馬の背にて
そんなわけで、僕らは、R1を通って鈴鹿から「石山観音磨崖仏群」の駐車場へ。 駐車場から石段を上ってすぐの広場に立つと(近世まで参籠堂という建物があった場所らしい)、正面に磨崖地蔵菩薩立像(県指定文化財・室町時代作/像高3.2m)と右手の如意輪観音の半跏像(那智観音の模写)に出迎えられる。実は我が家のメンバー全員がここに来るのは初めてなんだけど、目の前にある石仏が想像してたよりも大きくて、ちょっとびっくりなのである。 空海坐像2体を横目に見ながら階段を上ると正面の巨巌に「磨崖聖観音立像」(県指定文化財・1848年開眼/像高2.5m)が姿を現す。この像はここでは新しい部類で彫刻も真新しいんだけど、彫刻された岩盤の中で顔にあたる部分の“石の目”が悪く、せっかくの顔面が風化しているのが残念だ。知識が乏しい時は黙ってるくせに、得意分野になると専門知識をひけらかして機関銃のように喋りまくる僕...これって典型的な“オタク”の特徴らしいね(涙)。 石仏巡りってのは、僕ら夫婦やMasaには楽しいけれど、Azuはつまんないかも?少し心配してたけど、ここの石仏はただ仏像が並んでいるわけじゃなく、順路を歩くうちに“発見”する感じ。そう、スタンプラリーっぽい楽しさでAzuもノリノリでご機嫌に歩いてゆく(笑)。しかも石仏には番号が振られていて、彫刻されている石仏の脇に後日刻まれた漢数字を読み下して『あった〜!19番!』ってのが楽しいのだ! 7番からは、いよいよ“馬の背”と呼ばれる巨岩の麓に彫刻されたとても味わいのある石仏。まだまだ順路沿いに石仏は続くのだけど、『岩があったら登りたい』僕らは目の前にそびえる“馬の背”の魅力に耐えかねて、順路を逸れて“馬の背”に登ることにする。 でも、ここから誤って転落しても、生き残る確率は数%はありそうで、そういう意味では転落時の死亡確率120%な伊勢山上の蟻の戸渡りや大台ケ原の“大蛇ぐら”に比べりゃどうってことない感じ。なんとかAzu以外は登攀&縦走成功!ただ、上りよりも下りが怖くて、全く伸縮性のないジーンズスタイルで“馬の背”にトライするという完全にナメてるMamaはもう少しで立ち往生するところだった。 馬の背を下りて再び巡回コースに戻った僕らは、東屋下を通って馬の背の巨岩を回り込むように22番以降の石仏を探しながら進む。そして33番(=番号が付いた最後の石仏)を見終えた僕らの前に現れたのが、「石山観音磨崖仏群」のハイライトにして最大の石仏「磨崖阿弥陀如来立像」(県指定文化財・鎌倉後期/像高3.5m)だ。
ただのトンボです(笑)
磨崖地蔵立像
2体の地蔵に射し込む幾筋もの光
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