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FLAME LAYOUT


 

October.2000

 


朝靄のソフトハウス(PICA 富士吉田)

 

10月28〜29日 ああ人生グランドツーリング そんな題名の自動車評論家の著書を読んで以来、我が家の1000kmを超えるロングドライブは「グランドツーリング」と呼ぶ事になっている。今回のグランドツーリングの目的は埼玉県までキャンピングトレーラーを見に行くこと。Maakunが生まれた年に、とあるキャンピングカーショウでひとめぼれし7年間想いを寄せ続けたアメリカ製トレーラー「Casita」が展示品処分ながら約50%オフとの情報をインターネットで入手し、この度「見に行くだけよ!」という条件付きながらめでたくMamaのお許しが出たのだ。(ただ、7年前には彼女の方がご執心だったのだけど。)
ただ、夢ばかりみていたあの頃とは違って現実はかなりキビシイわけで「キャンピングカーなんて堕落だ!」とか「アメリカじゃトレーラーはお年寄りの趣味なんだぜ。」などと自分の心にウソをつきつつ気持ちを抑えてきたのだけれど、やっぱり欲しいものは欲しいわけで...。(実はガレージの高さもこのCasitaに合わせてあるし...笑)当時の総額300万円超なんて数字は非現実的。でも今回の100万円+αってのはMamaのクルマの買い替えを止めれば可能性がないことはない(...そんなバカな!)。

...ってなわけで朝4時起床、子供達をパジャマのままクルマに積みこみ4:30出発し埼玉を目指す。早朝だけにさすがに渋滞もなく順調に流れに乗って走り続け中央高速駒ケ岳SAで日の出を拝みつつ朝食。なおもクルマを飛ばし八王子ICから国道16号。横田基地横のGSで最初の給油。70リットルのガスをがぶ飲みした後、滑走路の輸送機を右手に見ながら圏央道・青梅IC〜 関越自動車道と乗り継いで5時間半473kmを走破して午前10:00に目的地であるCasitaの展示されているJ社に到着。
「早かったですねえ。」初対面ながらホームページでいつもお顔を拝見してるYさんの暖かいお出迎え。休む間もなく現実のCasitaと7年ぶりにご対面!「懐かしい」気持ちになるのは思い入れが大きい証拠(笑)。(カタログの折り目が切れてくるほど眺め続けたもんなあ。)


憧れのCasitaの前で記念撮影(ミーハー?)

実はごく最近だけでも3年前と去年の2回、TモータースでCasitaの中古車を発見し、即電話、見積書を送付してもらってて、それぞれ「内外装中の下、現状渡し、要再塗装」という言葉に引っかかって断念した経緯もあり、年式は古いものの未使用、新規登録車のこいつはとても綺麗に見える。上目遣いにMamaを見ると、どうやらなかなか機嫌が良さそう(笑)
一通り内外装の説明を受けた後は「じゃ、乗ってみますか?」ついにトレーラー初体験の試乗なのだ。実はYさんは僕らのためだけにCasitaの仮登録を済ませてくれていて、実際にトーイングプレジャー(引っ張る愉しみ、とでも言うのかな?)を味わせて下さるというのだ(感謝!)ヒッチメンバーにCasitaを繋いでさあ、出発...なんじゃこれは!?全く違和感がない!段差を乗り越える時にガタン!っていう衝撃が一回多いことを除けば、内輪差もほとんどなくトレーラーの電磁ブレーキのフィールもごくナチュラル。

もちろんルームミラーを見れば「窓のないワンボックスカー」に追突されてるような光景に一瞬ギョッ!とするけど、ドアミラーで後方確認も出来なくはないし....。これなら運転できるゾ!!ただ...「バックの運転は....」と僕が口にしたところで助手席のYさんは笑うばかり。「慣れるしかないですね。」「はい、そうですか。」???やはり難しいんだな、と理解する(笑)。
展示場に戻ってからは全ての装備(水道、ガス、電気)をコネクトし内装のチェック。ガス式のFF暖房はクリーンでしかもパワフル。設定の温度になれば自動的にON、OFFを繰り返すのでなかなか便利。
「あったかーい!いいわねえコレ。」超寒がりのMamaは一分程度でホカホカになるCasitaにちょっと好印象。

