How to canoe for beginners Vol.12
Chapter 7 カヌーツーリングキャンプ #1
キャンプツーリング
キャンプサイトの選び方
ツーリング・キャンプの印象はキャンプサイト良し悪しで決まるといっても過言ではないです。いいサイトを見つけたら、もうそれだけで幸せな気分になるもんね。ただ、ツーリングだと、ついつい欲がでて「次はもっといい河原があるかもしれない。」なんて考えがち。もちろん次の日に人工物が全く見えない、薪がたっぷりある雰囲気抜群の河原を発見することもあるけど、大抵は通り過ぎてから「しまった!あの河原にすれば良かった!」てなことが多いので早めに直感でココって決めるのが一番みたいです。
河原のキャンプサイトはキャンプ場と違って訪れるたびに環境が変わるから(増水でカタチが変わるどころか、なくなってることも...)あんまり経験は役にたたないしね。それじゃ、良いキャンプサイトの条件とは?僕の意見をまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。1.水面からの高低差があること
これは絶対条件。川ってのは流れてるわけで、たとえその河原で雨が降ってなくても上流では集中豪雨になってるかもしれない。ダムの放水が急にあるかもしれない。増水ってのは思いもよらない早さで始まるから(1分間に50cmアップって経験がある)気をつけましょう。河原をよく観察すると流木やゴミが一直線に並んでるラインが何本もあるはず。それが増水の痕跡なんだけど、せめてそれから2〜3mは高さのある河原じゃないと簡単に水没します。ただ何年に1度かの増水まで想定してると選択の余地がなくなるので常識の範囲でね。2.平坦で細かい玉砂利が広がってること
テントを設営するならこれが重要。普段水平なベッドやふとんで寝てる僕らが傾斜地で眠ると、朝起きて全員が重なり合ってるんです。寝返りの際に知らず知らずのうちに低い方に集まってしまうみたいですね。野郎ばかりで重なり合うのは避けたいから平坦なところを選びましょう。
玉砂利は水はけもいいし、寝心地も最高です。周囲に草地がなかったら虫(蚊、ハエなど)も寄り付かないし(そういえば僕は河原で虫刺されしたことないなあ。蚊取線香もスキンガードもしてないけど)3.人の出入りが少ない(...けど逃げ道がある)こと
自然の中で出会って一番怖いのが人間です。(僕はそう思う)河原にクルマのわだちがある場所や、進入路がある所は避けましょう。夜中にテントごとクルマに轢かれたらシャレになんないし、あんまり人が多いと雰囲気も悪いしね。それよりなにより地元のおっちゃんが夜中に漁に来たり、農機具を洗いにきたりすると邪魔になることになるから。かといって川の中州や断崖絶壁の下など逃げ道の全くない所は危険です。命を危険に曝すし、運良く助かってもヘリコプターで救出でもされたら「無謀カヌーイスト、川で孤立!」なんて新聞ネタになっちゃう。また、子連れの時はケガや病気に備えてクルマが河原の近くまで入れる所を選ぶのも常識です。4.薪がたっぷりあること
これは僕の個人的な好み(笑)もうこれだけで幸せになれます。もし瀞場が続くようならカヌーで薪拾いに出かけられるので上の1.〜3.の条件を満たした河原をキャンプサイトに決めて薪はよそで集めてくるってのもOK。薪探しのコツは川の曲り角で水流が渦を巻いてる場所を探すこと、そして地面だけじゃなく上を見ることですね。増水ラインが2〜3m上にあることが多いから立ち木に引っかかってる流木を探すわけです。細長い石をロープの先に縛りつけてスパイダーマンの要領で投げ縄にして引っぱり落とせば、よく乾燥した最高の薪をGETできます。キャンプの手順
これははっきり言ってお好みで。何もかも済ませてからでないと落ち着かない人もいれば、テント張るのめんどくさいからそのままゴロン!って人もいるから。ただカヌーをテントより高い所に置くこと(テントに水が侵入してきたらどんなにニブい人も気がつきます。僕も中学生の時に経験しましたけど空気の匂いが変わるし、結構音もするんですよ。眠ってても人間の「濡れ」に対する反応は敏感だし。だけどカヌーが流されたって絶対気がつかないと思う。)それとトイレの場所を決めておくことかな。これ大事。増水警報装置の作り方はこちらトイレ問題
