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FLAME LAYOUT

 

 

 

 

 

 

October.2005 part.3

 

 

 

 

 

 

 


独標山頂から穂高の岩峰群&岳沢を眺める我が家

 

10月15-16日 紅葉狩り以上クライミング未満(西穂高岳独標登山)

ダッちゃんの窓のスクリーンを下ろすと、雨音が小さく静かになる。現在、10/15(土)21:00p.m.。道の駅・奥飛騨温泉郷「上宝」の片隅に停めたダッちゃんでP泊中。MamaAzuは、早くもダッちゃんのリアに展開した上段ベッドおねんね。Masaは道の駅のベンチでひとり読書タイム。僕はダッちゃんのベッドに寝転がって、iBookを起動して14.4kpsでネットを楽しみながらビールをグビグビ。外は視界が数mしか利かないほどの豪雨だけど、暖かく安心なダッちゃんの車内。ルーフを打つ雨音の調べをBGMに飲む缶ビールがうまいっ!

今日は午前9時に出発し、東名阪〜名神〜東海北陸道を乗り継いで奥飛騨へ。元々はNESSYさんの企画で紅葉真っ盛りの平湯キャンプ場で秋キャンプのはずだった。平湯野営場にベースキャンプを設け15日は西穂方面(笑)にトレッキング、夜宴会の後翌16日に安曇野でそば三昧、糸魚川に抜けてトレジャーハント...素晴らしい計画だったけど、参加者の日程が合わず、挙句の果てにNESSY親分までが参加できなくなって、結局、我が家の単独行動となってしまったのだ。


ひるがのSAで霧に包まれるダッちゃん

ひるがの〜平湯まではMamaの運転で

本来なら当初の計画通り金曜夜にスタートし、土曜に登山の予定が金曜夜からあいにくの大雨。雨も酷いことだし土曜は野遊びは無理っぽいので、東海北陸道を途中で下りて、金華山近くのアウトドアショップ・楽山荘でショッピングを楽しむことにする。楽山荘ではAzu用のKarrimorデイパック(25L)とプラティパスのウォーターバッグを購入。Azuは珍しい色合いのピンクがひと目で気に入ったようで、彼女によれば中学校通学用デイパックとして使うのだそうである(準備早過ぎ!...笑)。でもって、そのままリバーサイドモール長良川に移動して、Masaのウェアを購入し、mont-bellアウトレットや雑貨屋さんなどをウィンドショッピング...結局ここで2時すぎまで過ごしてしまったせいで、東海北陸道を北上し高山市内を抜ける頃には日没を迎えてしまったのだった(涙)。


新穂高温泉へ

豪雨に笠をかぶるMasa

平湯トンネルを抜け、平湯温泉郷を通り過ぎ、今夜のP泊地である道の駅を下見した後、新穂高温泉へ。
車内で “るるぶ”を開き、あーでもないこーでもないと調べた結果、目を付けたのは200畳の広さがあるという露天風呂が自慢の「水明館佳留萱山荘」。受付を訪ねてみると、ここは立ち寄り客は混浴露天しか利用できないとのこと。バチバチバチッ!と弾けるように降る豪雨の中、湯船も洗い場もオープンエアはちと辛い気もしたけど、今さら他を探すのも面倒なので、ま、いっか!ってことで入泉料¥800を支払って建物からら200mほど離れた場所にある露天風呂へ小走りで向かう(風呂に入る前から髪はずぶ濡れ)。


200畳の広さを誇る「水明館佳留萱山荘」露天風呂はほとんど貸切状態

混浴ヤバイかも?なんて心配もあったけど、ダッちゃんのワイパーをmax.にしても前が見えないほどのあの雨の中で混浴露天に入るチャレンジャーは我が家ぐらいのものでした(笑)。雨避けの笠を頭に載せて豪雨の中、雨と立ち昇る湯気が醸し出す雰囲気は秘湯そのもの!野趣溢れる超広い露天風呂を満喫することが出来た。

そんなわけで、道の駅に戻った僕ら。
さっきまでクルマの出入りも多く騒がしい感じだったけど、21:00を過ぎてから急に静まり返って良い感じ。外の豪雨と相俟って、今夜もゆっくり眠れそうである。


ダッちゃんのベッドはスタンバイOK!