そこで、その一瞬を見のがさない敏腕営業マン(?)Yさんの「旦那さんが一人で遊ぼうってんじゃなくって家族みんなで愉しもうって言ってらっしゃるんだから素敵じゃないですか!ねえ、奥さん?」というセールストーク、そして嬉しそうにはしゃぐMaakunとAzuの姿...。そこでMamaが一言「今日はまだウチのじゃないんだから、汚しちゃダメ!」ん?「今日はまだ」と言うことは...もしかして...。「しょうがないわねえ。買ってもいいわよ。ただし、掃除や管理はPapaが全部ひとりでするのよ。」「はーい!」


雨のPICA富士吉田

そんなわけで仮注文書にサインしてJ社を後にした僕らは、再び関越道 圏央道 中央道を西に向かい、河口湖方面へ。トリップメーターが700kmを少し超えたあたりで、今日の宿泊地「PICA富士吉田」キャンプグラウンドに到着。今回はトレーラーを見に行くのが目的で、ペンションにでも泊まろうと思っていたのだけれど、家族4人ともなるとどこも結構なお値段。しかも実際に泊まって「こんなはずじゃなかった!」ってのも嫌なので、気軽で慣れ親しんだキャンプのスタイルを選択した。インターネットで調べたらパオ(モンゴルの遊牧民の住居)風のコテージもあるし、しかも個人のホームページでの評価も高いってことで、オンライン予約が入れてある。(しかもパオ一棟¥10000)場内に入ると、さすが評判の良いオートキャンプ場。トレーラーやコテージの比率が高く、オシャレな雰囲気が漂う。

ところが、クルマを進めるにつれて...せ、狭いっ!オートキャンプサイトは隣同士のタープのラインが交差してクモの巣状態だし、ログコテージのデッキに張ったタープのラインが進入路を塞いでるし、パオの軒は擦れ合うほどだし、でもはやキャンプとは言いがたい状態。しかも「立ち木を残した自然に配慮した林間駐車場」は運転が困難。
今回はキャンプを愉しむというより、安く泊まれるからという理由で利用させてもらってるからそれほど気にはならないけれど、キャンプ目的だったら....。ただ、午後から降り始めた雨のおかげで周りの騒音もそれほど気にはならずぐっすり熟睡できたのが不幸中の幸いだった。(キャンプ場の名誉のために付け加えておくと、パオの寝心地は最高だったし、施設の美しさはさすが!非常にお洒落な造りだった。)翌朝は早々にキャンプ場をあとにして河口湖周辺の観光だ。


ソフトハウス(パオ)の室内
天井が高く広々してて快適だ。

朝メシではなくブレークファースト(笑)

河口湖は首都圏からの距離もそこそこで、関西で言えば琵琶湖畔のような雰囲気が漂う。天気が良ければ富士急ハイランドで遊ぶ予定だったけど、かなりの大降りで断念し湖畔の観光客相手のお店を回る(これが結構楽しい。)そんな中、最後に入ったハーブのお店が大正解!由緒正しい立派な土産物屋さん(笑)なんだけど、お店に併設された温室の中には、Mamaの心をくすぐるハーブの苗木がいっぱい。しかもとても親切なお店の方がハーブそれぞれの効能や育て方を丁寧にレクチャーして下さるのだ。結局8鉢も買い込んでクルマの中はハーブの苗木が満載(笑)(なんと全部で¥400&2鉢サービス!!)
河口湖から再び中央高速に進路を取ったあと、途中で長野県・原村の薪ストーブグッズ専門店「ストーブハウス」に立ち寄った他は、ただただ走る走る...走り続けるだけ。午後7時に我が家に到着した時には、トリップメーターは1045kmを示していた。
GT(グランツーリスモ)でもなんでもない「悪路専用四駆」でのグランドツーリングは、やっぱり疲れるのだった。ふう...。

 


CASITA ENTERPRISES, INC.

