10月31日 ブナ林トレック&和菓子街道ポタリング(三重県伊賀市)
子鬼の居ぬ間に...#20
ブナ原生林トレック
今日は水曜日。いつものように休みがとれたので例によって“子鬼の居ぬ間に...”で夫婦でお出かけ。 前日から計画が立っているってのは実に珍しいことで、それだけに準備もスムーズ。子供達を見送った後、ほんの10分で準備完了し、OUTBACKに2台のPEUGEOTとトレッキングの装備を積み込んで出発する。
まず僕らがやって来たのは、伊勢国と伊賀国の国境にある青山高原。近いのに初めて歩く青山高原...雲ひとつない青空の下、靴を履き替え、ともちゃんはMountainSmithだけの軽装でトレッキングスタート。
今日のコースは山頂小屋駐車場をスタートに北緯34°ではとても珍しい標高600mのブナ原生林(県天然記念物)を抜けて病気平癒の神として古より多くの信仰を集めてきた奥山愛宕神社へ参拝する3.5kmの山歩きだ。とても立派な山頂小屋に一番乗りで到着し、東海自然歩道から参道へと進むと、しばらくは美しく手入れされた針葉樹林が続く。普段なら暗くて無機質な感じのする人工林はあまり好きじゃないけど、今日はダークブラウンの地面に水玉のような木漏れ日が射してメチャいい感じ。
稜線を越えると人工林が一気にブナ林に変わる。広がるブナ林は秋とは思えないほどに瑞々しく、歩いているだけで気分が落ち着いてくるのを感じる。山小屋から片道30分ってことだったけど、参道脇の素晴らしいブナ林で立派なブナに触ったりキノコを観察したり道草してたせいで40〜50分かけて奥山愛宕神社に到着する。ブナの淡く“円い”緑色に包まれた森の中に映える朱色の社殿が美しい。ズラリと並ぶカエルの置き物に見つめられながらお詣りを済ませ、参道を戻る。秋の低い太陽光線に照らされてとても立体的に見える森...こんな素晴らしいブナの森が近くにあるなんて知らなかったね、などと話しながら僕らは気持ちの良い山歩きを楽しむのだった。
スタート地点に戻った僕らは、少し歩いて山頂レストランもある三角点公園へ。ここから望む伊勢平野〜伊勢湾はとても開放感があって良い感じ。 『そう言えばさ、Masaが初めて歩いたのってここの芝生じゃなかったっけ?』 『そうそう、確か春先でまだ寒かったわよね。』 『まだ8ヶ月だか9ヶ月でさ、突然歩き出してびっくりしたよねぇ〜!』 15年前も前なのに、ほんの少し前に感じるのは何故だろう?ここの風景や空気が全然変わってないからだろうか?いずれにせよ、まだ20代だったあの頃と変わらずにここを訪れて、並んで景色を眺められることを幸せに思う僕らだ。
伊賀和菓子街道ポタリング
トレッキングを終えて青山高原を後にした僕らは、そのまま三重県の小京都・伊賀市へと入る。実は今日の野遊びはこちらがメイン。仕事絡みで月に何度も訪れるのに、あまり詳しく知らないこの街を自転車でのんびり回ってみようという計画なのである。(加えてShibukoz家情報で知った『城下町お菓子街道』という催しも合わせて楽しもうという贅沢な計画も) 伊賀上野城近くのだんじり会館にクルマを停め、PEUGEOTに乗り換えた僕らは、だんじり会館内の観光協会で和菓子クーポンを2枚購入。和菓子屋巡りを始める前にちょうどお昼どきだったので、僕が子供の頃からある駅前のニカク食堂に入って、ともちゃんは「伊賀牛牛丼」、僕はちょっと贅沢な「伊賀御膳」でまずは腹ごしらえ。
牛丼の方は幻の牛肉とも呼ばれる伊賀牛をふんだんに使った丼(*どうして幻かといえば、伊賀牛は生産量が少ないこともあって、そのほとんどが地元伊賀市で消費されるため、ここに足を運ばないと口にすることができないのだ。赤福、見倣うべし!)、そして御膳は伊賀牛の焼肉、名物の田楽、味噌煮込うどんを昼夜の気温差が大きいことで甘い伊賀米でいただく贅沢なセットだ。
