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November.2004 part.2

 

 

 

 

11月6-7日 安曇野オータムツアー

 

1日目 カヌーイストモード

 


大王わさび園前をゆく我が家の3艇

 

万水川ダウンリバー

まさに棚から牡丹餅、いわゆる“タナボタ”ってやつである。先月の気田川ダウンリバーでクルマを回送してる時、takaさんから聞いた安曇野・万水川遠征の計画。takaboo家は本来9月に実施するはずだったんだけど、子供たちの運動会が二度も雨天延期になったせいでしょうがなく11月に延期したとのことだ。そんな話を10月は全く連休が取れず、ただひたすら遠くに行きたくて悶々としてる我が家に話しちゃイケマセン(笑)。11月といえばすでに寒い長野なのでキャンプではなくバンガロー泊ってことでMamaもノリノリ...どうです?ご一緒しませんか?ってなお誘いの言葉を聞く前に『行きます!行かせて下さいっ!』と即答する僕らなのだ。

9:00に長野自動車道・梓川SA集合の約束。我が家からICまでの2kmを除くと全行程高速道路を280km足らずってことで、逆算すると6:00に出発すれば間に合うんだけど、前回気田川で少し遅刻してしまったことを踏まえて早めに着いて朝食を食べようってことで4:15に出発。昨夜は早めに寝たのでギンギンギラギラに元気な子供たちの歌声(朝からオレンジレンジかよっ!)を聞きながら東名阪〜名神〜中央道〜長野道とノンストップで走り続けて7:20に朝霧に包まれた梓川SAに到着。
外に出ると吐く息が白い。今年初めて息で輪っかを作ったりして楽しみつつ(笑)レストランで豚汁定食を食べてクルマで少し仮眠してると、8:30こちらも“カヌーの時だけは早め早めの行動”な旦那の運転するtakaboo家のMistralの美しいブルーの車体が僕らの隣に滑り込んで来る。


県民運動公園前に勢揃いしたOldTown

今年になってほぼ2ヶ月に1回づつご一緒させてもらってるtakaboo家と再会して今日の予定を再確認...というか、実はまだこの段階でどの川を下るか決まってない状態。
3日前に万水川と高瀬川を下ったKevipaさん&ミエさん情報によれば万水川は先日の台風の影響でまだかなり濁りが残っているらしいし、逆に普段は水量が少なくてDRは望むべくもない高瀬川が“ミニ歴舟川”なスッバラシイ状態のようなのだ。
今日の早朝にKevipaさんからもらった高瀬川DR情報メールのプリントアウトを手に、誰かの名言じゃないけど『万水川にするか、はたまた高瀬川にするか?それが問題だ』と悩むパパふたり。ま、見てみないとワカンナイし、とにかく行ってみよ〜!ってことでとりあえず、万水川のスタートポイントである県営豊科運動公園を目指す。

9:10運動公園到着。確かに濁ってる万水川。ただ、まっ茶ではなくそれなりにグリーン系の濁りにホッと一安心。

用水路でもある万水川(梓川から取水してる)は水量調節が厳格になされているからかさほど水位は高くないし、takaboo家にとっては初・万水川ということもあって、まずはここを下ろうってことに決定。(但し、言葉には出さないけど僕もtakabooさんもゴールした後、あわよくば高瀬川に移動して本日2度目のDRを...という良からぬ企みが...笑)

カヌーを水辺に下ろした後は、運動公園のロッカールームでウェットスーツに着替えを済ませ、Mamaたち&子供たちを運動公園脇の湧水群公園で遊ばせている間にパパたちはゴールの犀川&前川合流点へクルマの回送。
Mistralをデポした後スタートポイントに戻るDiscoの中で『ま、万水川が済んだら、さりげな〜く高瀬川へ移動しましょうね、うっひっひ。』という会話が交わされたのは、ナイショのお話(笑)


