WWW.PAPAPADDLER.COM


FLAME LAYOUT

 

 

 

 

 

 

March.2005 part.1
 

 

 

 

 

 3月5-6日 乗鞍雪遊び合宿(国立乗鞍青年の家)

 


チェアスキー初体験!コケても笑顔なAzu(笑)

 

3月5日(初日)

『明日は早いから、もう寝なさい。』
明日は恒例の乗鞍雪遊び合宿。去年のカヌー日記を確認して早朝4時出発と決めた僕らだ。
午後9時に子供達を寝かしつけ、早く寝なきゃいけないのに、ついついTVの金曜ロードショウで“I am Sam”を観てしまった僕らも11時半には眠りについた。4時間睡眠だけど、週半ばには雨だった週末の天気予報もいつのまにか晴時々曇りに変わって、状況はベスト!家族4人の体調もベスト!だし、まいっか!そんな気持ちで床に着いたんだけど...“好事 魔多し”(涙)。
夕食を3回お代わりしたMaakunが日付の変わった頃、突然の大噴火(逆噴射?)!しかも38℃台の高熱。夜中の我が家はてんやわんや。僕はぐっすり眠ってたけれど、後片付けや世話をしてて全く眠れないまま朝4時を迎えてしまったともちゃん...Maakunの体温は下がるどころかまだまだ上がる一方。体温ってものをさほど重視しない我が家なので38℃でも元気ならばお出掛けしちゃうこともあるんだけど、もう完全に萎れてヘロヘロ状態のMaakunを見るとコリャ雪遊び合宿参加は120%無理だな、検討の余地もなく決定である。そうと決まったらNESSYさんやアキヒロさんに連絡がつく時刻まで寝ようってことで洗面器をベッドサイドに置いて僕とともちゃんでMaakunに添い寝。途中NESSYさんに不参加の連絡をして、寝ずの看病で疲れ切ったままさらに8:30までウトウトな僕らだ。
9:00前になってAzu起床。Maakunの状態と乗鞍に行けないことを告げるとあっけないほどに素直に了承してくれたAzuだけど、目が覚めて頭がはっきりし始めると、Moeちゃんと遊べないことやスキーが出来ないこと、そして乗鞍青年の家で泊れないことなど、コトの重大さが徐々に実感としてわき上がってきたようで、でもMaakunが病気だからおおっぴらに行きたいとは言えず...さめざめシクシクと泣き始めるのだ。
『ホントは行きたいんだろ?』と尋ねると、言葉にならず首を横に振りながら僕を上目遣いで見るAzu。それを見ていたともちゃんが『いいわよ、ふたりで行ってらっしゃい!』それでも戸惑いながら首を縦には振らないAzu。そこで僕が彼女に耳打ち『オレたちが家にいたって何も出来ないから日帰りで行こうよ。夕方帰ってきたらいいから...。』そこで彼女の表情がパッと明るくなる。『Moeちゃんに会えるの?』『ああ、会える。スキーもできるぞ。』

そんなわけで10時前にMaakunやともちゃんのウェアを積んだまま出発。ここには書けないスピードで北へ。


国立乗鞍青年の家に到着

ところが高山市内でともちゃんに電話をすると、Maakunの体温が39.4℃になって“気合いで直せ!”派のともちゃんがMaakunを医者に連れて行くという。病院や薬に頼らず自分の免疫力で治すことを由とする彼女(『実際に罹って苦しんで免疫を付けないと身体が強くならないわよ!』とか言ってインフルエンザのワクチン注射も許してくれない)が医者に頼るってことは、これは一大事!電話のやりとりを聞いていたAzuが僕の気持ちを察して『パパ、帰ろうよ。』と言い出す。
一旦は高山駅そばのサークルKのパーキングにクルマを入れてUターンしかけたんだけれども、ともちゃんがお医者様の診察結果をまた電話するということだし、不参加だの参加だの、二転三転ではNESSYさんに申し訳ないので、とにかく乗鞍青年の家までは行こうってことで、後ろ髪を引かれたまま圧雪路を上って行く。

