11月6-7日 安曇野オータムツアー
2日目 観光客モード
今回は5人用バンガローに居候するカタチなので、シュラフ持参で“ほぼキャンプ”な我が家。 これまではレクタングラーシュラフばかりだったMamaと子供たちにとって先日買ったマミー型シュラフで眠るのは今日が初めての体験だ。『暖かいわねぇ〜!まさに“喰わず嫌い”だったのよね。これからはマミー型しか使わなくなるわよ、きっと。』シメシメ(笑) 目覚めると窓の外はうっすらと朝霧に包まれているものの、今日も晴天のようだ。凛とした高原の空気を深く胸に吸い込みながら朝の散歩を楽しむ。山々にかかった雲から太陽がちょうど顔をのぞかせ、手前の紅葉と同じ色に染まる空...とても秋の朝らしい光景である。
『今日は撤営しなくてもいいのよねぇ。』バンガローライフの朝は慌しいテント泊とは違ってゆったりと時間が流れる。一時間以上かけて朝食を楽しみつつ、ガイドブックを見ながら今日の予定を考える。『まずは長峰山山頂で昨日から始まってるスカイスポーツの祭典“アルプススカイグランプリ”でも見に行こうか?』そうと決まれば、行動あるのみ。バンガローに広げた荷物を手早く片付けてクルマに積み込み、天平の森をチェックアウト。クルマで数分の山頂へ。
「アルプススカイGP2004」観戦
駐車場にクルマを停め、尾根を越えると展望台の向こうの緩斜面に色とりどりのパラグライダーやハンググライダーがテイクオフを待っている。斜面の向こう側には安曇野の穏やかな平野の真ん中を犀川が流れ、ちょうど正面に万水川、穂高川、高瀬川の3つの川の合流点の森が広がる。さらに視線を上に移せば、雲の上に浮かぶようにある北アルプス...次々とテイクオフしていくパラグライダーから見た安曇野はどんなだろう?ちょっと興味あるけど、高所恐怖症の僕には叶わぬ夢ってもんである(涙)。
ひとしきりパラグライダーを眺めたあと、僕らは紅葉真っ盛りの長峰山の山道を一気に下って、安曇野スイス村のワイナリーに向かう。ここで全種類のワインを試飲して、何も買わずに(イヤな客だよなぁ...笑)、次なる目的地・安曇野ガラス工房へ。ここでも『見てるだけぇ〜!』なんだけども、唯一Mamaが大根一本¥100也を買ってたな。
おやき作り体験(こねこねハウス)
アートライン沿いの蕎麦屋で新そばを味わいながら、次なる目的地を相談...というか、ほとんど独裁者・Mamaの意見でどんどん決まっていくんだけども、『“こねこねハウス”に行きましょう。』な、なんじゃ、それ?聞けば、穂高町農林漁業体験実習館の別名とのこと。Mamaは初めて安曇野を訪れた2001年から狙ってたらしい(笑)。田舎の伝統的な食文化を絶やさないようにと、穂高町のおばちゃんたちが結成したそば打ち研究会が前身で、¥3150で信州名物“おやき”作りを体験できるとか。そりゃ、面白そう!ってことで蕎麦屋のカウンターから予約を入れ、15分後にはこねこねハウスに到着。
講師のおばちゃんの指導で、子供たちはまずは手を洗い、小麦粉(中力粉)500gに砂糖、塩、重曹、水、サラダ油を加えてひたすらまぜまぜこねこね。こねこねハウス前の遊具で遊びながら15分ほど寝かせて、生地を12等分。冷蔵庫にある小豆、かぼちゃ、野沢菜、茄子、切干大根、おからの6種類から好みの具材を選び、生地で包んで、それぞれの具の種類を焼印で押して、ハイ完成。あとは鉄鍋で30分ほど焼くだけなんだけども、『体験なんだから、ちゃんと道具も洗ってね。』と講師のおばちゃん。僕はこの一言にさすが!と感心してしまう。こうした〇〇体験っていうと、全ての準備や後片付けは講師が行って、体験者はちょこっと手を出すだけってのが多いけど、カヌー体験はやっぱりカヌーを運ぶところから始めないと意味がないし、おやき作り体験は、ちゃんと道具を洗うところまでやらないとダメだと思うのだ。
おやき作りの手順
子供たちは表の遊具で、大人たちはこねこねハウスの囲炉裏端でゆったり過ごして待つこと30分、子供たちの手になるおやき12個が完成だ。こんがり焦げ目が見た目にも美味しそう。 『これはAzuが作ったおやきね。』『んぐ、ウ、ウマイ!』どこのお店で買うよりも絶対に美味しいハンドメイド・おやき...子供たちにとって忘れられない思い出になることだと思う。 おやきの次は何だ?ここまで来ると、みんながツアーコンダクターMamaに注目。 『じゃ、お待ちかねのリンゴ狩りに出発よ!』 ...ってお待ちかねはアンタだけだろうよ(笑)
