青空の下、無人島を目指す!
8月20日 九龍島へ!(古座・シットオンカヤッキング)
我が家のシーカヤック熱が高まっている。...と言っても、今すぐ買おうとかってんじゃないけど、夕方書斎に入ると、ともちゃんのiMacのキーボードの横に“シーカヤッキング入門”が置いてあったりするレベル(笑)。ただ、万一夫婦の意見が合致して、臨時収入なんかがあったりしたら、like
a rolling
stone...転がり始めたら止まらないぜ!な我が家なのである(あ、like
a rolling stoneの意味が違う?...笑)
夕食の話題でも、ともちゃんが『シーカヤックってグリーンランドタイプとアリューシャンタイプがあるのよね?』なんて言い出すもんだから、ついついソチラの話題になってしったりして非常に危険な状態...要するに臨界寸前ってとこか?(笑)。
我が家の場合、シーカヤックと言っても、先日、隠岐で乗ったような本格的なモノではなく、にしび〜の“桃色吐息”号=マリブ・ツーのようなシットオンタイプ。小心者の子供達やカナヅチの奥様を乗せて外洋に出たり、海峡横断したりという無謀な希望は全くなくて、とりあえず自分が泳いで戻れる範囲...たぶん今の体力では2〜3kmが限界だと思うので、その範囲で美しいビーチをベースに半島の向こう側、あるいは湾内の無人島にある人が少ないシュノーケリングポイントへの足としてチョコチョコっと漕いで、カヤックから海に飛び込んで遊び、疲れたらカヤックによじのぼって戻って来る...そんな遊び方を思い描いている。でも、こういう遊び方を年に何回できるんだろ?って考えた時、年に数回の遊びのためにシットオンカヤックを2艇揃えるバリュ−forマネー、バリュ−for手間は我が家の場合はちょっとね、なのは確か。我が家のメインアクティビティであるカナディアンカヌーだって、年にたった20回程度しか使わないわけで、HUNTERのように10年以上使ってやっと減価償却できるかな?程度のことなんだから...もちろん、あのクソ重いポリエチレンの塊をダッちゃんのルーフに積み重ねて載せる体力的な自信もないし、たぶん思い描くだけで終わるか、もし仮に勢いで買ってしまっても後悔だけが残るような気がしてならない(涙)。
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そんな中、今日は急遽、ホントに急遽、シットオンカヤックで九龍島へ渡った。
九龍島...香港にあるのはkowloon(クーロン)島で、今日僕らが“なんちゃって”シーカヤッキングしたのはKuroshima。南紀の清流・古座川河口の沖に浮かぶ周囲1kmほどの無人島で、かつて熊野水軍の拠点だったとされる場所である。
第一回のリバ−ワーク・古座川クリーンアップ大作戦でKIKUOさんと初めてお会いした時にその存在を教えてもらって以来、古座に行く度に沖の島影を眺めつつ、行きたくてもなかなか行けなかった九龍島。
お盆にアキヒロさんちが渡られた話を今日メールで耳にして(目にして)、その魅力を再認識した僕。急転直下、行くしかないだろ!しかも明日!ってことになった次第なのだ。
『え〜、明日ぁ〜?』
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朝霧に包まれる伊勢道
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ちょっと突然過ぎるわよってな反応だったMamaも、明日が大潮だと聞いて
『えっ?大潮?じゃ、もしかして●●や××も潜らなくても採れるかな?』
もうノリノリなのである(笑)
『すみませ〜ん。九龍島に行きたいんですけど、シットオンカヤック借りられますか?』
思い立ったが吉日、すぐに古座観光協会内の海賊倶楽部に電話。
『ええ、貸出ししてますよ。で、いつです?』
『明日です。』
『あ、明日ですか?ハハハハ...大丈夫ですよ。』