おっと、ベンチに座って五十嵐均著『ヴィオロンのため息』で第二次世界大戦末期の軽井沢の世界にはいってるMasaを呼び寄せなければ!(道の駅のP泊者は静かで概ねマナーの良い人ばかり。ただし休憩ルームは厚かましい中高年登山者の7〜8人のグループがマット&シュラフを広げて占拠!バーナーで熱燗し始めるわ、輪になって大声で騒ぐわ、やりたい放題...そこでMasaの一言。
『何考えてるんだろうねぇ、親の顔が見たいよな!あ、もうこの世にいないか...笑』
ここまで 空気が読めないと、マナーが悪いとかそういうレベルじゃなく“醜い”です。このオジサン&オバサンたちも50年なり60年なりの長い時間をニンゲンとして生きてきたはずだし、配偶者や子供たちがいるはずなんだけど、そういう人たちの価値までもを貶める行動...一番イケナイのは比較的若そうな緑のマイクロフリースの引率者かな?君だよ、君!アホちゃうん、自分。)

道の駅って本来は泊まる場所じゃなくて、僕らP泊する者も含めて本来の設置目的を逸脱した行為をやってる以上、それなりの奥ゆかしさ?が必要なんじゃないかと思う。『すみません、使わせていただいとります』という意識...これは何も道の駅に限らず、自然の中で遊ぶ者が自分のフィールド全般に対して常に感じているべきことなんじゃないだろうか?それを忘れた時、きっと自然は僕らに牙を剥く...そんな気がするね、とシュラフに入ったままMasaと語り合いつつ、眠りについた。


 


道の駅・奥飛騨温泉郷でP泊し、美しい森の中を新穂高ロープウェイに向かう

ピピピ・ピピピ・ピピピ...僕のとMasaの2個のPROTREKのアラーム二重奏で目が覚める。ん?もう朝か?道の駅・上宝、5:00a.m.、昨夜は21:00には眠りについたので8時間睡眠で爽快な目覚めだ。でも爽快なのはスクリーンを上げて空を観るまでで、明るくなり始めた空には黒い雲が流れててまだ雨も降っている。
ま、天気だけはしゃあないな、一応は準備だけでもするか!ってことで、ユニクロフリースの上下とHanesのトランクスを脱いでCaplineのブリーフ&TNFパンツ&シャツ、そしてPatagoniaのフリースプルオーバーに着替える。


鍋平パーキングで登山の準備

今日は始発のロープウェイに乗って西穂高口から一番身近なピークである独標への登山(正確には“紅葉狩り以上クライング未満”なんだけど...)の予定だ。もちろん朝から雨が降ってたら潔く観光モードに切り替える約束だけど、どうも流れる雲の上に素敵な青空が見えているような気がしたしEzwebの天気図&天気予報が良さげなので、僕の判断はGO!道の駅で洗顔&歯磨きを済ませ、ダッちゃんのエンジンに火を入れて第2ロープウェイ乗場のある鍋平高原に向け出発。
道の駅から新穂高温泉を抜けて霧の中に吸い込まれるような橋を渡ると鍋平の美しい森。入口ゲートで駐車料金を払い、美しく整備された鍋平駐車場にダッちゃんを停める。

ここでジャングルモックを軽登山靴に履き替え装備をチェックしつつ登山の準備を済ませ、ビジターセンターを通り抜けてロープウェイ乗場へと向かう。


鍋平に向かう新穂高大橋は霧の中へと伸びる

新穂高ロープウェイは全長573m高低差188m新穂高温泉駅〜鍋平高原駅を結ぶ第一と全長2156m高低差848m鍋平・しらかば平駅〜西穂高口駅を結ぶ第二の2本の路線からなっていて、我が家は駐車の容易さや帰りの混雑等を考えて二階建てゴンドラが自慢の第二のみを利用。
混雑していたものの7:15の始発便に無事搭乗して2155mの西穂高口駅までワープする。晴れていればゴンドラの窓から紅葉真っ盛りの燃えるような山肌を楽しむことが出来るらしいけど、今朝はお天気が悪くて視界数m。中間点ですれ違う下りのゴンドラも霞んで見えないほどだ。

