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僕らがルノーサンク・バカラを買ったわけ

あれはウーノの3回目の車検の時だった。いつも代車はPANDAなのに、その時はルノーサンクAT。1700ccの90年式(黒)だった。ウーノの車検が長引いているうちに、まずは腰痛をわずらっていた僕がこの「ポヨヨン」シ−トにハマってしまった。すぐにともちゃんも「そういえば、新婚旅行以来欲しかったのよね!」てなことに。彼女も子供を2人乗せて5MT&ノン・パワステのウーノは少し辛くなっていたのだった。

 

カナリア諸島テネリフェ島にて 1990

早速本屋で「goo」の立ち読み。「もし、この本にシャンパン・ゴールドのバカラATとか載ってたら、買おうか?」なんて冗談半分に話してたら、ホントに載ってた!ルノーなんて扱ってなさそうな●●モータースの広告に軽トラックとかと並んでこっそり載っていたのだった。諸費用込み、現状渡しで100万円。当時としては破格の安さ。しかも値引き応談じゃないか!なんだか今すぐに見たくなった僕らは、200kmも離れた町の●●モータースに電話して見に行くことに...。SUZUKIやDAIHATUの看板が架かった●●モータースでルノーに対面した僕らは早速試乗。お店の好意で1時間ほど乗り回してお店に戻った僕らは夫婦で声を合わせて「コレください!」
6年落ちのフランス車を即決するなんて無謀だと思われるだろうが、●●モータースというお店がとても信用できると思ったし、ウーノを買ったディーラーさんが「ディーラー車ならうちで面倒見ますよ。」と確約してくれていたから全く不安はなかった。(懇意にしてもらってるメカニックさんがルノーが専門だった)

「ところで下取りはどんなクルマですか?」えっ?下取り?そうか、ウーノを下取りに出すんだったよなあ。「フィアット・ウーノ?あはは、できれば下取りしたくないなあ...」せっかく得体の知れない旧いガイシャが売れたと思ったら(ルノーは下取り車だった。)今度はまたもっと旧い変なのが入庫して来るなんてお店の人も明らかに迷惑そうだった。「下取りは15万円が精一杯ですねえ、フィアットは...」
僕らのような若い夫婦がクルマを3台持つことは、すごく贅沢でイケナイことのように思えたし、とりあえず15万円でも資金の足しにしたかったのでウーノを売ることに決めた。一応仮に契約書にサインして、新しいクルマを買った嬉しさとウーノを手放す悲しさを胸に家路を急いだ。
ちょうど、道のりの中間ぐらいまで来た時、息子のまあくんがワケもなく泣き出した。泣きじゃくって言葉にはならなかったが、なんとなく何が言いたいのかは察しがついた。ほどなくともちゃんも涙を浮かべているのがルームミラーに映っていた。実は僕もあのウーノの子犬のようなフロントフェイスが脳裏に浮かんでいた。留守の間に売るなんてひどいじゃないか!頭の中には何故か「♪ドナドナド〜ナ〜ド〜ナ〜 売られてゆ〜く〜よ〜♪♪」の曲が流れていた。何も言わず、僕は路肩にクルマを停めて携帯電話のボタンを押した。


Unoの代車 Cinq AT 1996

「もしもし、先ほどおじゃました者ですが。フィアットを下取りに出すって話、なかったことにして下さい。ルノーの代金は全額払いますから...」
そんなこんなで、今も我が家にはフィアット・ウ−ノとルノー・サンクが仲良く並んでいる。不思議なことにどちらかが調子が悪くなると、もう片方の調子がばかにいい。イタリア野郎とフランス娘。なんだか寄り添う夫婦のような風情である。

 

 

 

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