電話口で観光協会のお姉さんに失笑されながら、HPからPDFの申込書類をダウンロードしてFAX。夕方、お姉さんから確認の電話があって、これにて予約完了!簡単なのである。『営業時間は何時からですか?』『朝の8時半からです。』『午後からは雷雲が発生しそうな天気図なので、8時半にそちらに行きますから、ヨロシクです。』よく考えたら古座は我が家からほぼ一般道で220km。8時半に着こうと思ったら5時には出ないと!でも、それがちっとも苦じゃなくなりつつある自分が怖い(笑)。
そんなわけで、コンビニで昼食の材料や飲料水を買う時間を見越して4時起床&4時半出発。昨夜までの雨で発生した濃い朝霧を切り裂くようにダッちゃんは進む。霧に覆われてお天気はイマイチ判らないけれど、霧の向こうにぼんやり浮かぶ白い円のような太陽が見えてるので、気温が上がれば晴れ渡るに違いない。伊勢道からR42を南下。シャカリキになって飛ばすと言うよりも、のんびりクルージングってなスピードなので、古座駅前に到着したのは8:30ジャスト。早速、古座川名物・カヌータクシーが4台ほど並んだ海賊倶楽部の艇庫前の駐車スペースにダッちゃんを停め、駅構内の観光協会で手続きを済ませる。ダッちゃんで着替えを済ませ、レンタル料と引き換えに貰った黄色い書類を艇庫前のオニイチャンに手渡すと、手際良くCobra
Tandemと大書された黄色と黄緑色の2艇のシットオンカヤックと4本のパドルをトラックに積込んで、川へGo!
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古座川河口・古座橋を2艇でスタート
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海!!
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『カヌー経験者ですよね?』『はい、カナディアンカヌーを何度か。』これだけで面倒な手続きも親切すぎるレクチャーもなし...自分のケツ...失礼!自分のお尻は自分で拭くのが基本の“き”であるカヌー遊びの本質を良く理解されていて非常に心地よい対応である。
古座川河口部・古座橋のたもとが出艇ポイント。ここで安全のためのルールを幾つか。
まず、島に着いた時、島を出発する時、そして再びここに戻った時、観光協会に電話を入れること。それから万が一...じゃなく百が一か五十が一、海が荒れたり突風が吹いたり不慮の事故があって自力で戻れない時は、無理しないで電話で助けを呼ぶこと(漁船or渡船が迎えに来てくれるらしい。但し当然ながら有料...笑)などなど。それ以外はどうぞご自由に!
『午後から雷鳴るかもしれんよぉ〜。』オニイチャン、ヘラヘラ笑いながら紀州弁で脅かす脅かす(笑)。
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積み荷満載のPapa&Azu艇
古座川・古座橋を2艇のシットオンに分乗して9:30ちょうどにスタート。
いつもの調子でカナディアンカヌー3艇体制の時と同じだけ“持ってたら便利かも?”な道具まで載せたので、シットオンカヤックは荷物満載...難民船みたいだ。時折通る漁船の立てる波を楽しんだり、並んで漕いでぺちゃくちゃお喋りを楽しみながらR42の古座大橋の下をくぐって海へ!
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目指すはあの九龍島!
漕ぎ手のバランスが良いのか?それともダブルブレードパドルのセンスがあるのか?Masa&Mamaのグリーン艇は白い波を立てて快調に進む。それに引き換え、Azu&僕はパドルがぶつかり合うばかりで、どうも不調(涙)。それでも海に出て若干のうねりを感じつつ、青い空と白い雲の下でいつもの川では味わえない海ならではの開放感の中を漕ぐのは何とも気持ちイイ!
『目標は10時の方向、九龍島!』『ラジャー!』
Azuとふたりで船乗りさんごっこ(笑)。
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『あの砂浜に上陸よ!』『ラジャ−!』
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上陸ポイントを確認して...