数分で山上の西穂高口駅に到着し、登山客の流れに乗って千石園地方面に歩き出す。霧にかすむシラビソの森。何となくドイツっぽい雰囲気を味わいながら千石園地の木道を進み登山口へ。ここで登山届に記入を済ませ、7:30 いよいよ登山のスタートだ。


新穂高ロープウェイの二階建てゴンドラ
*この画像は帰り道のものです。朝の画像は
こちら

スタートしてすぐに下り。その後、前夜の雨でぬかるんだ泥道としっかりした木道が交互に現れる登山道をアップダウンを繰り返しつつ鬱蒼とした樹林帯を進む。深い霧で相変わらず視界が悪いので、空気が薄くてすぐに息が上がることを除けばここが2000mを超える場所であることを忘れてしまう雰囲気だ。


霧に包まれた西穂高口から登山開始!

30分ほど雲の中を歩くとようやく青空が

左手に視界が開けた場所に着いた頃、ようやく辺りを覆っていた霧が晴れ、徐々に西穂高連峰の山影が姿を現し、『おお〜!』思わず歓声が上がる。おお〜!はいいけどさ、あそこまで歩くんだぜ!何だか思いの他遠くに見えるんだけど...。左手の木立の間から見えるのは雲海に浮かぶ笠ケ岳。雨上がりの澄んだ空気のおかげで、山肌の岩のひとつひとつが色鮮やかにくっきりと見えて、なんだかとっても得した気分だ。

間もなく登山道は大きな岩が点在する上りに転じる。腰ほどの段差があってAzuは少し辛そうだけど、意外にも最初に音を上げたのはMama。どうやらロープウェイで急激に高度が上がったことで一時的に酸素交換が上手くいかなくなって息苦しくなったようだ。『ワタシ、ダメかも。』言葉少なに立ち尽くすMama。Azuぐらいならともかく、Mamaを背負って歩くだけのパワーは僕にはないので、とりあえず彼女のザックを僕が持つことにして、ゆっくりと進みながら彼女の回復を待つことにする。


ようやく雲が晴れ、目指す西穂高連峰が姿を現す。それにしても遥か彼方なんだけど...

 

ザックを2つ担いでの山歩き...ボーイスカウト時代はバテて泣き出した後輩のキスリングを自分のキスリングに積み重ねて歩いた思い出が甦って、なんだか懐かしい気分になった。(ただ、昔の横型のキスリングとは違って、今のザックは縦型なので積み重ねるわけにはいかないけど...)

あの頃は、25年後40歳の自分が“カノジョ”のザックを担いで北アルプスに登ることすら想像すらしなかったけど、息子に『パパ、重いだろ?オレも時々代わろうか?』なんて気遣われることになるなんて...10年前でさえも思いもよらない嬉しい誤算である。
20分ほどペースダウンしたことでMamaが少しだけ復活したので、ザックを交換して軽いGREGORY を彼女に担がせて、彼女のMILLETをMasaが担ぐことにする。『ナニこれ!?どうしてこんなに重いの!?』Masaが思わず悲鳴を上げる。そりゃそうだ。“担ぐのではなく着るのだ”な小さなGREGORYから、Mamaが19歳の時スペインでのバックパッキング用に買った年代物のMILLETじゃフィット感が違うのは当たり前なのである。

登山口から50分、視界がパッと広がったと思ったら西穂山荘に到着(8:20)。
ザックを下ろしてひと休みすることにする。


西穂山荘に到着し、ここで朝食


雲海の向こうには笠ケ岳の秀麗な姿が

 


30分ほど過ごした山小屋を後にして登山再開

建物の前のデッキに設けられたテーブル&ベンチに腰掛けて、昨夜山麓のJAストアで買ったパンの朝食。低い角度に輝く太陽は高山らしく紫外線が強い感じがありありで、全くの無風なこともあって暑いほど...各自、寒さに備えて布団圧縮袋に詰めたハードシェルやダウンジャケット&タイツ&オーバーパンツをザックに忍ばせてきたのがバカみたいな好天である。
朝食を済ませてデッキの縁に立つと、見渡す限りの雲海に島影のように浮かぶ焼岳、その後方には3000mオーバーの高峰・乗鞍岳の剣が峰とその下にコロナ観測所の白いドームまでがはっきりと視認できる。
30分ほどのんびりして体力の回復を待った後、再びザックを担いで、登山道へ。
最初は大きな石がゴロゴロした登りづらい感じだけど、高い樹木が姿を消しハイマツの低木が地面に這うだけなので、眺望が抜群で西穂山荘までとは全く別の山のような雰囲気...森林限界を超えたのだ。左手には絵のように美しい雲海と笠ケ岳。


大岩ゴロゴロで背の低いAzuにはちょっと辛い?