 


 

 

 

三瀬谷ダム湖ランチの河原

 

10月22日 三瀬谷レイク・ワンダリング 今週末はMamaの高校時代の同級生Mikaちゃんがご来訪。出張の帰りに立ち寄るってことで我が家滞在猶予は22時間。日曜のうちに東京に帰らなくてはならない。ところがそんなMikaちゃんをカヌーに連れ出す非情な旦那様(笑)今日はアキヒロさんご一家が宮川水系三瀬谷ダム湖のワンダリングに出かけると聞いていたので、急遽参加させて頂くことにする。
待ち合わせ場所「本田小屋」の船着場に到着したのは午前10:30。(約束を30分もオーバーしちゃった。アキヒロさんゴメンナサイ。)
ここは以前、ダム湖巡りの観光和舟の船着場だったところで、去年まではここには木工所があって湖面には朽ち果てた桟橋があったのだけれど、現在パーキングエリア整備のための工事中。


アキヒロさんご一家のミックマック

Mikaちゃん&Mamaのハンター

来年度はきっと素晴らしいバス釣り&カヌーの拠点に変身してることだろう。来年以降の楽しみがまた増えたぞ!(ただし、これまで自由(黙認?)だったキャンプが「キャンプ指定区域」という看板で「もみじ館」周辺に限定されてしまったのは残念!もともと上陸可能箇所が少なく、キャンプは出来そうもなかったから、まっいいか!
カヌーに荷物を積みこんで11:00スタート。レットマン・ミックマック(Green)にアキヒロさんご一家、オールドタウン・ハンター(Red)にMikaちゃん、Mama、Azu、キャンパー(Olive)にPapaとMaakunが乗りこんで湖面を上流に向け漕ぎあがっていく。三瀬谷ダム湖は宮川第二のダムで湖岸には人家も多く、決して自然環境に恵まれているとは言いがたいし、水質も不快感を感じないギリギリといったところ。

しかし谷が深く人家のある道路沿いまでは30m以上の高度差があって湖面からは人工物が全く見えないのでそれなりの「秘境探検」気分が味わえる。(もし緊急事態が生じても、人家があって病院なんかも揃ってるので安心ということ...ただし急な斜面を登らなくてはならないけれど。)
時折現れるカワセミや湖岸の岩から落っこちる亀、そして何故か水面下を泳ぐ極彩色の錦鯉(笑)。風も流れもない鏡のように凪いだ湖面を切り裂くように波紋を広げつつ3艇のカナディアンカヌーはあてもなく進んで行く。アキヒロ艇もaki艇もバウマンは小学校2年生の息子たち。なかなかの漕ぎっぷりだ。
2kmほど進んだところで、淀んだ湖水が一気に透明度を増す。実際に計った訳ではないけれど、岩の様子からみて推定10m以上の湖底に沈んだ倒木や落ち葉がくっきりと見えるようになると、パドラーたちから驚きの歓声があがる。


「あっ、鯉だ!」薗川の流れ込みにて

あくまで透明な薗川

この時期にしては例年に比べ2m以上も水位が低いこともあって流れ込みの澄んだ水の効果なのだろう。こんなに澄みきった三瀬谷ダム湖は初めての経験だ。「晴れてたら最高なのになあ。」とアキヒロさん。今日は曇り空なんだけど、晴れてたら湖底にカヌーの影がくっきり映って、まるで空を飛んでいるような感覚を味わえるのに(これが高所恐怖症の僕にはかなり辛い...笑)。
宮川村フォレストピアに通じる赤い橋が見えてくると、薗川の合流ポイントだ。三瀬谷ダムに来ればこの入り江に入って一休みするのが決まり(笑)なので、今日も舳先を入り江に向ける...が水位が低くて薗川の流れがかなり急になってる。しかも谷筋の立ち木が伐採されていて入り江を塞いでるために、枝の隙間を漕ぎあがらなくてはならない。