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鯛島を周遊
積み荷満載で少々漕ぎ辛いけど、安定した...というか安定し過ぎのCobra
Tandem
Kayaks。仮に沈...というか転覆しても、特別な技術なしにフネを起してそのままラフによじ登るだけで、何事もなくリスタートできる(自動排水機能付き)シットオンカヤックの安心感は絶大なのだ。
隠岐で漕いだNorthwest
Kayaksのシーカヤックはもちろん、マリブ・ツーと比べてもかなり鈍足なCobra
Tandem。でも、その鈍足なフネでも川を10分&海を10分漕ぐと九龍島に到着。カヤック&ダブルブレードパドルに不馴れな素人な僕らでさえ20分足らずで着いちゃうんだから、ちょっと慣れた人なら5分と掛からない距離...島に渡る前は慣れない海ってことで、少し心配気だったMamaも『な〜んだぁ、こんなに近いんだ!』とがっかりするほどに近い。
『カナヅチの君でも、ウエット着て必死になれば泳いで帰れるよ、たぶん』
『そうねぇ。』
カナヅチMamaが泳いで帰ることを強く否定しない...そんな距離感である。
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大変魅力的なビーチ
あまりに近過ぎて拍子抜けなので、隣にある鯛島を回って景観を楽しんだ後、9:55島唯一の砂利浜に上陸。不意の波に流されないようにカヤックを砂利浜の少し高い場所に上げ、積み荷を解く。
Welcome to Kowloon island !...じゃなくKuro
island!古座の浜とは全く違うエメラルドグリーンの海の色が印象的な素敵なビーチ...九龍島は亜熱帯原生林として市町村指定文化財にもなっているほどで、つまり古座の中でここだけは亜熱帯と言っても過言ではない南の島なのである!(サンゴの北限でもある)
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40kg超の重いカヤックを引きずり上げるAzu
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無事、九龍島に到着
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クーラーバッグなどを日影に移動し終えて改めて周囲を見回すと、まず目に付くのがビーチに向かって真っ黒な口を開けている数多くの洞窟。オーバーハングした安全そうな一枚岩などもそこかしこにあって、万一雷雨に襲われた時も避難場所に困ることはなさそうだ。
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洞窟の中は真っ暗!
ビーチの後ろに口を開ける洞窟を抜けて...
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休む間も惜しんで、シュノーケリングセットと飲み水、そしてヘッドランプを手に一番大きな洞窟に入る。
情報によれば、この洞窟は島の反対側(つまり太平洋側)へと通じていて、古座側とは全く別の島のような南国の海が広がっているということなので、ワクワクドキドキで真っ暗な洞窟の中を慎重に進む。
洞内は幅1.5mほどで比較的歩きやすいけれど、中央部に水たまりがあって膝まで入って進む必要があり、いきなりAzuが転倒。でも、50mほどで出口の眩しい光が見え、なんとか島の反対側に到着!おおっ!すげぇ!思わず、♪波が違う、岩が違う、光が違う、海の色がちが〜う♪と山口百恵の古い替え歌を歌ってしまうほどに何もかもが、上陸したビーチとは違う光景。何となく屋久島・いなか浜を連想する色合いなのだ。
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岩々ゴツゴツで波がザップ〜ン!なので、迂闊に飛び込めないなぁって思ってたら、すぐ隣に立ってたMasaがいきなりドッポ〜ン!続いてMamaもAzuもさっさと海に入って行く。少し遅れて僕もマスクを着けて海へ。
飛び込んだ瞬間、目の前に広がるのはピンク色?いや、ライトバーガンディの海藻と澄み切ったクリアブルーの水、2色しかない世界!少し潜って水面を見上げると、海底の海藻の色が水面に映って、波でユラユラと揺らめくさまが、まるでハシシを吸って音楽を聴いた時に見える幻覚のよう(...らしい...笑)。
そこを翡翠色に輝く小魚の群れが通過し、20mほど先で潜水を繰り返すMasaの姿がクッキリ...カメラのホワイトバランスのリセットが必要がないほどに透明な海だ。
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島の反対側の磯へ(ワクワク!)