いえいえ、ご機嫌でございます(笑)

大岩ゴロゴロの道を進むこと20分、膝までの高さのハイマツに覆われた稜線をしばらく進むと、一旦平らになって比較的大きなケルンのある広場のピーク...丸山(2452m)に到達だ。突然目の前に目指す独標を始め、西穂高の岩稜が現れる!後方には雲海に浮かぶ焼岳が真近に現れ、その向こうに乗鞍岳。左手の雲海の向こうには笠ケ岳、遥か彼方に白山。そして雲が晴れている右手には梓川沿いに広がる上高地が箱庭のように...“なんちゃって”なのに、アルペン気分がたっぷりの素晴らしい絶景!なのだ。すげぇ、すげぇ!僕らは感動で立ち尽くす。


丸山ケルンから西穂高のピーク群を望む

山荘からここまで正味20分ほど。山荘の眺めとは比べ物にならない360°のパノラマが見られるのに子連れの登山客のほとんどは西穂山荘でほぼ100%引き返して行く(*本日、僕の知る限り子供連れで独標を目指したのは我が家だけでした。)のはホントに惜しいことだと思う。

ここからは登山道に真っ白な靴底大の石が敷き詰められたガレ場となり、いよいよ北アルプスらしい雰囲気が始まる。カランコロン♪と石琴のような心地よい音を奏でるガレ場を歩くと、Masaの顔が徐々に険しくなってくる...キタァ〜!高山病の兆しだ。


休憩を頻繁に入れつつ頂上を目指す

ガレ場付近から高山病の症状が出始めるMasa

『や、やっぱりダメみたい。』さっきまでの元気がウソのように一歩づつ歩みを進めるたびに、切り花の早回し映像のように萎れてゆくMasa。『まさみち殺すにゃ刃物は要らぬ。森林限界超えりゃ良い♪』とも歌われるように(歌われてないか?...笑)、極端に高山病に罹り易い彼なのだ。
3年前の乗鞍では、3歩歩くたびに10分休憩が必要なほどだったけど、今日はそこまでは酷くないみたいで、80歳の老人のようにゆっくりながらなんとかガレ場を通過。(ハイマツが途切れる地点で鼻血ブ−!になったけど...笑)3000m超の乗鞍に比べて3〜400mほど低いことが幸いしたのか、今日はAzuとMamaは高山病の兆候は出ず。


ガレ場に座って休憩。雲に覆われている
焼岳と遥か彼方の山塊は乗鞍岳

上:それでも足は止めないで歩き続ける
下:いかにもアルプス!な光景にウキャキャなAzu

『あれが上高地バスターミナルだよね?じゃ、左手が明神池だな。』
『河童橋はちょうど中尾根に隠れて見えないね。』
『ほらほら!大正池が見えるよ!立ち枯れの木まで見えるし!』
3年前のトレッキングの記憶を辿りながら眼下に望む箱庭のような上高地の眺望を楽しんでいるうちに鼻血も止まり、高地に順応し始めたのか元気を取り戻すMasa。さすが、若さゆえぇぇ〜♪(古!)である。


Azuにカメラを渡したら...