いよいよダウンリバーのスタート

ミエさんからアドバイスのあった犀川橋下流の大波の瀬のコース取りを現地で再度確認しながら運動公園に戻り10:10、ダウンリバースタート。手首の靭帯損傷がアントニオ猪木並みに回復したMaakun#aもソロを希望したので今日はカナディアンカヌー5艇+カヤック1艇、合計6艇の陣容。


カヌーの間を自在に動くMaakun#B

Old Town
Cascade/takaboo
Appalachian/Keiko&Shiori
Camper/Papa
Pathfinder/Mama& Azu
Hunter/Maakun#a

Dagger/Maakun#b

ま、小学生4人を含むふた家族が6艇ってのはちょっと変かもしれないけど(笑)、みんな良い意味で自分勝手で自由に動けないタンデムは死んでもヤダって人ばかりなんだからしょうがない。
中でも2001年以来久々にここ万水川でタンデムを組むMama&Azuは、どれほど自分たちが上達したのかを再確認できるのが楽しみ!なんて嬉しそう。

スタートする頃にはウェットなんか着てるのが辛いほどに気温が上昇し、無風晴天のまさに小春日和。ましてやパドリングジャケットなんて着てる状態ではないんだけども、せっかく買ったばかりのおnewジャケットを意地でも脱ぎたくない僕(笑)は暑さを我慢してスタート。
スタートしてしばらくは相変わらず“ただのバッチイ用水路”(失礼)の万水川。ただ、流れはランニングしてる程度の速さがあって快適!の一言。100mおきぐらいに現れる段差もカヤックのMaakun#bだけが水を顔に浴びる程度の易しいものなので、特に漕ぐことも姿勢を制御することも必要なく、横向きになったり後ろ向きになったり、まるでベルトコンベアに載ったような感覚でドンブラコドンブラコ...桃太郎の桃にでもなった気分である。


少し濁ってるけど快適な速い流れ

箱庭のような万水川をゆく

さっきも書いたけど、この川は水質が特に良いわけでも流れが痛快なわけでもないホントにただの用水路なんだけども、空の青さや凛とした高原の空気や旧き良きニッポンの田舎の雰囲気やら...“和み”のフェロモン(?)がムンムンな感じはちょっと他にない。縁側に干されたお布団にダイビングして顔をうずめた幸福感...それに近い気持ちになれる稀有な川だ。

スタートして3kmほどのベルトコンベアー区間を過ぎ、等々力橋をくぐって、今日もイーゼルをたててスケッチを楽しんでる人たちの脇から緩い右カーブを曲がると、万水川は“ただの用水路”から“ミニ釧路川”へと劇的に変貌する。


等々力橋からは自然護岸の“ミニ釧路川”区間に入る

偶然写ってしまった自画像(笑)

自然護岸から大きく張り出した広葉樹、川面には木々の影が映り枝葉の隙間から射す木漏れ日がキラキラ反射して、まさに“世界のクロサワ”(何でこの言い回しの時はカタカナになるんだろ?)が晩年の映画『夢』で描いた世界がそこにある。(*ちなみにここはホントに『夢』のロケ地です)
映画ではフィルターなのか特殊効果なのかイヤミなほどに極彩色の風景が描かれていたけど、カヌーに乗って水の流れ、つまりは自然のスピードと同化して川を進んでいると視界の中央は普通に見えるけど、辺縁部はホントに虹色に見えてくるものだ(僕の目が変なのか?)。
ほんの数百m、数分の感覚だけど、若き日にスペインでナニを吸いながら音楽を聴いた万華鏡の感覚に極めて近い気がするから不思議だ(ちなみに彼の地では合法ですので...苦笑)。

右手に大王わさび農場の水車が見えてきたところで、後続に右岸に近づくよう指示を出して、万水川支流・蓼川の合流点を探す。
右岸の細い堤防のような岸辺の切れ目にその合流点があって、わさび農場のカヌーポートに上陸するためには、蓼川を200mほど漕ぎ上がる必要があるのだ。いつもなら少しわかりづらいんだけども、今日は濁った万水川と湧水100%の澄んだ蓼川の水質の違いで一目瞭然。早めにV字ターンして美しい蓼川に入り、ビロードのように淡い緑色に輝く水草を愛でながら川を遡る。
流れはそれなりに速いんだけども、水が重いっていうのかな?ぐんぐんとは進まないけど下流に一気に流されることもない不思議な感覚。ゆったりとしたペースでひと漕ぎひと漕ぎを確実にすれば容易にその場に留まっていられるのは、この蓼川独特の“手触り”。


右手に水車小屋が見えて来た!