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目を海底の岩々に移すと、この世のものとは思えない色の洪水。色とりどりの海藻の間に点在するのは珊瑚。その間を極彩色のニシキベラがヒラヒラと泳ぐ。和具のとは違って、ここのニシキベラは大人サイズから中学生サイズ、そして幼稚園サイズまで様々な大きさが揃っていること。特にソラスズメダイと同程度の幼稚園サイズの個体はホントにカワイイ!
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いきなり岩からジャンプ!するMasa
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ピンク系の海藻が密生しているので水面もピンク!
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間もなく僕の足元を飛行船のような緑色の目を持つ大きなフグが通り過ぎる。よく見るとそれはフグではなく体に無数の針を持つハリセンボン。手足を使ってそのハリセンボンを岩の隙間に追い込んで、膨らんでポーズを取ってもらおうとちょっとだけ刺激してみる。最後は手で下からすくい上げて水面上にまで持ち上げてみたけど、どうも性格が温和なハリセンボンらしく、全然膨らんでくれず(笑)、『なんぞ用事どすか?あんさん、何しはりますのん?』ってな目で僕をじっと見つめるので、ちょっとかわいそうになって、ポーズを取ってもらって写真を何枚か撮って別れる。
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波は高いけど海の中は抜群の透明度
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水面ギリギリは小魚の群れが覆い尽す
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陽光を浴びてキラキラ輝く魚たち
しばらく磯で遊んだ後、岩場を抜けて鯛島の方向へ泳ぎ出すと海中に断崖絶壁があり、水深は一気に数十mになる。断崖の縁に立つとあまりに透明なので水中なのに何だかスゴイ高度感。なんで海で高所恐怖症が出るねん、と自分自身に苦笑しつつ、スカイダイビング感覚でエイヤッ!と断崖の縁を蹴って飛び出すと、背中に羽が生えて空を飛んでいるような錯覚を覚える。海底には大型のニザタイの群れ。一緒に泳ぐチョウチョウウオの大きさから察するに体長は3〜40cmはあろうか。
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深い海を泳ぎ渡るAzu
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カナヅチMamaも!
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ニセクロナマコがゴロゴロと転がり、どうみてもアレはア●ビだよなぁ、でもデカすぎるよなぁ、なお宝もいくつか発見...残念ながら僕の潜水能力では歯が立たない深さなので“見てるだけぇ〜”だ。とても魅力的な九龍島・太平洋側の海。でも、かなり波が高く、注意しないと波で岩に打ちつけられて怪我をしそうなので、磯場でのシュノーケリングは少々注意が必要だ。
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南の島のような海の色
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ビーチ側の磯は初心者向き
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洞窟から見たビーチ
1時間ほど遊んでちょっと疲れた僕らは、海から上がって洞窟を通って上陸したビーチに戻って一休み。早めのランチを済ませた後はビーチの前に広がる岩礁で再びシュノーケリング。ここは太平洋側と違って透明度はそれほどでもないけど、波もなく穏やかな“初心者向け”の遊び場。MamaとAzuが休む間を惜しむようにすぐにそこへ飛び込んで行ったので、僕とMasaはビーチの奥で見つけた階段を登って、九龍島探検に出発だ。急な階段を登り切ると、そこには小さな祠がある。詳しくは判らないけど、僕の直感ではたぶん弁天さん。Masaとふたり拍手を打って御参りを済ませてビーチに戻る。
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MamaとAzuが漁をしてる間に登山?
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頂上付近の祠(不思議な光柱が写ってしまった!)
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ビーチに戻ると、相変わらずMamaとAzuの姿はなく、磯の方向から『ウギャ〜!』『クソォ〜!』いつもの雄叫びが聞こえてくる。ふたりは相変わらず漁の真っ最中のようだ。
で、今度は男2人で島の地底を縦横無尽に走る洞窟探検に出発。到着前にカヤックから数えたところ、九龍島には確認できただけで水面スレスレに8〜9個の洞窟の口があって、それが波の浸食作用によって出来たとすれば、きっと内部で繋がっているに違いない...そんな仮定のもと、まずは右端の洞窟へ。入ってみるとこの洞窟は短くて、隣の穴やさきほど島の反対側へ行く時に通った洞窟に通じていることが確認できたので、次はビーチの左端の洞窟へ。
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島の東端に出た!