りんご狩り(三郷村・布山観光果樹園)
正直、蕎麦におやきでお腹がいっぱいなんだけど、Mamaは行く気満々(涙)。リンゴ狩りは広々とした扇状地にリンゴ畑が広がる三郷村の布山観光果樹園。Mamaによれば、この辺で一番品種が多くて作付け面積が広い農園とのこと(な、なんでそんなこと知ってるんだよ!?) 料金はリンゴ食べ放題リンゴジュース飲み放題¥1000or食べ放題+お土産一箱付¥2000。果樹園のスタッフの皆さんが熱心にお土産付きを勧めるので、我が家&takaboo家ともに\1000コース3人&¥2000コース1人という変則的な申し込み(笑)。
そんなやりとりを傍で聞いていた素敵なキャラをお持ちの専務さんが『りんごの種類って判る?判んないだろ?今日はお客さんいないし案内するずら』(...ってな言い方だったかは定かではない...笑)ってな調子で自ら“全部の品種を食べちゃうズラ”ツアーを開催してくださることに。 『こんなの特別だかんね。特別(苦笑)』専務さんを先頭にリンゴ園に入り... 『ほら、これはこうこう。昴林から品種改良でできたの。水分多くてうんめぇから食ってみ。』 『これが昔の品種のインド。水分が足りねぇから美味かねぇよ。やめとく?食う?』 そんな説明をしながら、それぞれの品種の樹に行って子供たちに一個ずつ採らせてくれる。 『だめだぁ、回しちゃ。新芽まで取れちまう。こう、こうやって上に捻る。ほら、取れる。』
その場で8等分に切り分けて食べるわけなんだけども、リンゴの種類や味、歴史なんかもレクチャーしてくださって、子供たちばかりか大人までもが興味津々!ジョナゴールド、インド、シナノスイート、シナノゴールド、昴林、紅玉、王林、こうこう、スーパーオトメ、アルプスオトメ、サンフジ、明月、陽光、小倉フジ、はるか、こうたろう、あいかの香り...etc(あまりに種類が多すぎて間違いがあるかも。)と十数種類を食べ比べた後、家族で好みの品種をお土産としてひと箱づつを摘み取って、今日のりんご狩りは、おしまい。
『りんごはな、どれだけ喰っても腹ァ壊さねぇから心配ないよ。』 専務さんはそう言って笑うけど、腹は壊さなくてもモドシそう(涙)。でも、本当に勉強になったし心から楽しめたのは間違いない。
最初はイチゴ狩りとは違ってリンゴなんてそんなに量が食べられるもんじゃないし、食べ放題¥1000って言われてもなぁ...そんな気がしなくもなかったけど、¥1000でこんなに楽しんでどうしましょ!?なりんご狩り。 当分はりんごなんて食べることはおろか、見たくもないけど、きっと満腹感を忘れた頃にはまたココに来たくなるんだろうな...そんな心も頭もお腹も一杯になった僕らなのだった。
夢中でりんご狩りをしているうちに、時計の針は17:00を回っている。いやはや、ちょっと遊び過ぎ。
ここから300km近い道のりを運転して帰らなくてはいけないし(*子供達は明日から学校なのに宿題をやってきてない!)、家に着いたらDiscoのルーフに載ってる3艇のカヌーを下ろさなければいけない(涙)ので、そろそろ今回の安曇野オータムツアーもお開きにしなければ。 子供達にここでお別れであることを告げようとクルマに戻ると、リアシートにはすでにダブルMaakunが乗り込んでる!! 『お、おい...マサキチ(*Maakun#b)!乗るクルマ間違ってるぞ!』 『夕ご飯食べるまではこっちに乗ってていいでしょ?』 隣のMistralを見ると、我が家のお嬢さまがShioriちゃんの横に座って楽しそうにお喋りしてるし...
『ま、いっか!じゃ、駒ヶ岳SAで一緒にメシ喰おう!』
そんなわけで、安曇野オータムツアーはまるでNever Ending Story。 こうして、グリコのおまけのように男の子用と女の子用に分れた僕らの“カヌー満載”DiscoとMistralは駒ヶ岳に向けスタートするのであった。車内に響くダブルMaakunの楽しそうな声... ま、いっか!僕は苦笑しながら小さく呟いた。
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