ツルツルスベスベの道路をテールスライドを繰り返しながらかっ飛ぶこと30分、青年の家の特徴的な三角屋根が見え、カーナビが『間もなく目的地周辺です。運転お疲れ様でした。』と告げたまさにその時、ともちゃんから電話が入る。
『パパァ〜、Maakunインフルエンザじゃないって!ただの胃腸風邪だそうよ、熱も下がり始めたしAzuを隔離できてちょうど良いから心配なく楽しんで来てね〜!』という弾んだ声。ホッ!そんなわけで、12:30に青年の家に到着した僕らは、クルマでスノーウェアに着替えて通常通り(笑)雪遊び合宿午後の部に合流。


みんなで輪になってレクチャーを聴く

まずはAzuが体験してみる。

初日午後、最初のプログラムは、チェアスキー体験会。たまたま同日に国立乗鞍青年の家に宿泊することになった「日本パラリンピックキャラバン」のスタッフの方から体験してみませんか?と声を掛けていただいたのがきっかけで、下肢に障害がある方のスキーであるチェアスキー(国際的な呼称はシットスキー)を体験出来る幸運に恵まれた次第。

青年の家の玄関前に勢ぞろいしたメンバー、スタッフ&コーチ陣の車椅子を押して初心者ゲレンデに移動。僕自身、足を怪我した時に短期間ではあるけど車椅子経験があって、その難しさ&意外な楽しさは知ってるんだけど(笑) 舗装路では軽々と押せる車椅子も雪面ではなかなか重くて大変である。(Azuも学校で車椅子の方との交流会があって体験済み。彼女の学校は障害者の方々との交流にかなり力を入れていて、彼女はちょっとだけ手話や点字も出来るのだ。)
コーチを囲んでチェアスキーの説明を聞いた後、まずはAzuが挑戦。
ギプスのようなシートに下半身をすっぽり入れてブーツを1ヶ所、身体を3ヶ所ストラップ&バックルで固定、これでチェアスキーと身体は完全に一体化する。でも、こうなっちゃうと身体を支えるのはアウトリガーと呼ばれる2本のそり付きのポールだけ。


お嬢ちゃん、頑張れぇ〜!

パラリンピック日本代表選手でもあるコーチの模範滑走に続いてAzuがスタート!緩やかな斜面をスルスルっと滑り始めるAzu。
おおっ、滑れるじゃん!ドテッ!あれっ?一旦傾き始めたらリカバリーするだけの腕力がなく、そのまま顔から雪面へ落ちてゆく...でも、メチャ楽しそう。


顔から突っ込んで転倒!でも笑顔なAzu

よっしゃ、要するに腕力勝負だな!ってことで次はPapaが挑戦。
斜面に対し横向きになって乗り込み、チェアスキーのサスペンションを利用してピョコピョコ飛び跳ねて向きを変えてスタート!
ビギナーゲレンデだけど目線が低いぶんスピード感はかなりのもの。アウトリガーを絶対に雪面から離さないというコーチの言い付けを守ってガジガジに力を入れて滑り始めるけど、一旦スキーが曲がり始めると修正する余力がなくてそのまま肩からズドン!●?%△*#!!
ワケもわからず雪まみれになってチェアスキー体験は3秒で終了(涙)。

その後、いずみちゃんやアキヒロさん、ルリちゃんもトライするけど、みんな敢え無く玉砕。


Papaもトライ!

アキヒロさんもあえなく転倒して照れ笑い

ところが大人たちが数秒で転倒して照れ笑いで誤魔化してるなか、Moeちゃんが転倒することなくスルスルとゲレンデの下まで滑り切ったのだ!結局、今日チェアスキーを体験した中で転倒せず滑りきったのは彼女だけ。Moeちゃんが全員の大拍手で迎えられたのは言うまでもない。

今回のこの催しはただ障害者の立場になってモノを考えるという健常者に対する啓蒙活動というだけではなくて、健常者も障害者もボーダーレスで同じことを楽しめることをアピールすることが目的。一台50〜60万円のチェアスキーを健常者が購入して楽しむ例はとても少ないらしいけど、もしレンタルできれば、もう一度やってみたいな、と思える奥深さを感じたのは確か。
(めちゃ悔しかったもん!)