水温なのかなぁ、それとも水草?理由は判らないけど。


水車小屋前の蓼川を漕ぎ上がる

一番パワーのないMaakun#aにはちょっとキツかったかもしれないけど(本人は絶対にそれを認めないけど、かぶってるキャップが曲がってたもん...笑)、3年前にはかなり必死だったMama&Azuコンビは全然余裕(...というかAzuは川底に揺らめく美しい水草に目を奪われてほとんど漕いでない)。で、“ほとんど力込めてない”(by Mama)とのこと。カヌーポートに到着するなり『この2年間の進歩を実感したわ!ホントに』とMamaは自画自賛で満足げ(笑)。カヌーを立木にしっかり固定して上陸し、PFDを脱いだ僕らは早足でわさび農園に向う。


3年前は必死だったけど今回は余裕の笑み

上陸するなりわさびソフトを味わう

ここで観光客に変身するためにウェットスーツの上からサプレックスのトレッキングパンツを履いてきたんだけども、その甲斐なくどうも目立ちゃってる僕ら。よくよく観察してみると一番いけないのが、原色系のパドリングジャケット。よくもまぁ、赤青黄緑と取り揃えたもんだな、と感心するやら呆れるやら...。ま、こればっかりはしょうがないわけで、そんな信号機のようにカラフルな僕らは、まっ先に「わさびコロッケ」のスタンドへ。全員でわさびコロッケを食べた後は、わさびチュロス、わさびソフトクリーム、わさびソーセージと大王わさび農園のフルコースに舌鼓(笑)。


農園内にある神社の大わらじ

わさび田を渡る橋にて。ヤケにカラフルな僕ら(笑)

お腹を満たした後は、これまでの数回の訪問でここを隅々まで知り尽してると豪語するMaakun#aのガイドで広い園内をお散歩することに。麗らかな陽光を浴びての清々しいわさび田お散歩...何となくカヌーのダウンリバーの最中であることを忘れてしまいそうな観光客モードの僕らである。


まるで信号機のようです

わさび農園の観光を終えた頃、正午のサイレンが安曇野の平野に響き渡る。そろそろ年賀状の写真を撮らないといけないなぁって思ってた僕がtakaさんに“写真の撮りっこ”を提案。takaさんの快諾を得られたので、まずは僕が水車小屋下流でカメラを構えてtakaboo家が並んで水車小屋前を流れて来る姿を撮影する。


カヌーポート脇の木に登るお嬢さまたち

午後の部スタート(takaboo家)

う〜ん、いいねぇ〜いいよぉ〜!篠山キシンみたいなセリフを呟いて数枚撮影。カメラマンを交代して次に我が家。少しカメラを意識して等間隔に隊形を整えて水車小屋前まで来たところで非常事態発生!な、なんと合流点からファルトとダッキーのグループが漕ぎ上がってくるじゃあ〜りませんか!年賀状に全然関係ない人が多数写ってるのはちょっと具合が悪いので(笑)、いきなり水車小屋前でUターンして仕切り直し(涙)。

 


水車小屋と僕ら

 

