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9月8-9日 海山シュノーケリングキャラバン(三重県紀北町海山区)

 


袋いっぱいのゴミを提げて、何故か笑顔のMasa

 

9/8 魚飛渓ゴミバスター

 

例によって気まぐれで紀州旅に出発。昨夕Azuのクラブがお休みであることが判明したことで急遽ミニキャラバンに行けることになり...僕は久々にカヌーがしたくて、ともちゃんは紀伊半島を半周して南紀某海岸に行きたくて、Masaは某岩峰に登りたくて、Azuはアワビを探したくて...家族の希望がそれぞれバラバラで意見をまとめるのに苦労したけど、我が家の場合、結局のところは女性陣の意見が尊重されることが多いのだ(*聞き入れないとゴキゲン斜めになるので)。

そんなわけで、結局みんなの意見をまとめて決まった行き先はいつもの海山。ここのところ日帰りで慌ただしく遊ぶことが多い和具ノ浜と魚飛渓を二日間かけてじっくり堪能する旅である。


「あら竹」の松阪牛肉弁当4種

河原でお弁当を広げる

水辺でひとりで食べるAzuの弁当は...

モー太郎弁当!!

今日はゆっくり朝寝していつも通り朝食を食べたり新聞読んだりしながら準備を進め、10:30に出発。紀勢道を降りたところにある“ドライブインあら竹”で松阪駅名物の駅弁・松阪牛肉弁当を4種類買い込んでR42を南下する。今日は潮の具合が悪いので、まずは川遊びすることに決めて魚飛渓へ。それぞれの淵には先客がいたので、魚飛吊り橋まで遡って橋のたもとにダッちゃんを停め、河原に下りて4種類の松坂牛肉弁当をいただく。注文してから調理してくれるスタイルだけに、ふたを開けるとホッカホカ!ウマイ!文句なしに美味い!(ただし調子に乗って“特上”なんかも頼んだので駅弁なのに4個で¥5000オーバーだけど...涙)


ウェットに着替えて川に入る

魚飛渓はゴミの山!(涙)

贅沢な松坂牛ランチの後は、いよいよ川遊び!テナガエビやモクズガニを探しながら、魚飛吊り橋をスタートに銚子川合流までダウンリバートレッキング...のはずだったんだけど、Masaはあまり愉快そうじゃない。彼が河原の一点を見つめ、振り返って首を傾げながら僕に目で何かを訴えているんだけど、何も言わなくても彼の意図をすぐに理解した僕...今もそんな父と息子であり続けられることをとても幸せに思う。

『しゃぁないな。やりまひょか?』Masaの満面の笑みに苦笑しながら、僕らはダッちゃんに戻ってありったけのコンビニ袋をウェットの胸に詰め込んで(僕ら親子はボインになってた...笑)、川を下り始める。

Masaが最初に見つめたのは、河原のゴミの山。彼の目は『ゴミ、拾いたい!』という目だったのだ。何でこのオレが忙しい時間をやりくりして海山にやってきて他人の捨てたゴミ拾いせなイカンねん!という気持ちは確かにあったけど、川のゴミから目を逸らして楽しく遊ぶってことが出来ないのは僕も同じ。愛する女性のほっぺにご飯粒がくっついてたら取ってあげたい!と感じるのと同じ衝動的な気持ち?何だか心から魚飛渓をキレイに戻してから遊びたい。しかも今日は人が少ないからテレずに出来るという気持ちに素直に従ってゴミ拾いダウンリバーの開始である(中坊がやるっていうのに、大人が知らん顔も出来ないしね)。

 


ゴミを拾いながらのダウンリバートレッキング開始!

それにしても見事に汚された魚飛渓。昭和生まれの僕は、美しい自然の中に醜いゴミを見つけるたび、怒りに震え、ちょっとした人間不信に陥って絶望感を味わう。
基本的に僕は性善説を信じて生きてきて、人間同士だし話せば解り合える...と思いたいし、小さな“違い”はあって当然だけど、根っこの部分はみんな同じだと信じたい。でも実際はそんなことは幻想に過ぎないことを思い知らされるのが河原のゴミを目にした瞬間なのである。

人間が生きることは他の生き物の命を絶つこととイコールで、当然ながらゴミを出すことともイコールだ。誰かが牛を殺してくれるから僕らは美味しい牛肉弁当を食えるわけだし、誰かがゴミ処理をしてくれるから、清潔な街に暮らすことが出来る。
でも、自然の中に放置したゴミはその社会のシステムの中に組み入れられていないわけで、捨てたゴミは誰かが拾わない限りゴミとして永遠にそこにあり続ける...そんな当たり前のことを想像出来ない人は果たして人なのだろうか?そしてそんな人が一人前の顔をして社会の一員として生きていること...とても怖いなぁと思う。


岩陰のゴミを拾い...