Moeちゃん緊張のスタート(寄り添うAzu)

障害者が何らかのハンディを設けてもらって健常者のスポーツを低いレベルで“楽しませてもらう”のではなく、障害者も健常者も同じ道具を使って競い合い、楽しみを分かち合い、等しく楽しめるスポーツが普及するといいなぁ...僕はそう感じた。(実際にやってみるまで、僕は大勢のボランティアが寄ってたかってお世話する?チェアスキーをそんな障害者スポーツとしてしか認識していなかった。ところが、チェアスキーはひとりでリフトに乗れるし、転倒してもサッと立ち上がれる。それより何より、今日の飛騨高山スキー場で一番上手なスキーヤーよりもチェアスキーの皆様の方が速くて上手くてカッコいいんだから恐れ入る。肩が雪面に触れんばかりにリーンして滑る姿は憧れを感じました。)

 


白樺の間を抜けてゴキゲンなAzu&Moe

そんなわけで、チェアスキーという貴重な体験をした僕らは、今度は各々のスキーを履いてゲレンデに繰り出す。ゲレンデ最下部で¥1000の半日券を購入し(子供券はないので僕とAzuで¥2000)、リフトに乗って兜山山頂へ。ゲレンデは3月の午後だというのにホワホワの新雪で気持ち良いの一言。決して天候も悪くないのに人出も少なくて、ゲレンデはまるっきり貸切状態なのが嬉しい。


アキヒロさん、いずみちゃん、Azu&Moe

雪けむりを上げて『冬ソナ遊び』

始めはアキヒロ家と一緒に滑ってたけど、途中から別れてAzu&Moeと僕の3人で行動することになる。ここのゲレンデは彼女たちのレベルにぴったり合うのか、僕が特に何も言わなくても2人は好き勝手にリフトに乗って自由に滑りを楽しんでる感じ。僕はまるでお抱えのカメラマンのように時折写真を撮影しながらただ付き添いで滑ってるだけなのだ。


フヒャヒャヒャヒャ...

夕暮れのゲレンデをゆくふたり

『冬ソナごっこ』と称してコース脇の白樺や樅に降り積もった雪を落として雪煙を楽しんだり、コースを外れて新雪に飛び込んでわざと転倒してキャーキャー言ってみたり...ハイスピード&ハードターンの危なっかしい滑りのMaakunとは全く違う、とても女の子らしい遊びを織り交ぜながら楽しむふたり。最後は片足を上げて“なんちゃって”モノスキーに夢中で午後4時半のリフト運行終了ギリギリまで楽しい時間を過ごしたのだった。


なんちゃってモノスキーがいたくお気に入り


バランスが結構難しいらしい

営業終了のアナウンスを聞きながらリフトに乗って青年の家に戻った僕らは、部屋に入って着替えを済ませ、お風呂へ。以前だとAzuとふたりでお出掛けすると、一緒に入れないお風呂がネックだったけど、もう四年生になった彼女は自分のことは自分で出来るのでかなり楽である。(今日はいずみちゃん&Moeにちゃんと一緒にお風呂に入ってもらったし)

乗鞍青年の家名物のバイキングの夕食を楽しんだ後、僕ら大人は部屋で静かに宴会を楽しんだわけだけど、Azuは体育館のクライミングウォールでトラバースを楽しみ(なんと、落下せずにゴールしちゃった!)、その後は講堂の前をウロウロしてたら、Azu&Moeの顔を覚えてくださった昼間のチェアスキーのスタッフの方にオイデオイデと誘われて(笑) “ノーマリゼイション”(元々、発祥がデンマークなので“ノーマライゼーション”ではなく“ノーマリゼーション”が正しい)の活動に飛び入り参加させてもらったらしい。

“ノーマリゼイション”は「障害の有る無しにかかわらず、すべての人が地域社会の中でごく普通の生活ができること」そして、またその方向で生活環境を整える動きを指している。つまりノーマリゼーションとは、人をノーマルにするのではなくて、社会をノーマルにするという考え方。要するに身体的な障害ってのはひとつの特徴であって、それ故に特別扱いされることもない。障害者用ナントカってのを特別に設けなくても、障害者が使いやすい設備、過ごしやすい社会ってのは、実は健常者にも使いやすいはず(しかも、仮に今日、突如自分が障害者になっても、すぐに社会に適応できる)……そんな意味らしい。この運動から今、良く耳にする“ユニバーサルデザイン”の動きが生まれたのだとか(受け売りですが...間違ってたらごめんなさい)。