ここからの日の出は美しいだろうなぁ...
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今度は洞窟探検
おおっ!出口があるぞ!
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ここは小さな入口に対し、内部はひたすらデカイ!実際に測ったわけではないけれど、幅、高さともに十数m。先日歩いた秋芳洞にも似た体育館のようなスケール感で、かつてここが熊野水軍の拠点だった時、フネを隠したとされるのはここに違いない...そう確信する大きさだ。
『スゴイね、ここ。』
『うん、スゴイ。』
『何がスゴイってこんなスゴイ場所を家族4人で独占出来るのが何よりスゴい(笑)』
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潮だまりは何かの稚魚が湧き立っている。
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この光景、おっさんの心も捉える
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洞窟を100mほど辿ると島の東側にぽっかり開いた出口に出る。真っ暗な洞窟から見る空の青は見慣れた空の青ではなく、何か特別な青に見える。
『空ってキレイだね。』
『あぁ、キレイだな。』
『地球っていいとこだね。』
『うん、この星に生まれてヨカッタな、ホント。』
何故か地球レベルに話が及ぶ、そんな雰囲気がここにはある。洞窟の出口の下にはちょっと遊泳禁止っぽい波の荒い磯。大きな岩を跳ぶように渡って波打ち際まで行くといくつかの潮溜まりがあって、その中で何かの稚魚がウジャウジャと波にもまれているのが見える。
数千?数万?綿々と受け継がれる命の源はこんなところにあるんだな...波に注意しつつ稚魚を手で掬って、掌に稚魚がピチピチ跳ねるくすぐったい感覚を楽しみながら、僕らは飽くことなく非日常の風景を眺め続けるのだった。
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海賊が船を隠したという逸話もあるかなり大きい洞窟。
対岸の古座の町の後にそびえる重畳山。そのお山の後方にモクモクと入道雲が立ち上がり、遠くで雷鳴のような音がしたので、そろそろ帰るタイミングのようだ。そこで僕の防水ウェストバッグで携帯が鳴る。
『akiちゃ〜ん、見える?こっちこっち。』NESSYさんからだ。
『え?どこ?』
『今、浜に降りて九龍島見てるんやけどな、肉眼では見えへんけど、LUMIXの20倍ズームで覗くとakiちゃんたちらしい人影がかすかに見えてるよぉ〜!』
あ、もしかしてテトラの防波堤の間のオレンジの点がNESSYさんか!?昨日、電話したら今日はすさみの山の学校に行くってことで、会えたら古座で会いましょか?って話してたんだけど、用事を済ませ、ホントにわざわざ僕らに会いに来てくれたのだ!
『じゃ、今から海渡ってそこへ行きますわ。待っててね!』カヤックに荷物を積み込んで九龍島を後にしてNESSYさんの待つ対岸の浜に向け出発する。待っててくれる人がいると何だか嬉しい。これがおっさんじゃなく若いオネエチャンだったらもっと嬉しいけど(笑)
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NESSYさんの待つ対岸へ!
あのテトラの隙間を抜けるぞ!
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上:漁船の波が楽しいっ!
下:対岸から見たちっぽけな僕ら
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漁船の立てる波以外は凪いだ古座の海を10分ほど漕いで対岸の浜へ。
砂浜ではNESSYさんが三脚にLUMIXを構えて僕らを撮影してくれてる姿が目に入る。消波テトラブロックの間を抜けて砂浜に上陸し、フネを少し浜に上げてNESSYさんと挨拶。天川の大峯奥駈道以来だから一ヶ月ぶりにお会いするNESSYさん...元気そうでなによりだ。
僕とMamaがNESSYさんと話してる間、子供たちはP.F.Dで浜に押寄せる波に乗って大はしゃぎだ。
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“なんちゃって”だけど、一応海峡横断だ!
