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November.2004 part.5

 

 

 

 

 

“ICHIGO” Beach

11月23日 岬巡りサイクリング(安乗灯台〜大王崎灯台)

祝日がお休みなんて、ホント久々のこと。先週の日曜に仕事が入って休めなかったので自分へのご褒美として今日は無理矢理(笑)休むことに決めたのだ。まだ一昨日カヌーを楽しんだばかりだし、山登りも一休みってことで特に予定もなく、ゆったりと朝寝をして朝食を食べてたわけだけど、イケナイことに我が家のダイニングはサンルームに面していることもあってイヤでも青空が目に入るんだなぁこれが(涙)。雲ひとつない晴天で、しかもサンルームの前の“Chichoの額ガーデン”に立ってるMaakunの白樫の枝もほとんど揺れてないし...晴天無風、絶好の野遊び日和!そんなコンディションを前にしてじっとしてられるはずがない我が家は10:00を過ぎてからサイクリングに行くこと決め、Discoにサイクルキャリアを取り付け4台のMTBを積み込んで、とりあえず行く先を決めずに出発(笑)。


安乗灯台公園に到着

『どこへ行こう?』
『今日の運勢によれば、南がラッキーみたいよ。』
『じゃ、南だな。確か大王崎まで自転車道があっただろ?』
『ああ、あのスペイン村の脇の道ね。』

そんなわけで、高速道路を走りながら志摩市へのサイクリングに決定。無計画行動、ここに究まれりって感じかな?(笑)

伊勢神宮内宮を横目に紅葉が美しい神宮林を抜ける伊勢道路で志摩市へ。国府浜を左折して安乗崎灯台を目指す。
この段階で僕の頭の中には磯部大王大規模自転車道を通って安乗崎灯台から大王崎灯台を目指し、波切から英虞湾沿いに登茂山展望台を巡るコースが浮かんでくる。

早速カーナビで距離を測定すると約50km。
時速15kmで3時間ちょい、休憩&見学を含めて5時間...子連れサイクリングにはぴったりの距離のようだ。
11:00安乗崎灯台に到着。駐車場にクルマを停め、広々とした芝生広場を横切って灯台へ。
ここ安乗崎灯台は去年までは立入禁止だったんだけど、今年4/29から全国で14番目の“開かれた灯台”として一般公開が始まった灯台である。受付で大人¥150子供¥20の合計¥340を払って灯台の螺旋階段を上る。中央には大きなランプがあり、レンズ越しに射す太陽の光がプリズムでほの暗い灯台内の壁に投影され虹色に輝いている...何とも美しい光の芸術である。
小さなドアから外に出ると、想像通り360°の大パノラマ。


まずは安乗灯台見学(4/29より一般公開開始!)

海に突き出た岬に建つだけに、300°は海!南に目を移せば、美しい弓状の海岸線の遥か彼方にこれから向かう大王崎灯台の白い姿を見ることが出来る。
灯台に登って景色を堪能した後は、隣接の鵜方灯台博物館へ。実はここに立ち寄るつもりはなかったんだけど、ついつい長居をしてしまい、博物館を見終わった時点で正午になってしまう。早くも子供たちの“腹ヘッタコール”が始まったので、クルマに戻っておにぎりを一個づつ食べながら作戦会議。


灯台から見た大平洋

登れるのは全国で14ケ所だけ!

ここからスタートすると日没までにゴールすることは難しそうにも思えたので、クルマで国府まで戻り、そこから大王崎を目指すことに計画変更。国府〜大王崎往復20km、登茂山展望台を加えても35km...これならちびっこAzuも大丈夫そう(笑)。
関西でのサーフィンのメッカである国府は路上駐車に厳しい土地柄なので、ボディボードの時にいつもクルマを停めさせてもらう民宿Tへ。Tへの道すがら、焼ソバの“なにわ”のおばちゃんが僕らの姿を見つけて手を上げて挨拶してくれる。
『どしたん?この時期に子供連れで波乗り?』
『いやいや、今日はコレ...自転車よ、自転車。』
『へぇ〜、そんなこともするん?』
“なにわ”のおばちゃんに別れを告げ、民宿Tでも『どしたん?』と驚かれつつ、僕らはMTBをクルマから下ろして12:30、防風林沿いの道を走り出す。