 


 

休憩中
狭い水路を漕ぎ下る


 

aki艇は掛け声に合わせて、なんとか杉のストレイナーを通過。でもさすがにアキヒロ艇とMama艇は通過不可なのでレスキューロープで補助が必要だった。入り江の狭い河原でしばし休憩。
MaakunとKoukunははさっそく切れるように冷たい浅瀬を渡って対岸の岩場へ。ここでランチタイムの予定だったけど、あまりに狭いということで再びカヌーに乗りこんで上流に向け再スタート。
赤い橋から百メートルほど漕いで河原に到着。普段の水位なら湖底に沈んでる河原だけど、今日は綺麗な扇型の姿を見せている。細かい玉砂利が敷き詰められ、対岸には小さな滝がふたつあって雰囲気の良い河原。カヌーの積荷を解いて上陸し、早速ランチの準備に取りかかる。今日のメニューはワンパターンの焼肉BBQ(涙)。炭を熾したところでさあ、焼こう!って時に通り雨が!それにしても今月3回目の外遊びは3回とも雨に祟られてしまってる(涙)「宮川村だしなあ。」アキヒロさんの言うように、ここは日本一の多雨地帯「大台ケ原山系」の麓だから仕方ないか。雨はほどなく上がったのでランチタイムを楽しんだ後、子供はそれぞれ年齢別に分かれて遊び回り、大人はコーヒーを飲みながら談笑。


本日のデイキャンプサイト


お嬢様方は河原の端っこでママゴト中

「夏やったらええのにねえ...」河童家族の主、アキヒロさんは水温が低くて泳げないのが恨めしそう。彼はこの夏だけで川や海で泳いだ回数が20回以上という猛者。しかし沈するのも嫌なほどのこの冷たさでは...。
充分に遊んだあとは、再びカヌーに乗りこんでスタート地点を目指す。(河原のすみで自分達の世界を作ってたAzuとMoeの年長組コンビはまだ遊び足りないようで、ふたり一緒にカヌーに乗りたいと言い出したため、Mama艇のキッズベンチに仲良く乗り込ませた。)寄り道ばかりしてた往路とは違い、帰りは快調なスピードでぐんぐん進み、ものの1時間足らずでゴール。往復約7kmのショートツーリングだったけど、普段長距離を漕ぐことのないアキヒロさんやうちのMamaはかなり筋肉痛になったようだ。

バス釣りのおにいちゃんたちを尻目に足場の悪い船着場での荷揚げに苦労しつつも、なんとかクルマに道具を積みこみ、2台のクルマは船着場から5分ほどの山あいにある「宮川フォレストピア」の奥伊勢宮川温泉へ。フォレストピアは宮川村村営のリゾートホテルで、こういう類の施設にしてはホンモノ志向だ。施設も本格的だし、しっかりしたネイチャーガイドも常駐し村の素晴らしい自然を余すことなく体験できる。しかも近年、温泉が湧出し、ますます魅力あるスポットになっている。「いやあ、極楽極楽...」露天風呂で身体も心もフニャフニャになりつつ、僕らは今日の楽しかった出来事を語り合ったのであった。「ハァービバビバ....」(笑)

 


この深い緑も、もう間もなく紅葉に変わるのだろう。 

 

 


 

 


キャンプサイト全景(誰もいない河原をひとりじめなのだ!)

 

10月14日 熊野川ダウンリバー&キャンプ(野宴会カヌー班)初日 今日は野宴会カヌー班初の熊野川ダウンリバー&キャンプの日だ。元々はアキヒロさんご一家とのファミリーツアーの予定から始まった計画で、後にマジコさん、NESSYさんが参加表明ということでカヌー班のカナディアンカヌーイストが勢揃い...のはずだったのだが、直前になって我が家のMaakunがおたふく風邪でダウン!比較的発病期間の長い病気ということで、今回のツアーは欠席と言うことになってしまった(涙)。


笑うなよ、病気だろ! 

