわずかな物音に一気に散ってしまいます。また、ご存じのように鮎竿は9〜10mほぼ同じ長さの仕掛け糸を合わせると最大20m先の所におとりがいる場合もあります。多少離れていると思ってもバシャバシャされるとこの時ばかりは一匹も釣れず迫ってくる夕日に焦りを感じます。・・・・怒り其の二!!!

2.夕方の釣り人は血走ってます!!細心の注意で静かに抜けて下さい。(瀬以外は全力でスイープするな!!)

最後に釣り人の習性です!?

最近の河川はひどく減水傾向です。それに水質の汚濁、温暖化により川で孵化して海に帰る稚鮎が死ぬそうで鮎は毎年、釣れなくなって来ています。その結果釣り人はドンドン遠くの川へ行くようになっています。けれどもやはりそんなには釣れません。この数年来の不漁では、イライラして川の中に立っている時間のほうが長いのです。ご存じのように鮎釣り師は私も含めてオッサンばかりです。ここは敬老の気持ちでオッサンやジジイの気持ちをくんでやって下さい。なんせ意固地ものが多いんですから。イライラしているとあらゆる事が釣れない理由に思えます。増えているカヌーに敵意むき出しでも勘弁してもらって、言い争いは避けて下さい。鮎釣りも何百年も続く日本の文化です。

3.カヌーの川下りのほうが楽しく一日すごせてます。オッサンやジジイにはやさしい気持ちを!!』


ワッキーさんの文章を読んで、僕はなるほど!を連発してしまいました。皆さんは如何でしたでしょうか?なかでも、おとりの鮎を失うお話は本当に参考になりました。

最後に。ワッキーさん、とても有意義かつユーモア溢れる文章をありがとうございました!ちなみに僕もオッサンです。カヌーのウェア着て帽子なんかかぶってると鮎釣り師さんたちには「ニイちゃん!」と呼ばれますが(笑)

 


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