クライミングウォールを楽しむ

僕ら大人だと、障害者の方と一緒に活動するとなると、チェアスキーを滑る時と同じく肩に力を入れて大上段に構えがちだけども、実はそんな姿勢でいる限り、僕らにとっての障害者の方々は “フツー”じゃない。その点、Azuには邪魔な固定観念や障害者だとか健常者だとかいう区別は全くなくて、ただ“ノマリゼーション”のゲームやクイズが楽しくて参加してるだけ。手話や点字を僕に教えてくれる彼女の楽しそうな表情を見ていると、つくづく世の中がみんな彼女のようになればいいな!と思う。

ノーマリゼーションのイベントから戻ったAzu&Moeは、部屋に戻ってお酒を飲んで盛り上がってるお父さんたちの輪の隣で子供の輪を作ってトランプに興じる。時折大声で盛り上がって、大人たちに注意されるけど、小学校1年〜6年が一緒になって子供たちだけで遊べてお利口さん。おかげで、僕らは久々にのんびり会話を楽しむことができて幸せな夜であった。
Azuには申し訳ないけれど、実はMaakunのことが気になって心から楽しめる気分じゃなくて、今日はただの“Azuサービスデイ”みたく思っていたってのが本音だったけども、気が付けばとても充実した高揚感に包まれてお喋りになってる自分に気付く。Azuじゃないけど『今日、あそこで帰らなくてヨカッタね。』な一日だったように思う。ゴメンネ、Maakun&Mama。いつかこの埋め合わせはするから...


 

 


青年の家から望む白山と雲海(クリックするとパノラマに)

 

3月6日(2日目)

部屋のスピーカーから流れる音楽で目が覚める。ここはどこ?ワタシは誰?そんな軽い戸惑いを感じるほどにぐっすり眠れて心地良い目覚め。時間は6:50、廊下の窓から望む朱色に光る白山連峰と高山盆地を覆う穏やかな海のような雲海が美しい。


カードで始まる朝のひととき(笑)

ここ乗鞍青年の家で僕らはお客様ではなく研修生の立場なので、早起きして朝食前に体育館での“朝のつどい”なるセレモニーと館内をグループごとに分担して掃除作業に参加する義務がある。初めてここに来た時は、なんだか子供扱いされてるようで思いっきり違和感があったけど、三年目の今年は至極当然のように感じるどころか、そういう活動が楽しく感じるから不思議だ。ま、僕とAzuのふたりが1泊4食で¥3200程度というリーズナブルさも嬉しいけど、イマドキの修学旅行でも味わうことが出来ない旧き良き規律ある団体行動が逆に新鮮だったりするのだ。

朝のつどいと館内清掃を終えた僕らは、朝っぱらから前夜の続きのトランプを楽しんでる子供達に準備を促し、今日は何かなぁ〜?なバイキングの朝食をタラフク食べて、今日の雪遊び、スノーシュートレッキングをスタートする。

青年の家のエントランス前に集合し、まずはハンドヘルドGPSで衛星を捕捉しスタートポイントに登録。たぶん迷うほど森の奥に入ることはないだろうけど、何と言っても今朝売店で1:10000のオリエンテーリングマップを買い忘れた(売店の営業時間は〜9:00マデ...涙)ので、こいつだけが頼りである。一応進路上には標識もあるのでルートをミッシングする可能性は低いし、青年の家周辺の森は白樺と樅の疎林なので、衛星を捕捉できなくなることもないだろう。
一応、建前上の目的は丸黒山のピークハント...だけど、たぶん森の中をジグザグに歩きまわって鞍部の広場で雪遊びってことになるだろうな(笑)

『それじゃ、いつものようにツアーリーダーはakiちゃんということで、スタートしましょか?』
NESSYさんの冗談めかした言葉でトレッキングスタート。


スノーシュートレッキング開始!

見慣れた太陽さえも美しい

深雪をラッセルして絶景ポイントに進む

エントランス前から青年の家裏に位置する綺麗に圧雪された雪遊び広場を抜けて森へ入ると、そこはもう手付かずのバックカントリー。丸黒山への登山道から一歩外れると深い新雪が僕らを待っているのだ!晴れだったものの雲が多かった昨日とは違って今日はほとんど雲のない青空。風もなく体感的にはかなり暖かくて汗ばむような陽気だけれど、気温はまだ氷点下なのだろうか?雪面は朝の陽光を浴びて雪の結晶のひと粒ひと粒がキラキラ輝いて宝石を散らしたようになっている。ふと空を見上げると青い空に突き出た白い雪を冠った木々のコントラストがとても美しく、思わずため息が出るほどに凛とした光景...雪の降らない地方に住む僕らがイメージする雪山そのものがそこにある感じだ。


見上げると空と樹木のコントラストに感動


GPSに映る木々

おおっ!絶景ポイントだぁ〜!