もちろん、「熊野川♪くまのがわ〜♪ランラランララ〜ン♪」と鼻唄まで歌ってた熊野川フリークのMaakun(「熊野川行ったらさ、バコンバコンって瀬に突っ込んでさ、広〜い河原でキャンプしてさ、トロッコ電車で温泉に行ってさ、温泉プールで泳いでさ、みかん狩りしてさ、牛乳風呂に入ってさ、昆虫館に行って...」と話がやめられない止まらないカッパえびせん状態だった)を置いて出かけるのは父親の立場上ヒジョーにヨロシクないわけで迷いに迷ったのだけれど、僕が行きたそうにしてると「パパだけ行ってきなよ。熊野川は逃げないからMaakunはまた今度行けばいいしさ。」と孝行息子の発言に涙・涙・涙のPapaなのであった。

しかし、そのとばっちりを受けたのが、アキヒロさんご一家。Maakunが欠席ということはMamaもAzuも欠席ということなので、当然アキヒロさんちのママもKoukunもMoeちゃんも「行かな〜い!」になってしまう。せっかく、今回のツアーを「アキヒロ家家族をカヌー好きにさせる作戦」と位置付けていたアキヒロさんなのに...ごめんなさい!!
そんなわけで今回の参加者は“川の怪人”NESSYさんと“キールカッター”マジコさん、そして僕の3名。「全国川サミット」で宮川フォレストピアに滞在中のNESSYさんや僕はまだしも、愛知から参加のマジコさんにとっては「伊勢道・勢和多気IC、朝6:00集合」ってのは狂気の沙汰。でも、そこはマジコさん。前日から嬉野SAでP泊(パ−キングエリア泊り)で対応するという裏技で僕より早く集合場所に到着なのだ。

途中でNESSYさんとも落ち合って、カヌー班コンボイはガラ空きのR42を南下。ゴール地点となる河口近くの熊野速玉大社の河原に到着したのが9:00。そこで、NESSYさんのカヌー&装備を僕のディスカバリ−に積み換えて、スタート地点である三和大橋(熊野川町役場前)河原を目指す。熊野川町はカヌーマラソンやカヌーによる熊野川クリーンアップ作戦を主催するなど、カヌーに好意的な町で、川に沿った国道沿いには「カヌーの町・熊野川町へようこそ!」といった看板を目にする。助手席のNESSYさんと「いいよなあ、こんな町!」などと話していると、役場近くのAコ−プ(農協スーパー)に到着。豪華な(?)食材&酒を買い出しした後、いよいよ河原へ降りる。 11:00ツーリング準備が完了し、いよいよ熊野川へ漕ぎ出す。今回はジェット船発着所の志古のすぐ下流に架かる三和大橋下から河口近くの速玉大社までの約20kmのカヌーマラソンと同じ行程。


スタート地点にて準備中

計画ではクルマにキャンプ装備を残して2〜3時間でゴールした後、瀞大橋・和歌山県側に移動してキャンプ(...そしてカヌーで川を渡って三重県の湯ノ口温泉で極楽気分を味わう)はずであった。これは荷物が多いファミリーキャンプ向けの計画で、結果的にオッサン3人になったことだしってことで「気に入った河原で眠る」本格ツーリングキャンプに急きょ変更。全ての装備を積込んでのスタートとなった。「いやあ、一度キャンプ道具を一切合切積んで川下りしたかったんですよ〜」とマジコさん。わかるわかる、その気持ち(笑)。彼は今回が初めての本格キャンプツーリングなのだ。