最初に撮ったのはこの写真

Azuが撮影した梓川と上高地。左が上流の明神池、正面が河童橋、右手に大正池の立ち枯れが見える
(22mmレンズで撮影したものを2枚合成し11mm相当)

Masaが休憩している間、『うわぁ〜キッレェ〜イ!』と歓声を上げながら、僕のザックから取り出したワイドコンバージョンレンズを付けたRICOHで、自分の名前の由来でもある梓川の写真を撮りまくり。(親バカながら、彼女はなかなか絵ゴコロがある。特に彼女の風景写真はフレーミングが完璧に近いのだ!写真って要するに風景のどこを切り取るかというセンスだからね。)
目を奪われる美しくダイナミックな景色に夢中でシャッターを切るAzu。登山の後でPapaからのビッグなプレゼントが約束されていることもあって、Azuは終始ゴキゲン...さて、その“ビッグなプレゼント”とは何?(答は最後までお楽しみに..笑)


いよいよ独標が目前に迫ってきた!滑落しないよう慎重に岩場を進む

Masaも元気になったところで、いよいよ眼前に迫った独標へのアタック開始!(大袈裟な...笑)台形のどっしりとした岩塊のピークには人影がちらほら。突然『ヘックショ〜ン!ウェ〜イ、コンチクショウ!』ピ−クのおじさんのちょっと派手目のクシャミが聞こえる距離(笑)...“腐っても北アルプス”!そのピークのひとつに立つ瞬間はもう間もなくである。


Masaがコースを選びつつ先導する

ここではピースしなくていいんだよ!

独標の岩稜をよじ登る

滑落しないよう足元に注意しながら、アタック隊長(別名・鉄砲玉)のMasaを先頭に一列で岩場を進む。独標本体の麓の鎖場で、慰霊碑を見つける。1967.8.1、松本深志高校の一行46人が落雷にあい、11人が死亡、13人が重軽傷を負った遭難事故を追悼したものだ。今日は落雷の恐れはないものの、誤って滑落しこんな場所に名前を刻まないよう、心を引き締めて岩にへばりつくような“三点支持”でグイグイと登る。渓流での“なんちゃって”ボルダリング練習が効を奏してMasaのルート選択はなかなかのもので、あっと言う間に2701m・西穂独標に登頂成功!


登頂成功!(2701m)

時刻は10:40。ガレ場に入ってからMasaの高山病でペースがかなり遅くなったものの、西穂山荘での朝食タイムの30分を差し引けばスタートから2時間半となかなか良い感じ。ま、実のところ時間なんてどうでも良くて、家族4人全員が励ましあいながらこうして無事に登頂に成功し、同じ景色を眺め笑顔で同じ感動を共有できること...それが何より嬉しいことである。
山頂に立って、僕の人生でベスト10に入る絶景を一通り楽しんだ後、僕が思わずやったのはCASIO PROTREKの高度計の確認(笑)。どうでもいいことだけどPROTREKは2710mという数字を表示してて、小市民的に嬉しい僕。隣で僕と同じようにPROTREKを見つめて『2715m間違いない!』と呟くアタック隊長の姿...すご〜く親子の絆を感じるのだ(笑)。
独標の山頂は下から見上げて想像してたよりも狭いので、大勢の登山客で結構押し合いへし合い。登山道を見下ろすとまだまだ後続の登山者もありそうなので、記念撮影を済ませた僕らは、西穂側に少し下った場所にある岩場で一休み。眼前にはピラミッドピーク、西穂高岳から延々と続く西穂高連峰の岩峰群と以前、上高地・河童橋から見上げた岳沢の素晴らしい景色を楽しむことができる。『ヘックショ〜ン!ウェ〜イ、コンチクショウ!』アレレ、クシャミおじさんは、もうピラミッドピークまで進んでるし(笑)。


後続の登山者に配慮して、山頂に
長居は無用!すぐに下山開始。

上:怖がるのかと思えば、この笑顔
下:雲海に向け下る感じがイイ!

『さ、そろそろ下りましょうか?』Mamaの一声で僕らは再びザックを背負い下山開始。ピークハントの感動はあまり長くは続かないもの。非日常が日常になる前に退散するのが肝心なのである。独標の岩塊りを下りる際は浮石に少し注意が必要だけど恐怖感はさほどでもなくて、一応僕がルートや足を掛ける岩の指示を出しつつ無事、鎖場をクリア。そこからのガレ場は各自それぞれのペースで自由に下山することに。僕のMountainSmithから外したLEKIのポールを一本づつ与えると“下りの女王”と“下りの王女”の母娘はその称号に恥じないスゴイペースであっという間に見えなくなり、Masaと僕は顔を見合わせて苦笑い。


小さなカラダでよく頑張るAzu。その元気の源は?(↓答はこのページの下で明らかに!)