磯部大王自転車道を通ってサイクリング開始。

あっ!鳥!すぐに止まる

良く整備された大規模自転車道は国府から海沿いを少しだけ走り、甲賀小学校から右折し海を離れてR260へと伸びる。R260はクルマで大王崎に向うルートで正直なところ“ただの広い歩道”。そんな道を走ってもつまらないので、僕らはそのまま県道61号を直進し、海沿いの集落を巡るルートを採ることにする。古き良き漁村の田舎道なんだけども、山を削ったり橋を架けたりしてないぶんアップダウンが激しくて、それなりに体力が必要。


サーフィンのメッカ・市後浜に到着

暦はもうすっかり冬だというのに風もなく汗ばむような陽気に加えて、運動不足の僕ら(Maakunは除く)はすぐに息が上がって一枚また一枚と服を脱ぎながらのサイクリング(笑)。

志島小学校を過ぎてしばらく走ると、Mamaが血相を変えて僕に追い付いて来て何やら叫んでいる。
『ねぇ、今、市後浜の看板があったわよ!』
『えっ?いちごビーチ?そりゃ大変だ!見に行かなくては!』僕らは慌ててUターン。
市後浜はこのエリアで国府浜と並ぶ有名なサーフポイント。“なんちゃってボディボーダー”の僕らは、以前から一度訪れてみたかった場所なのである。00:40市後浜に到着。とても整備が行き届いた市後浜。11月後半だけど、青い海には大勢のサーファー。それを見たMamaが一言。『あ〜悔しい!ウェットスーツ持って来ればヨカッタァ〜!』(笑)

市後浜でまたまたおにぎりを1個づつ食べて燃料補給した僕らは、さらに県道61号を南へ。

今日、5つ目の峠を越え(涙)大王町内に入り、さらに峠を2つ越えて、やっと波切漁港が見えて来る。
漁港の広場には美味しそうな干物が天日干しされてて、ついつい目を奪われるけども、目指すは灯台!土産物屋が立ち並ぶ狭くて急坂の路地をMTBを押して進む。13:15大王崎灯台に到着。サイクルコンピュータは10.48kmを示している。

灯台の前にある狭い公園にMTBを停め、安乗崎と同額の入場料を払って灯台に登ると、安乗崎ではあまり感じなかった高度感を覚え足が竦んでしまう。それもそのはず海面からの高さは46m!落ちたら確実に死にます(笑)。


海沿いのR61を1時間半ほどで14km先の大王崎に到着

ここ、大王崎灯台は「喜びも悲しみも幾年月」を始め「君の名は」などの古典作品はもとより「学校の怪談4」(笑)のロケ地にも使われ、また小学校の教科書では“海岸段丘の”代表的な景色として紹介されている美しい灯台だ。


灯台への狭い路地を頑張って登るAzu

この灯台も入場可(大人¥150子供¥20)

大王って名前は閻魔大王でも住んでたの?って思いがちだけども(そんな発想をするのはMaakunぐらい?...笑)、実はここ志摩という土地は古代に北九州の民が船に乗って移り住んだという逸話が残っていて、今も福岡県志摩町を中心に北九州市〜佐賀に「志摩」「船越」「二見岩」「竜王崎」など、この地域とそのものズバリ同一の地名が多くて(三重県と北九州は地名の一致が多い。例えば「嬉野」「三重」「四日市」などなど...)、そのうちの竜王崎が大王崎に変化したらしい。もしかしてPapaとMamaのDNAは、とんでもない昔に出会ってたんじゃないのか?...な〜んてね(笑)。


自転車なら灯台のそばまで進入可能

波切九鬼城跡公園から灯台を眺める

水面からの高さは46m。ちょっと怖い。

大王崎は猫が多いことでも有名

さて、話が脱線したけど、灯台を見学した僕らは、灯台の下の日だまりで気持ち良さそうに寝てる猫ちゃんたちを撫でたり抱いたりして遊んだ後(大王崎は絶景が多く画家が多く訪れることから別名“絵描きの町”と呼ばれてるんだけど、もう一つの別名は“猫の町”...猫がやたらめったら多いんである。)、再びMTBに乗って大王崎灯台を後にする。


波切といえば田中商店の蒲鉾と...