崩落岩が流れをS字に変える
あくまで清らかな流れ

スタートしてすぐから、川は時速10km/h以上で流れはじめる。十津川のダムが放水しているからか透明度は今イチだけれど、熊野川らしいたっぷりとした水量で強烈なパワーでビュンビュンという言葉が相応しいほどの流れだ。程なく今日最初の瀬が現れる。波高は控え目ながら三角波で速度があるので初心者はちょっとビビるクラス。まずは僕とNESSYさんが通過し、一応「自称ビギナー」マジコさんを待つ。振り返ると顔がマジのマジコさん(おやじギャグで失礼!)。ところが全く姿勢を乱すこともなく、しっかりとパドルを動かして波の尾根を縫うようにスムーズなパドリングだ。瀬を超えて笑顔が戻るマジコさん。NESSY「今ぐらいのが一番気持ちエエなあ。」マジコ「えっ?僕は恐いだけッス!」...おじさんの嘘つき!(笑)恐がってる人があんなにスムーズなパドリングできるかって〜の。クラス1〜1.5程度の瀬と瀞場が交互に現れ、上和気付近から始まる九里峡では川にまで崩れ落ちた岩が川の流れを不規則に変えS字コーナーが連続する。なんとも豪快で野趣溢れる景観だ。「景色見てる余裕ないッス!」by マジコ。...おじさんのウソつき!(笑)


崩落岩群を漕ぎ下るaki

早瀬で余裕の笑みを浮かべるマジコ

崩落岩群を抜けたあたりでランチタイム。僕は途中で買った紀州名物「めはり寿司」と「サンマ寿司」に舌鼓。食事の後は、漕ぐのは瀬のみ。瀞場は宮川などのちっとも流れない瀞場とは違って、何もしなくてもかなりの速度で流れて行くので最高の気分だ。3艇のカナディアンカヌーは笹舟のようにゆらゆらと流れて行く。それにしてもツーリング中にカヌーに乗ったまま、こんなにも会話が楽しめるツアーは初めて!そんな会話の最後は決まって「良いよなあ、熊野川!」この一言(笑)

そんな瀞場も永遠には続かず、やっぱり「それなりの」瀬はやってくる。柱状節理の岸壁を超えたあたりで、大きな隠れ岩の作り出すストッパーウェーブのある瀬が出現。しかも下流からはエンジン付きの和船が上がってくる。お約束通り(?)ストッパーウェーブの真上を通過して豪快な波越えを楽しんだ後は、和船を避けるべく進路を変える...あれ?和船が止まってる。なんと、和船のオジサンは僕らに進路を譲ってくれたのだ!し、しかも、安全な航路を指差して交通整理までしてくれてるじゃないか!親切な和船のオジサンや、人懐っこい釣り人に感動しながら、カヌー船団は熊野川下流部最大の屈曲地点・北桧杖の河原へ。川から見上げるとなんとも美しい扇状の河原だ。しかも点在する太い薪!(笑)「ココに決めよか?」誰からともなくそんな声が上がると、即、今夜の寝ぐらが決定する、そんな素晴らしい河原なのだ。


漕ぐ手を休めてゆらゆら流れる

 


崩落岩手前の中州にてひと休み(陸に上がったネッシーと河童1匹)

 

 


夕暮れのキャンプサイト

しかもコーナーのエイペックスを超えたあたりに、僕らを誘うかのように穏やかな入り江もあったりして、湯ノ口温泉の誘惑なんて吹っ飛んでしまう単純なオジサンカヌーイスト達(笑)入り江にフネを進めて、河原を見上げると高さ2mあたりに(好都合にも)寝心地の良さそうな玉砂利が!各自そんな極上の平坦な玉砂利にテントの設営を済ませると、誰からともなく薪拾い。普通は薪(流木)ってのは岸辺と平行に落ちてるものだけど、ここは直角になってる(わかるかな?)きっとここは屈曲が大きいために増水時にはエディ(反転流)が生じて、岸に向かって緩やかな流れがヒタヒタと打ち寄せる場所なんだろうな→つまり急な増水でもあっという間にテントもろとも熊野灘までサヨウナラってことはない、安全な場所だってことなのだ。(これはココが部分的な細かい玉砂利であることと符号する)