漕ぎ上がってきたパドラーには何の罪もないんだけども、ファルトの女性はたぶんカヤックに初めて乗りましたってな感じでかなりジグザグに進むので、進路を阻まれたMaakun#aはかなりご立腹(笑)。カヌーポートの前で再度Uターンして、もう一度何事もなかったかのように隊列を整えて笑顔で写真に収まる僕ら...役者やのぉ〜(爆笑)
...ま、そんなわけで我が家とtakaboo家共通の知人友人の皆様、今年の年賀状は両家から同じよ〜な構図のが届くと思いますが、お許しのほどを(ちなみに両家ともOLYMPUS μ−30DIGITALと、カメラまで同じなのでね...笑)


相当に速い流れに乗って快適ダウンリバー

緑のトンネル抜けて〜ゆく〜♪

写真撮影のため蓼川合流点右岸で待機してくれてたtakaboo家と合流して、僕らはさらに万水川のダウンリバーを続ける。まだ正午過ぎだというのに木々の間から漏れる秋の陽射しはあくまでも優しく暖かい。
ここからは流れもさらに速まって美しい広葉樹林の中をゆく素晴らしい雰囲気。決して原生林ってわけではないんだけども、緩やかな蛇行を繰り返しながら流れる万水川には岸辺から枝が張り出し、倒木が川から突き出てたりしてまるで大自然の中を探検してるような錯覚に陥るのだ。


これぞ万水川!木漏れ日の中を漕ぐシアワセ

空を覆っていた両岸の古木が途切れ、川幅がやや狭まって小さな三角波が立ち始めると、突然僕らの正面の視界がパッと明るくなる。劇的な変化...ここが犀川との合流点である。
2001年にここを初めて下った時はMaakunがカヌーから川に飛び込んでP.F.D一丁で“河童の川流れ”を楽しんでるうちにMamaが先に合流点に入ってしまい、後で『どうしてこんな怖い場所でそばにいてくれないのよ!沈ポイントなのよ、チンポイント!アナタが先に行ってくれないからどのルートを進めばいいか判らなかったじゃない!』などとMamaにこっぴどく叱られた記憶があるんだけど、3年を経て経験を積んだMamaは、なんと先頭で合流点の複雑な流れに飛び込んでゆく。


犀川との合流ポイントが見えて来た!

合流直後の白波(0.5級)

しかも、大波はないものの引き続いて左岸から流れ込む穂高川、高瀬川の合流点の真ん中で、笑顔でポーズをキメて後から追いついた僕に写真を撮ってくれとせがむ余裕ぶり...ひとは変われば変わるもんだナ(笑)

犀川に入ると、これまでの万水川の箱庭的な感じとは365°(はガッツ石松...笑)、じゃなく180°正反対の広大な風景が広がる。川の流れも川幅いっぱいに滔々と流れる感じで、どこでもお好きなコースをご自由に!ってな感じ。視界の上半分は澄み切った秋の青空、下半分を燃えるような紅葉が美しい長峰山とホワイトグリーンの犀川がさらに半分づつ分け合っていて、その境目にアクセントとなる真っ赤なOld Townのカヌーが小さく揺れながら浮かんでいる光景はある意味“川の黄金比率”...絵画のように美しい。ただ絵画と違うのは、自らもその絵のような光景の構成要素であること。これこそが自然との一体感を他のどの遊びよりも感じることができるカヌーという遊びの醍醐味と言えるだろう。


広大な川幅の犀川をゆく。正面の長峰山系の紅葉が美しい

犀川橋をくぐると、ミエさんから『海の波のような瀬』との情報を戴いてた大波の瀬が近づいて来る。takaさんとクルマの回送時にスカウティングして打ち合わせで出した判断では、瀬に向かって流れるザラ瀬の手前で左岸寄りに進み、ザラ瀬の左岸寄り、あるいは左手の細い水路のようなエスケープルートを下る手筈になっている。