10分ほど歩くと、左手に白樺の木々の間から青い空をバックにしたsnow peakが覗く。この森から一番美しく見える山、笠ケ岳の瀟洒な姿だ。僕らは登山道を外れ、膝まで雪にハマりながら新雪をラッセルして毎年訪れる“絶景ポイント”へと向う。ほんの100mほどで白樺林は切れ、森は断崖絶壁となる。『あの美しい三角の山が笠ケ岳。その右にひとつだけ雪を冠っていない岩があるだろ?あれが槍ヶ岳、そして一番右の近くて丸いのが乗鞍岳だ。』ここから望む北アルプスの山並はニンゲンの言葉では表現しづらいほどの美しさだ。


『来てヨカッタね!』『うんっ!』(クリックするとパノラマに)

絶景ポイントからの北アルプスを堪能した僕らは森の中に誰かがラッセルしたトレイルを発見し、辿ってみることにする。
僕らが歩くたび、微妙な振動があるのだろうか?それとも感じられないほどの風が吹いたのか?時折、僕らの周りの木々の枝から粉雪がシャワーのように音もなく降り注ぐ。僕らの正面仰角40°ほどに位置する太陽から射し込む何とも暖かなピンク色の陽光に輝く粉雪は、まるで森が僕らを迎えてくれるライスシャワーの祝福にも思える...優しい森、それが僕の印象。


時折木々の枝から降り注ぐ雪のシャワー

雪に埋もれた大きな標識に腰掛ける

数分で去年、僕らが雪洞を掘ってコーヒーブレイクを楽しんだ鞍部に到着。何かの看板だろうか?去年も今年も深い雪で完全に埋もれてしまっていて確認は取れないけれど、太い丸太を組んで作られた構造物が雪の中に建っている。Azu&Moeがその丸太に降り積もった雪を100均シャベルで取り除いて遊ぶ。子供たちはトレッキングを終わりにして、ここで遊びたいようだけれど、こんな良い天気の森で新しい発見なしで過ごすのは何だか損な気分がした僕は、さらに歩くことをメンバーみんなに告げる。ちょっと不満げな子供たち。でも “なんちゃって”とは言え、僕が今日のツアーリーダー。リーダーの言うことは聞くもんだよ、キミたち(笑)


Papaが30分で掘った雪洞に入るガールズ

雪洞から出て来た姿はオコジョのようだ。

でも、まぁ僕もそんなシャカリキになって歩くつもりはないので、そこから数百m歩いた場所でザックを下ろす。
子供たちは斜面を登ってソリ遊びに興じ、僕とアキヒロさんは斜面に雪洞を掘り始める(またかよ...笑)ただ、ここまでのんびり歩いて来たせいで、青年の家での昼食時刻まであまり時間がないのでほんの小さな雪洞しか作れなかったけど、30分ほどで完成。子供たちが出たり入ったりして遊んだあとは、コーヒーを煎れる間もなく帰路につくことになる。


斜面でソリ遊びするMoeちゃん

スタートポイントまで250m

GPSを覗き込むと青年の家まで直線距離で1kmちょっと。トレッキングというよりはお気楽な散策って感じだけど、僕らには充分すぎるほどに楽しい時間なのである。サングラスを外すと目を開けていられない程の陽光を浴びて、僕らは森を抜け、圧雪のストライプがヴァージンのまま残ってる雪遊び広場(来年はココを使って大ソリ大会を開催だぁ〜!)を横切って青年の家に到着。ほんの2時間半ほどのトレッキングだけど充分に満足な時間を過ごすことが出来た。


雪遊び広場を横切るガールズ

青年の家のツララと樅の木

快い疲れを感じつつ、手早く着替を済ませ、遊び道具をクルマに積込んで帰り支度を終えた僕らは、青年の家最後の食事を楽しむ。グルメな人にここの食事が合うかどうかは微妙なところだけど(笑)、少なくとも食べたいものを好きなだけ食べることができるここのバイキングのシステムは子供達に大好評。唯一の欠点は、ついつい調子に乗って食べ過ぎてしまうことかな(笑)。