『オレもポール使ってみようかな?』これまで絶対にポールを使おうとしなかったMasaが珍しくそんなことを言うので試しにペアで使わせてみると...『ひゃひゃひゃ、コレ良いわ!スゴイスゴイ!』下りということで、自分なりに少し長めに調整したポールを駆使して、まるでスキーでも履いてるかのようにハイペースで下っていく。『大洞山でコケた時、杖を作ってくれただろ?あれ以来ポールを使ってみたかったんだ。』カモシカのように、というよりも手足の長い蜘蛛が歩くように進むMasa。カランコロン♪ガレ場の岩が乾いた心地良い音を立て、秒間2歩ってなハイペースでも危なっかしく見えない...ポールの威力は絶大だ。丸山のケルンまでノンストップで下り、そこからさらに西穂山荘まで下ると、朝の静かな雰囲気とはガラリと変わって、山荘前のデッキは大勢の人々で溢れかえっている。朝イチはほぼ100%が登山装備を身に着けた中高年の“登山愛好家”っぽい人ばかりだったけど、今はカジュアルな服装の人も多く、Azuぐらいの子供の姿もちらほら。


ガレ場をカモシカのように跳び下るMasa

西穂山荘に到着しお待ちかねの昼食

ザックを下ろし、一休みした後、山荘に併設された“喫茶・山小屋”に入ってランチタイム。実は僕のザックにはプラティパスに詰めた水3Lとラーメンをはじめ一家4人×3食分=12食の蓄えがあって(水はさらに各自1Lづつ持参)、ここで食べて荷物を軽くするのが得策なんだけど、“大好評!西穂ラーメン!¥800”のはり紙を見てしまうと、古座川で食べたのと同じ棒ラーメンを食べる気にはなれない(今日は乾燥具材がないし...笑)。


ポールを手にしたMasaに、僕はもう追いつけない

『棒ラーメンは家でも食べられるけど、西穂ラーメンはここでしか食べられないものね。』ってことで、家族でピリッと香辛料の効いた美味しいラーメンを堪能する僕ら。
『なんだか、帰りたくないなぁ...』デッキに座ってのんびり日光浴をしていると尻に根が生えて来る僕とMasaだけど、Azuは下山後の“お楽しみ”(文句も言わずに登山ができたのは、この“ニンジン”が目の前にぶら下がってたおかげなのです...笑)が時間切れにならないか気が気じゃないようで、『ねぇねぇ、早く行きましょうよ!』と下山を促す。『じゃ、先に行けば?オレたちもう少し“アルペン気分”を味わってから下りるからさ。』ここでついに男組&女組のふた組が別行動。『お先にぃ〜!』ザッザッザとリズミカルな足音を残し立ち去る彼女たちを見送って、僕らは穏やかな山の空気を胸いっぱいに吸い込んでアレコレ話を楽しみながら、さらに20分ほど日向ぼっこを楽しむのだった。
暫くして山麓から観光客っぽい団体が到着して、山荘付近の混雑が激しくなったので、僕らも下山開始。

ポールを手にしたMasaのペースはもう尋常じゃなく、Masaと僕はスクーデリア・フェラーリを追いかける10tダンプほどのペースの差。彼はハイペースながら背筋をピンと伸ばしてサッサッサとリズミカルに進んでいるのに対し、僕はへっぴり腰でピョンピョン岩を跳んで小走りで危ないったらありゃしない。登って来るおばちゃんの目にも明らかに僕が劣っているように見えたのか『お父さん、頑張って!息子さんに置いて行かれますよ(笑)』なんて冷やかされる始末(涙)。LEKIをもう2セット買おっと!つくづくそう感じる。
何しろそんなハイペースなのですぐに女組に追いつく僕ら。40分ほどで千石園地に到着し、下山届に記入した後は、観光客で溢れかえる園地を抜けロープウェイ乗場に無事到着。こうしてちょっとハードな紅葉狩りは終わりを告げたのだった。


Mamaもポールを取り出して素晴らしくスピーディに下山

普段なら毎時0分、30分と一時間に2本運行されるロープウェイも、今日は満員御礼でピストン運行中だ。乗場にはかなり長い列が出来てたけど、10分ほど待っただけで無事乗車。朝の上りとは違って雲の切れ間から時折、西穂連峰が覗き、眼下の山肌の燃えるような紅葉も楽しむことが出来た。