でも、この大波の瀬は、波は高いものの1つ目のリサーキュレーションを起こしてる波さえ超えれば、後はとても素直な感じだし、そ知らぬ顔で右岸寄りを進んで、あの大波に全員で飛び込んでウキャキャキャ!と叫ぶ(...あるいは撃沈してゴールまでそのまま流れる)のもイイかなぁ、なんていう誘惑に駆られたのも事実(だって、ゴール寸前だし、気温は高いし...しかもなんたって瀬の存在を知ってるのは僕とtakaさんだけなんだもん...笑)。ミエさんが予め送ってくれた写メールよりも今日の方が若干水量が多いのか、大波の下流50mにあるトラップされそうな隠れ岩と水面のクリアランスは充分そうだし、十中八九全員がキャッホー!できそうな予感。
少し、というかかなり迷いつつも、大波の瀬に至る本流が流れる右岸スレスレにある数多くの倒木が巻き起こす白波を見て、安全策を選択するところが僕のチキンパドラーたる所以(笑)。きっちりエスケープルートを選んで、安全に瀬を回避したのでありました。


ミエさんが送ってくれた携帯フォト

全員がエスケープルートに入ったのを確認して、先行するMaakun#aを追う。先日の台風で前回キャンプした龍門淵公園前の河原がごっそりと無くなっていることを知らないMaakun#aが間違ってゴール地点を通り過ぎかねないからだ。前回カシータを停めた辺りをカヌーに乗って進むのは何だか変な感じだけど、これが自然の威力なんだなぁって彼としみじみ語らいつつ、僕らは13:00ジャストにスラロームコースで有名な前川合流点にゴールする。


前川合流点にゴール

ゴールポイントの前は岸辺ギリギリを本流が流れていることもあって、かなりの流速。流れに乗って下って来たMama&Azu艇とKeiko&Shiori艇は勢い余って、そのまま木戸橋の2級の瀬にサヨナラ〜!ってなことになりそうだったけど、Maakun#aが腰まで川に入ってキャッチしてくれたおかげで事なきを得た(ホッ!)。
全員がゴールしたところで、僕とtakaさんはスタートポイントへDiscoを取りに戻り、その間に女性陣は道具を堤防へと荷揚げ。子供達は龍門淵公園の遊具は隅々まで知り尽してると豪語するMaakun#a(またかよ...笑)のガイドで公園へ。
30分ほどでゴールに戻り、カヌーをクルマに積込み、今日デビューのThe PUPお着替えテントで着替えを済ませた後は、河原で今後の予定を相談しながらランチタイム。

するとそこへひとりの男性が現れる。あっ、あんちゃんだ!随分前からメールのやりとりがある安曇野在住のあんちゃんが、ご家族と共にわざわざ会いに来てくれたのだ。前日の彼のBBSに安曇野に行くことは伝えてあったけど、何せ予定は未定の僕らのこと(笑)。確実なスケジュールを伝えてなかったにも関わらず、会えた!!嬉しい瞬間である。と、そこへおにぎりを食べ終えたMamaがズカズカと割り込んで来て、挨拶もそこそこに、あんちゃん&奥様に話し掛ける。
『あのぉ、ここ特産の美味しいお酒は何ですか?』
『???』(笑)
これには、あんちゃんご夫妻も失笑(涙)。でも、お二人はワインと日本酒の銘柄とどこで買えるかを丁寧に教えて下さったのだった。
(すみません、図々しいのがうちのヨメの取り柄でもあり欠点でもあるので...>あんちゃん&奥様)


今回がデビューのThe PUPテント(着替え用)

こんな感じで万水川ダウンリバーは無事終了。
自分勝手に今回の旅のツアーコンダクターになりきってるMamaの『じゃ、次は白鳥飛来地で白鳥観察よ!』という白鳥、じゃなく鶴の一声で、次なる目的地が決定。お父さんふたりの心の中にある高瀬川への淡い期待が木っ端微塵に弾け飛んだ瞬間だ(笑)。
あんちゃん夫妻と別れた僕らは犀川の少し上流にある白鳥飛来地に向けて龍門淵公園を後にする。時刻は15:00を少し回ったところ。ま、この時間からダウンリバーもう1本は無理があるんだけどね...嗚呼、高瀬川ぁ〜!