屈強な大人3人が必死で薪拾いをするとみるみるうちに薪の山が出現。太さ30cm長さ4mのヒノキなんてのもあって、これで今夜の燃料は充分だ。焚き火の準備ができたところで、夕食の準備。寒い夜は鍋、しかも身体の芯から温めてくれる「キムチ鍋」が今夜のメニュー。大鍋の持ち主=料理当番ということで今夜の料理長はNESSYさん。マジコさんと僕はそのそばでノコギリを使って薪の玉切り&薪割りに精を出す。日暮れとともに30cm級の丸太を風防&火床に焚き火開始!ほどなくNESSYさんの「出来たで〜!」コール。ビールで乾杯を合図に宴会開始となる。カヌ−イストお得意の地べたリアン・スタイルで一つの鍋を突つきながら、飲む、食べる、語る、そして飲む。満月を少しだけ過ぎた大きな月が河原全体を明るく照らし、静かに流れる熊野川がキラキラと光る。う〜ん、極楽極楽!こうして夢のような夜は更けて行くのであった...。


焚き火を囲んで宴会中

 


 

 

NESSYサイト
マジコサイト
akiサイト

 


 

 


まさに幽玄の世界(二日目スタート直後) 

 

10月15日 熊野川ダウンリバー&キャンプ(野宴会カヌー班)2日目 目覚めると、雨。強がりじゃなくキャンプの朝が雨ってのは雰囲気があって良いものだ。テントの天井を眺めつつシュラフの暖かさをじっくり楽しみながら微睡む。意を決してテントのジッパ−を開けると、しとしと小雨が降って、周囲の切り立った山の稜線がぼんやりと見える。朝一番のコーヒーを煎れるために外に出ると、そこはまさに墨絵の世界。「幽玄」という言葉さえも似合う単色の風景なのだ。

あまりの素晴らしい雰囲気に見とれていると、ロ−ル・ア・テーブルの脇でパーコレーターのポコポコという音が響く。そんな静寂を破るようなジーップ!というテントのジッパーを開く音。マジコさんのお目覚めだ。程なくNESSYさんも登場し、とりあえずコーヒーを飲む。雨は時折強く降るのだけれど、だれも雨を気にする様子はない。カヌーイストは濡れることを前提にしたパドリングウェアを着用しているからなのだ。
コーヒーを飲み終えるとまたまたNESSYさんが手早く朝食を準備してくれる。朝食のあと、再び熱いコーヒーを飲んで各自の撤収作業、焚き火の後片付け、カヌーへの積込みと順序良く進む。雨は降り続いているものの水量は昨日より1m近く低下。昨日入港した入り江は完全に干上がって川幅がひと回り狭くなった印象だ。


秋雨に煙るキャンプサイト

ゴール前のNESSYとマジコ

これはたぶん日曜ということで十津川のダムの放水が止まっているのと、北山川のジェット船運行用の放水が、ここまで届いていないのだろう。それが証拠に昨日の白濁がすっかりなくなって、あくまで澄み切った素晴らしい透明度が復活している。そんな澄み切った熊野川にカヌーを浮かべ、再び下流に向け出発。普通に漕げば10分程度でNESSYさんのクルマが停めてある速玉大社のゴール地点に着くのだけれど、みんな何となくゆっくり慈しむように漕いでるのが可笑しい。それでも20分ほどで御船島が、そして引き続いて亀島という大岩が見えてきた。河原には明日、まさにここで行われる速玉大社の「御船祭」の赤い幟が何十本と雨に濡れて立っている。いよいよゴールだ。降りしきる雨の中、こうして野宴会カヌー班、熊野川ダウンリバー&キャンプは幕を閉じたのだった。

 