ロープウェイの窓から望む西穂高連峰。(右側の少し雲がかかった台形のピークが独標)

観光客の皆様は第二ロープウェイを下りてからさらに第一ロープウェイ乗場でかなり待たされるみたいだけど、僕らはここがスタートなのでラクチン。降り口にある“アルプスのパン屋さん”でクロワッサンを買い込み、駐車場に向かう途中の足湯のそばの屋台で飛騨牛の串焼きをつまんで、ダッちゃんへ。

とりあえず靴だけ替えた僕らはそのまま平湯を抜けて高山市内へと向い、Azuの“ニンジン”こと高山のテディベアエコミュ−ジアムに立ち寄る。

ロープウェイから一瞬見えた紅葉


何故か観光地には必ずある“テディベア”博物館。あまり期待していなかったけど、入ってみると僕のようなおじさんでも結構楽しめるものだ。特にここ高山のものは名前に“エコ”という言葉が含まれることからも判るように、テディベアを通じて地球環境を考えようってな趣向が凝らされていて、(“エコ”に関して充分に煮詰られているとは言いがたいけど)単なるクマのヌイグルミを展示するだけではない独自の主張みたいなものが芽生えてる感じが良い。“ヨンさま”テディベアに爆笑し、patagonia社が寄贈したというリサイクルフリースのハギレをさらにリサイクルしたテディベアやSMOKEYベア柄のペンドルトンブランケットに目を奪われたりして過ごした後、ショップで約束通りAzuの好きなテディベアを買ってあげることに。


Azuが元気に登った理由は、ここ高山テディベアエコ
ミュージアムに立ち寄る約束をしたから(笑)

上:ド−ルハウスはMamaも夢中
下:ペンドルトンのSMOKEYベアバージョン

少し前に『ワタシね、楽しいことやイヤなことがあったりすると、いつも寝る前にヌイグルミに話すのよ。するとスゴ〜く気持ちが楽になって良く眠れるの。』なんて話を聞いた。
友達が多くて誰にも好かれるタイプで、おまけに楽天的な性格の彼女がそんな風にヌイグルミに気持ちをぶつける瞬間があるなんて、とても意外だったけれど、Papaに言えないことをPapaに代わって聞いてくれる存在になり得るのなら、Papaがお気に入りのクマちゃんを買ってあげましょう!加えて、テディベアって母から娘へ娘から孫娘へと何代にもわたって引き継がれる性格のものだし、僕としては自分の一か月分のお小遣いに相当するぐらいのものを買ってあげるつもりで覚悟を決めてクレジットカードを準備してたんだけど、Azuが一番気に入ったのは作家さんの高価なのじゃなく、彼女の財布の中身で買えそうなクマさん。
『だって、この子が一番可愛いんだもん!』はいはい、親孝行な娘さんでPapaは嬉しいです(笑)。


patagonia社寄贈の端切れフリースベア

お約束のテディベアを買ってもらってゴキゲンAzu

これ以上ないほどの満面の笑みを浮かべ抱っこして離さないAzuは、早速このテディベア“CLIO”(栗毛で一生一緒に過ごしたいから「栗緒」なのだそうです)と名付けてダッちゃんの車内でも常に膝の上。自分の部屋で200匹を越すヌイグルミとともに暮らしてる彼女にとっても、この“CLIO”君は、頑張った西穂独標の思い出とともに特別な存在になることだろうと思う。

テディベアミュージアムを出発した僕らは、すでに漆黒の闇に包まれた東海北陸道を南下...白鳥・美人乃湯に立ち寄って登山の疲れを癒し、SAのコ−ヒールンバ♪が流れる自販機で買ったコーヒーを飲みながらiPodの音楽を楽しみつつChichoの待つ家を目指す。
お買い物あり、秘湯あり、豪雨のP泊あり、紅葉あり、登山あり、そしてお楽しみの“ニンジン”あり(笑)の2日間。白鳥を出てからというもの家族の寝息三重奏をずっと聞かされつつ、結局、一番疲れたのは400マイル(640km)を運転した僕だけでございました。ま、腰痛も治ったことだし、このぐらいどうってことないんだけどさ...

 

 

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