カヌーorキャンプが初めての人(特に女性)が河原で一番困るのがトイレ。Nature calls me.なので水遊びの後はトイレに行きたくなるんですよね。本当は公衆トイレを探すのが一番。どうしてもトイレが見つからない場合は大きい方は持ち帰りましょう。日本ではあまり知られていないけれど(というよりまだ国内では確認されてないんだよ。)ジアルディアっていう寄生体が大きい方を介して川の水を汚染し人に害をおよぼすらしいのです。
ただ、実は僕も袋に入れて持ち帰っていません。(持ち帰る勇気がない!)それでは汚染を最小限に抑える方法とは?まずは水面からできるだけ離れた草むらで15〜20cmの深さの穴を掘ります。この深さは動物の掘り返しを防ぎ、かつモノを分解する酵素や微生物が多くいる深さだそうです。テントなど人のいそうな方に顔を向け、おもむろにことを致したら、穴を埋め、目印の石を立てます。そして使用済みのペーパーを穴の外で延焼しない場所で燃やします。以上。(女性がいる時は写真のような小型のテント(もちろん床のないタイプ)を設置すればいいでしょう。)
余談になりますが、以前熊野川で茂みでコトを致しておりましたら、足音が...。ヤバいって思ったけど、途中で止める訳にもいかずにそのままの姿勢で下を向いて通り過ぎるのを待ちました。す、すると足音がこちらへ近づいてくるではないですか!あれ?立ち止まったぞ。足音が止まります。しばらくして「あっ!」っていう短い悲鳴がしたので顔を上げると...僕と同じ姿勢の若い女性がほんの2〜3m先にいるではありませんか!「あっ!」「ひっ!」ヤバいぞ、ヤバいぞ、この状況をなんとかしないと...しかしこんな鹿と猿しかいない場所でどーして、よりにもよってあんな若いギャル(死語)と連れ**しなくちゃならないの?変態だって思われないかなあ、などと考えた末に取った行動は...「いやーおはようございますう〜!いい朝ですねー、きもちいいなぁ。」って思いきり明るく振る舞うこと。するとカノジョも「あ、あのカヌーの方ですかぁ?いいなあカヌーって。わ、わたしもやりたいなぁ・・・」などと世間話になってしまったのでした。その後彼女は彼氏と逃げるように去って行きましたけど。参考文献:キャサリン・メイヤ−著「山でウンコをする方法」日本テレビ つぎはキャンプに便利な装備についてお話しします。
Chapter 7 カヌーツーリングキャンプ
キャンプの装備
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増水警報装置の作り方
中学生の時、鈴鹿山系の藤原岳でキャンプしてた時のこと、その日はずっと雨が降り続いてたんだけど沢から3mぐらい高さがあるから大丈夫だろうって眠りにつきました。ところが夜中何となく土、というか泥の匂いがして、その後すぐにピチャピチャって音がしたんです。あれってシュラフから出るのと足先が濡れた感覚を覚えたのが同時でした。その後はもう修羅場!どんどん水位が上がって来て、とりあえず自分のキスリングを担いで立ち上がった時にはもう膝まで水がきてました。テント(ボーイスカウトのキャンバステントが水を含んだら重いんだな、これが。)はとりあえずポールを抜いてペグは抜くひまないから、とりあえずロープだけ外して高台まで引きずり上げて...。運のいいことにコッフェルを1つ失っただけで済みましたが、かなりの恐怖体験でした。
それから10年以上が経って再び河原でキャンプをするようになった時、何とかして夜中の増水を予知する方法はないものかって考えました。そこで思いついたのがこの方法。ソロキャンプだと必ず増水するジンクスがある僕はこれで2度ほど増水を前もって知ることができました。お試しあれ!
仕組み
ごく単純な原理です。テントより低くて雨の当たりにくい場所に設置します。増水によって石に巻いてあるトイレットペーパーを捩って作ったヒモが濡れて切れると、一瞬にして木の枝が倒れタ−プに固定してある護身用の携帯ブザーの安全装置が引き抜かれ、スイッチが入り大音響が鳴り響くっていうわけです。ただし大雨などでペーパーのひもが濡れることもあるのですが、大雨なら雨がテントを叩く音で目が覚めるので誤動作することはまずないです。もちろん周囲に人家やキャンプしてる人がある場合はブザーじゃなくて鈴なんかに変えた方が無難ですね。