ゴミ袋を手に時にはボルダリングしながら進む

魚飛渓は今も都会から遠い僻地である。
もちろん地元の小中学生も泳ぎに来ているけど、ここでBBQを楽しむのは遠くからクルマに乗ってやってくるヨソの人が多い。つまりみんな免許を持てる年齢に達した“大人”なのである。魚飛に捨てられている空き缶のほとんどがチューハイとビールだし、紙おむつを捨てたのは間違いなく母親or父親、生理用ナプキンは当然ながら大人の女性...みんな大人の仕業である。そんな大人が子を育て、その子がまたその次の世代を育てる...“美しい国”の美しくない未来に暗澹たる思いになるけれど、嘆いているだけではきっと何も始まらないわけで、僕の出来ること...つまり自分の責任において変えられる未来、つまりMasaとAzuだけは「こちら側」の人間に育てること、そして出来る範囲で実際にゴミを拾うことに努めたいと思う。

Masaが言う。
『ゴミを捨てないってだけでは、イジメを見て見ぬふりをしてる“その他大勢”と同じだからね。ゴミを横目に平気で、いや平気じゃないにしてもとりあえず遊べるという感覚は、結局はゴミが落ちている魚飛渓を認めてるのと同じことになると思う。空き缶ひとつだけでもいいから“拾う”というアクションを起こした瞬間、“ゴミはNo!”という意思表示したことになって...もしかしたら未来は変わるのかもしれないね。』

怒りではなく慈しみ、非難ではなく行動...平成生まれの若い自然愛好家は、大上段に構えるわけでも、怒りに震えるでもなく、淡々と、でもきわめて情熱的に行動を起こす。美しいものが汚されていく過程をリアルタイムに見てきた僕らがどうしてもマイナス思考になっちゃうのとは違って、生まれた時すでに汚れきった自然を見た彼らは、ただ汚れたものを美しくしたいという思い...ある意味プラス思考なのかもなぁって思うけれど、それにしてもゴミ拾いするMasaは実に楽しそうだ。

『ゴミが落ちて汚れているのは目の前にあるこの川なんだけど、でも本当に汚れているのはゴミを捨てる人の心だよね。オレがゴミを拾ったって、その人たちの心までキレイにすることは出来ないしなぁって...なんだか無駄なことしてる気もしなくないけど、そんなことよりゴミを拾ってキレイになった川で遊ぶとオレの心がキレイになる気がするんだよな。よーするに自己満足。自分のためなんだよね。』

ハハハハ...結局は“ジコチュー”かよ?(笑)「誰かのために」とか「自然のために」とかじゃなく、「自分が楽しむために」目障りなものを排除してるだけという感覚...えげつない“生っぽい”ゴミを素手で拾うのは確かにイヤだけど、楽しく気分良く遊ぶための準備だと割り切れば...要するに楽しいダウンリバーのために重いカヌーを運んだり面倒な車の回送をするのが当然であるのと同じように。

実際にやってみるとカヌーをいかに楽に運ぶか?とかクルマの回送を楽しむ工夫をすること自体が楽しめるのと同じように、ゴミ拾い自体も宝探し感覚で意外に楽しく、また達成感もあったりするわけだし。

眉間にシワを寄せ怒りに震えながらゴミを拾う昭和生まれ。ウヒャウヒャ笑いながら「自分のため」に楽しくゴミを拾う平成生まれ...アプローチは正反対だけど、目指すものは昭和も平成も同じみたいである。


手袋をして川底の爆弾(割れたガラス瓶)をサルベージ&処理

ペットボトル、チューハイの空き缶、肉のトレイ、焼けこげた金網、割り箸などのBBQの残骸が一番多く、BBQグリルそのまんま、とか、“サウスフィー○ド”のテーブル、“キャプ●ンスタッグ”のトング、“スポーツ●ポ”の袋に入ったお皿のセットなど、あまりにもステレオタイプなBBQ族の顔が浮かんできそうな道具の数々(だから僕は野遊び道具の安売りに反対なのだ!)、果ては紙おむつ、靴下、パンツ、生理用ナプキンなど散乱するちょいエグい“使用済み”ゴミ(『絶対こういうのを平気で捨てる女と付き合うなよ!』なんて笑いながら...笑)を拾いまくる。
すぐにコンビニ袋が一杯になって持ち運び出来なくなるので、一杯になった袋を道路に一旦あげて、さらに新しい袋にゴミを拾いながら下り続ける。

ただ、ひとつだけはっきりしていることは、誰よりもここで楽しませてもらったという変な自負と責任感で全然イヤじゃないってこと。逆にひとつひとつゴミを拾って進む僕らの通った後にはゴミが一つも残ってないというヨロコビを感じつつ...そして、もちろん、僕らは川遊びに来ているわけなので、魅力的な淵があればゴミ拾いを中断して潜ったり、手頃な岩があればボルダリングを楽しんだりしながらだから、かなり楽しい!(笑)。結局、僕らのゴミ拾いダウンリバーは予想外にゴミが多かったこと、そして遊びながら泳ぎながらということもあって(笑)、魚飛不動尊の次の淵まででタイムアップ。


『川底のゴミはワタシに任せて!』漁の合間に
Azuも潜水して川底のゴミを拾い集めてくれる。

上:魚飛吊橋〜不動尊前の淵までを徹底的に掃除
下:最後に“ごみ収集車”ダッちゃんで集めた10袋

元々ゴミ拾いの準備をしてきたわけではないので素手だし、確かに生々しいゴミはイヤだったけど、何度か雨や川の流れに洗われてるし...と自分を納得させながら、コンビニ袋(大)10個ぶんのゴミを拾うことが出来た。後は道路からゴミ一つないキレイな魚飛渓を眺めながらダッちゃんに戻り、本心ではダッちゃんのカーゴルームを汚すのはいやだったけど、しょうがなく道端のゴミを収集しながら魚飛不動尊まで“ゴミ収集車”して、ともちゃんやAzuの協力を仰ぎながら分別した次第。


何と、最後に新品のゴミ袋(特大)を拾った!