砂浜に上陸!
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古座大橋をくぐって古座川へ入る
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とりあえず僕らはカヤックを古座川のスタートポイントに運ばなければならないので、一旦NESSYさんと別れ、再びテトラの外を進む。午前中より多少うねりが大きいものの、快適なカヤッキング。
10分ほどでR42の古座大橋をくぐり古座川へと入る。古座川に入ると干潮の時刻を少し過ぎた時間帯ということもあって、漁港を過ぎたところで座礁(涙)。すぐにAzuが飛び降りてカヤックの脇を泳ぎ始める。
『やっぱりワタシ、川が好きっ!』
確かに河童ガールの彼女は川を泳いでる姿が似合う気がする(笑)
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14:00古座川海賊倶楽部のスタッフが待ち受ける古座橋のスタートポイントに無事到着。
スタッフの方とともにカヤックを上げて、今日のカヤッキングは終了。大荷物を家族で手分けして担いでNESSYさんの待つ古座駅へ200mほど歩く。駅前の観光協会のお姉さんに無事帰還したことを報告しお礼の挨拶をして、ダッちゃんにウェットのまま乗り込んで(レザーシートはこんなとき便利!)、NESSYさんとともに古座川沿いを遡り、少女峰前の河原へ。
そう、古座川で泳いでウェットスーツやシュノーケリングなど海で使った道具の“潮抜き”をしようという魂胆なのである。
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古座川に入るとAzuはすぐに水泳モード
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お疲れ様でした!
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そんなわけで、やってきました少女峰前の古座川。ここは九龍島の隣、鯛島に変わったタイくんと仲良しだった蛇くんの化身である清暑島のちょこっと上流にあたり、僕らが潮漬けウェットで川に飛び込むと蛇くんにタイくんの潮の香りぐらいは届くかな?なんて思いながら4人でアンオフィシャルな“河内祭”を敢行(*意味不明な方は↓の紙芝居で河内祭の由来を勉強してね)。
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ウェットのまま古座川・少女峰に移動して
塩抜きスイミング
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上:早速川を泳いで横断するMasa
下:Mamaはマジで洗濯してるし(笑)
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『ひゃ〜気持ちイイ!』『海もイイけど、川は最高!』口々に叫びながらザブザブジャバジャバ泳ぎ回る。気が付けばMasaは古座川を横断して向こう岸で手を振ってるし、Mamaは川底で苔を食む鮎に目を輝かせ、Azuは早くもドンコちゃん漁を開始。放っておくと本来の“潮抜き”という目的を忘れて何時間でもここで楽しんでしまいそうなので、30分ほどで全員を川から引きずり出して、すぐそばの月野瀬温泉へ。
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Azuゴキゲン!
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Masaも無邪気に小学生に戻る
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『ファァ〜!沁みるなぁ〜!』『オレは日焼けに滲みるぞ。』NESSYさんとMasaと僕...3人で目を細めて古座の出湯でゴクラク気分を味わう。
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月野瀬温泉でさっぱり
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紀州の温泉はどこも日帰り入浴がべらぼうに安く、こんなに素晴らしい気分を味わうことができるのに、たった¥400!もちろん、カヌーやシュノーケリングなど、身体を冷やして入るから幸福感倍増って感じる側面もあるかもしれないけど、いつ訪れても本当に素晴らしい温泉だなぁと思う。
月野瀬温泉で心も身体もフヤケた僕らは、ここでNESSYさんと別れ、もはや当たり前になったMamaの運転で夕暮れでオレンジ色に染まる熊野灘を北上する。家まで200km。でも2人で交代しながらラクチン&ゴキゲンドライブなので、何ら疲れることはない。
日帰り古座川シットオンカヤッキング...紀伊半島南端もが我が家の日帰り圏内になって、今後足繁く通うことになる予感がするのだ。
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雷雲が今、まさに九龍島を飲み込む瞬間
九龍島の民話「へびとタイ」(ram)