そんなわけで、お腹を満たした僕らは自転車に乗って伊賀の街に繰り出す。伊賀上野城(白鳳城)を中心に広がる城下町なのでそのキャッチフレーズ「小京都」ってのは当たらないのかもしれないけど、三重県では数少ない空襲を受けていない街ってことで、江戸時代の古い町並みが現存している趣きのある場所である。 そんな伊賀市はいわずと知れた忍者の街、そして松尾芭蕉の故郷。昔から観光に力を入れていて、伝統のだんじりなど古いお祭りはもちろん、忍者のコスプレでのウォーキング大会だの、市議会本会議で市会議員さん全員が忍者や芭蕉の旅姿のコスプレで真面目に討議したりするなど、シャレの効いた観光客増加への取組みが行われている。
白鳳城や忍者屋敷、俳聖殿などは子供の頃から何度も行っているので、今日は明治時代そのままの姿をとどめている歴史的建造物・旧小田小学校を訪ねる。現代のハコモノ然とした学校と比べるとその優雅さは別物。この建物に毎日通うだけで、美的感覚が養われるんじゃないか?そんな素晴らしい校舎である。(内部の見学も出来る。創建当時から残されているギャマンと呼ばれる色ガラスの窓から射し込む秋の光は必見だ。)
旧小田小学校を見学した後は、いよいよ『城下町お菓子街道』巡りポタリングの開始! この『城下町お菓子街道』ってのは観光の街・伊賀市観光協会が展開する数多くのイベントのひとつ。かつて芭蕉が「両の手に桃と桜や草の餅」と詠んだように、かつての藩主が茶の湯を奨励した(伊賀焼の茶器が特に有名)ことから、お茶に欠かせない和菓子作りが盛んってこともあり、伊賀の古い町並みの中には何代も続く和菓子店が点在している。このイベントでは観光協会で5枚綴り(¥600)の地図付きクーポンを買って、お菓子街道名店に指定された19の和菓子店を回り、そのうち好みの5軒でお茶のサービス付きでお菓子を食べられるというシステムなのである。
お城を中心とした小さな町だとはいえ、19軒の和菓子店をひと筆書きで全て回ると10km以上になってお散歩とは言えなくなる距離。こんな時こそ自転車!ってことでPEUGEOT Pacificの出番なのである。 え?どうして今、和菓子かって?先日から話題騒然の赤福問題。TVを見ても赤福、新聞を開いても赤福、そんでもってLOGBOOKを開いても...赤福(笑)。赤福のことばかり考えていると、妙に食べたくなってくるんだけど、されど赤福は営業停止処分中だし、昨日からは御福もダメ...う〜ん、和菓子が食べたいぞ!ってのがきっかけだ。
まずは東町「桔梗屋繊居」で焼皮粒餡の“釣月”、次に小玉町「かぎや餅店」の“忍者だんご”、そんでもって桑町「朝日餅」で上野一番人気の“みたらし”...が品切れで“黒豆大福”、白壁が美しい寺町を抜け、天神さんの門前・裏欅を眺めながら「伊勢屋」の“草ころ”をいただき、先ほどはTVクルーがロケ中でちゃんと入れなかった「かぎや餅店」を再訪し、最後に駅前の「欣栄堂」で“オーレ大福”“いちごオーレ”をいただいて、和菓子屋巡りを終えた。
こんな小さな街に今回のマップに載っている歴史あるお店だけで19軒の和菓子屋(昭和40年頃には70軒以上あったらしい。)があって、それぞれがちゃんと自分の店独自の名物を大切に作り続けているってこと...歴史ある街の良さってのはこんなところにあるのかもしれないな、と思う。
さて、今回の和菓子屋巡りで僕らが独断と偏見で選んだ“子供達に持ち帰ってやりたい和菓子”No.1は...「朝日餅」の黒豆大福、です。さすがにクーポン10枚ぶんの和菓子を食べまくった僕らは、もう食べられない!...って思ったけど、帰宅してから黒豆大福をまた食べちゃいました(笑)
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