(おっと、白鳥飛来地に向う前にミエさん情報のお肉屋さんで馬刺を買いました。頑固親父風の大将のお店は馬刺だけじゃなく他にも美味しそうなお肉が目白押し。これからは必ず立ち寄ることを誓いますよ、ホント。)


3艇のカヌーを積込み完了

河原の石に座ってランチタイム

 


 

白鳥観察(白鳥飛来地)


いきなり白鳥さんが!!

明科駅前からR19を通って光橋西詰を左折、豊科ICのすぐそばの犀川河畔に白鳥飛来地はある。
とても細い地元民しか通らない道祖神がさりげなく立ってるような道を案内板に誘導されて700mほど進むと、犀川の堤防沿いに数多くのクルマが停まっている。あそこだな、きっと。僕らも堤防にクルマを停めて、増水で大きくえぐられた進入路を進み、内側の堤防を越えると...おおっ!すげぇ!いるいる!想像していたよりも遥かに多い白鳥と、河原の砂利と見紛う数のカモたちがうじゃうじゃと群れている。


白鳥とカモの群れにご機嫌な子供達

実は恥ずかしながら僕はこの歳になるまで動物園以外で白鳥ってものを見たことがなくて、感動ひとしお。「へぇ、白鳥ってこんな大きさなんだぁ」に始まって、「おっ見た目は鷺に似てるのに声質は鶴みたい」だとか「おおっあの灰色がかったのが幼鳥かな?ほんと“みにくいアヒルの子”みたい!」などとお目々キラキラな39歳のオッサン(笑)。
4〜5羽が輪になって羽を羽ばたかせる、まさに“白鳥の湖”の1シーンのような舞いや、かなりの流速に逆らって上流に向け泳ぐ足の動き(「白鳥のように優雅に...」ってのはウソ。水掻きを最高回転で動かしてる時は、顔がかなりマジで歯を食いしばってるように見えた。あ、白鳥に歯はないけどね)など、もう食い入るように観察する僕。
中でも一番可笑しかったのが河原の前にある波高50cmほどの瀬を下る白鳥たちの姿。

だって、どうみても赤ちゃんのオマルのラジコン(そんなのないって!)が流れて来るみたいなんだもん(笑)。よく観察してると彼らの瀬下りは波頭を潰して進むファイトォ〜イッパ〜ツ!なカナディアンカヌー風じゃなく、波頭を避けてジグザグに下るカヤック風...というかスキーのモーグル風。ちゃんとリーン入ってるし、カヤッカーは必見です(笑)。

白鳥から子供たちに目を移せば、こちらも僕以上にお目々キラキラ。

給餌予定時刻16:00になると、係員の方々がバケツ一杯の餌を持って白鳥たちの領域に入ってゆく。するとその後を追うように河原の鳥たちが一斉に立ち上がり同じ向きに歩き始める姿は壮観!
でもMaakun#aのように要領の悪い白鳥もいるようで鳥たちに一番人気のおばちゃんが上流の出遅れた鳥たちを呼んでいる。すると間もなくあたふたと数羽の白鳥が戻ってくる。
『あわわわわ...マンマ!マンマァ〜!』ってな表情が可笑しい(笑)。
白鳥を呼ぶために何か特別な合図があるのかな?近くにいる係員のオジサンに尋ねてみると『“こ〜い!こ〜い!”って言ってるだけさ。』
そ、そうなんスかぁ?


白鳥の瀬下り。初めて見ました(笑)

一応白鳥の真似をしてみる“まだアヒルの子”

おおっ!白鳥座と同じカタチだぁ!