お嬢さんたちが、エントランス前に設けられた巨大なかまくらで遊んでいるうちに、僕らは青年の家の退所手続き&チェックを済ませ、14:30に青年の家を出発。今日4回目の電話ですっかり回復したMaakun本人からお土産に高山・鍛冶屋橋西詰のみたらし団子の注文があった(笑)ので、渋滞を避けるため一刻も早く高速に乗ろうとどこにも立ち寄らないアキヒロさんちとはここでお別れし、NESSY夫妻のRANGE ROVERの後を追うようにまだ雪が残る道路を慎重に運転して高山市内を目指す。
高山市内のパーキングにクルマを停めて、高山名物・醤油味のみたらしを22本買って(2本は僕とAzuがその場で食べた)、中部縦貫道・高山西ICの手前にある道の駅で鶏焼“ケーちゃん”(Mamaがご希望)をゲットした僕らは、飛騨清見から東海北陸道へと入る。


かまくらに入って遊ぶ

NESSYさんのレンジに続いて高山に向う

清見からはとてもスムーズな1●0km/h走行で快調に飛ばせたけど、やっぱりと言うか白鳥ICを過ぎたあたりから悪名高い“奥美濃渋滞”が始まってしまった(涙)。
普段なら、ま、しゃあないな、と諦めて車列の最後尾に大人しく並ぶんだけども、今日は何となくチャレンジャーな気分(よ〜し、何とか抜け道探してやろうじゃないの!ってなポジティヴな感じ?)で、飛騨大和ICで高速を下りてR156へと進む。でもほどなくR156も流れが滞り始めたので、『なぁ、Azu、助手席からもっと長良川が見やすい道を走ろうぜ!』なんてウィンクしつつ対岸の県道61号に進んじゃったのが大きな誤算。
元々一車線しかない地元の生活道路でしかない県道61号だけど、去年の台風で寸断されちゃってて、通行止のオンパレードなのだ。郡上八幡の観光ヤナのそばでそれに気付いて慌ててUターンするけど、時すでに遅し。

知らずにどんどん下ってくるクルマと戻るクルマが対向できない狭い道でお見合いを始めちゃったもんだから、もうネバーエンディング渋滞の始まりはじまりぃ〜♪
こういう状況に陥った場合、家族だったらイライラがつのって大喧嘩は必至(笑)。だけど、僕の隣には“癒し系”Azu。R156の渋滞を避けて入り込んだ裏道で1時間半で5mほど(!)しか進まなかった時も、エンジンを止めて彼女とクッキーをつまみながらおしゃべりしたり折り紙を折ったりしてると、何故か『まっいいっか!』になっちゃうのだ。
『いつも、Maakunに邪魔されてワタシの話なんて聞いてもらえないでしょ?だけど今日はパパとふたりだから、ゆっくり話せて嬉しいっ!』なんて言われると、もう、パパはこのままずっと動かなくてもいいかなぁ...なんて思っちゃうものなのです(笑)。そうは言ってもMamaとMaakunは僕らのお土産の“ケーちゃん”が届くのを夕食を食べずに待っているわけなので、NESSYさんに抜け道を教えてもらって何とか渋滞を抜け、(その後は何事もなかったかのようにスムーズ!)20:40無事我が家に帰り着いた。我が家から乗鞍青年の家までは約260km。当然ながら乗鞍青年の家から我が家までも約260kmのはずなんだけども、往路は2時間40分(これはちょっと飛ばし過ぎ?)。復路は...6時間!でも、Azuは全然眠らずにず〜っと話し続けてくれたおかげでイライラすることもなくちっとも疲れを感じなかったのが救いだったのかも。

Maakunの突然の大噴火&発熱で急遽『父と娘の旅』になっちゃった今年の雪遊び合宿。
これからMaakunが中学生になるとこのパターンが結構多くなるかもしれないけど、意外と普段話せないこと&話さないことをじっくり語り合えたりしてイイかも!なんて思ってしまうのだ。それにしてもAzuが『ダーリンは外国人』のトニーさんみたいなガイジンさんと結婚したいと思ってるとは...寂しいから、ニッポン在住の人にしてね(笑)。Papaの願いである。


かまくらの入口で満面の笑みを浮かべるAzu&Moe

 

 

March.2005 MENU

 

アンケートにお答えください!

 

_  _  _

 

Copyright 1998-2005 Akihikom.All right reserved

paddler@mac.com