灯台から続く細い路地は海産物屋さんと真珠屋さんばかりが立ち並んでいて、案の定Azuが一軒の真珠屋さんに拿捕される。ヲイヲイ、真珠は無理だぜ!でも、彼女はMTBに乗ったまま店先に並ぶ真珠のリングに吸い寄せられていく。
『パパァ〜、買って!ねぇ買って!』9歳でもやっぱりオンナはオンナ(笑)。パパはやっぱり女の子の甘い声に弱いのである。『じゃ、この真珠のリング下さい。』...淡水パールのリング...¥300。彼女の笑顔...プライスレス(笑)

波切九鬼城跡公園(八幡公園)から再び灯台を眺めた後、坂の下にある老舗の蒲鉾店である田中商店でかまぼこを買い求め、漁港でサンマの一夜干しとMaakunの大好物であるスルメを買って(いっぱいオマケしてくれた)、僕らはR260を辿って国府を目指す。

あちこち立ち寄って予想外に時間が掛かってしまい、その上県道61号のアップダウンで体力を消耗した僕らは、当然ながら登茂山展望台はキャンセル(一番リタイアの可能性の高かったAzuは真珠のリングを早速指にはめて元気いっぱいだけども...)し、最も楽チンなルートである国道沿いの磯部大王大規模自転車道をゆく。


漁港の干物が有名

おばちゃんと値段交渉するMaakun

見るべき景色も観光スポットもない、非常につまらない道だけど、自転車で走るために特別に設けられた道路だけにとても高低差が少なく、しかも車道と完全にセパレートされていて走りやすい。サイクルコンピュータを覗き込むとしばしば30km/hを超えるスピードが表示されていて、気がつけばAzu&Mamaが遥か後方...ってなことも。

自転車道の脇には所々休憩するための小公園が設けられているので、そこのベンチに腰掛けてさきほど買ったかまぼこを食べたり行動食のチョコレートを食べたりすることが出来る。(Maakunはスルメを生のままガジガジ...笑)
ENEOSのGSを右折し、東海中学の脇を抜ける気持ちの良い一直線のダウンヒルが終わると、甲賀小学校の分岐点に戻る。ここからは海に面した堤防上を走る。太陽が西に傾き、僕らの長い影が砂浜から海へと伸びる。穏やかな海風に吹かれながらの極楽サイクリング。国府に到着すると自転車道はここから海を離れて、ススキが揺れる湿地帯へと伸びるんだけども、サイクルコンピュータはまだ20.5kmを表示していてほとんど疲れはないし、もう少し海風を感じていたい気分な僕らは、そのまま堤防上を走って約7km先の安乗崎を目指そうってことに。安乗までの往復を加えると全行程約35km...子連れ半日サイクリングの適正距離はこんなところだろう。


大好きなスルメを手に入れてゴキゲン!

帰り道は磯部大王自転車道をゆく(蒲鉾を食べて休憩)

自転車道で甲賀の海岸に到着

国府の堤防に乗り入れた僕らの遥か前方に堤防で写真の撮りっこをしてるMTBikerカップルの姿が目に入る。西日に照らされ淡いベージュ色の光に包まれた2人は遠くからでも幸せのオーラが漂ってるのが感じられ、おっちゃんは『若いヤツはええのぅ!』と思わず呟いてしまうのだ。


なんと!偶然においちん&えなちんに遭遇!

先をゆくMamaがそのふたりと挨拶を交わしナニやら大声で笑ってるのが見える。さすがは“社交的な”O型!知らない人でも平気だな、と苦笑しながら近づくと、若い2人は、なんとおいちん&えなちんご夫妻!なんてこと!一昨日は青蓮寺湖でひだださんと偶然出会い、今日はおいちんご夫妻かよっ!ひだださんといい、おいちんといい、“頭の中をパカッと開けたらたぶんあなたと同じモノが詰ってる”んだろうな(←コレ、Mamaの口癖)
これからサイクリングのスタートだというお二人のお邪魔をしてはいけないので、記念写真を撮って彼らと別れた後、Azuのご希望で砂浜に下りて、女性二人はビーチコーミング開始。海水浴シーズンとは違って、ビーチでは美しい貝殻がたくさん見つかる(土産物屋で売ってるようなグッドコンディションの宝貝を大量ゲット!)ようで、海風に乗って聞こえてくる女性陣のウキャウキャウヒウヒな声を聴きながら、僕とMaakunは堤防の階段に座ってスルメをガジガジ(笑)。


波打ち際から自転車を見上げる

家族でビーチコーミングを楽しむ

 

一風変わった家族写真(影が僕とMaakun)