充分に観察を楽しんだし、そろそろ帰ろうか?そう思ってると、いきなりオジサンが食パンを子供たちに手渡して、鳥たちのエリアに入れ!と合図。えっ、もしかして!?
そう、なんと直接給餌を体験できるのだ!それでなくても興奮状態の子供たちは、もう阿鼻叫喚(意味は逆だけど、この四文字熟語がぴったりな感じ...笑)でウヒャヒャヒャウキキキ...声にならない声を上げながら白鳥に突進。川に浮かんでいた白鳥たちも食パンを見るなりクワァクワァ!と自分が優雅な白鳥であることも忘れて子供たちに突進(笑)。水際で関が原の合戦のようにぶつかり合う両者...パクッ!痛てっ!指まで喰うなよ、バカ!こうなっちゃうと大人も子供もなくて、もう大興奮状態。まさに合戦の1シーンのようだ。


給餌も出来る

指を喰われたMaakun

オジサンにもらったパンも全てなくなり、白鳥の食欲も少し落ち着いたのを見て、僕らは飛来地を後にする。
野鳥にこうして給餌することに賛否両論あろうかと思うけど、今日ここで白鳥と触れ合った子供たちは、きっと白鳥に石を投げたりしないし、川にゴミを捨てたりしない。将来、TVや新聞で白鳥について何か悪いニュースが伝えられた時には、何らかの行動を取れるんだろうな、きっと。


くれっ!くれっ!

 

森林体験交流センター天平の森

白鳥飛来地を後にした僕らは、明科駅前の「あやめシティ」で夕食のお買い物を済ませて、長峰山山頂近くにある森林体験センター“天平の森”へと向う。駅の裏山の道を5kmほど走って天平の森に到着。ここは北アルプスが一望できる絶好のロケーションに400ミリの大望遠鏡を備えた天文台や、バンガロー、オートキャンプ場などを備えた町営の総合レクリエーション施設。すっかり暗くなっていて施設の全貌は解らないけど、とにかく安曇野の夜景が抜群にきれいだ。
チェックインを済ませ、takaboo家が予約してくれたユニバーサルデザイン棟なる真新しいキャビンに入り、すぐに夕食の準備に取り掛かる。
今日のメニューはお鍋。昼間あんちゃんにアドバイスしてもらったお酒を味わいながら、ほどなく出来上がったお鍋をみんなで突つく。昼間の暖かさとは打って変わって深々と冷え込む山上でいただくお鍋と地元名産のワイン、日本酒...無上のシアワセってのはこういうことを言うのです(笑)。

このままお鍋とお酒でヘロヘロウハウハといきたいところだけど、19:30からは天体観測会の予約を入れてるので、お酒はほどほどにして、急ぎ足で管理棟にある天体観測室へ。

口径400mm焦点距離2400mmの立派な反射望遠鏡が鎮座まします観測室。こういった施設では多くの人に手早く見せるためにスクリーンやモニター投影で済ませる場合が多いんだけども、ここはちゃんとひとりひとりが梯子に登って接眼レンズを覗き込む方式が素晴らしい。
見るからに“天体マニア”な係員のおじさんの説明はひとつひとつが懇切丁寧でとても分りやすく、僕らは暫し星空の魅力にハマッてしまうのだった。


とても立派な望遠鏡が天を突くようにそびえる

開けっ放しで外と同じだけ気温が下がったドームの中、僕ら以外のグループがあまりの寒さ(?)にひとり抜けふたり抜け、すぐに僕らだけになってしまう。


全てコンピュータ制御なのだ。

そうなるともう僕らの独壇場(笑)。
おじさんに矢継ぎ早に質問を浴びせ、おじさんも負けじと答え続ける(“マニア”というか“オタク”の常として自分の専門分野を尋ねられると聞かれてないことまで延々と話し続けてしまう心理ですな。僕もある種、そのお仲間なので気持ち解るもん。...笑)。
このまま質問し続けたら、朝まででも平気でレクチャーが続きそうな感じだったけど、さすがに寒さが限界に達して来たので一時間半ほどで終えて(予定は40分)いただいてキャビンに戻る僕らだ。

キャビンに戻ってからは宴会の続き。ホカホカのお鍋に雑炊、そして戦略上、お腹がいっぱいになった頃に出そうと決めてた馬刺(笑)...楽しい夜はいつまでも続くのであった。

 

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