カヌー、その後》
まずはNESSYさんのクルマにNESSYさんのフネと装備を積込んだ後、全員が乗り込んでスタート地点に戻り、マジコさんと僕は各自のクルマで再びゴール地点へ。そこでフネと装備を積んでNESSYさんの待つスタート地点へ。そこから3台で瀞大橋のたもとにある民宿「大和屋」へ。ここで有名な「キジ重」(¥1450)をいただいた後、NESSYさんとお別れし、マジコさんと僕は熊野市の「金山パイロットファームみかん園」にておっさん二人で仲良くみかん狩り...ってのはちょっと変なので、お土産にSサイズ10kg箱(¥3000)を買って帰りました。コレ忘れると家に入れてもらえないもん(涙)。

 

 
♪河童はね、指三本♪

 


 

 

10月7〜8日 野宴会中部オフinあさけ いよいよ待ちに待った野宴会オフ。今回は三重県菰野町にある「グリーンランドあさけ」というオートキャンプ場が会場だ。前日までMamaのフラメンココンテスト偵察のため志摩スペイン村に同行して夕方から駆け付ける予定になっていたのだけれど、あんまり僕が「キャンプ、キャンプ」と嬉しそうにしているもんだから「スペイン村はわたしとAzuで行くから、あなたたちはキャンプに行ってらっしゃい。」と呆れながらお許しが...。「悪いなあ...」と恐縮しながらも心はもうグリーンランドあさけ(笑)

直前になって参加表明したこともあってサイトの予約が出来なかったので、今回は影ちゃんサイトの間借人ということで(Maakunとふたりで参加だし...)ソロ用装備を選択。オートキャンプ場だというのにまるでカヌーキャンプのようなシンプルな装備なのだ。(おかげで準備は一瞬!)2000mm×1500mmのテントでは父と息子が寝たらさすがにギリギリ。そこで装備を屋外に置きっぱなしにできるようザックは防水バッグを選択。
昼前にキャンプ場に到着したのだけれど、今回は間借人なので家主より早く設営するわけにもいかず、持参のサンドウィッチでランチを済ませた後はガラガラに空いてるキャンプサイトでMaakunとフリスビーで戯れる。
そうこうしてるうちにメンバーが続々と到着し、設営開始。野宴会のメンバーはベテランからビギナーまでさまざまだけど、それぞれこだわりのある人ばかりなので自分のサイトを設営しながらも、他のメンバーのサイトに興味津々だ。


ソロ装備+テーブル

今回のakiサイト

もちろんカタログでしか見たことのない珍しい道具も、ここなら自由に触れて使ってみることができる!(笑)会長モーリーの影響(?)かSnowPeakフリークが多いので、さながらSnowPeakの見本市の様相を呈してるのが面白い。
おひさまが西に傾くと、宴会に向けてメンバーは自慢の料理にとりかかる。ソロ用装備の我が家は小さなコッフェルでショボい「モツ鍋」なのだが(涙)、みんなは豪華絢爛orアイデア抜群の料理で本当に圧倒されてしまう。こんなことならダッチオーヴンでも持ってきて見栄えの良い料理でもすればよかったなあ....と後悔するも後の祭りなのだ。しかし遠慮がないのが僕とMaakunの良いところ(笑)。Maakunなんてテーブルの中央に陣取って、ただひたすら喰う喰う喰う...。その横で会長モ−リ−は飲む飲む飲む(笑)。

さすがに10月ともなるとかなり寒いのだけれど、焚き火や七輪コタツまで登場して快適に過すことができた。宴会は結局日付けが変わるまで続き、最後にモ−リ−宅(リビングシェルとTakeチェア、そしてモ−リ−の奥様かよちゃんの歓待により、テントでもサイトでもなく「宅」と呼びたいほど快適なキャンプサイトであった!)でお夜食のラーメンまで頂いて、お開きとなった。
野宴会のキャンプに参加するたびに感じるのは、アウトドアの技量はひとそれぞれだけど、メンバーみんなが楽しみ方を良く知ってる人達だなあってことだ。キャンプ歴や知識なんかじゃなく、いかにキャンプを楽しむのか...これが一番大切なんだなあって再確認の一日。またまた良い経験をさせていただきました。


今回参加のメンバー(の一部)


 

 

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