家族全員で拾ったゴミをゴミ袋(特大)に分別

でもこの“汁”が染み出すゴミを持ち帰るのヤダなぁって思ってたら、何と最後に新品の“2枚入り特大ゴミ袋”がゴミとして岩に挟まって落ちているのを発見!うそぉ〜!でもホントに新品のゴミ袋。『何だか、魚飛渓の神様だか仏様だかのプレゼントだよね、これ。』Masaの言葉に僕も同感なのだった(ゴミ袋を拾って大喜びってのもちょっと変?)。


 

さあ、キレイになった魚飛渓を遊び尽くすぞっ!

手や身体やウェットはすっかり汚れちゃって酸っぱい臭いがしてるけど、何だか心はハレバレ!『これからオレたちが泳ぐ魚飛はゴミのない魚飛だぜっ!』なんて、ゴミの山の中で見て見ぬふりをして遊んでたよりはかなり贅沢な満たされた気持ちになって、僕らは不動尊の淵に飛び込む。


Masaお得意の“石抱き川底ウォーク”
水圧で顔が変型してるし(笑)

上:まずは潜って身体に付いた悪臭を洗い流し
下:大きな石を抱いて...深い淵へ

お次は天然ウォータスライダーでリュージュを楽しむ


ブファッ!面白れぇ〜!

もちろん5分も泳げばイヤな臭いはすっかり取れて、さらに気分はハレバレ!淵の底に沈んでカニを手づかみしたり、滝に打たれたり、天然滑り台でウキャウキャ騒いだり....いつも通りの魚飛を満喫した僕らだった。日暮れまで魚飛を満喫した僕らは、誰ひとりいない夕暮れの川べりでスッポンポン着替えを済ませ、川沿いにR42へ。お魚ランドの魚てつで今日の海鮮丼を食べ(魚にウルサいMasaは例によってマグロの刺身と太刀魚のフライだけを注文して醤油もつけずに美味い美味いを連発...笑)、少し走って古里温泉でフハァ〜!再び海山に戻り、和具ノ浜で初めてのP泊(意外?)となった。


Azuは終始、エビ漁で楽しむ

ちびエビをゲット!

満面の笑みを浮かべて,,,

再び水深3mの川底へまっ逆さま


手にエビたもを持ってると潜れるのっ!...それって母親と同じじゃん。


辿り着いた滝で修行ごっこ。
でも正座はちょっと変じゃないかい?

上:モクズガニの幼稚園児を手掴かみでゲット!
下:岩の割れ目を辿って...

滝からの帰り道はクネクネと続く
迫力あるロングウォータースライダーで戻る

上:秘技「ドザエモン」君って比重高いんだなぁ
下:秘技「オデコで倒立」なんじゃそりゃ

目一杯魚飛渓を楽しんで満足げな我が家


夕暮れの魚飛渓

トレーラーが2台停まっているだけの和具ノ浜。僕ら家族が一番騒がしいぐらいにとても静かに過ごしていらっしゃる“大人の”ご家族だったので、実に快適な夜。先客のトレーラーのご家族が早々に就寝された後、静かな海辺の階段に佇みながらふと空を見上げたら、満天の星!真上に天の川がくっきりと見え、大台ヶ原方面の空にいくつもの流れ星。いつも深夜0時まで鬼のように走って次なる目的地を目指す我が家のキャラバン...実はこんなゆっくりと時間が流れるP泊は久しぶり...海辺にお昼寝シートを敷いて、家族4人で寝転んでiBookの“今日の星座”を参考に星座を当てっこしたり流れ星を探したり…こんな旅も時々は必要だなと思った。


「魚てつ」の日替わり海鮮丼

和具ノ浜で星を眺めながらのP泊

涼やかな微風が吹く和具の夜。隣には盛大ないびきをかいて眠るMasa。僕は彼の髪を ヨシヨシしたり内緒でオデコにチューしたりしながら語りかける。たいした奴だよ、オマエ。このオレさまを言葉ではなく行動で動かすんだから(息子の影響を受けて成長する親父ってのもカッコ悪いけど...笑)。...僕はつくづく尊敬出来る&価値観が共有できる息子がいてくれる幸せを噛み締めつつ、とてもハッピー♪な気分で眠りについた。

 

9/9 和具ノ浜シーカヤッキングへ
 

September.2007 MENU

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