30分ほどビーチコーミングを楽しんだ僕らは、堤防をさらに進む。右手は数多くのサーファーが波乗りを楽しむ海、そして左手は閉鎖になったゴルフ場の広大な草原が広がっている。不自然に刈込まれたゴルフコースには全く興味はない僕らだけど、閉鎖になって2年が経ち、自然のままに伸びた芝が風に揺れる様はまるで英国やNZの牧草地のような光景。Maakunとこの中を走ってみたいなぁ〜柵も立入禁止の看板もないけどダメだろうなぁなんて話してると、数人のサーファーがボードを頭に載せて“牧草地”を横切ってくるのが見える。えっ?入っていいの?そこへ地元のおじいちゃんたちが自転車で行き交ってるのが見えたので、そのひとりに一応尋ねてみることにする。

『ん?ああ、ここか。エエさ、ワシらも通っとるやでさ、入りぃ。』...ってことで『キャッホー!』堤防の急斜面を駆け下り“牧草地”をMTBで走り回る僕ら。


影遊び(ジャンプするMaakun)

美しい弧状のビーチに沿って堤防をゆく

深いラフなので決してスピードは出ないけど、まるでマットレスの上を走ってるようなフカフカの感覚が気持ちいい。ハンドルを取られて転倒しても、走り高跳びで着地するマットのような柔らかさが僕の身体を受け止めてくれるので、僕はワザとMTBを倒して草原に寝転がる。基本的に僕は異常なほど視野が広いんだけど(大学の時に教授の実験材料で測定したらあり得ないほどの数字だった。臆病で山育ちの僕は草食動物系の目なんだろうな...笑)、そんな僕の目でも見えるのは青い空と白い雲だけ!後はナッシング!横倒しになったMTBのサドルに頭を載せ、どんなTherm-a-restよりも寝心地の良いフカフカのベッドに横たわりながら、僕は秋のどこまでも高い空を眺め続ける。『幸せだなぁ...』休日が他人より少ないこともあって、ついつい忙しくチョコマカ動き回る“安近短”な野遊びに終始しがちな僕らは行動的に見られがちだけど、実はこうした怠惰な時間が一番好きだし一番お似合いだと思うのだ。


夕陽を浴びてちょっとだけ美人に見えるふたり

広大な草原を横切るまるで英国のよう?

ホントは立入り禁止らしいけど、...

地元のオジサンたちに許可を得て入らせてもらった

またもやビーチコーミングで宝貝をコンビニ袋に一杯拾ってウハウハな女性陣が僕らの元にやってきたのは、国府に到着してから1時間半後のこと。もはやこの時間から安乗を目指すのは無理なので、今日のサイクリングはここまで。元ゴルフ場の草原を横切り、亜熱帯の様な防風林を抜けてクルマに戻ることにする。Discoを停めた民宿Tに到着したのは15:30。予定は未定な我が家らしく(苦笑)当初の予定の約半分、23kmしか走らなかったけど、とても楽しめたハーフディ...充分に満足だ。

 


防風林は亜熱帯な雰囲気

防風林ロードを疾走して...


いつもの民宿Tさんで抹茶をご馳走になって...

『お疲れさま!』
民宿の奥さんが点てて下さった抹茶を、『右に回すんだっけ?左だっけ?』などと言いながら味わい、MTBをクルマに積み込んだ僕らは国府に別れを告げて、パルケ・エスパーニャへと向かう。
今から遊園地?いえいえ、併設の温泉「ひまわりの湯」で疲れを癒すためなのだ。

あまりに入湯料が高額(何と、家族4人で¥3200!ここは都会じゃないっての!)なためにお客もまばらな「ひまわりの湯」。でも、泉質も施設もとても素晴らしく、露天風呂だけではく内湯の巨大な窓から穏やかな伊雑ノ浦に沈みゆく夕日をジャストタイミングで眺めることが出来たのは嬉しい誤算だった。
(お風呂が海にそのまま続いているように錯覚させるレイアウトはなかなかのもの)


撮影禁止なのでパルケ・エスパーニャwebsiteより

HOTELパルケ・エスパーニャ前にて

温泉を出た僕らは暗闇に包まれた高速を北へ。
『ま、思いつきで行動したにしては、なかなか充実してたんじゃない?』
『ううん、思いつきだから楽しめたのよ、きっと。』
もしかしたらオレたちってHappenning(ハプニング)をHappyに変える特別な才能があるのかもなぁ...なんて心の中でちょっとだけ胸を張る僕なのだ。

ちなみに元ゴルフ場の“牧草地”は防風林側に『関係者以外立入禁止』の看板がありました(涙)。地元の人は結構気軽に利用してるようだけども、僕らヨソモノとなれば話は別。みだりに立ち入らないようにしましょう。

 

 

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